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2008年10月14日 (火)

学歴雑感

今日は、会社法ネタではなく、私の「学歴」観を少し。

前々回のQ9で「黒猫のつぶやき」というブログの下記の記事についての質問にこたえました。http://blog.goo.ne.jp/9605-sak/e/dfb76f05822a47bba1aca141ad6909b8

私は、ブログの記事は、各執筆者の思いを伝えるもので自由自在に書くところに面白みがあるので、この記事そのものについての批判を行うつもりはありません。

 ただ、この記事を読んで、「一流の大学」とはなんだろうと、考えさせられました。

 私は、よく東大ローについて苦言を呈するようなことを書いていますが、心の底から東京大学法学部を卒業したことを誇りに思っています。

 死ぬほど勉強して入学した大学ですし、両親も東大に合格したとき狂喜してくれましたから、本当に入学できてよかったと思います。
 また、大学時代家庭教師のバイトをするときに、ほかの大学の友達よりも時給が高かったとか、大学4年時に就職活動をしたとき某大手都市銀行から即座に内定をいただいたとかいう経験ができたのは、もっぱら東大法学部というブランドのおかげであり、その時は、素直に「東大はすごいなあ」、と思いました。

 東大ブランドは、おそらく、東大が、これまでの歴史の中で、すぐれた研究業績を残してきたり、社会で活躍する優秀な卒業生を出してきたからこそ、形作られたものであり、少なくとも日本という市場の中で東大ブランドは「一流のブランド」だと思います。

  他方、私が、東大の優れた面を具体的に知っているかというと、ほとんど知りません。
それは、東大が悪いのではなく、大学時代に、試験以外、ほとんど学校に顔を出さず、麻雀と演劇に明け暮れる不良学生だった私が悪いのです。
私は、「一流」の大学に行きながら、それを実証することができないという情けない輩であります。

このような私が
 「俺は東大法学部卒業だぞ。すごいだろう。」
と威張った場合、私の学生時代を知らない人は騙されても、同級生からは白い目で見られるのは、確実です。なにより、私自身恥ずかしくて、そういうことは言えません。

 また、大学を卒業した後に、司法試験の予備校で専任講師をしたり、検事をしたり、弁護士になったりしましたが、どのキャリアでも、「東大卒だから得した」と実感できることはありませんでした。

そりゃそうです。

私自身も、仕事でいろいろな人と話をしたり、交渉したりするときに、相手がどこの大学を卒業したかということを一度も気にしたことはありません。
 たまに学歴を知ることもありますが、優秀な人が、東大卒のこともあれば、そうでないこともあり、
  「東大卒の方が優秀である確率が高い」
というほど、きちんと統計を取ったこともありません。

 しかも、私の知っている優秀な東大卒の人は、真面目に授業に出ていなかった人が多いため、「東大が一流」なのか、「東大卒の人が一流なのか」を証明することができません。
 正直ベースでいえば、たぶん、どのような生活を送るにせよ、社会に出た後は、「学歴」自体、それほど重視されないのではないような感触をもっています。
 
 以上のように、私は、東大はきっと一流の大学だとは思うものの、何が一流なのかを具体的に指摘することはできません。まして、他の大学を貶めるような言動ができるほど東大のことも、他大学のこともしりません。私にとって、他人の学歴というのは、「芸風の違い」程度のイメージでとらえています。

たとえば、私は、新人弁護士の採用面接をするときも
 東大ローで、司法試験2000番の人と
 他のローで、司法試験50番の人
がいれば、普通は、司法試験50番の人の方が法律の力があると考えるのが素直であり、「東大だからすごい」という目で見ることはありません。
 もしかしたら、「東大じゃないきゃダメ」という事務所もあるかもしれませんが、その採用方針は、「東大生よりもすごい新人」を取りこぼすことになるので、私は、あまり適切ではないと思っています。

 では、「学歴」って何の意味もないかというと、実は、そうではありません。

 それは、その学校で過ごした時間と経験が、自分の血となり、肉となっているはずだからです。

 たとえば、私は、東大での大学生活があったからこそ、今の自分があるのだと考えています。それは、東大が他の大学と比べて優れているとか、そういうことではありません。
 言葉にするのは、難しいですが、
「あのキャンパスで、あの友達と、あの時間を過ごしたことが、今の自分を形づくる要素だった。他のキャンパスで、別の友達と、別の時間を過ごしていたら、少なくとも今の自分ではなかった」
という感覚です。

 自分の人生におけるすべての経験は、何ものにも代え難く、東大で過ごした日々も、私に様々な刺激を与えてくれた大切な時間でした。
 だから、東大の社会的評価がどうであれ、私にとっては、東大がベストの大学だったと自信をもって言えます。
 そしえ、自分に向って正直にそう言えるからこそ、東大卒というのは、私にとって、良い「学歴」だと思うのです。

 また、私の母校の「久留米大学附設中学・高校」も、私にとっては最高の学歴です。
 わが母校は、首都圏の有名校と比較すれば入試時の偏差値は低いですが、私は、附設でなければ得られない経験を山ほどさせてもらったので、私にとっては、他のどの有名校よりも、立派な学歴なのです。

 こうした学歴は、ネガティブに考えようと思えばいくらでも考えられます。

 「東大なんて、世界的にみればランクが低い」とか
 「附設なんて、開成と比べると、東大合格者数が8分の1だ」とか

他の学校と比較し始めると、どんな学歴だろうと簡単に色褪せてしまいます。

 そうしたネガティブな考え方は
  ある一つの物差しで、学校を比較する
ことから生じます。

 論文の引用数であるとか、東大合格者数であるとか、分かりやすい物差しでランク付けするのは、野次馬としては面白いし、特定のニーズはあるので、ランク付け自体を否定はしません。

しかし、そうしたランキングは、現にその学校で学んでいる人にとっては、ほとんど何の意味もありません。

 学生にとって大事なことは、
   自分がその学校から何を学んだか
   その学校で何を経験したか
であり、
  自分が、それらの経験に満足感を得られれば、その学校は、あなたにとって、ベストの学歴
だと思います。

 どんなに学校の授業が良くても、あなたが何も得られなければ最悪の学校ですし、その逆もまた真です。

 つまり、「学歴」は、他人があなたを評価する際の指標ではなく、今のあなたを形作っている客観的要素の一つであり、
   その学歴を、「良い学歴」とするか、「悪い学歴」とするかは、あなた次第
なのです。

 さらに付言すれば、
   学歴だけではなく、職歴を含むすべての経験は、他人が評価するものではなく、自分が、意味付けをしていく
ものだと思っています。

 1秒1秒の時間が「良い経験」なのか、「悪い経験」なのかは、その経験をした自分が決めるものなのです。

 たとえば、第一志望のロースクールに不合格になったら悲しいでしょうが、「第二志望のロースクールの授業の方が俺の肌にあっていて、第一志望よりも実力を伸ばすことができた」という実感が得られれば、第二志望の方が良い学歴になるでしょう。
 
 たとえば、新司法試験に合格できず、一振りしてしまったら、世間の人は落ちた人を可哀そうだと思うかもしれませんが、「ロースクール時代に勉強できなった基本をたっぷり勉強する時間をもらった」と考えて1年間死にものぐるいで勉強できる人にとっては、一発で合格したとき以上に、厚い法律知識を身につけて実務に出ていくことができるという点で、いい経験と評価できるようになります。

「災い転じて福となす」とか、「ピンチこそチャンス」とかいう言葉を持ち出すまでもなく
悲しい経験に、どれだけ積極的意味を付けられるかによって、人間の強さ・深さは決まります。

すべての人に時間は平等に流れますが、同じ時間であっても、経験する事柄は、人ごとに異なります。
でも、それ以上に、人ごとに違うのは、その経験に、どのような意味を見出すことができるかという点です。

人生が充実しているかどうかの指標は、

 「時間をどれだけ長く過ごしたか」ということよりも、「これまでにどのような経験をしてきたか」ということでしょうし

 もう一歩踏み込めば、「どのような経験をしてきたか」ということよりも、「自分のした経験にどのような積極的な意味付けをしてきたか」
というところにあります。

 ロースクール試験、新旧司法試験、法律事務所の面接など様々な選別の機会にさらされているときは、「合格」「不合格」のデジタル思考になりがちですが、合格だろうと不合格だろうと、デジタルな結果に積極的な意味付けをすることができるかということで、皆さんの未来は大きく変わると思います。

(質問コーナー)
Q1
アドレスに判決の裁判所の判断が記載されている部分を貼っておきました。
謝罪広告は、最初から請求していません。
>事実の指摘ではなく、論評である
広島地裁判決は、民事上の名誉毀損については論評であっても成立すると指摘しています。 刑事法なら、侮辱と名誉毀損で厄介な問題になりますが、民事法なら区別不要というわけですね。
そちらの抱く違和感は、おそらくこの点に関する感覚の相違から出発しているのだと思います。
判決は、「懲戒相当の行為をした弁護士」と表現するも同然で名誉毀損と解しています。
投稿:?雪蒼銀の刀?| 2008年10月 4日 (土) 13時22分
A1
判決文、ありがとうございます。
ご指摘のように民事事件では、具体的事実の摘示の有無にかかわらず、名誉棄損は成立しますが、私の違和感は、その問題とは違うところにあります。
懲戒事由がないにもかかわらず、「懲戒相当の行為をした弁護士」と表現することは、むしろ社会的評価を低下させる事実の指摘であり、名誉棄損は当然だと思います。
また、具体的事実ではない差別用語等を用いた侮辱も、名誉棄損が成立します。
私の感ずる違和感は、懲戒事由が「ある」場合に「こんな弁護士は懲戒の請求をすべきである」ということが、名誉棄損になるかという点です。
これは、本件がそうであるというわけではないのですが、懲戒請求の扇動そのものを違法と捉えるのは、正当な論評をも封ずるのではないかという危惧感です。

Q2
葉玉先生、お忙しい中、ご回答(A15)いただき、ありがとうございました。
「過失とは、当該取締役にとっての予見可能性と回避可能性です。「能力」というよりも、当該取締役が、どのような事情を知っていたか、権限行使を怠った理由は何か等を調べて、それらの事情から、予見可能性と回避可能性を認定すべきだと思います。」とのことですが、これは、任務懈怠の有無の判断においては「取締役であるならば一般に予見可能性・回避可能性があったかどうか」で判断され、過失の有無の判断においては、「当該取締役にとって予見可能性・回避可能性があったかどうか」で判断されるということでしょうか。
なお、「私は、任務を怠ったという行為を「客観的過失」とは表現していない」とされておられますが、2006年8月8日の「大塚先生の論文」のA1において、「客観的注意義務違反=客観的過失=任務懈怠 と表現するならば,別におかしいことはありません。」とされています。その直後に、「ただし,概念が誤解されやすいので,やめた方がいいように思います。」とされており、私が大きな誤解をしている可能性も高いのですが・・・。
投稿: ケーニヒ | 2008年10月 4日 (土) 14時43分
Q3
 すいません。客観的過失と表現したことがあったわけですね。個人的にはなるべく使わないようにしているのですが。
論じ始めると大論文になりそうなので、簡単にお話しすると、私は、任務を怠るとは、予見義務違反・回避義務違反というよりも、法令違反と表現する方が正確であると考えています。
 取締役の行為が、法定の手続違反や業法違反等の違法行為に該当するのならば、当然に任務を怠ったことになりますし、経営判断原則を逸脱するような判断による行為は、任務を怠ったことになります。
ただし、そのような法令違反や経営判断原則の逸脱が見られる場合であっても、取締役の当時置かれた状況からは責めに帰すべき事由が認められない場合もありえるので、それを過失の有無で判断すべきであると考えています。

Q4
会社法100問の62問目のA会社を監査役設置会社にしている理由はなんでしょうか。
また,24問目の設問3は,すんなり剰余金の配当について異なる定めをした種類株式を発行すればいい,ということにはなりませんか?ならないのなら,どういった場合にこの種類株式が発行されるのでしょうか。
投稿: こんにちは | 2008年10月 5日 (日) 01時56分
A4
過去問なので、それを会社法に引きなおしているだけです。
24問目の設問3は、その問題の趣旨を考えれば、種類株式の話ではないです。平成19年以降に発行する株式は、すべて、配当を2分の1にするので。

Q5
抵当権が付いた土地を現物出資することは可能なのですか??
また質権が付いた絵画なども現物出資することは可能なのですか??
投稿: めがみ | 2008年10月 5日 (日) 11時56分
A5
可能です。
Q6
Q10,11,12で回答してくださりありがとうございました。その回答及び千問Q287からわたしは総数引受契約は以下の2パターンに分けることができると理解しました。
1、総数引受契約の締結を取締役会で決定する。この決定の中には誰と総数引受契約を締結するかまで含まれる。その後、代表取締役は取締役会の決定に基づき、契約を結ぶ。
2、総数引受契約の締結を取締役会で決定する。この決定の中には誰と総数引受契約を締結するかまで含まれない。その代り、取締役会は代表取締役に誰と総数引受契約と締結するか委任することができる。その後、代表取締役は取締役の決定及び委任に基づき、契約を結ぶ。
このような理解で正しいでしょうか?ご教授くだされば幸いです。
投稿: 登記職人見習中 | 2008年10月 5日 (日) 22時31分
A6
 「総数引受契約の締結を・・決定する」という言葉の意味がややあいまいですが、そんな感じでしょう。

Q7
種類株式について1つ質問なのですが、剰余金の配当についての優先の定めとして確定額ではなく、「普通株式に先立ち、金○○円以上金○○円以下の範囲で当該剰余金の配当を行う都度、取締役会が定める額の剰余金の配当を行う」といった形の幅をもたせたような形の定めは可能でしょうか?
内容が不明確であるため規定できないとも思えるのですが、はっきりしなかったため、大変お忙しいとは思いますが、お答え頂ければ幸いです。
投稿: サブマリン | 2008年10月 6日 (月) 10時09分
A7
 幅を持たせるのはよいですが、 取締役会で定めるならば、委員会設置会社等一定の会社じゃない無理でしょう。

Q8
① 会社法の機関に関する疑問なのですが、監査役会設置会社は取締役会設置義務を負っている(法327条2項)点が納得できません。というのは、「例えば1名の取締役しかいない会社に監査役会を置く必要がない」と説明を受けましたが、会社が費用負担のリスクを自己の責任で負い取締役の専横を防止しようとすることは機関設計自由の原則(326条2項)から許容されてもいいはずでは、と考えるからです。この規定だけが「なぜあるのか?」と理解できません。素人の質問ですが宜しくお願いします。
② 先生にとって、司法試験に合格するための「基礎(土台となるもの)」は何とお考えなのでしょうか?自分自身が日々の勉強で気付くしかないと考えているのですが、先生の意見をお伺いしたいです。
投稿: 須磨原人 | 2008年10月 6日 (月) 21時27分
A8
① 私も納得できません。が、法制審議会でそう決まってしまったので、仕方がないです。
② 1日12時間以上勉強することです。
Q9
論文の勉強法なんですが、答練を受けるのがよろしいということですが、それ以外はどういう風にすればいいんでしょうか(抽象的な質問ですいません)
論点まとめたノート暗記以外には問題集をひたすら見て解答構成をし続けるのがいいんでしょうか。このやり方が正しい!と確信を持って勉強できなくてご意見よろしくお願いします。
投稿: 未収者 | 2008年10月 7日 (火) 00時56分
A9
あまり勉強法を広げすぎず、各科目を同じ方法でとことんやるのが正しい方法です。

Q10
社外監査役の要件について、「過去に取締役になったことがないもの」となっているので、社外取締役だった人が監査役になる場合、社外の要件を満たさなくなるようです。一方で、委員会設置会社では社外取締役が社外役員として監査委員会を構成することとなっており、バランスを欠いているように思うんですけど、このように規定された趣旨はどういうことなんでしょうか。
投稿: こやぎ | 2008年10月 7日 (火) 10時10分
A10
社外監査役と、社外取締役の違いというしかないですね。

Q11
最近、就職がらみの質問が多いようですが、葉玉先生と、就職希望の学生さん(あるいは修習生さん?)のやり取りを見てずいぶんと弁護士という職業に対する認識に距離感があるように思います。
学生さんは、「どうやったら(おそらく潰れることもなく、高給で一生安泰にすごせるであろう)TMIのような一流事務所に雇ってもらえるんですか?」というサラリーマン発送の質問が多いような気がします。
でも、葉玉先生がおっしゃっているのは、経営者発想というか、TMIに雇ってもらうというのではなく、むしろTMIにショバ代(オフィス賃料とかスタッフの給料)とかを払って自分の席を作らせてもらうという意識が必要です、というような意味合いが強いように思います。
だから、弁護士は、入社ではなく、参画という言葉を使っているんだろうなあと思うのですが。
そういう意味では、自己PRをするなら、
「いくら稼げばTMIの一員としての義務を果たせるんですか?」とか「自分を雇えば一年で○億円は稼いできますよ」というような言葉が適切なのではないかと。
それが本当にできれば、新人弁護士だって、極論ですが葉玉先生のように一年目から「パートナー」としてTMIに参画する事だって可能なんじゃないでしょうか。
パートナーと言うと、企業の役員のように偉くて威張れるようなイメージがありますが、実際は中小企業の共同経営者という立場であり、一人○億円の営業成績の義務があるんじゃないかと。実感としては、パートナーになると「責任が重くてかなわんなあ、アソシエイトのときは楽だったなあ」というような感覚ではないかと。稼げなければ結局いずらくなって肩たたきに合うんでしょうし。弁護士には労働組合もないでしょうから。
なんかそんな認識のギャップを読んでいて強く感じました。
投稿: 企業法務担当者 たけし | 2008年10月 7日 (火) 13時55分
A11
弁護士に限らず、そこで働くものが、自ら主体となって企業を動かす感覚を持っていなければ、やがてその企業は力を落としていくでしょう。
特に弁護士は、事務所に「食わせてもらう」、「勉強させてもらう」という感覚の人が増えてくると、だんだん活力がなくなってくるでしょうね。
10年前には、「弁護士100人の事務所なんて無理だ」と思われていたことを知らない人や忘れている人が多いのです。
これから10年後に、どういう事務所が生き残り、成功しているかなど、誰にもわかりません。
今、大事務所だから安泰でもないし、今、章事務所だから危ないわけでもない。
結局は、日々、サービスを改善し、新たなサービスを提案していく中で、未来が切り開けるのだと思います。

Q12
さて、弊社(A)が弊社の完全子会社(B)を吸収合併いたします。この場合…、
1.吸収合併後、Bの法定備置書類はどのような扱いをすべきなのでしょうか?
① Bの法定備置書類は、備え置く必要はない。
② 包括承継するAが、当然に、その備置義務を承継する。
2.仮に1.の答えが②の場合、次の認識でよいでしょうか?
① Bの「常時」備置書類(定款、株主名簿等)は、Bが解散したので備え置く必要はない。
② Bの備置期間が法定されている書類(株主総会議事録、取締役会議事録等)のみを、その法定期間備え置けばいい。
3.仮に1.の答えが②の場合、Bの備置書類の備え置く場所について…
① 従前どおり、Bの本店(であった場所)に備え置くことは許されるのでしょうか?
② それとも、Aの本店に備え置くことが要求されるのでしょうか?
③ Aに支店が設置されている場合、Bの株主総会議事録・計算書類等を、Aの支店にも備え置く必要があるのでしょうか?
似たようなケースとして、清算の場合は508条に帳簿資料の保存について規定がありますが、吸収型再編における消滅会社について定めた規定が見当たらず、悩んでおります。(規定がないということは、やはり包括承継なのですよね…)
上記質問、3.に関連して、前提条件が抜けていましたので追加します。
・ A(親会社…存続会社)がB(子会社…消滅会社)を吸収合併する。
・ Aには、登記されている支店がいくつか存在する。
・ Bの本店は、Aの本店・支店とは別の地域に存在する。
・ Bには、登記されている支店が存在しない。
・ 吸収合併後、従前のBの本店を、Aの支店として登録する予定はない。
(Bの本店における営業を大幅に縮小するため)
投稿: ツェーベーツェー | 2008年10月 8日 (水) 09時19分
A12
包括承継をベースに、Aの本店で継続開示するのだと思います。

Q13
A種・B種の二種類の優先株式を発行しております。
それぞれ、取締役2名を選任することができる点以外、内容は同一です。
発行可能種類株式総数はそれぞれ1万株で、ともに1万株が発行済みです。
それぞれを1人ずつの株主が保有しておりましたが、今般、A種の株主がB種を全部買取り、一人の株主が両種をすべて保有することとなりました。
これに伴い、当該優先株主から以下の定款変更を行うよう要請がありました。
1.A種の発行可能種類株式総数を2万株とする
2.A種は取締役を4名選任できることとする
3.B種に関する規定はすべて削除する
4.発行済のB種をA種に変更する旨付則で規定する
上記手続によって、2種類の株式をA種のみに一本化するというのです。
定款変更のみでこのようなことを行うことが許されるのでしょうか?
特に、「発行済のB種をA種に変更する」という点が引っかかります。
「A種の発行可能種類株式総数を2万株とした上で、B種を取得してその対価としてA種を発行する」ことを提案したのですが、「発行可能種類株式総数を増やした後取得までにタイムラグがあるのがリスキーである。上記手法ならすべてが同時に行われるので安全」と主張されました。
まだ具体的に弁護士に依頼できない事情がありますし、地方でありTMIのような大手事務所に依頼することもできないため、「定款変更のみでこのようなことを行うことが許されるか?」の部分だけでもご見解いただけると幸甚です。
投稿: ファンド嫌い | 2008年10月 8日 (水) 23時17分
A13
できると思います。

Q14
会社法100問の「24 譲渡制限株式・株主優待制度」の177頁に、当該定款変更が108条1項1号の種類株式を発行すること、及び、既存の株式について114条1項の発行可能種類株式総数の減少を定めたものだとすれば、本問の定款変更を行うことも許される余地がある旨の記載がありますが、ここでの114条1項への言及にはどういった意味があるのでしょうか。
108条1項1号の種類株式を発行することだけではなく、この114条1項の発行可能種類株式総数の減少についても定款変更で定めなければ、本問の定款変更は許されない、という趣旨でしょうか。
基本書もいろいろ読んだのですが、114条1項への理解が足りないため、やはりよくわかりませんでした。
投稿: TK | 2008年10月 9日 (木) 17時19分
A14
平成19年までに発行されたのと同一種類の株式を新株発行させないために、発行可能種類株式総数という枠をはめるということです。

Q15
さて周知のとおり世界的な株価の大暴落が止まりません。
もし葉玉先生が担当大臣になられたら日本株式回復のためにどの様な政策をおとりになりますか?
法律家としてあるいは法律家としてではなく一知識人としてどちらでも結構です。
ご意見を伺えれば幸いです。
投稿: デコイオリゴ | 2008年10月10日 (金) 16時15分
A15
金融庁が、不動産向け融資への監督強化方針をやめる。
自己株式の取得のインサイダーを外す。
時価会計をやめる。
空売りで得た利益は、税率を倍にする。
日経225ファンド・TOPIXファンドを相続財産の対象外とする。
以上、適当に思いついたことをあげました。
ちなみに、私は、今、一生懸命、225ファンドを買っています。
Q16
司法試験を目指してる受験生です。今年旧試験で落ちました。
勉強方法を再考してるのですが、司法試験は実務家になるための試験です、その対策として自分でやはり問題を自分で答えを見ずに考えて解いて演習することで法律家になるための力がつくのでしょうか?
同じ法律資格として司法書士の試験をうけてみました。
受けた実感としては、司法試験より素直な問題が多かったです。
試験の難易度ではやはり司法試験のほうが高いなと感じました。
「二兎を追うものは一兎も得ず」ですが、書士と法曹3者では仕事内容がかなり違うなのでしょうか?
やはり難易度で選ぶものでなく、自分がどうしたいかでしょうか
先生の「ベストがベストではなく、ベターがベストだ」言葉はどうとらえたらよろしいですか?
投稿: 受験生 | 2008年10月11日 (土) 13時36分
A16
 司法試験と司法書士試験を同時並行で勉強するのは、難しいでしょう。
なお、答案練習をするのは、当然です。

Q17
お忙しいところ、失礼いたします。私は26歳の会社員です。
今年から、予備試験経由を含め旧司法試験の勉強を始めました。
勤務する会社で、かなり大きな不祥事が発生しました。
この件がきっかけとなり、以前から考えていた司法試験を目指し始めました。
企業法務の仕事をしたいと思っています。
司法試験に合格後、就職活動をするにあたって履歴書に不祥事があった企業名があると不利になりますでしょうか。会社の一社員としての責任はあると思っていますが、問題には関与していません。
投稿: TM | 2008年10月12日 (日) 19時23分
A17
不祥事があった企業名があっても、マイナスではないと思います。

 

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コメント

葉玉先生はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
今回は新司法試験対策についていくつかご質問させてください。

①短答対策について。旧司択一の問題を解いて間違えたところを復習→正解するまで解くというやり方と、新司法の択一は条文・判例が重視されていると思われることから条文と判例を読んでまとめる→それを何度も読むというやり方と、どちらか一方を選ぶとしたら葉玉先生はどちらを選びますか。理由もお聞かせください。
②論文対策について。旧司法におけるいわゆる論証パターンは新司法においても必要でしょうか。新司法における上位答案を見ていると、規範部分が非常にあっさりしており、判例そのままなものも多数あります。これならリーディングケースといわれる判例の事案と判旨をそのまま覚えて、後は関連判例を読んであてはめのやり方を研究したほうが効率的なように思われるのですが、先生はどう思われますか。(実は旧司用の論証あてはめ講座の教材が家にあるのですが、それをやるかどうかで迷っています。紹介されている規範が判例と異なるので。)

お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスよろしくお願いします。

投稿: 新司受験予定者 | 2008年10月14日 (火) 18時36分

葉玉先生 お忙しいところ株価対策についてのご見解ありがとうございました。
御提示の政策実現の為,ぜひ先生に担当大臣になっていただきたいものです。
特に新興市場では個人は空売りできないのに機関投資家は空売りできる銘柄が多数存在しますよね。不公平極まりないと思います。
機関の空売りを禁止するか個人にも空売りを解禁するかどちらかにしていただきたいものです。
それができないのならば機関投資家が空売りで得た利益は、税率を10倍くらいUPしてほしいものです。

それにしても皆が恐怖で恐れ戦く中225ファンドを集めていらっしゃったとはさすがですね。
私は先週2413と4563を買いました。
今日は日本市場も大幅反発でしたが明日以降どうなることやらですね。

投稿: デコイオリゴ | 2008年10月14日 (火) 18時54分

①抵当権のついた不動産の現物出資は可能であるとのQ&Aがありましたが、その不動産の評価額は、抵当権で把握された価値を差し引いたものでよろしいですか?
②ロータス21のDVDはいつごろ完成予定でしょうか。
よろしくお願いします。

投稿: アンナ | 2008年10月14日 (火) 19時06分

細かいことかもしれませんが、ご教授願います。

吸収合併の消滅会社の株主への通知が効力発生20日前まで(会社法785条3項)であるのに対し、新設合併の消滅会社の株主への通知は決議から2週間以内(同806条3項)となっています。
もちろん吸収合併と新設合併は異なりますが、消滅会社の目線で見るとどちらも消滅することに変わりは無く、このように区別されている理由が解りません。何故このように区別されたのでしょうか?

投稿: 会社法漫遊 | 2008年10月14日 (火) 22時55分

主観的に自分の学歴をどう思うか、ということと、客観的に自分の学歴がどのように写り、どのように扱われるか、ということとがごっちゃですね。

投稿: | 2008年10月15日 (水) 08時37分

先生、今日は。

会社法111条1項に関してなのですが、
取得条項付種類株式及び取得請求権付種類株式の取得対価の種類株式に
取得条項を付す場合において、
当該取得条項付種類株式及び取得請求権付種類株式の種類株主に
会社法111条2項による保護規定が無いのは何故なのでしょうか?

宜しくお願いします。

投稿: T。 | 2008年10月15日 (水) 09時34分

葉玉先生こんばんは。総務部で法務担当二年目の24歳会社員です。
たびたびこちらのブログや先生の株券電子化の講演で勉強させていただいてます。
会社の剰余金処分案が否決され、株主提案または修正動議が可決された場合の対応についての質問です。会社は事前に会社案に基づいて、配当金の計算や配当金領収証等の作成を行っているため、想定外に株主提案側が可決されてしまった場合、配当金の支払いに大幅な遅れが生じる恐れがあります。
この場合、会社は遅滞遅滞等の責任に問われるのでしょうか?株主提案の場合、予め会社提案と株主提案の両方の書類等を作成しておくという手もあるかと思いますが、修正動議の場合には予め作成しておくことは不可能なので配当金支払いの遅滞は免れません。

仮にこうした事象が発生した場合、どういった対処を行うことが会社にとって最も適切でしょうか?
その他の議案の場合、会社提案が否決された場合に、一度会社案が可決されたと記載した決議通知を発送した後に、訂正の決議通知を発送するという手段が実務上は採られているようですが、剰余金処分案については分かりません。
先生のご意見を伺わせてください。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いします。

投稿: 嵯峨 | 2008年10月15日 (水) 21時14分

わたくしが通ってるロースクールの生協の本屋で、会社法100問は、来春改定予定と掲示してありましたが、本当ですか?

投稿: 某ロー生 | 2008年10月17日 (金) 00時55分

葉玉先生、いつもブログを楽しく拝見しております。
さて、株主総会議事録の本店備置義務についてご質問させてください。会社は議事録の原本を10年間保管しなくてはいけませんが、自社が消滅会社となる吸収合併の際にはこの義務はどうなるのでしょうか。
消滅会社の権利義務は存続会社に承継されるので、消滅会社は過去の議事録を存続会社に渡して、合併後は存続会社が保管するのか、そもそも会社そのものが消滅してしまっているので、保管など必要ないのか、考え込んでしまいました。どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: おせんべい | 2008年10月17日 (金) 13時43分

葉玉先生、いつもブログを楽しく拝見しております。
私は今年の旧試験に落ちました。
私にとっては最後のチャンスと思って
挑んだ試験だったため、何ともいえない辛さを感じています。
そして私は法科大学院に行くことはできない現実を
未だ素直に受け止められないようです。
そのため、私は法科大学院制度と戦うことを
考えていますが、どのように思われますか?

投稿: 司法戦士 | 2008年10月17日 (金) 18時17分

いつも楽しく拝見させて頂いております(実務をこなしつつ、このようなブログを続けられるパワーに本当に驚いております。)。お忙しいところ恐縮ですが、次の質問に対する先生のご見解をご教示ください。

①優先株式・劣後株式の内容として、次のような停止条件又は解除条件を規定することは可能でしょうか。

「A株式については、●●が発生しない限り、剰余金配当金額の全てを受けることができるが、●●が発生した場合には、剰余金配当金額の一切を受けることができない。」
「B株式については、●●が発生しない限り、剰余金配当金額の一切を受け取ることができないが、●●が発生した場合には、剰余金配当金額の一切を受けることができる。」

②上記と同じ条件を、全株式譲渡制限会社において、属人的定めとして規定することはできるのでしょうか(すなわち、上記の「A株式」が「A株主」となり、「B株式」が「B株主」ということになるということです。)。

いずれについても、株主は二者のみであることを想定しております。

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

投稿: ボストン万歳 | 2008年10月18日 (土) 02時55分

> 自分のした経験にどのような積極的な意味付けをしてきたか

いい言葉ですね。
学歴は多かれ少なかれ「誇り」や「コンプレックス」になる経歴です。

「俺様ほどの人間が選び卒業した大学だから、母校は超一流の大学だ」とのたまう部下がいるのですが、(表現の是非はともかく)彼は頼りになり、きっと人格形成に良い経験と意味付けを行っているのでしょう。

投稿: 経理部長 | 2008年10月19日 (日) 01時03分

先日、葉玉先生の「入門講座・合格方法論確立講義」テープが家の中から出てきましたので、久しぶりに拝聴しました。当時、葉玉先生のテープを拝聴できたことは、私にとって得がたい経験でした。

投稿: 田舎弁護士さん | 2008年10月19日 (日) 14時06分

こんにちは。 今日の記事は、法律外のことなのでそれにぴったりの質問をさせてもらいます。

葉玉先生は、正解のない事で奥さんと口論になった場合、どのように対処しますか?

私は話が好きなのでよくしゃべり、するとどうしても付き合っている女性との間でつまらないことでもめる羽目に陥ってしまいます。

投稿: 独身男性 | 2008年10月20日 (月) 00時11分

初めて書き込みさせていただきます。

この前、とある試験を受けて、自分が条文構造を全く理解できてないことに愕然としました。
「条文を大切に」とはよく言われますが、どう勉強すれば条文構造をしっかり理解でき、
条文を大切にする姿勢が身に付くでしょうか。
一応、基本書に出てくる条文は六法で参照して、
マーカーでチェックを入れたりはしてるんですが…

葉玉先生、お忙しい中恐縮ですが、回答のほどお願いします!

投稿: 明 | 2008年10月20日 (月) 19時06分

いつも楽しく拝見させていただいております。

新株予約権についての質問を2つほど、よろしくお願いします。

1 ストックオプションの付与の場面において、行使期間の異なる新株予約権を発行するにはいかなる手続を踏む必要があるのでしょうか。

2 また、同様にストックオプションを従業員に付与する場面において、同一部門内での従業員相互の譲渡は自由であるが、その他の場合には譲渡を禁止するという内容の、株式における属人的種類株式のような新株予約権を発行するにはいかなる手続を踏む必要があるのでしょうか。

お忙しいとは思いますが、どうかよろしくお願いします。

投稿: civil | 2008年10月21日 (火) 10時17分

こんにちは。毎回、ブログ楽しみにしています。
とてもよい記事で、身が引き締まる思いがしました。

投稿: ss | 2008年10月22日 (水) 01時02分

葉玉先生こんにちは。法律の質問ではないのですがお答えいただけたらと思っています。
ロースクール進学が決まりましてこれから頑張って勉強していきたいと思っているのですが、私は検察官志望でして来春の入学前に法律は勿論ですが、簿記会計の勉強をしてみたいと思っています。もちろんあくまで余裕があればですが…。
そこで葉玉先生は修習時代に会計の勉強をされていたと聞いたのですがどのような勉強をされましたか(簿記何級であるとか)?
また弁護士として企業法務をやるなら役立つのは勿論ですが、検事として捜査する上で(主に特捜部でということになるのでしょうが)会計の知識は役立ちましたか?むしろ基本的な知識は持っていて当然という世界なのでしょうか?
よろしくご教授下さい!

投稿: あざらし | 2008年10月23日 (木) 00時03分

葉玉先生お元気ですか。株券電子化を直前に悩んでいる実務者です。

振替法161条および会社法201条3項に関するご質問です。
振替法の施行に伴い、株主への募集事項の通知(201条3項)は適用除外になります。この場合、次のいづれの取扱いになるのか解りません。①従来どおり、上場会社(振替株式を発行してます)は、201条5項の適用を受け通知、公告とも不要、②201条3項の適用除外は201条5項にも及び公告をしなければならない。②と解釈しないと振替法161条で201条3項を適用除外した意味がないと考えるための質問です。また、②であれば、なぜ、こんな変更をしたのでしょうか。

投稿: 株券電子化くん | 2008年10月23日 (木) 16時18分

 今年の新司法試験で失敗し1振りした者ですが、今まで一回で合格するつもりで全力で勉強してきたので、正直、燃えつき感があり、現在、次回の試験への意欲が具体的に沸かないのですが、今の状況をどのように打開すべきでしょうか??ただ、不合格に対しては大変、悔しい思いがして、リベンジをしたいとは思うのですが、どうも現時点では心と頭と体がうまく一体化しないみたいです。
 あと、このような質問は無礼であることを承知しているのですが、あえて聞きたいのですが、葉玉先生は挫折の経験はあるのでしょうか??先生のコメントを見ると常勝のような感じがしてうらやましい限りです。

投稿: 吉事 | 2008年10月23日 (木) 17時08分

葉玉先生、特例有限会社のことについてぜひご教示ください!

特例有限会社では、会社法295条により、株主総会において、会社法に規定する事項および会社の組織、運営、管理その他会社に関する一切の事項について決議をすることができる一方で、整備法31条により会社法348条3項・4項の適用がなく、取締役に支配人の選任・解任、支店の設置・移転・廃止などを委任できることとなっており、それゆえに、会社法上絶対に総会にかけないといけない案件以外は、果たして会社のどういう案件については株主総会ではかるべきか、取締役の多数決で決める(複数いる場合)べきか、各取締役に委任するべきか、つまり決裁基準をどのように設定すべきか、非常に悩んでおります。

株主が、法人である場合など、株主=取締役でないケースです。

勝手に取締役サイドで決めて株主から文句を言われないか気にするくらいなら、なんでも総会にかけたほうが無難という気もしますが、さすがにそんなことをしていたら円滑に業務を運営できないと思われます。

会社の規模等に応じて適切と判断できる区分で設定したらよいものなのでしょうか?

ぜひご意見をお聞かせいただけましたら幸甚です。

投稿: 会社法実務に悩む者 | 2008年10月23日 (木) 19時47分

423条について質問があります、よろしくお願いします。
423条の会社に対する取締役の責任を過失責任と捉えた場合、取締役に善管注意義務違反という任務懈怠が認められると、善管注意義務違反から過失が常に導かれることになるのでしょうか。

投稿: ブルー | 2008年10月25日 (土) 03時03分

会社の支配人は会社が解散すると代理権が消滅するようです。
しかし、会社法10条にも商法506条が適用(準用?)されるはずだから、消滅してはいけないのではないかとも思います。
ただ、支配人が代理人と言っても会社内部の組織構造の一部なので、会社解散の時に代理権が消滅するとしても、妥当な結論だとは思います。
そこで、消滅すると言う結論は正しいとして、その根拠はどこに求めればいいのでしょうか?
会社法506条を飛び越えて民法111条が根拠になるのでしょうか?あるいは、組織内部の構造であることを根拠に解釈するべきなのでしょうか?

投稿: 混迷 | 2008年10月26日 (日) 15時17分

いつも楽しく拝見させていただいております。
今回は先生に相談させていただきたいことがあります。

今現在、私は来年の新司法試験に向けて勉強中です。
しかしながら、生来の性格が心配性のためか、勉強をしていても
「はたして今の勉強法で大丈夫なのだろうか・・。」
「もっと有効な勉強の仕方があるのではないのだろうか・・。」
「今やっていることは試験には大して役に立たないのではないだろうか・・。」
といった不安が頭をよぎることが頻繁にあり、なかなか勉強に集中できません。

もし仮に先生がローの教員もしくは予備校の講師であるとしたら、こんな奴に
どんな言葉を投げかけますか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします。

投稿: 悩み人 | 2008年10月26日 (日) 18時38分

 葉玉先生、こんばんわ。論文の書き方について質問させてください。

 葉玉先生が、新会社法100問の最後で本書を使った勉強法を執筆しておられます。ここで、論文試験突破のためにはオウムの力・キリンの力・サイの力をつけることが必要と書かれています。

 そこで、キリンの力・サイの力についてはほかの司法試験論文対策の本にも記載されていましたので、どんなことをすればよいのかということがわかりました。しかし、オウムの力についてはあまり触れられていないため、いま一つわかりません。

 オウムの力とは、「問題分の末尾をオウム返しにしてみて、端的に問いに対する答えを述べる能力をいう」とされています。
 たとえば、「会社に効果が帰属するか」と問われれば、「会社に効果が帰属するためには~の要件を満たす必要がある」という部分を抜き出すことだと思いますが、要件を満たすか否かについて論点となっており、論証をしなければいけない場合も多いと思います。このような場合、論証の部分も抜き出すのでしょうか。

 お忙しいとは思いますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

投稿: 不孤 | 2008年10月26日 (日) 21時06分

第140条(株式会社又は指定買取人による買取り)についての質問です。

5  前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。

取締役会設置会社においては指定買取人を取締役会決議にて指定できることが定められていますが、この場合においても、「一  対象株式を買い取る旨、二  対象株式の数」の決定は株主総会決議によらなければならない(同条2項)のでしょうか?

つまり、会社が譲渡承認をしない場合においては、会社が買い取るときも指定買取人に買い取らせるときも、どちらの場合も株主総会の開催が必須となるのでしょうか?

投稿: ツェーベーツェー | 2008年10月27日 (月) 10時51分

大変恐縮ですが、質問させてください。
完全親子会社間で親会社から子会社へ債務超過の事業を分割しようとしております。
このときに、いわゆる無対価で行おうとしております。
この場合、会計では分割対象の資産と負債の差額を払込資本の増減で処理するらしいのですが、 とすると債務超過の場合には払込資本を増加させることになってしまいます。
この場合の増加する払込資本の内訳は任意で決めてしまっても会社法では問題ないのでしょうか?
そもそも、払込資本を増加させるような(剰余金を増加させるような)分割は会社法では適法なのでしょうか?

投稿: ジョゼッフォ | 2008年10月27日 (月) 21時37分

葉玉先生、いつも楽しく拝読させて頂いております。
お忙しいところ誠に恐縮なのですが、1点、ご教示願います。

会社が剰余金の配当の決議をして、この配当金支払いの効力が発生したにも拘らず
支払われない場合に、この配当金を債務承認契約をもって期間が到来した債権として
現物出資することは可能でしょうか?

投稿: とっぽ | 2008年10月28日 (火) 10時41分

たびたびの質問で恐縮です。2006年10月24日に次のようなQ&Aがありました。

Q1 会社法782条などの「吸収合併契約等備置開始日」についてお尋ねします。例えば、11月1日に、合併契約を締結する旨の取締役会決議を行って当該合併契約を締結した後、同日、会社法300条の規定に基づき(あるいは全員出席総会で)招集手続を経ずに臨時株主総会を開催してその合併契約を承認したとします。この場合、当該臨時株主総会の2週間前の日が会社法782条などの「吸収合併契約等備置開始日」に当たるとすると、その日にはまだ備置すべき合併契約書が存在しません。このような場合には、次のどれが正しいのでしょうか。
1.備置すべき書類が完成した日から備置すればよい。従って、11月1日から備置する。
2.上記のような事例では、会社法300条の規定に基づく(あるいは全員出席総会による)招集手続を経ずに開催する臨時株主総会は不可となる。
3.その他
A1 782条2項1号に「第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日」とあります。したがって,提案の日から備置を開始すれば足ります。

上記Q&Aに関連して、次の質問です。

1.319条(決議の省略)の場合は「提案の日」から備置すれば足りるということは明文があるので理解できますが、同様に300条(招集手続の省略)の場合も「第三百十九条第一項の場合」にあたるのでしょうか? つまり、「298条の規定により「株主総会の目的である事項」を定めたとき」が「第三百十九条第一項の提案があった日」となるのでしょうか?
… 弊社は一人株主会社なので、2006年のご質問の方と同様、できれば吸収合併締結に係る取締役会決議の同日に(その取締役会で招集決定をして)株主総会を開催して承認をするのが、実務上大変都合がいいのです。 …

2.319条規定による書面決議で吸収合併契約の承認を行う場合に、吸収合併存続会社において795条2項(または3項)の「説明」を行わなければならないときは、取締役はその「提案」の際に「説明」をすれば足りるのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。

投稿: ツェーベーツェー | 2008年10月28日 (火) 14時33分

いつも拝見させていただいております。お手数ですが、自己株式の取得について、2点お教えいただきたいことがあります。既出の場合は、ご容赦ください。

①会社法の施行により、剰余金の配当も、自己株式取得も、どちらも剰余金の分配として同様の財源規制を受けると整理されましたが、剰余金の配当もしていない会社が、自己株式の取得を行うことについては、特に問題ないのでしょうか? (それで株価が上がれがよいですが、下がろうものなら、株主は無駄に財源を減らしやがったと怒りそうですが・・・)

②会社法156条1項には、自己株式を取得する期間は1年を超えてはいけないとだけあり、起算日は特に明記されていませんが、これは、株主総会(or取締役会)から1年というわけではなく、任意に取得可能期間を設定し(もちろん決議日からだいぶ離れた日を起算日にするのはよくないと思いますが)、それが1年を超えてはいけないという理解でよろしいのでしょうか?

以上、よろしくお願い申し上げます。

投稿: 百衛門 | 2008年10月28日 (火) 16時14分

いつも拝見させていただいています。久しぶりに質問させていただきます。
「Q 株式(取締役会設置会社)分割の手続きについて
 普通株式及び各種優先株式(A優先株式を除く)の1株を100株とする株式分割並びにA種優先株式の1株を1000株とする株式分割を行う時、取締役会の決議に加え、各種優先株式の種類株主総会の決議が必要か?
A A優先株式の種類株主総会の決議を要する。」これは某法務局内で出されている質疑応答ですが正しいでしょうか?むしろ逆のような気がするのですが・・・
 そもそも、種類株式会社がある行為を行うに対して、特定の種類株主に損害を及ぼす恐れがあるときに種類株主総会が必要になるのかどうか、法務局が株式の内容だけで確定的に判断できるのでしょうか?債権者異議の時の「当該債権者を害する恐れがないとき」と同じで、結局、会社が損害を及ぼす恐れがないと判断すれば、その恐れがあったとしても種類株主総会議事録がないことで却下はできないのではないでしょうか?

投稿: サル頭 | 2008年10月28日 (火) 21時07分

葉玉先生、はじめまして。
トムと申します。

旧司法試験合格を目指して今夏から勉強をスタートしました。
現在予備校では論文の勉強をメインにしています。
自宅で択一対策をするのに過去問中心の勉強を考えているのですが、
葉玉先生オススメの択一過去問集・択一参考書を教えていただけないでしょうか。

よろしくお願いいたします。

投稿: トム | 2008年10月28日 (火) 21時53分

いつも拝見しております。初めて質問させていただきます。業績不振の会社で使われるデット・エクイティ・スワップ(DES)と、普通の会社においてその会社に対する債権者が債権の現物出資で第三者割当増資に応じることとは、何が法的に異なるのでしょうか?DES利用=不振企業という漠然としたイメージはありますが、それでは債権を現物出資したらいつも不振企業というレッテルを貼られてしまうと思いまして。素朴な疑問で恐縮です。

投稿: ぽんぽん♪ | 2009年2月12日 (木) 23時55分

大変お世話になっております。振替法154条の少数株主権行使の件でご質問させてください。会社法130条の除外を謳っている154条はあくまで会社への対抗要件であり、権利行使そのものを排除するものではないような議論がありますが、振替法147条は基準日適用を除く株主権を網羅的に記載しておりますね。「株主権」といえば訴権などあまりに広大で(先般の質問の、総会進行時に関する権利は別として)、どうも、154条の意図していることが理解できません。一部の自益権に関する議論は実務上やむなしとしても、「個別株主通知」が決議取消の訴にまで及ばないのかな、とか、「会社が認めれば『個別株主通知無しの株主提案』が認められる?」など疑問ふつふつです。ご見解を賜りたく。

投稿: T/A | 2009年2月15日 (日) 18時24分

いつも拝見させていただいております。初めて質問させていただきます。

Xが代表取締役社長をつとめる不動産賃貸業のA株式会社は、財団法人Bとの間で賃貸借契約を締結する予定ですが、当該財団法人の理事長もXがつとめています。そこでA社はもう一人の代表権を有する専務取締役Yを当該契約の代表者とし、一方の財団法人Bも他の理事Zを代表者とすることで、自己取引(会社法第356条第1項第2号)には該当しないとして、取締役会決議(365条第1項)を経る必要はないと判断してよいでしょうか?賃貸借契約の契約内容は他の契約と同程度の条件です。

「たとえ自社の取締役が取引の相手方の取締役を兼務している場合であっても自社の取締役が当該取引について相手方を代表しない限り、会社法の規制する自己取引には該当しない」ということを聞いたのですが、根拠となる判例、文献がわかりません。参考になる資料を教えていただけると助かります。

投稿: つし | 2009年2月20日 (金) 00時17分

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受信: 2008年10月14日 (火) 10時22分

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受信: 2008年10月14日 (火) 23時09分

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受信: 2008年10月17日 (金) 00時08分

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