2006年9月12日 (火)

ライブドアから承継された質問

まず、ライブドアで受けた質問を答えておきますね。

(質問コーナー)
Q1
特例有限会社を株式会社にしようと考えております。この定款変更と同時に株式分割を考えていますが、公告が必要なので事前に(有限会社のときに)株主総会で株式会社に移行することを条件として株式分割決議をし、それまでに基準日公告をすませることによって、株式会社移行決議日に株式分割は可能でしょうか?もしくは条件付としなくても、有限会社のままで株式分割及びそれに伴う発行可能株式総数の変更は可能なのでしょうか?事前に株式分割決議が可能な場合、取締役一人で株式分割決議をすることは可能でしょうか?
Posted by 飯島 at 2006年09月10日 23:44
A1
特例有限会社は、株式分割・発行可能株式総数の変更をすることができます(中小会社・有限会社の新・会社法145ページ)。
株式分割は、株主総会の普通決議ですので、取締役一人ではできません。

Q2
取締役に対するストックオプションの発行決議につきお尋ねいたします。
職務の報酬として取締役会決議とするにせよ、「念のため」総会で有利発行決議をとるにせよ、実際の割当者の氏名とそれぞれの割当数は取締役会で決議することになると思います。この場合、割当てられる取締役は特別利害関係人となるのでしょうか。
そうだとするとたとえば取締役10名の会社で10名全員に新株予約権を割当てる場合、取締役会の議案は10本に分けて、「取締役Aに新株予約権を付与する件」では「Aは本議案に関し特別の利害関係を有するので議決に参加しなかった」とし、以下これを10人分繰返すのでしょうか。あるいは、議案は1本で、10人分の割り当てを行い、「なお取締役AからJは、それぞれ自己に対する新株予約権の割当に関し特別の利害関係を有するため、自己に対する割当の部分については議決に加わらなかった」とまとめてしまってよいものでしょうか。
Posted by CCC at 2006年09月11日 10:30
A2
割り当てられる取締役は、特別利害関係人になると思います。
ですから、10本に決議を分けることになるでしょう。
議案が1本という構成は、難しい感じがします。

Q3
発行可能株式総数と発行可能種類株式総数との関係についての質問に回答いただいた者です。
千問の道標Q78では、「発行可能株式総数と同数発行されているA種類株式のすべてを取得してB種類株式を発行することも可能である」旨記述がありますが、この場合、取得したA種類株式と新たに発行するB種類株式を合わせるとどうしても総授権枠を超えることになるかと思います。
この記述は、取得したA種類株を消却することを前提とした記述という理解でよいでしょうか。
Posted by yasuko at 2006年09月11日 12:37
A3
発行可能株式総数と同数が既に発行されている場合には、取得と同時に消却して、B種類株式を発行することになるでしょう。

Q4
設立時代表取締役の選定方法(千問の道標Q58)についてくどいのですが少し質問させて下さい。
非取締役会設置会社では定款に規定することで様々な選定方法を採ることが可能ですが、取締役会設置会社では47条1項により設立時取締役による互選以外の選定方法は認められないのではないですか?
また、取締役会設置会社で設立時取締役による互選がされない場合はそもそもありえないのではないですか?
だとすれば、40頁図表1-4の2、3行目も非取締役会設置会社と取締役会設置会社とを区分し、書かれている内容は全て非取締役会設置会社に限るべきではないでしょうか?
Posted by chigmog at 2006年09月11日 15:11
A4
まず、取締役会設置会社において、定款の定めにより、代表取締役を選定することができるかという点については、295条2項で可能だと考えます。
とすると、定款の定めにより、設立時代表取締役を選定することも可能であると考えるべきです。
したがって、図表は、正しいです。
もっとも、取締役会設置会社は、47条1項があるので、各自代表のままでは、設立の登記ができませんから、事実上、取締役会設置会社の各自代表はありません。

Q5
 立案担当者による 新・会社法の解説(相澤参事官編著)のP123に株式会社の親会社社員(31条3項:親会社の株主とします)の会計帳簿閲覧・謄写権の解説があります。「株式会社の親会社社員は433条1項の株主に相当する者として同項の請求をすることになるので、3%要件は親会社社員と親会社の関係として同様に課されることになる」との記述があります。433条3項には、「「株式会社の親会社社員」は、第1項各号に掲げる請求をすることができる」とあるのみです。「1項の株主に相当する者として」とは書かれておらず、親会社の株を1株持つ株主にも請求権があるのではありませんか?この条文からは「433条1項の株主に相当する者として」とは読めないように思いますが・・・
A5
 読めるか、読めないかは、気合の入り方の問題です(笑)。
 私どもは、読めると考えていますが、分かりにくいということから、改正予定には入っています。

Q6
会社法施行規則67条の終わりの方にある「(当該議案を決議する場合に限る)」はどういう趣旨で限定されているのですか?子会社に20%の株式を保有される完全親会社を想定してこの条文の後半を読んでみましたが、この括弧書きの意味がよくわかりません。
Posted by SHU at 2006年09月11日 15:22
A6
ある株主総会において、他の株主が、A議案については議決権を行使できるが、B議案については議決権を行使することができない場合に、B議案については、相互保有株主が議決権を行使することができるという意味だと思います。完全親会社の場合には、いつでも行使できます。

Q7
関係ないのですがロー制度について一言だけ言わせて下さい。三振者に対し学費の何割かを返還させるような立法は難しいでしょうか。受験生が強烈なリスクをとる一方で、高い学費をとり、教育能力が疑問視されるロー側が全くリスクを負わないのは不公平です。こうすれば、返還額増加の恐怖によりロー側も真剣になり、募集定員削減、教員の質の向上を図り、乱立による混乱をソフトランディングさせられると思います。
Posted by ABC at 2006年09月11日 22:05
A7
憲法に違反しない限り、立法は可能です。

Q8
整備法61条5項の過料対象者に清算人が含まれていることから、会社法施行前に解散していた株式会社(資本金5億以上の大会社)についても、同法3項1号の登記が要求されると考えますが、いかがでしょうか?
また、(前記質問の回答が『要求される』として)
監査役会設置会社であれば、清算人会を設置する必要があると思いますが、千問Q371によると、『設置が強制されるものであっても定款の定めが必要』とのこと。となると、当該会社は、臨時株主総会を開き、定款変更決議をしなければならないのでしょうか?
Posted by ほにょ at 2006年09月04日 13:42
A8
清算大会社については、旧法の規定に基づく清算人会及び監査役会と、会社法上の清算人会及び監査役会は、清算人の最低員数が異なるなど規律に違いがあるので、整備法においては、清算人会についての定款のみなし規定が設けられておらず、整備法52条も旧清算株式会社については適用されないと解されます。
 したがって、監査役会設置会社であることを前提とするその旨の登記及び社外監査役である旨の登記をする必要もありません。

Q9
「株主が出資した金については原則として取り戻せない(剰余金でしか払い戻さない→461Ⅱ資本維持の原則)」
とはどういうことか教えて頂けないでしょうか。
Posted by 初心者 at 2006年09月12日 11:55
A9
すでに記事に書いたところなので、バックナンバーを見てください。
また、教科書に書かれているので、そちらも参照してください。

Q10
法人格否認の法理で、「株主の行為の効果を会社に帰属させる」とは具体的にはどのような状況で問題となるのか教えて頂けないでしょうか。
Posted by 初心者 at 2006年09月12日 12:00
A10
株主が商品を購入する売買契約を締結した場合に、会社に代金の支払いを請求することができるということです。

Q11
I.現物出資 例えば不動産、特許権による出資。
 ←過大評価の危険があり(他の株主や債権者に損)、検査役の調査が必要。
   法人成りのための現物出資は多いはずだがあまり使われない—調査、税金が必要
   ⇒実際は出資せずに貸し付けという形をとる(その土地が値上がり→会社に売ったのと同じ扱いに)。
「土地が値上がり→売ったのと同じ扱いに」というのは
どういうことなのかご説明願えないでしょうか。
Posted by 初心者 at 2006年09月12日 12:26
A11
 意味がわかりません。

Q12
1000問のQ892について確認したいのですが、664頁最終行に記載ある「株主総会の日の20日前」は、「効力発生日の20日前」の間違いではないでしょうか。株式買取請求の通知は如何なる場合も効力発生日を基準として20日前に行えばよいと理解しておりますが、間違っていたらご指摘ください。
Posted by ぱらりーがーる at 2006年09月12日 13:12
A12
Q892は、株主総会の決議の日の翌日を効力発生日とするために、どうしたらよいかという文脈で書かれていますので、おっしゃるように、正確にいうと「効力発生日=株主総会の日の翌日の20日前」というのが正しいと思います。

Q13
相続人に対する株式売渡請求について質問させてください。
発行済1000株の相続人に対する株式売渡請求の定款規定のある会社において、800株を有する株主Aに相続が発生し、B、Cが相続し、分割協議により各々400株を相続した場合で、会社がB、Cに売渡請求をする場合
①株主総会の議案としてはB、Cに対する請求として1つの議案で決議できますか?Bに対する請求、Cに対する請求と2つの議案に分けるべきですか?
②もし、2つの議案に分けるべきとした場合、Bに対する議案についてはCが、Cに対する議案についてはBが議決権を行使することができますか?
③1つの議案で決議できるとする場合、(あるいは、遺産未分割の場合には1つの議案で決議することとなると思いますが)可決されるべきところ、2つの議案に分けることになると、Bの議案でCが、Cの議案でBがそれぞれ反対すると否決されることになると思うのですが・・・
Posted by みなみ at 2006年09月12日 15:05
A13
①1つの議案でもできると思います。
②2つの議案にわければ、Bは、Cについて、CはBについての議決権を行使することができます。
②遺産未分割の場合には、株式は、B・Cの共有になりますから、権利行使者を定めますが、その権利行使者も、議決権を行使できません。説例の場合、200株分については、別の株主が議決権をもつので、その株主が決めることになります。
 分割後、2つの議案に分けることになったら、おっしゃるように、B・Cは、互いに相手の議案について拒否権があるような状態になります。

Q14
千問の道標Q678について、細かいことですが質問させていただきます。
回答の3(1)③で、その末尾に会社法461条1項1号が掲げられていますが、同条はこの文章の根拠にはならないと思われますがいかがでしょうか。(代わりに掲げるとしたら、会社法446条1号でしょうか。)
Posted by DE at 2006年09月12日 19:00
A14
461条2項1号の誤植ですね。

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