捜査と弁護
長男の中学受験が終わりました。
長男の表情を見ていると、この数ヶ月間つらく、苦しいこともあったと思います。
ただ、自分の一番行きたかった中学に合格したことで、今は憑き物が落ちたように穏やかな表情が戻ってきました。
私も、ここ数ヶ月、何かと心にひっかかっていた中学受験のことから解放されて、のびのびと仕事に集中できる環境が整いました。
ところで、ザ・ローヤーズという雑誌の最新号の表紙に、私が偉そうに載っております。
http://www.fujisan.co.jp/Product/1281681227/b/233116/
突如、インタビューの申込みがあって、何を聞かれるかよく分からないまま、インタビューを受けたのですが、会社法のことより、検事時代の経験やコンプライアンス系の話が多くなりました。そして、つけられたタイトルが
「特捜検事の経験から言える「社長のひとことで会社は変われる」」。
私は、特捜部の在籍期間は、あまり長くないので、「特捜検事」と言われると、気恥ずかしいのですが、特捜部に在籍していないときも、沢山の特捜事件の捜査に携わってきましたし、自分自身でそれなりの数の独自捜査をこなしてきましたから、そうした経験から感じたことを率直に話しました。
検事は、警察等から送致された事件を処理する場合と、独自捜査(自分自身がつかんだ情報から事実を解明して事件を立件すること)の場合がありますが、私は、どちらかと言えば、独自捜査が好きでした。
独自捜査では、どういう犯罪が誰に成立するかということもハッキリしない状態で、秘密裏に事実を明確にしていき、被疑者が捜査が行われているということに気付く前に、事件の本筋が動かないように固めておくことが重要です。
捜索差押をやるタイミングや逮捕状をとるタイミングを図りながら、
動かない事実と
動く事実と
判明していない事実
を徐々に確定していき、
動く事実を固定し
判明していない事実を減らしていく
ことによって、事件の本筋が固まります。
刑事弁護や刑事訴訟法の本などでは、捜査官が「事件の絵を描く」ことについて、予断に基づく捜査として非難されることがありますが、証拠は最初から捜査官の目の前に並べられているものではありませんから、限られた証拠をもとに
このような事実があったのではないかと推論し、
その推論が正しければ、必ず残っているはずの証拠を探していく
というのが捜査の王道です。
たとえば、私が1年生検事のときに、覚せい剤の自己使用で逮捕されたXが、「別の男Yと一緒に、同じ注射器を使って回し打ちしていた。その時、Yは3回左腕に注射した」と供述したので、Yを逮捕しましたが、残念ながら、使用日から日数が経っていたため、Yの尿からは覚せい剤が検出されませんでした。
私は、Xの供述の信用性を立証するために、Yの左腕に注射痕が残っていないか目視してみたのですが、Yは、覚せい剤の前科を多数持っている常習者であり、古い注射痕だらけで、Xと一緒に注射したときの痕があるのかどうか、分かりませんでした。
「Yが3回左腕に注射した」という事実は、この時点では、まだ目撃証拠しかない「動く事実」です。覚せい剤使用者のXの供述だけでは、裁判所は信用してくれませんから、その事実は、このままでは、「存在しない」と判断される可能性が大です。
かといって、「新しい注射痕が3個ある」という立証の仕方など、どの本を見ても、検事仲間に聞いても、分かりませんでした。
しかし、この「動く事実」は、間違いなく、存在する事実であると確信していたので、医師等と相談したところ、
オキシフルを塗れば、まだ皮膚が固まっていない注射痕からは、泡が出る
というアドバイスを受けました。
そこで、Yの同意を得て、Yの左腕にオキシフルを塗ってみたところ、3個の泡が確認できたのです。
これにより、「動く事実」が「動かない事実」になりました。
また、私は、Xから、Yが覚せい剤を打つまでの行動について、細かく聞き出しているとき
Yは、コップの裏に覚せい剤を乗せて水を入れ、注射器でかき回していた
という供述を得たので、
コップをすべて押収して、その裏を顕微鏡で確認させたところ、1個のコップから針のようなものでかき回した痕跡
が検出されました。
そのほかにも、
もしYがこのとき覚せい剤を使用していたとすれば、どういう行動を取ったのだろうか
ということをできるだけ具体的に想像し、Xから情報を聞き出し、具体的事実を証明する方法を考えることを繰りかえしていくうちに
「動く事実」が動かなくなり
判明していない事実が減っていき
やがて事件の本筋が固まったのです。
これは、ひとつの例ですが、こうした捜査を何度も経験すると
証拠が少ない時点で、事件の大筋が見えてきて
その大筋をより具体的に事実にしていくために必要な証拠の採集方法も見えてくる
ようになります。
私は、今は、弁護士として、刑事事件の弁護や証券取引等監視委員会・公正取引委員会の調査に対する弁護などもやりますが、弁護の本質も、独自捜査のときも同じです。
おおざっぱにいえば、弁護の方法には
捜査機関の捜査結果を否定する弁護
と
捜査機関よりも先に真実にたどり着き、真実をもって対抗する弁護
の2種類があると思います。
私は、検事・弁護士の双方の経験から、前者の弁護方法は、あまり効果的ではないと感じます。
それは、捜査機関の捜査の方法や事実の見方について、その非を主張するだけでは、捜査機関の手の内で暴れているだけで、捜査機関側も、そうした主張に対する防御策を用意しているからです。
私は、真実をもって対抗する弁護が、有効で正義に叶う弁護方法であると信じています。
よく「捜査機関は、国家権力による強大な捜査権を持っているのに対し、弁護士は、捜査権がない」ということを言いますが、私は
権力があるかどうかなんて、真実の解明においては大した意味はない
真実を解明しようとする者の洞察力と想像力と実行力が真実を解明する
と思います。
弁護士は、クライアントという最も真実を知る者から率直な供述を得ることができるのですから、その点において、捜査機関よりも数段有利な立場にあります。
捜査機関が捜査しているのだから、当然、クライアントには、犯罪等を行った疑われる証拠があるはずです。
弁護人として大事なことは、そうした証拠から目をそらさず、
不利な事実のうち、何が「動く事実」で「動かない事実」か
動かない不利な事実を、有利な事実に転換するには、どういう事実が必要か
を考え付くし、
犯罪等を行っていないという事実を「動かない事実」にすること
です。
私は、犯罪事実について「検察官が立証責任を負っている」などということを考えながらやる弁護は、負け戦であると思います。
弁護士であろうと、検事であろうと、
より具体的な真実に近づいたものが勝つ
のです。
ところで、2月3日に村上ファンドの控訴審判決で
「重要事実にあたるかどうかは、企業の計画や対外交渉などの状況を総合的に検討し、個別具体的に判断すべきであり、投資家の判断に影響を及ぼす程度の相応の実現可能性が必要である」
との判断をしました。
この控訴審判決は、一審判決が「実現可能性があれば足り、可能性の高低は問題とならない」と判断していたことからすれば、弁護側にとって有利な解釈です。
しかも、故意の内容として「実現可能性の認識」が必要になるわけですから
被疑者がどの程度の実現可能性を認識していれば、故意が認められるか
という検察側にとっては、やっかいな法律問題を抱え込むことになります。
しかし、私は、実際には、インサイダー取引の捜査や弁護の実務において、「投資家の判断に影響を及ぼす程度の相応の実現可能性」という抽象的な要件の有無で結論が分かれるようなことはないと思います。
実際、控訴審判決は、有罪判決にした上で、「違法性の認識が薄い」ということを情状として斟酌したにすぎません。
インサイダー取引の事件では
「重要事実の認識」
が最大の争点になりますから、弁護において最も重要なのは、被疑者が
どんな具体的事実を、誰から、どのような方法で伝えられたか
どんな理由で株式の売買を行ったか
という点について、捜査機関より先に真実にたどり着くことであり、
被疑者が具体的事実を何も知らなかった又は大したことを聞いていなかった
被疑者が、その時期に売買をした理由が重要事実と無関係なものであった
ということが客観的に立証できれば、これまでもインサイダー取引として立件されることはあまりなかったと思います。
控訴審判決の解釈は、刑法理論的には
167条の規定から、「実現可能性」という規範的な要素を導かれる根拠は何か
規範的構成要件要素の認識は、故意の要素か
等という面白い問題を含んでいますが、この解釈によって
違法性の意識のない「うっかりインサイダー」が無罪になる
というわけでもないので、過大な期待は禁物です
(質問コーナー)
Q1
僕は京大生ですが、
「京大生のノートの8割は例外なく汚い・読めない。
2割ぐらいきれいな人もいて、残りの8割はそんな美しいノートを借りていた。」
と言う感じでした。
かといって、そのキレイな2割が成績がいいかと言うとそうでもないんですよね。
自分が読める最低限のレベルで字を書けば早くたくさんの情報を書き取れるし、ほかの人にはわけわからんぐらいに必要なエッセンスだけを集約したノートが情報素材としても、ベストのように考えているのですが。。。
葉玉先生の御考えもまたお教え下さい。
投稿: たけし | 2009年2月 1日 (日) 18時46分
A1
私は
「自分が、何も見ず、何も意識せず、使いこなせるようになった知識だけが、知恵となる」
と考えています。
ノートは、自分の中に知識を染みこませるための道具に過ぎません。
だから、時間をかけて、綺麗なノートを作るような無駄なことはせず、自分の頭に入りきらないものを断片的に記録していました。
イメージとしては、
ノート+自分の頭の中=必要な知識
という感じでしょうか。
だから、知識が身についたら、そのページはバインダーから外して捨てていました。
Q2
>好きだからやっているだけです
弁護士の仕事を始めて、好きだと気づいたことなんでしょうか?
受験生のころから検察官、弁護士の仕事についてどのようにかんがえていらっしゃいましたか?
また、他の職業を選択する際には、仕事をしたことのない場合どのレベルまで調べたうえで志望すべきなのでしょうか?
投稿: 受験生 | 2009年2月 1日 (日) 23時46分
A2
「好き」というのは、瞬間瞬間、自分の心の中に生じる「こういうことをやってみたいな」という程度のものです。
検事の仕事も弁護士の仕事も、目の前の仕事を「葉玉流」に片付けるのは楽しいから、あまり「弁護士の仕事だから楽しい」ということでもないです。
受験生のころは、検察官がどんな仕事をしているのか知りませんでしたし、弁護士だって、あまり具体的なイメージは持っていませんでした。
仕事の面白さなんて、実際に仕事をしてみなければわかりませんし、多くの人は、漠然としたイメージで仕事を選んでいるんじゃないでしょうか。
実際に働いている人から話を聞くのが、一番いいでしょうが、あれこれ悩む前に勉強した方が建設的かなと思います。
私は、弁護士も検事も裁判官もこなせる「法律家」でありたいし、法律家の仕事なら何でも面白いです。
Q3
前回いただいた回答「監査役監査規定、監査役監査基準、監査役会議事録は、監査役会ないし監査役が作りますが、それは、会社法の善管注意義務や議事録の作成義務を果たすために作成するものであって、金商法の内部統制整備の一環として行うものではありません。」からすると、監査役は金商法の内部統制整備とは完全に一線を画し、統制環境中の監査役に関わる評価項目の評価についても社内のどこかの部署が規程類のチェック、監査役へのヒアリングを通じて行うべきであり、監査役は監査役監査に専念した方が良いということでしょうか?
投稿: hiro | 2009年2月 2日 (月) 10時29分
A4
禅問答のようになっていますが、金商法上は、内部統制の評価は、経営者がやるべきものであり、監査役は、金商法上の評価義務を負っていません。
他方、監査役は、会社法上、監査権限を持っており、その監査権限を適切に行使することができない事情があれば、経営者に対しその事情を取り除くことを求めるべきでしょう。それが監査役の内部統制整備なのだと思います。
Q5
非取締役会設置会社の取締役(2人以上いて、定款により取締役の互選で代表取締役を選定することとしているケース)は、原則として、代表取締役として選定されている者以外の取締役も業務執行取締役となります(会社法348条1項)が、いろいろな事情で実態としては業務執行していないご意見番あるいはアドバイザー的な取締役がいる場合の対応として、定款で、「当会社の業務は、代表取締役のほか、取締役の互選により業務を執行する取締役として選定された取締役が執行する」と定めた場合、この規定およびこれにより運用することは有効でしょうか? すなわち、会社法348条1項の「定款に別段の定めがある場合」に該当しますでしょうか?(間接的なので厳しいでしょうか)
ひな形などでは、「専ら代表取締役が執行する」としているものもあるようですが・・・。
投稿: スケジューラ | 2009年2月 4日 (水) 10時53分
A5
よろしいと思います。
Q6
質問というか、元立法担当官に問いたいのですが、
何で持分会社なんかあるんですか??
株式会社が1円で設立できるならば、
持分会社、特に合同会社なんぞ不要じゃないですか。
人的保証の強化というならば、
社長に個人保証(連帯保証)させればいいだけでしょう。
持分会社の意義は何でしょうか??
特に合同会社なんて、へんちくりんなものの存在意義は??
あと、加えて株式会社でも委員会設置会社の意義は何なんでしょうか??
アメリカに上場するために必要なだけなんでしょうか??
まあ、立法担当官も自分の意思だけではなく、多方面から、いろいろ事前に注文つけられて妥協の産物が会社法だと思うので
投稿: | 2009年2月 4日 (水) 18時05分
A6
持分会社は、多数決ではなく、社員の全員一致によって重要な意思決定をする点に意味があり、実際に、合同会社は、沢山、利用されています。
社員の責任は、持分会社と株式会社を区別する指標にはなりません。
委員会設置会社は、ガバナンスの強化と業務執行の自由度を増すことを同時に実現するために設計された会社ですが、使うか使わないかは、好みです。
Q7
素朴な疑問ですが、取締役会設置会社においては、株主提案権は原則、総会の8週間前までに行使しなければならないことになっていますが、よくよく考えれば、8週間も前となると、定時株主総会にしてもそれが何月何日に開かれるかは通常機関決定されていないので、株主に分かるはずがなく、会社に問い合わせたとしても、機関決定されていないことについて会社は回答しないはずです。
例年集中日に開催している会社に対し、株主が例年通りの日程で開催するとの思惑でギリギリに提案権を行使した場合、その対応をしたくないので、3日前倒しで開催することを機関決定して期限オーバーで不受理扱いにし、株主には「実は、その日しか会場であるホテルの空きがなくてずっと以前から決まっていたんです」とでも回答しておくような荒業もでき得ると思われます。それは極端すぎますが、逆に、意図的でなく、本当に会場が取れなくてやむなく3日前倒しで開催するケースもあり、厳密にルールを適用しようとすれば不受理扱いとせざるを得ない、ということも起こり得るかと思われます。
投稿: にっち | 2009年2月 5日 (木) 12時42分
A7
理論的にはそうでしょうが、実際には、8週間よりもずっと前から提案権を行使していることが多いので、あまり問題にはならないでしょう。
また、故意に総会の日を前倒しすれば、権利乱用で、総会手続自体の瑕疵を主張される可能性が高いでしょう。
Q8
吸収分割について質問させて下さい。
完全子会社Aが完全親会社Bの株式を保有しています。
この状況を解消するために、Aを分割会社、Bを承継会社として吸収分割を行い、B株式のみをAからBへ移動させることは可能でしょうか。
簿価のまま親会社株式を移動させることが目的なのですが、そもそも、親会社株式が「事業に関して有する権利義務」と言えるかどうか、先生はどのように考えられますでしょうか。
投稿: hana | 2009年2月 6日 (金) 21時02分
A8
親会社株式だけだと、税務署も会計士も納得しないでしょうね。
Q9
資産60、負債70、資本金40の会社が
①100%減資をして、
②負債額すべてデッド・エクイティ・スワップ
した場合の仕訳はどのようになるのでしょうか。
投稿: ほいほほい6 | 2009年2月 6日 (金) 22時00分
A10
仕分けは、会計士に聞いてください。
ちなみに100%減資というだけでは、何をやろうとしているかは、必ずしも明確になっていません。
Q11
「発行可能株式総数」について教えて下さい。
会社法113条3項によって、公開会社の「発行可能株式総数」は、「発行済株式総数」の4倍までと規定されています。
また、同4項で、権利行使期間の到来した新株予約権の目的となる株式の数は、
「発行可能株式総数」から「発行済株式総数」を控除して得た数を超えてはならないと
あります。
転換期の到来した転換社債等の新株予約権の行使によって発行される株式の数が、
発行可能株式総数を越えてしまう様な場合、超えてしまう転換社債等の新株予約権は行使できないと考えて宜しいのでしょうか?
A12
行使できません。
Q12
将来、新株予約権を全部行使すると、その新株予約権の目的となる株式の数が、
現在の「発行可能株式総数」の上限(「発行済株式総数」×4)を超えてしまう場合、
あらかじめ公開会社は「発行可能株式総数」を、新株予約権を全部行使できるような上限まで引き上げることはできるのでしょうか?
A12
できません。
Q13
会社法113条4項は、
①「予め新株予約権や転換社債を発行するときは、
その目的となる株式の数が発行済株式総数内にしなければならない」
と読むのか、
②「権利行使期間が到来した新株予約権や転換社債は、
発行可能株式総数内でのみ権利行使できる」
と読むのか教えてください。
A13
行使期間の到来した新株予約権の潜在株式数が発行可能株式総数内でなければならないということです。
たとえば、行使期間が到来していない新株予約権ならば、いくらでも発行できます。
Q14
昔、旧商法時代だったかと思いますが、
何かのセミナーで、
「発行可能株式総数(会社が発行する株式の総数)」=
(発行済株式総数+潜在株式)×4
もOKと聞いたような気がします。
考えてみれば、商業登記の際に却下されそうな気もしますが、潜在株式を考慮して発行可能株式総数を定めるのは、会社法113条3項の違反になりますよね?
投稿: UR | 2009年2月 7日 (土) 22時10分
A14
113条3項に書かれているとおりです。
Q15
先生の中学受験に関する記事を読み、一人っ子の長男の受験を思い出しました。なんとか受験を通過し、今は高校受験がないため、世の中が受験シーズンであることを尻目に高校の部活に一足早く参加してサッカー三昧の毎日ですが、4年前は私が仕事を終えた後、塾通いをする長男の帰りを待ち受け、帰りの電車内で宿題を教えながら(1時間ほど)、帰宅するということを1年間続けていました。メネラウスの定理など、中学受験の内容を自分が結構覚えていることに驚き、幼い頃の記憶は何と強固なのだろう・・・と思ったものです。
それに引き換え、最近はなかなか「強固な記憶」といかないことが多いのですが、先生は受験勉強中、定義・趣旨・条文番号・論証のキーワードといった知識については、特に記憶の時間を確保されたでしょうか?記憶の方法を意識されたでしょうか?また記憶のためのツールは用意されたでしょうか?あるいはそういったものをただ繰り返し読むうちに自然に記憶していったというような感じでしょうか?司法試験合格には相当量の知識が必要になると思われますが、それらをどう会得されたのでしょうか?
投稿: hiro | 2009年2月 9日 (月) 15時43分
A15
記憶と記憶の喚起の訓練は、必ず真一に1時間以上行うようにしていました。
記憶方法は
①まず書いてみること
②書いたことを覚えているかどうかを確かめてみること
③①と②を繰り返すこと
という程度です。
詳しくは、脱時空勉強術をお読みください。2×4です。
Q16
(旧司法試験の受験生です)
1.民法の親族相続の択一問題練習について
過去問の中でも、親族相続の部分は、暗記が主体だという固定観念が私の中にあるのです。 直前期にやるよりも、平素からどんどん繰り返し過去問・択一模試の復習などを練習してもかまわない・・・ですか?
2.刑法の各論について
すべての犯罪について、学習できていないのが素直な現状です。
出題傾向を考え、優先順位をつけて学習すべきか・・・
それとも、ある程度は抜け目なくやるべきか・・・
ちょっと悩みが生じてきました。
でもやはり、メリハリ付けをつけたほうがよいかな・・・という気がするのですが、いかがですか?
3.憲法の統治について
統治の問題で落とすのは、非常にくやしいのですが、点にならないことも多いです。
確認のために質問させていただきたいのですが、条文の正確な知識と徹底した問題練習しかない・・・ですよね?
投稿: ミナミアルプス | 2009年2月 9日 (月) 17時24分
A16
択一で苦労するのは、勉強量が絶対的に不足しているからです。
勉強時間を増やし、ボーッとしている時間をなくし、徹底的に勉強してください。
Q17
従来の配達記録郵便が諸事情により廃止され、今後は特定記録郵便という
ものに生まれ変わるようです。ただ、特定記録郵便によると受取人側が受領した
ということまでは明らかとなるわけではなく、従来の配達記録郵便の代替としては十分ではないような気もしているのです。企業実務について従来の配達記録郵便と同等の効果を得ようとする場合には、簡易書留による方が良いのでしょうか。
投稿: smoky | 2009年2月 9日 (月) 17時58分
A17
ケースバイケースとしか言いようがない問題です。
確実性を求めるならば簡易書留になるでしょう。
Q18
三角合併における合併対価の割り当てについてです。
存続会社Bと消滅会社Cの合併において、Bの完全親会社であるA社(国内の株式会社)の株式をCの株主に割り当てる計画ですが、Cの株主の一部にAが存在します。このとき契約書に定める合併対価と割り当ての規定を
「Bは、合併に際してBの完全親会社であるA社の普通株式を交付することとし、効力発生日前日最終のCの株主名簿に記載されたCの株主(但し“Aを除く”)に対して、C株式1株に対しA社の普通株式●株の割合で割り当てる」とすることは、割当に関する株主平等の原則には反しないという理解でよろしいですよね?
株式交換の場合に完全親会社が有する完全子会社の株式に対しては割当不可(会社法768Ⅲ)を根拠にそう思いました。よろしくお願いします。
投稿: ヤサオトコ | 2009年2月 9日 (月) 17時58分
A18
駄目でしょう。750条3項に反します。
Q19
さて、会社法100問の92問目(司法試験平成14年)について質問させてください。
解答例には、「Xは、①株主総会の決議の取消しの訴えを提起するとともに、②取締役の違法行為の差止め請求権(360条)を本案として、吸収合併の差止めの仮処分を申立てることができる。」
とありますが、取締役の違法行為に該当するのは、どの行為でしょうか。
合併契約の締結手続は、合併契約を締結する→合併契約に関する書類等の備え置き等→株主総会の特別決議による承認→合併する旨の通知・公告→反対株主の株式買取請求権の行使→会社債権者の意義手続→合併の効力発生という流れになると理解しています。
この中で、差止めの対象となる「取締役」の「行為」(360条1項)は、どれになるのか、良く分かりません。
投稿: まほろば | 2009年2月10日 (火) 22時15分
A19
法定の手続に限らず、合併に関する事実行為も行為になりうるでしょう。
| 固定リンク | コメント (31) | トラックバック (1)
最近のコメント