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2009年3月21日 (土)

会社訴訟・非訟と個別株主通知

 DVD「会社法と実務」全10巻は、おかげさまで、沢山のお申し込みをいただいております。大変ありがとうございます。
http://www.lotus21.co.jp/works/streaming/kaisha115/kaisha115_DVD.html

 更新の度にコマーシャルをするのは申し訳ないのですが、実は、もう一つコマーシャルさせていただきます。

 この度、民事局時代に株券の電子化の担当者だった私と仁科さんで、商事法務から

 「株券電子化ガイドブック 実務編」

という本を出しました。

http://www.amazon.co.jp/%E6%A0%AA%E5%88%B8%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%8C%96%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-%E5%AE%9F%E5%8B%99%E7%B7%A8-%E4%BB%81%E7%A7%91-%E7%A7%80%E9%9A%86/dp/4785716347

 この本は、上場株式の株主、質権者、株式事務に携わる担当者、株主名簿管理人、証券会社の法務担当者等、上場株式に関係する方にとって役に立つQ&Aや資料等を集めたものです。

 内容は、盛りだくさんですが、一般の株主さんをはじめ、株式質をとっている金融機関、弁護士、上場企業の総務法務担当者等あらゆる人に役に立つのは
  上場株式の株主・株式質権者のためのQ&A
というパートだと思います。
 
 たとえば、
  株式、新株予約権、転換社債、ETF, REIT等が株券電子化によってどうなったのか。
  失念株主や略式質権者が電子化後に自分の権利を守るためにどうしたらよいか。
  株主が配当を受けたり、少数株主権等を行使する場合の手続きはどうするか。
  株式を市場外で売買したり、担保に入れたりする場合の注意点は何か。
  振替株式に対して強制執行するときにどうしたらよいか
等上場株式その他の有価証券について、よくある質問に、できるだけ分かりやすく回答しています。

 回答の中には、この本にしか載っていないこともありますし、どの説明も、実務的な回答をしていますので、きっと役に立つと思います。

 それから、
 有価証券担保提供証書(担保差入書)
 売買契約書
 定款変更議案
 株式取扱規則
 ストックオプション引受契約
 持株会規約
等のひな型を、ポイント解説付で掲載しています。

 特に、有価証券担保提供証書は、金融機関や事業会社が株式担保を取るときのスタンダードになっているものですから、株式担保に関わっている方は、ぜひ逐条解説を読んでいただければ、と思います。

 また、情報提供請求権や総株主通知請求権における「正当な事由」について、株式取扱規則に規定していない上場会社も多数あるようですが、株式取扱規則のひな型と解説をみて、導入を検討した方がよいでしょう。

 さらに、主として弁護士向けに、
  振替株式の差押命令申立書、仮差押命令申立書
のひな型も掲載しています。これも、たぶん、この本にしか掲載されていません。

 このように、ひな型とポイントの解説だけでも価値のある本であると自負しております。

 そして、この本で、一番ページ数を割いているのは
     読み替え、折り込み版の振替法
です。
 振替法は、政令省令委任が多い上、株式等の規定を準用して読み替え表を置いている規定も多いため、弁護士でも、その内容を読み取るのに苦労します。
 そこで、読み替え規定が置かれているものは読み替えた上、政令省令の条文を法律の該当部分に織り込んで、読みやすくしました。
 振替法の条文を調べなければならない人にとっては、天国のような条文集です。

 さらに、
   振替法によって変更される会社法の規定
を抜粋して掲載しています。
 どのように会社法のルールが変容しているのか、コメントをつけていますので、上場会社について会社法の適用が問題になるような場合には、ガイドブックを参照していただき、振替法の特例が置かれていないかどうか、チェックしてください。

 この他、証券保管振替機構の業務規程のように、上場株式に関わる人にとって重要だけど六法に掲載されていないものや、情報提供請求権のガイドライン等、株券電子化に関わる資料がてんこ盛りです。

 弁護士だけではなく、上場株式の法務に携わる人にとって必携の本だと思いますので、よろしくお願いします。

 さて、「株券電子化ガイドブック」刊行記念として、
      株券電子化時代の会社訴訟・非訟の手続
についてお話ししたいと思います。

 会社法は
  代表訴訟や株主総会決議取消しの訴えのような特殊な訴訟手続
  株式買取請求における株式価格決定の申立てや株主総会検査役の選任申立てのような非訟手続
を用意し、株主に提訴権・申立権を認めています。

 このような提訴や申立ては、一定の要件を満たした株主だからこそ認められるものですから、
  原告・申立人が株主であることは、訴訟要件
であり、株主でなければ、訴えや申立ては却下されます。

 そこで、従来から、提訴や申立てにおいて、原告・申立人は、自ら「株主であること」を疎明しなければならないこととなっており、株主としては、株主名簿の謄本を示したり、株券を保有していることを示したりしていました。

 株券電子化後も、原告や申立人が自らが株主であることを疎明しなければならないのは、同じなのですが、振替法では
  株主が単独株主権・少数株主権を行使する場合には、個別株主通知をしなければならない
というルールがあるので、
  株主が、個別株主通知をし、会社に到達後2週間(改正後は4週間)以内に提訴・申立てをしなければ、当該提訴・申立ては、不適法
となります。

 つまり、振替法は、少数株主権等を会社に対して行使する場合においては、
   株主名簿ではなく、
   個別株主通知を会社に対する対抗要件にする
こととしているのです。

 したがって、裁判所が株主から提訴・申立てを受けた場合には、株式が上場株式であるときは
   株主に「個別株主通知をしたこと」を疎明させる
のが適切です。

 ところが、今のところ、裁判所は、このあたりの取扱いが確立していないせいか、従来のように株主名簿の謄本等をもとにした疎明が行われているようです。

 会社が被告となったり、申立ての相手方として審尋が行われれば、会社が
   原告・申立人が個別株主通知をしていないこと
を主張・立証することで、判決や決定がなされることを防止することができますが
      株主総会検査役の選任申立て
のように、会社が審尋を受けることがないまま手続きが進行すると
  申立人が個別株主通知をしていないにもかかわらず、選任の決定が行われる
ことになりかねません。

 裁判官も万能ではないので
   個別株主通知という制度を知らない
人がいるのは仕方がないことですが、その確認を怠ったまま、決定を出せば
   会社が即時抗告をすれば、取り消されてしまう
ことになり、裁判所や申立人にとって、手間、時間、コストの無駄が生じます。

 したがって、裁判所においては、上場会社の株主であることの疎明として
   個別株主通知の受付票
を確認する実務を確立させてもらいたいと思います。

 受付票は、振替法が義務づけている制度ではありませんが、株主が口座管理機関に個別株主通知の請求をしたときには、必ず交付される実務になっていますので、
  個別株主通知をしたこと
    請求日
    株式数
等を確認するには最適です。

 個別株主通知が会社に到達した日は、受付票からは読み取れないため、「到達後」2週間(改正後は4週間)以内の提訴・申立てかどうかは、分からない場合もあるものの、とりあえず通知の日付を基準に判断し、期限ぎりぎりの場合には、申立人に「会社への到達日がいつか」を疎明するよう指揮すれば十分だと思います。

なお、株主であることの確認において、注意を要するのは
  株式買取請求権における価格決定の申立て
のときです。

 たとえば、合併に伴う株式買取請求権の場合
   存続会社の株主からの買取の効力は、会社が株主に代金を支払った時
に生ずるのに対し、
   消滅会社の株主からの買取の効力は、合併の効力発生日
に生じます。

 そのため、価格決定の申立てを行う時点において
   存続会社の株主は、まだ株式を保有しており、個別株主通知をすることができますが
   消滅会社の株主は、すでに株式を失っており、振替口座上の記録も抹消されていますから、個別株主通知をすることはできません。

 したがって、消滅会社の株主が、価格決定の申立をする場合には

   合併の効力発生日の直前において、消滅会社の株主で「あった」こと
      (株式買取請求権の行使のときの個別株主通知の受付票)
を疎明すれば足り、
   価格決定の申立時の個別株主通知は不要
と解すべきです。

 理論的に言えば、会社法上、価格決定の申立権は
      存続会社では、「株主」に認められる権利であるのに対し
  消滅会社では、効力発生日の直前に「株式買取請求権を行使した株主であった者」に認められる権利
であるため、後者については、振替法の個別株主通知に関する規定が適用されないということになります。

 「株券電子化ガイドブック」には、こうした細かな問題点を含めて、実務の知恵が詰まっていますので、参考にしていただければ幸いです。
 
 商事法務の京美人編集者のボーナスが、この「株券電子化ガイドブック」の売れ行きにかかっているという噂もあるので、本日は、普段よりも五割増しのコマーシャルをさせていただきました。

(質問コーナー)
Q1
お忙しく働いておられる先生がスタッフとして一緒に仕事したい!と思われる人はどのような素質を備えた人でしょうか?
投稿: ruru | 2009年3月 6日 (金) 08時52分
A1
 スタッフは、それぞれの役割があり、必要とされる素質も役割ごとに違います。
 ただ、共通するのは、
  正直であること
  責任感があること
  時間を守ること
の3点です。

Q2
今回のA2でご紹介のあった下記の記事に目を通してみたのですが、そのなかに、、
「弁護士の年俸として、「年収500万円だと弥生時代から働らかなければならない」というほど稼ぐのは無理だと思いますが、アテネオリンピックくらいの収入がないと、先行きが不安になってくるでしょう。」
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_7d09.html
とありますが、
1、「弥生時代から働く」とは、具体的にどのくらい働くことを意味するのですか?
また、なぜその働きぐあいを「弥生時代から働く」と表現するのですか?
2、「アテネオリンピックくらいの収入」とは、具体的に年収にして何円のことを意味するのですか?
また、なぜその金額を「アテネオリンピックくらいの収入」と表現するのですか?
投稿: 平石眞男 | 2009年3月 6日 (金) 12時32分
A2
1 年表を見てください。表現はしゃれです。
2 あなたの思う金額です。表現はしゃれです。

Q3
弁護士という仕事(刑事弁護)について、「なぜ犯罪者の味方をするのですか?」と聞かれたら、葉玉先生はどのようにお答えになりますか?
また、仮にその質問をした人が小学生くらいであるとしたら、回答をどのような表現でお伝えになりますか。
投稿: あべ | 2009年3月 7日 (土) 02時02分
A3
 犯罪者も人間だからです。
 人間は、良いところも、悪いところも含めて一人の人間です。
 あなたも、お父さん、お母さんから叱られるような悪いことをしたことはあるでしょう。
 でも、一度悪いことをしたからといって、あなたは、救いようのない悪人というわけではないですよね。
 弁護士が犯罪者の味方をするのは、裁判官に、犯罪者の悪いところだけではなく、良いところも見てもらって、その人の「本当の姿」を分かってもらうためです。

Q4
小沢氏の秘書逮捕について、東京地検特捜部は、どうもその先の汚職逮捕を見据えて逮捕したようで、小沢氏はご自身の息のかかった幹部クラス検事がいることから、不起訴にさせる圧力の意味を込めて強気の記者会見をしたようですね。
A4
収賄罪は、あっせん収賄以外は、行為者に職務権限がないと成立しません。
小沢氏は、野党党首であり、国会議員に過ぎません。
プロであれば、汚職の成立は可能性が薄いことが、捜査の開始時から分かっていると思います。
 また、特捜部が、被疑者を逮捕して、起訴しないことは、普通ありません。逮捕の時から、起訴は決まっているといっても過言ではなく、不起訴にさせる圧力をかけても何の意味もありません。

Q5
実は、私、現行司法試験を7年ほど前に挫折したのですが、
葉玉先生のレジュメを使っていた(何回もまわした)憲法は
ずっと択一、論文ともに良い結果が出ておりました。
7年のブランク明けでも憲法は何もしないでもバッチリなほどです。
(私が大学入学するのと入れ替わりに葉玉先生は東京へ行かれた
 と伺っておりました。そのゼミからかなり合格者が出ておりました。)
一度はあきらめた司法試験ですが、退職して一念発起。
ロースクールの教授の中には、
新司法試験は旧司と違う、等と力説される方もいます。
ですが、入学して1年。私は勉強の基本スタイルは
旧司のときと何ら変わっておらず、
INPUT教材としてであれば、かつての葉玉先生の
レジュメがいちばんいいなと改めて痛感しております。
葉玉先生のレジュメは今もあるのでしょうか?
早稲田のロー生ゼミではあの形式のレジュメは
復活していたのでしょうか?
投稿: 葉玉ゼミ生の後輩 | 2009年3月 7日 (土) 14時52分
A5
 一問一答と、過去問の解答例ですね。
 昔のパソコンのハードディスクの中を探せば、どこかにあると思いますが、最近は使っていません。

  Q6
清算人の解任について質問です。
清算結了登記まで済んでいる会社の代表清算人(清算人は当該1名のみ)を解任して、新たに別の者を代表清算人に選任するには、どのような手続きが必要でしょうか。
会社法では株主総会の決議によって解任・選任できると規定されていますが、清算結了してしまっているので株主がおらず総会決議ができないと理解しています。
例えば、親会社のサラリーマンが子会社の代表清算人を引き受けて処理したが、その後退職するにあたり10年間の重要書類保管義務を後任に引き継ぎたい、といったケースです。
投稿: ジャッキー | 2009年3月 7日 (土) 15時54分
A6
 508条2項は使えませんでしょうか。

Q7
今回の地検は、あまりに政治的影響が強すぎる捜査ではないかと思うのですけれど、もと検事である先生はどうお感じですか。
国策捜査などというつもりはさすがにありませんが(笑)、
政治的な影響を司法が与えてしまうということについて、
無頓着すぎるような気がいたしますが、実際のところ考えないのでしょうか。
投稿: 教え子その1 | 2009年3月 7日 (土) 19時14分
A7
 今回の事件の着手時期は、適切です。
 証拠関係を考えれば、西松の事件をやっている最中なので、参考人聴取がやりやすいというメリットがあります。
 しかも、これから選挙が近づけば近づくほど、逮捕しにくくなりますし、小沢氏が総理大臣になった直後にその秘書を逮捕するのは、今よりももっと社会的影響が大きいでしょう。
 犯罪がそこにあり、逮捕しなければならないというシチュエーションに置かれたとしたら、どこで逮捕するのが適当か、考えてみてください。
 今がベストです。

Q8
今日は,株式市場の低迷についてお尋ね致します。
先生は日本株の低迷は今後何年間くらい続くとお考えでしょうか?
私は現在数銘柄を保有しておりますがどれも膨大な含み損で憂鬱な日々です。
「あと1-2年で底打つ」と根拠の無い希望を持っていますが,著明な経済学者の中にはあと10年間景気悪化は続くという方もいます。
法的問題ではないので根拠は不要です。
投稿: だいざぶろう | 2009年3月 8日 (日) 08時46分
A8
低迷というのは、相対的なものです。
日経平均7000円で株を始めた人は、短期間で10%以上利ざやが取れています。
バブル期に購入した株式は、いまだに含み損です。
株価の値上がり益を目指すならば、保有銘柄が値上がりすることを期待するよりも、損切りして、値上がりする銘柄に乗り換える方が得策です。
そうでなければ、配当のよい銘柄を長期保有した方が、普通預金よりも有利です。

Q9
先生の著書「新・会社法100問」の第3版について、近日中に出版される予定はございますでしょうか。

以前のブログ(2008年3月 9日 (日))では、現在発売されている第2版について、当分改訂のご予定はないとのことでしたが、ちょうど1年が経過していたので、ご質問させていただきました。
投稿: 法科大学院生 | 2009年3月 9日 (月) 23時50分
A9
改訂予定はありません。
省令改正があるので、改訂したいところですが、暇がありません。

Q10
ある要件の該当性(たとえば刑罰法規の明確性の有無)が問題となる際、判例や学説では、一般人を基準として判断すべきであるとしつつ、担当裁判官ないし学者の個人的見解をもって、(あたかもそれが一般人の見解であると断定するかのように)結論を導く、ということがよく見受けられます。その見解につき一般人多数からアンケートをとって検証したわけでもないのに、どうしてこのような判断が正当化されるのか不思議に思っていますが、裁判官や学者は、自らを一般人の代表であるかのように振る舞うことが許されるということでしょうか?
投稿: 一般人の一人 | 2009年3月10日 (火) 03時04分
A10
一般人として振る舞っているわけではありません。
裁判においては、裁判官が、法律を解釈・適用する権限を持っているので、法律要件として、一般人基準が要請されるのならば、裁判官が、自ら信ずるところに従い、一般人基準が何かを考え、事実に当てはめているだけなのです。もし、その裁判官の考え方が間違っていれば、上訴すればよく、裁判という制度の中で裁判官が下す判断の信頼性を確保しているのです。

Q11
先生は,「基本書の読み込みをしてもよいが,3時間で読めるものが良い」と,おっしゃっていると思います。
これは,「3時間で読めるものを選択すべき」なのか,「3時間で読めるように1冊を何度も読んで,最終的にそうなるようにする」なのか,それとも違う考えなのか,どうなのでしょうか?
一番膨大な量を読まなくてはならない民法に限っていいますと,試験に必要な知識が整理された予備校の択一本でも約700頁くらいあります。となると,これが最低限抑えておきたい知識の量だと思います。そうすると,なかなか3時間で読むことは難しいと思います。しかも,論文用も併記するとさらに困難が伴うのではないかと。
体的に,何をどのように「3時間で読む」かについて,教えていただければと存じます。
よろしくお願いいたします。
投稿: こんにちは | 2009年3月11日 (水) 13時52分
A11
もちろん最初から3時間で読めるはずはありません。
テキストを何度も読む中で、「読まなくてよい部分」「ここだけ読めばよいという部分」に印をつけていき、3時間で読めるようなテキストを自分で作るのです。

Q12
実務において英語はどういったところで役に立つのでしょうか。渉外事務所でしか役に立たないのでしょうか、教えていただけると幸いです。
投稿: | 2009年3月11日 (水) 17時54分
A12
私は、日本人を相手にする仕事がほとんどですが、今の日本企業は多かれ少なかれ、外国企業と取引をしていますし、検事だって、英語の証拠物が押収されることもありますから、時々、英語を使います。

Q13
弁護士の就職難が叫ばれるなかですが、なんとか就職口がみつかりそうです。
地方都市の小規模事務所です。いわゆる「マチベン」です。
私は脱サラして実家のある地方ローに入り、昨年の試験に合格しました。
もともとは渉外事務所で「最先端」の仕事に就くことに憧れがありました。
大手への就職が難しいと思ったとき、苦労しても都会の大きなローに行くべきだったかとも思いました。
しかし、ローで過ごした3年間の喜怒哀楽を思えば後悔はしていませんし、現実的にそれ以外の選択肢もありませんでした。
今年三十路を迎えるのに就職先が確保できるだけでも万歳と思っています。
そこで、地方の事務所で「最前線」の弁護士としてキャリアスタートする決意をしました。
どんな仕事でも誇りをもってやっていくつもりです。そして、最前線でキャリアを積みながら、いつか渉外事務所で勤務できるようになりたいとも思っています。弁護士の就職難は当分続くでしょうから、仮に渉外事務所への再就職の可能性があったとしても、即戦力を求められるでしょうし、その壁は中小企業に就職した新卒が国際優良企業に総合職として転職するより難しいことは想像できます。
 そこで、先生やお知り合いの事務所をみて、そのようなキャリア形成の方はいらっしゃるのでしょうか(おそらく過去にはいたでしょうが、5年、10年後にはどうでしょうか)。また、弁護士大増員を前提に、新人弁護士として、渉外事務所に再就職するために、どのような仕事や知識を身につけていくのがよいのでしょうか(はじめは仕事は選べないでしょうが、心持やあえて専門形成など)。
 それとも、いっそのこと「最前線の鬼小隊長」のような弁護士を目指すべきでしょうか。
投稿: 小隊長 | 2009年3月11日 (水) 20時45分
A13
 法律の世界には、事実と法律があるだけで、最前線というものはないように思います。
 どんなケースでも、そのケースに特異の部分があり、最適の解決法があります。あえていえば、目の前の事実に最適解を見つけることができれば、それが「最前線」でしょう。
 地方の法律事務所に勤めた後、お金を貯めて自費で留学したり、役所の任期付任用のキャリアを経て、大事務所に入っている人は、結構いると思います。
 夢があるのならば、それに向かって努力すれば、どうにでもなります。

Q14
2006年07月17日の会社法における基本的制度というテーマについて質問させてください。

『4 株主 vs 株式会社
  → 株主権(配当請求権・議決権・残余財産分配請求権・単独株主権・少数株主権)
  → 株式譲渡自由の原則
  → 反対株主の株式買取請求権』
とありました。ここに株主平等原則を加えるのは間違っていますでしょうか?
株主平等の原則は
『1 株主 vs 株主
  → 株主平等の原則』
とでておりました。
投稿: 短答が近くて忙しい50歳 | 2009年3月14日 (土) 12時01分
A14
 間違いではないでしょう。

Q15
今年の東大入試(前期)ですが、久留米大附設からの合格者は38人でした。
ちなみに、先生は中学から附設なのでしょうか?
また、東大を目指したのはいつ頃でしょうか?(小学生、中学生、高校生)
投稿: ルージュの伝書鳩 | 2009年3月14日 (土) 12時57分
A15
私は、中学から附設です。
附設は、中学入試の偏差値はそれほど高くないのですが、大学合格実績は、東京の有名私立高校よりも良いので、結構、お得な学校です。
東大を目指し始めたたのは、高2の3学期くらいだったかなあ。
法律家になることは全然考えておらず、「東大文Ⅰなら潰しがきくだろう。」と思って、決めましたね。

Q16
757条、762条、2条29号30号から、合名会社・合資会社は分割会社になれないと読み取れます。
その趣旨ですが、私が持っている教科書には「分割会社の債権者に不利益をもたらすから」と書いてあります(江頭)。これは無限責任に期待していた債権者が、無限責任社員にかかっていけなくなる可能性があるから、ということなのだと思います。
しかし、それは合併において持分会社が消滅会社になってしまう場合も同じことだと思います。しかし会社法は合名会社と合資会社が消滅会社になることを否定していません。
消滅会社になるのはOKで分割会社になるのはダメな理由は何なのでしょう。
投稿: yasuchan | 2009年3月14日 (土) 13時22分
A16
組織変更ができるのですから、合併ができるとしても問題ないからです。
会社分割は、分割会社の法人格を残したまま、債務だけを分割することもできるので、悪用されるリスクがあるから、制限しているのでしょう。

Q17
持分会社の種類変更につきまして質問させていただきます。
種類変更の際、債権者保護手続は不要でありますが、どのような趣旨で不要と解せばいいでしょうか?
合名が合同に種類変更しても従前の無限責任を負う社員として変更後も居続けるからといったことでしょか?
投稿: 匿名希望 | 2009年3月16日 (月) 14時27分
A17
そうです。

Q18
現在、毎日論文の勉強をしています。
具体的に申しますと、
1.パソコンで答案を作成する

2.予備校やローの勉強をする

3.2と同様の範囲の答案を復習する

4.2で参考になることがあった場合には、
それを具体的な答案の内容として反映させる
という形で勉強をしています。
 
こうして答案を日々更新しているのですが、
たとえ自分で納得のいく答案が出来ても、
独善的になっていないかどうか、それが気がかりです。
(もちろん誰かに見てもらうのが一番ですが、
すべての答案を添削してもらうことは不可能ですし・・・)
 
論文の勉強において、独善的な答案にならないために、
気をつけるべき点があれば、教えていただけないでしょうか?
大変恐縮なのですが・・・どうかお願いします。
投稿: モッフン | 2009年3月16日 (月) 20時08分
A18
声を出して読んでみることです。独善的な答案は、自分で読んでみても不自然さを感じます。
なお、「答案は絶対に手で書く」こと。パソコンは駄目です。書き始めたら、後戻りできないという手書きで答案を書くことに大きな意味があります。

Q19
記者会見についての法的判断と、政治的判断は、違うんですかね。
正直、最初の記者会見で、小沢さんがいわば平身低頭していたとしても、どれほどプラスだったか、疑問です。つまり、強面というイメージが、ある種の売りであったのに、捜査機関が出てくると腰砕けになる、というマイナスのイメージが出来てしまい、穏便にすませた会見が賢明だ、穏当だという評価を受けることは、なかったのではないかと思います。それに、今回の事件は無理筋のようにも思え、今後は、世論を見極めながら落としどころを探るという、後出し的な解決に落ち着くような気もします。印象論で申し訳ありませんが。法的な発想、過去の特定の経験に基づいたコツなるものの、限界を感じますが、いかがでしょうか。
投稿: 失礼しますが、 | 2009年3月16日 (月) 22時44分
A19
今回の事件は、全く無理筋ではありません。
事実の把握と処分の予測が正確であれば、起訴ないし有罪になったとき、小沢氏が不利な立場に置かれるのは、最初から見えています。
この確実な予測を前提に、最初の報道対応をすることが重要なのです。

実際、前回の記事を書いた後、小沢氏と民主党の支持が急降下し、小沢氏の態度はやや変容していますが、最初に検察批判を展開したため、小沢氏としては、対応が難しくなっています。

もし「政治資金規正法違反ではない」ということを前提に代表の座に居座り続ければ、選挙で政権交代を訴えても、有権者は、しらけてしまうのではないでしょうか。
他方、小沢氏が、世論の動きを見ながら、態度を変えてしませば、麻生総理と同じように、小沢氏も、「言うことがコロコロ変わる」と批判されるのではないでしょうか。

今後の展開としては、起訴時の記者会見が重要でしょう。
ここで小沢氏が徹底抗戦の構えを見せれば、民主党も、それに追随せざるをえず、選挙戦では窮地に立たされるでしょうし、小沢氏が、しぶしぶ「愚痴」「言い訳」がにじみ出るような謝罪会見をすれば、それも批判されるでしょう。

もし謝罪するのならば、「潔い」印象を与えてほしいところです。

ただ、私の勘では、仮に謝るとしても、プライドを捨てきれない会見になるような気がします。
最初に記者会見で言ったことを自己否定することは、人間にとって難しいことで、どうしても引きずられます。だからこそ、最初の記者会見で、先を見通すことが大事なのです。

マスコミ対応は、政策論ですので、どのような対応がベストなのかは、事後的に評価するしかないのですが、落ち着いた頃に、私の考えた対応が適切だったか、「失礼しますが」さんが考えた対応が適切だったかを、検討するのも面白そうですね。

Q20
合資会社が株式会社に組織変更する場合の登記手続きで要求される資本金の額の計上に関する書面について質問させてください。
 この書面の記載内容につき、「資本金○〇円は会社法第615条、会社計算規則第57条第1号の規定に従って計上されたことに相違ありません。」としている書籍と「資本金○〇円は会社法第615条、会社計算規則第57条第1号及び第53条第1項の規定に従って計上されたことに相違ありません。」としている書籍とに分かれています。
 合資会社が株式会社に組織変更する場合は、あくまで会社がその同一性を維持しながらその組織を変更する手続きであり、資本金の構成はそのまま維持されます。(会社法千問Q880)
 そこで、会社計算規則第57条第1号を資本金の額の計上に関する書面の記載内容とすることについては理解できます。
 しかし、会社計算規則第53条第1項の規定に従って計上されたことまで要求しているとすれば、それは組織変更時の資本金の計上だけではなく、合資会社が設立されてから組織変更するまでの資本金の計上まで証明しなければならないこととなりますよね?

このような理解を前提として、
1 登記の添付書面として登記が通るものかどうかということは抜きにして、理論的に、会社計算規則第53条第1項を資本金の額の計上に関する書面の記載内容とすることを先生はどう考えられますか?合資会社では、資本金が登記事項ではないので組織変更前の資本金の計上についても会社計算規則第53条第1項を記載内容とすることで証明しなければいけないのでしょうか?

2 仮に、会社計算規則第53条第1項を記載内容とするとして、

  ①社員が履行した出資の価格(②を除く)        金○〇円
  ②社員が履行した出資のうち帳簿価格を付すべき場合の帳簿価格の合計額
                                   金○〇円
  ③資本金の額又は資本剰余金の額から減ずるべき額と定めた額
                                   金○〇円
  ④資本金等限度額(①+②-③)             金●●円
  ⑤資本金の額                         金●●円

上記のとおり、資本金●●円は会社法第615条、会社計算規則第57条第1号及び第53条第1項の規定に従って計上されたことに相違ありません。

と記載することになりますが、最後三つの●●部分は同じ金額が入るという理解で良いでしょうか?

計算規則について、理解が不十分なため質問が膨大になってしまいましたが、
どうかご教授していただけませんか?よろしくお願いいたします。

投稿: | 2009年3月16日 (月) 23時33分
A20
合資会社も出資時に資本金を計上しますが、登記されないので、その計上の正確性について法務局は何の証明も受けていません。
 そこで、法務局に組織変更の登記をするときに、組織変更時の資本金の計上(=組織変更前の資本金)だけではなく、組織変更前の資本金がきちんと計上されたことを証明をさせるのは、理論的にはおかしくないと思います。

Q21
剰余金の分配に関してご教示お願いします。
中間期に利益が見込めない(中間期に赤字となる見込みの)場合に中間配当を行おうとする場合、その前の定時株主総会で任意積立金を取り崩して「中間配当積立金」などに計上して対応していたと思いますが、この考え方は会社法の下でも変わってないと考えてよいのでしょうか。(貸借対照表上、「別途積立金」は十分に計上されている前提です。)
投稿: 悩ましい | 2009年3月18日 (水) 19時31分
A21
変わっていません。

Q22
会社法31条で定款の備置き及び閲覧等とありますが、会社成立後は、本店及び支店にて、株主及び債権者と裁判所の許可を得た親会社社員が会社の営業時間内に会社の定めた手数料をもって閲覧可能となっていますよね。
では株主になろうとして、または自社の従業員がどんな定款なんだろうと調査の目的で定款(特に相対的記載事項など)を見る場合の方法はあるのでしょうか?
特に非公開会社で株主兼オーナーの場合になると、役員や幹部クラスすら定款を見せてもらえないような場合もあるとききます。
誰でも取得可能な登記事項証明書には必要最低限の事項しか確認できないようなので不思議に思っています。
投稿: ぴんぽん | 2009年3月18日 (水) 20時46分
A22
株主・債権者以外の者が定款を見る権利はありません。

Q23
ブログをいつも有効に活用させていただいております。先般取り上げておられました個別株主通知と総会検査役について質問させてください。実は総会検査役選任事件に仕事上よく関わるのですが、株主(原告)資格の確認(=継続保有)を裁判所が発行会社に対して照会しているケースを殆ど(≒全く)聞いたことがありません。電子化以前は、申立人が疎明していることなのかなあ、と思っておりましたが、電子化後は決定的に個別株主通知(現在は抹消減少証明も)での確認が必要ですよね。裁判所が原告資格を確認しているのでしょうか? 発行会社が株主提案(特に共同提案など)を受ける場合はかなり神経を尖らして資格審査をしていますが、一方似たような検査役選任申立では、会社法874で不服申し立てすらできないのに、裁判所の審査面でどうも疑問があるのですが・・・。
投稿: T/A | 2009年3月18日 (水) 23時51分
A23

Q24
現在会計士試験を目指しているものでして、度々、貴サイトを閲覧させて頂いております。
リンクの方はフリーでしょうか?
投稿: 作山 | 2009年3月19日 (木) 02時31分
A24
フリーです。

Q25
 葉玉先生、こんにちは。
 ロー未修(4月から)2年目の者です。
 今回のコメントにある「こんにちは」さんの質問ともかぶりますが、民法の「直前に見回す資料」として、「判例六法」を使うか「択一六法」を使うかで迷っています。
 ①両者のメリット・デメリット
 ②「判例六法」はどんな人向けで、「択一六法」はどんな人向けか
 ③どの時期から「買い替え」を控えるべきか(2011年に試験があるとして、現在出版されている択一六法or判例六法で臨んでもいいのか、それとも、2010年に出版される最新のものを買うべきか)
 ④それらをどのように使うか(間違った箇所にマークする、過去問に出た箇所をチェックする等)
 ⑤その他、思い浮かぶこと
を教えてください。
投稿: 春から未修2年目 | 2009年3月19日 (木) 09時22分
A25
 好きなものを使ったらいいでしょう。
 ただし、六法は、常に最新の六法を使うべきです。
 

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コメント

本文でのご回答ありがとうございました。やはり、個別株主通知なしの場合は会社には即時抗告の余地があるのですね。継続保有の面で満たしていなければ、これもおそらく同じことかと存じます。
今は3月期末に向けた再編準備と総会準備のベストタイミング!!買取請求については、電子化以前の保振制度の未完成部分が如何に解決されるか、現場では注視されております。各常任代理人方も「おそるおそる」個別株主通知を始めておられるようです。そういう意味で、いよいよ電子化後の懸案の実務が走り出しますが、「株券電子化ガイドブック 実務編」を社内でも勧めておきます。

投稿: T/A | 2009年3月22日 (日) 00時27分

いつも楽しく拝見させていただいております。法科大学院未修1年の者です。
この春休みに百選をざっとさらって(いつでも見直して暗記できるように)ノートに数行で規範とあてはめをまとめているのですが、質問です。
(1)このようなことをやって意味がありますでしょうか(私は新試験の択一対策にとくに意味があると思っています)。
(2)百選の解説欄は事案や判旨が分からないときのみ読んでいるのですが(時間の関係でほとんど読んでいません。解説よりもむしろ多くは基本書を読むようにしています)、この方針について何かご指摘があればお願いします。

お忙しい中恐縮ですがご意見をお聞かせ願えれば嬉しく存じます。

投稿: 公爵 | 2009年3月22日 (日) 20時38分

こんんちは
今進路のことで悩んでます。
今日WBCの日本チームを見てて
「好きな事を仕事にする」っていいなあって思いました。

自分も「やりたいこと、したいこと」を仕事にしたいなとおもっています。
じゃあ自分の好きな事て何?と問いかけてもなかなか仕事につながるものがないおうな気がします。

自分の好きな事はスポーツ、特に海のスポーツをすることが好きですが、それが仕事になるともおもえません。
今は大学で法律を少しかじっていたので、自分で勉強して弁護士を目指そうとしてます。
でも、それは「好きな事」ではないような気がします。
実際よくわかりません。
「好きな事」を仕事にするってどういうことなんでしょうか?

投稿: 悩める子羊 | 2009年3月23日 (月) 14時41分

こんにちは。

葉玉先生が早稲田のロー生にゼミを開いて大変よい成果をあげられたエントリーを拝見させていただきました。
そこでは、各自答案を書き、それを各自読んで、適当に採点して、議論は手短に、
という方針で行われていたとのことでした。
この各自で採点する際には、添削のようにコメントを入れたりしたのでしょうか。
これをやると時間が相当かかるのですが、
しかし、かといってやらないとどこが悪いのかよくわからないともいえます。
ゼミを行うについて、是非参考にさせていただきたいので、
ゼミでやった内容を具体的教えていただけると幸いです。

投稿: だる | 2009年3月23日 (月) 18時20分

葉玉先生質問をさせてください
4月に既習に入学予定の者です。

(人によるとかいうのでなく、一般論として)新試験の合格者は旧試験の合格者より使えないという話を聞いたりしますが、葉玉先生はこの見解をどう思いますでしょうか。

わたしはローの理念(多様な科目を勉強できる)がいいと思うので様々な科目(複数の選択科目など)を履修しようと思っていますが、就職の際にはそのような点よりもやはり新司の順位などが重視されるのでしょうか。
試験科目重視で授業をとるべきか、さまざまな科目をとるべきか友人との間でも議論になっています。

あと、TMIは知財に特化してるという話や、実際はそんなことなくオールラウンドだという話など様々な話を聞くのですが、実際はどうなのでしょうか。

TMIを目指すならこれを特にがんばれ!みたいなことがあるなら教えてください。(経歴などでなく、努力でなんとかなるものです)

質問を羅列してしまったのですが、もしよかったら回答お願いします。

投稿: ななし | 2009年3月24日 (火) 05時34分

検察の説明責任についてはどうお考えでしょうか。
同じ元検察でも不要という方と必要という方いらっしゃいます。
「法令遵守が日本を滅ぼす」を書いた郷原さんは、
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090323/189737/?P=1
にて、民主主義という観点からその必要性を説いています。
私も法の運用如何でどうとでもなりそうな穴だらけの法律とも考えられるゆえ、
同感なのですが、葉玉さんはどのように考えますか?

「悪法もまた法なり」で、どんだけ悪用されようが公務員である以上、法には
従っていれば問題ないのでしょうか。
自身が検察をしているときに、そのような事態に遭遇したことはなかったですか?
遭遇した場合、思考停止させない限り、自身を正当化できないように思うのですが、どう思われますか?
蛇足ですが、私は特定の政党に思い入れはないです。

衆愚政と「遵法精神」の生み出した「あってはならないもの」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090319/189540/?P=1

投稿: | 2009年3月24日 (火) 15時21分

 私も前の方同様、検察の説明責任について、葉玉先生のご意見をお聞きしたいです。(…でも、葉玉先生の言う通り、適切な捜査が必要な時に捜査をしただけ、という説明しか得られないと思うけど)
 あともう一つお聞きしたいのが、捜査の可視化についてです。
 やはり、全面的に開示すべきでしょうか?弁護士の先生は「被疑者の人権が」とか、検察の先生は「被疑者との信頼関係が」とか言いますけど、ビミョーな問題ですよね。葉玉先生はどうお考えでしょうか?
  私自身は、検察の説明責任含め、素人的立場からして、検察の実体みたいなものがイマイチ掴めません。(HEROとかそれでも僕はやっていないとか見たけど、やっぱわかんない。)捜査の密行性っていうけど、逮捕された後、どんな捜査が行われているのか全くわかりません。このような心境からいうと、やっぱり大なり小なり捜査の可視化は必要だ、と思うのですが、どうでしょうか?

投稿: しがない | 2009年3月24日 (火) 21時15分

葉玉先生

小職、以前一度「取締役の欠格自由―破産」で質問をさせて
いただき、明確な回答を頂きましたありがとうございました。

今回も、実務上の問題で、小会社の監査役であるため、相談するものが
いないため、よろしくお願いいたします。

事案:
株主に対しての貸付です。
取締役会での承認をとり、金利や担保を取ることで問題は無いことは
確認をいたしました。
担保として、弊社の株式(譲渡承認が必要)をとることも問題は無いと
いうことです。

ただ、株主が期限に返済できず、他に財産がないとなった場合、弊社
株式が担保としてあるわけで、それを実行したときです。

自社株式の取得となるわけですが、金庫株にするとき、その手続きを
どうするかです。
取締役会の承認や臨時株主総会での承認やその他手続きが必要に
なるのでしょうか。

それとも、担保権実行として会社の金庫株とすることで名義を自動的に
書き換えることで問題は無いのでしょうか。

お忙しい中、ご指導いただければ幸いです。
                                      以上

投稿: ご苦労さん | 2009年3月25日 (水) 09時24分

いつも楽しく拝見させていただいております。

弁護士の就職についてご質問があります。

現在、金融危機等の影響で、一般的な就職活動は大変厳しいものとなっています。

企業法務を専門とする大手ローファームは、ここ2・3年は大量採用による拡大傾向にありましたが、最近の景気後退により、弁護士の新規採用枠の減少や拡大路線の変更などの傾向の変化はあるのでしょうか。

弁護士はその職務の性質上、世間がダウンサイドにあるときにも逆に業務量が多くなるなどの特殊な事情がありますし、また各々のローファームの長期的な経営方針もそれぞれ異なるとは思いますが、現場の先生方の感覚としては全体の流れとしてどのようにお感じなのでしょうか。

漠然とした質問で申し訳ありません。お答えできる範囲で構いませんので、よろしくお願いします。


投稿: 一般学生 | 2009年3月25日 (水) 15時26分

他学部から法科大学院に進学し、今年卒業しました。

本試験が迫ってきて、今何をすべきなのか、よく分かりません。

とりあえず、毎日、早朝から一日中短答の問題集ばかりやってます。

アドバイスをください。どうしても合格したいのです。

よろしくおねがいもうしあげます。

投稿: コヘレト | 2009年3月25日 (水) 21時50分

企業が開示する「取締役選任に関するお知らせ」の中で、候補者について「当社との間には特別の利害関係はありません」という注意書が必ずといって良いほどありますが、これは法律上の規定に基づき、記載しなければならない事項なのでしょうか?また「特別の利害関係」は候補者としての欠格事由に該当するのでしょうか?

投稿: ポニョ | 2009年3月26日 (木) 11時06分

>A2
1 年表を見てください。表現はしゃれです。
2 あなたの思う金額です。表現はしゃれです。

せっかく面白い表現を言ったのならそこを突っ込まれたらさらに面白い返し方をしないと…。

投稿: 順太郎 | 2009年3月26日 (木) 12時03分

葉玉先生こんにちは。
不祥事発覚の対応についてですが、
上智大学のローは長沼先生の問題について完全に隠れるという対策でいきましたね。
これが企業ならば正解だと思いますが、法科大学院としては法曹として廉潔性に欠けるところかと思います。
本人から最低限の釈明なり謝罪なりはするべきだと私は考えるのですが葉玉先生はどう考えられますか?

投稿: ロー生 | 2009年3月26日 (木) 12時13分

事業報告への記載について教えてください。
最近、いろいろな会社で不祥事が発覚しており、該当する会社にとっては、事業報告に、会社法施行規則124条4号ニなどの記載をどうしようか悩むところだと思います。
同号ニでは、社外役員の選任議案のように「過去5年間」という文言がなく、「当該事業年度中に法令又は定款に違反する事実・・・が行われた事実があるとき」は、その予防のために行なった行為等の概要を記載しなければならないとされています。
しかし、事案によっては、法令又は定款に違反する事実が 「当該事業年度より前(数年前の場合もある)」 に行なわれ、これに対する行政処分などが 「当該事業年度」 になされる場合があります。
この場合、条文をそのまま捉えると、会社法施行規則124条4号ニの記載対象ではないと思えます。
もちろん、同120条1項9号などとして不祥事があった事実を記載することは必要だと思いますし、124条4号ニとして記載しない場合には「妥当性」の問題はあると思いますが 「適法性」からは問題ないような気がしますが、いかがでしょうか。
やはり、法令の趣旨は、この場合でも124条4号ニの記載を要求していると解するのでしょうか。たとえば、独占禁止法違反などは、調査が入ってもそれだけでは法令違反行為があったとは言えず、数年後に、「違反行為があった」 として排除命令などの行政処分が出ることがありますので、上記のようなことがおこると思いますが。

投稿: Oh NO! | 2009年3月26日 (木) 14時21分

投資法人法142で、最低純資産減少無効に会社法の減資無効が準用されています。
が、減資無効の登記の規定である商業登記規則70が投資法人登記規則で準用されていません。
もれています。
投資法人法142条6項の政令が制定されていないようです。これもれています。

商業登記規則67条3項(法人登記規則で相互会社に準用する場合を含む)の意味について
取締役会決議不存在・無効・取消という意味であれば、訴訟は可能ですが嘱託規定がありませんので削る。
種類株主総会決議をも必要な場合という意味であれば、種類総代会がありませんので法人登記規則で準用すべきではない。
判決による解任は、訴訟の規定がありませんから削る。
仮に義務付けの訴訟が可能でも、嘱託規定がありません。

金融商品取引法150は、行政庁の解任ですかね
見出しからするとそうですが、規定からすると解任命令にしか取れないのですが・・
軌道法27は、直接解任ですけど

新設分割無効・新設合併無効になった場合、無効を原因として土地建物の移転登記をすると思いますか

投稿: みうら | 2009年3月26日 (木) 17時34分

こんばんわ。
とても勉強になり面白いのでいつも楽しく拝見させて頂いております。
唐突で恐縮ですが、会社法の勉強中に疑義が生じた為、質問をさせて下さい。

役員の任期についてです。
会社法332条4項3号には『発行する全部の株式の内容として』譲渡制限の定めを廃止した場合に取締役は任期満了退任するとあります。他の役員(監査役・会計参与)も同様ですよね。
つまり、非公開会社が公開会社になった場合には役員が任期満了退任する。

では、ある会社(取締役3名・監査役1名・会計参与1名・役会設置会社)が普通株式とA種類株式(剰余金の配当につき普通株式より配当が多い株式)を発行していて現在は全部の株式につき譲渡制限の定めがある。この時に、臨時株主総会において定款変更決議がなされ『当会社の普通株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を要する』と言うように、A種類株式についてのみ譲渡制限の定めが外された場合、この会社は非公開から公開になります。そこで、役員の任期は満了するのでしょうか?

会社法332条4項3号を素直に読み取ると『全部の株式の内容として』との文言があるため、これは種類株式を発行していない単一株式発行会社の事を指しているのだと読み取れ、種類株式発行会社には適用が無いと解釈できる。
一方で、実質的には非公開から公開会社になっているのだから、役員を選び直す必要が生じ任期満了退任させるべきでは…。とも考えられ悩んでいます。
種類株式発行会社の場合には退任させるべきなのでしょうか?させないべきなのでしょうか?
長々と申し訳ありません。
宜しくお願いします。

投稿: るい | 2009年3月30日 (月) 01時33分

葉玉先生、こんにちは。先生は、ハーグ間接保有証券の準拠法に関わる条約に関わる作業にも従事されていたかと記憶しておりますので、以下のようなケースで振替株式を担保にとった際についてご意見をお聞かせいただければと思います。

現在の証券振替制度では、外国の金融機関が外国間接参加者として、日本国外でも口座管理機関になることができるのはご承知の通りです。それで、この外国間接参加者(例:ロンドンにある銀行等)が、振替株式を日本国内にいる担保権設定者から担保をとることになり、証券振替制度に基づいて、日本国外にある参加者の口座(帳簿)にその旨記載することになりました。この場合に、この担保権設定者(債務者)の債権者に対して、対抗要件の具備が日本法以外になってしまうリスクはあると考えるべきか、それとも、あくまで振替法の中の話で、日本法で問題ないと考えるべきでしょか?特に、この担保権設定者に日本国外の債権者がいる場合にどうでしょうか?  

とても「株券電子化ガイドブック 実務編」には出てきそうにないマニアックな話なので、お考えをお聞かせください。

投稿: ロンドン一番 | 2009年3月30日 (月) 04時58分

A1
http://www.youtube.com/watch?v=v9bxmyQBaIA
常に正直に誠実に頑張りたいと思います!
ご回答いただきましてありがとうございました。

投稿: ruru | 2009年3月30日 (月) 08時58分

司法試験の勉強をしているものです。

勉強しながら、法律家は紛争解決を仕事にするものだと思っています。
自分はほとんど日常では争いごとやケンカをしたことありませんから、紛争の中に自らはいっていって仕事をできるのかな・・と思ってしまい不安になることがあります。もし、紛争解決できればとてもやりがいが感じられる仕事だと思っていますけど

そうはいっても資格をとってから考えるのもよいでしょうか?

投稿: 受験生 | 2009年3月31日 (火) 12時23分

先生、初めまして。いつも楽しく拝見させていただいています。

今回のテーマである個別株主通知について、「受付票」には、当該申請人の株式数は記載されておらず、「保有するすべての株式」という表現になっていました。

そうすると、例えは検査役選任申立ての場合、総株主の議決権の100分の1(会社法306条)の要件の裁判所への疎明としては足りないと思われるのですがいかがでしょうか?

会社へ個別株主通知がされた後に、「通知済みの書面」が申請人の手元にくるようですが、そこには正確な株式数が記載されていることから、「受付票」と「通知済みの書面」の両方が疎明資料として必要になると思われるのです。

投稿: しま | 2009年4月14日 (火) 20時07分

監査役の監査というのはどこまで許されるのでしょうか?

監査役は取締役の職務執行等に広範な監査権限が及び、また社内や子会社の調査権等があることは十分承知していますが、友人の会社の監査役は、各部署の社員に個別に頻繁な業務報告をさせ結果的に業務の進行に障害を与えたり、取締役会でも過度な法律論?を振りかざして、議事録も一字一句チェックして数年後に誰が見ても判断できる様にと書き方まで指示しているそうです。
また、子会社にアドバイス料まで要求したとか。。
一つ一つを聞くと、(アドバイス料は別ですが)別に悪いことではなく、逆にありがたいアドバイスのような気がしますが、ここに書けないことも含めると、その監査役は行き過ぎているような気がしています。
監査役の権限は協力なので、今は堪え忍んでいるようですが、その社長は法的にはどうすべきだと思われますか?

投稿: ネットくん | 2009年10月 1日 (木) 12時12分

個別株主通知は対抗要件に過ぎないですよね?
裁判所に対して株主であることを疎明すればよいケースで、本当に会社に対して対抗要件が必要なんでしょうか?

検査役選任等も、裁判所に対して株主であることを疎明すれば良く、会社に対して直接何か作為義務を発生させるわけでは無いので会社に対する対抗要件は必要が無いようにも思いますけれど・・・

逆に、代表訴訟の場合の監査役に対する提訴請求には個別株主通知が絶対に必要です。しかし、その個別株主通知は提訴請求時においては必要ですが、裁判所に訴え出る時には必要なんでしょうか?

会社が、株主であることを確認できないとして申し出を拒否できるようなケース以外には個別株主通知は特段意味を持たないものである気がしますが・・・

個別株主通知は会社に対する対抗要件ではあるけれど、別の方法で株主であることを裁判所に疎明できれば良いのではないかと思いますけれどね。

投稿: ho-a | 2010年1月22日 (金) 14時03分

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投稿: NanetteReed30 | 2012年7月 4日 (水) 16時22分

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