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2008年8月 9日 (土)

金商法の内部統制と善管注意義務

 金商法の内部統制報告制度が本格始動しているせいか、最近、内部統制に関するアドバイスや勉強会の講師を頼まれることが増えました。
 特に内部統制報告書を、どういう方針でどう書くのかという点については、本番に備えて具体的な検討が進んでいますので、質問を受ける内容もどんどん具体的になっています。

 そうした、内部統制関係でよく聞かれる基本的質問が、金商法の内部統制と取締役の責任の関係であり、より具体的には、「重要な欠陥があった場合、善管注意義務違反となるのか?」ということです。

 この論点については、同質説とか異質説とか議論がありますが、私は、そもそも、そのような問題提起の仕方自体、意味がないような気がしてなりません。

 善管注意義務の問題は、通常、取締役の損害賠償責任の有無の判断において検討されます。
 損害賠償責任を検討する場合には
  ①どんな損害が生じたのか
  ②その損害をもたらした行為は何か(因果関係)
  ③その行為は、任務懈怠といえるか(違法)
  ④その行為を行った取締役に過失があるか(責任)
というプロセスをたどるのが通常でしょう。

 損害に結びついていない行為を検討しても仕方がないし、そもそも損害に結びつく可能性のない行為を義務違反ということもできないでしょう。

 たとえば、財務報告を信頼した人が損害を被ったとします。
 すると、その損害に因果関係のある行為は、「財務報告の作成行為」ということになりますが、それが③任務懈怠になるかどうかという検討においては
  財務報告が、客観的に法令に従っていない虚偽のものならば、内部統制に重要な欠陥があったかどうかにかかわりなく、その作成行為は、任務懈怠になる
と考えられます。

 任務懈怠と故意・過失の関係については議論があるところですが、私は、
  任務懈怠=法令違反(善管注意義務違反を含む)
と考えた上、いかなる事情であれ、取締役が法令違反の財務報告(虚偽の財務報告)を作成した以上、任務懈怠は免れないと考えます(この考え方は、会社法429条2項や金商法上の有価証券報告書の虚偽記載責任の趣旨と整合的です)。

 その上で、④の取締役の過失の有無において、当該取締役にとっての予見可能性・回避可能性を検討するのです。

 このようなプロセスの中で、「重要な欠陥」はどんな意味を持つのでしょうか。
 (1)重要な欠陥があって、財務報告も虚偽だった
 (2)重要な欠陥はなかったが、財務報告は虚偽だった
 (3)重要な欠陥はあったが、財務報告は虚偽ではなかった
という3つのパターンについて考えると、それぞれ、次のようになります。

(1)の場合
  → 財務報告が虚偽だから、任務懈怠です。

(2)の場合
  → 重要な欠陥がなくても、財務報告が虚偽である以上、任務懈怠です。

(3)の場合
  → 重要な欠陥はあっても、財務報告が虚偽でなければ、それを信じたことによる損害というのは生じません。したがって、重要な欠陥自体を善管注意義務違反かどうかを論ずる意味がありません。
 また、重要な欠陥を放置し続けても、客観的に財務報告が正確ならば、通常、重要な欠陥と因果関係のある損害は生じないので、重要な欠陥の放置を善管注意義務違反と構成することもできないと思います。
 もし、「重要な欠陥があること自体が善管注意義務違反である」「重要な欠陥を放置するのが善管注意義務違反である」という論点を論ずる意味があるとすれば、重要な欠陥から、直接、会社・第三者に損害が生ずる場合(財務報告が正確であっても損害が生ずる場合)ということになります。
 しかし、そのような事例というのは、想定することは困難です。
 たとえば、重要な欠陥があるだけで、課徴金を課されるような制度があれば、重要な欠陥から直接損害が生じることになりますが、金商法は、そのような課徴金を課していません。金商法は、内部統制の「報告」義務を課しているだけで、内部統制の「構築」義務は課していないのです。
 翻って考えれば、金商法上の内部統制というのは、財務報告の正確性を確保するためのものなのですから、その目的である財務報告が正確なのに、内部統制の重要な欠陥から直接損害が生ずるというのは、論理的におかしいといわざるをえません。

 結局、(1)から(3)までの検討を通じて言えるのは、「重要な欠陥があった」「重要な欠陥を放置した」という事実は、任務懈怠の要素になることはないのです。

 次に、④の取締役の過失の有無について考えます。

 財務報告に虚偽記載があり、任務懈怠となる場合をさらに分類すると
 (1)重要な欠陥が存在した
 (2)報告書に記載すべき不備が存在した
 (3)報告書に記載する必要のない程度の不備が存在した
 (4)不備が存在しなかった
という4つの場合が想定されます。

(1)の場合
→ 虚偽記載に因果関係のある重要な欠陥があれば、その重要な欠陥の存在についての予見可能性・回避可能性を検討することになります。
 この場合、事前に、当該欠陥について内部統制報告書や内部統制監査報告書で指摘されていれば、当然、予見可能性・回避可能性は認められるでしょう。

 この点を捉えて、「重要な欠陥の是正義務がある」という捉え方をする方もいらっしゃいますが、それは、ちょっと違います。取締役は、「虚偽のない財務報告の作成義務」に違反したことを責められているのであって、重要な欠陥自体を是正していないことを責められるのではないのです。
 たとえば、コンピュータープログラムにバグがあり、それを重要な欠陥として指摘されたとしましょう。この場合でも、そのバグにより虚偽記載が生じた部分を、人力で再検証し、財務諸表の正確性を確保すれば、バグ自体を放置しても任務懈怠ではありません。
 重要な欠陥の指摘は、財務報告の正確性を確保するためのきっかけを与えただけであり、法的には、指摘された重要な欠陥自体の修正義務を課したわけではないのです。

 違った方向から検討してみましょう。客観的に重要な欠陥が存在したが、取締役も監査人も気付いていなかった場合を考えます。この場合、財務報告の虚偽記載に結びついた重要な欠陥の存在が通常の注意義務をもってしても気付かないのならば、虚偽記載についても予見不可能だったのでしょうし、逆に、重要な欠陥の存在について通常人なら気付くような場合には、取締役や監査人には、過失が認められるでしょう。
 また、取締役の立場からすれば、監査で重要な欠陥を指摘されなかったからといって、過失がないとはいえません。
 結局は、重要な欠陥が内部統制報告書等で指摘されているという事実は、財務報告が虚偽であり、かつ、その虚偽がその欠陥によって引き起こされた場合に、取締役の予見可能性を基礎づける事情の一つにすぎないのです。

(2)(3)の場合
→ 虚偽記載に因果関係のある不備が存在する場合、それが、報告書に記載すべきものかどうかにかかわらず、虚偽記載の予見可能性・回避可能性を基礎付ける要素になります。
 たとえば、監査人から、事前に内部統制の不備が指摘されていれば、その不備が軽微なものかどうかにかかわらず、虚偽記載についての予見可能性が高まります。
 
 「重要な欠陥じゃなくて、単なる不備だから、予見可能性はなかった」
という抗弁は裁判官には通用しなさそうです。

 そもそも、「重要な欠陥」「不備」という概念は、どのような報告をするかという視点からの基準が設定されているにすぎず、具体的な損害との関係で任務懈怠の大きさや深刻さを示す概念ではありません。
 Aという不備が利益の3%の虚偽記載を生む不備である場合、Aだけなら単なる不備ですが、さらにBという3%の虚偽記載を生む不備があると、AとBは重要な欠陥になります。この場合、Aのみを原因として虚偽記載が生じたときの過失について、Bがあるのか、ないのかで結論が変わるのはおかしいですよね。

 結局、善管注意義務違反が問われる場面では、すでに財務報告の虚偽記載という形でリスクが現実化しているのですから、その虚偽記載が「重要な欠陥」によって生じたものか、「不備」によって生じたものかなどどうでもよいのです。
 検討すべきは、虚偽記載の原因についての予見可能性・回避可能性だけなのです。

(4)の場合
→内部統制について、金商法上の重要な欠陥・不備が存在しなくても、虚偽記載が生ずることはあります。その場合でも、取締役に過失がないとは言い切れません。虚偽記載が生じた原因が何かを特定し、その原因について予見可能性等があれば、過失はあります。

 以上をまとめると、「重要な欠陥」、「記載される不備」、「記載されない不備」、「不備なし」という金商法の概念は、過失の有無とは直接の関係がない概念であるということがわかります。
 せいぜい、重要な欠陥や不備を指摘されたことが、取締役の予見可能性を基礎付ける間接事実になるという程度のことであり、それをもって「重要な欠陥が善管注意義務になる」「重要な欠陥を是正する義務がある」という表現をするのは、法的には、不正確であるといわざるをえないと思います。

(質問コーナー)
Q1
合同会社の設立登記における資本金の決定について質問させてください。そもそも株式会社では、設立時の資本金の額に関する事項を定款または発起人全員の一致により決定するのだと理解しております。(32条)しかし、合同会社においては資本金が登記事項になっているにも関わらず、会社法本体には資本金の額に関する事項の決定方法につき具体的条文がありませんよね?そして、合同会社においては設立時の資本金の額に関する事項は会社計算規則75条をもとに社員になろうとするものが決定するのですよね?そもそも、私のこの理解は正しいのでしょうか?正しいとして、なぜ合同会社では、会社法本体に設立時の資本金の額の決定方法につき具体的条文をおかず会社計算規則に定めを置いているのでしょうか?
投稿 登記職人見習中 | 2008年7月28日 (月) 00時33分
A1
株式会社よりも、資本金の額に関する自治を重視しているからでしょう。
資本金の額を小さくすることが経済的に大事な場合もありますから。

Q2
私は将来的に企業法務に携わりたいと考えていまして
そこで会社法はしっかり勉強しよとしているのですが、
どうも計算の分野が、教科書を読んでもなかなか理解できません。
会社法の本だけでは私にはイメージがつかめず、
ロースクールの講義も、単調な説明を受けただけで
制度をしっかり理解することができませんでした。
計算に関する理解を深めるにはどうしたらよいのでしょうか?
葉玉先生は修習生時代に会計の勉強をなされたという話を聞いたのですが、
やはり、会計の勉強をすべきでしょうか?
投稿 べってる | 2008年7月28日 (月) 00時44分
A2
とりあえず、会社法マスター115のビデオ講座の第2回を見ましょう。
それから、簿記2級を取りましょう。
その後に税理士用の法人税の勉強をしましょう。
最後に、M&Aとか、ストックオプションとか、ちょっと特徴的な会計を勉強しましょう。

Q3
持分会社の業務執行権について、どうしても分からないことがあります。
業務執行社員の加入と退社は登録免許税が1万円ですむのですが、退社を伴わずに業務執行権の消滅のみをする場合、3万円が必要なのはなぜなのでしょうか?
また、加入を伴わない業務執行権の授与のみの場合の登録免許税は想定されていないのでしょうか。
業務執行権だけ変更するという事態が滅多にないために、こういう風になっているのでしょうか?
投稿 kuro | 2008年7月28日 (月) 01時00分
A3
うーん、なぜでしょう。

Q4
一点、ベンチャー・キャピタル条項に関係して質問があります。
上場しているA社・Aの子会社B社・B社の投資先C社があるとします。(C社のマジョリティーをB社は保有しています。)
財務諸表規則上ベンチャー・キャピタル条項「財務上又は営業上若しくは事業上の関係からみて他の会社等意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる会社等はこの限りでない」を適用し、C社はB社の子会社ではないとし、これについて監査法人のお墨付きもいただいております。
一方で、会社法上「財務上又は事業上の関係からみて他の会社等の財務または事業方針の決定を支配していないことが明らかであると認められる場合は除かれる」という規程があります。
財務諸表規則と会社法の規定が同じだとすれば、C社がB社の子会社でないと考えることもできます。それであるならば、C社は、会社法上の子会社の規制も関係ないということになるのでしょうか?具体的には、上場しているA社の株式を取得できるのでしょうか?
日本版ベンチャー・キャピタル条項が出たばかりで実務上定着していないため、監査法人担当者に確認しても回答がない状況です。
投稿 PE | 2008年7月28日 (月) 10時38分
A4
C社がA社の子会社に該当しないのならば、当然、A社株式も取得できるでしょう。
ただ、C社がA社株式を取得すると、「A社の支配下にないというのは、本当かよ?」という感じを受けますが。

Q5
100問やストリームングの中で先生が用いられているバッファという言葉なのですが
日本語に置き換えるとどういう意味になるんでしょうか。
投稿 三毛猫 | 2008年7月28日 (月) 15時52分
A5
「余裕」「あそび」でしょうか。

Q6
私は都内のロースクールに通う学生です。
仕事を持ちながらということもあり、まだまだ初学者の域を出ない状態です。
演習問題に取り組むに当たって以下の質問にお答えいただけましたら幸甚です。
①演習は、問題集を自宅で解くことで足りるか?その場合の注意点は?
②初学者の段階で、予備校の答案練習会に参加することに意義はあるか?
投稿 こぐちゃん | 2008年7月29日 (火) 14時48分
A6
①足りません。誰かに見て貰ってください。
②意味は大いにあります。強制的に書く機会を作るべきです。

Q7
先日、株券電子化に関する講演会に参加させていただきました。
講演での、買収防衛策の株券電子化対応についてのお話の中で、信託型の買収防衛策については対応が必要と仰っていましたが、具体的にどのようなことを株券電子化に向けて対応していかなければならないのでしょうか。
また、他の買収防衛策についても株券電子化に関する問題点等はあるのでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、ご教授願います。
投稿 TJ | 2008年7月30日 (水) 14時48分
A7
 信託型が、どんな設計をしているかによって変わりますので、一言では語れません。
 事前警告は、どうせ法的意味はないので、関係ないでしょう。

Q8
私は10年間企業で仕事をした後、今年から都内ローの既修に入学しました。
弁護士の就職難の話をいたるところで聞いて、とても不安で仕方がありません。
先生にお伺いしたいのですが、もちろん若いに越したことがないというのは分かっているのですが・・・
就職の際に年齢というのは重要な項目なのでしょうか。
投稿 年配ロー生 | 2008年7月30日 (水) 23時27分
A8
年齢が重要な項目であるのは確かです。
ただ、年齢だけで決めるわけではありません。
他のロー生よりも10年長く生きているだけの武器を年配ロー生さんが持っているかどうかということです。

Q9
株券電子化で、株券は紙切れ(株券としては無効)になると聞きますが、無効となった紙切れは、いったい誰の所有物になるのでしょうか?
株主が、収集家に「記念品」として売ってしまっても問題ないでしょうか?
投稿 コレクター | 2008年7月31日 (木) 02時56分
A9
その問題は、非常にデリケートな問題ですので、ノーコメントです。

Q10
公開大会社です。438条1項の解釈に悩んでます。
まず437条については、取締役会の承認を受けた計算書類・事業報告 等を定時株主総会の招集通知に同封して郵送することにより株主に対する提供義務を果たしていると判断しています。問題は438条の定時株主総会への提出義務です。437条を履行している場合、何をどのように行えば、438条1項3号の計算書類・事業報告の定時株主総会への提出義務を履行したと認められるのでしょうか。ご教授ください。
投稿 | 2008年8月 1日 (金) 11時55分
A10
 内容を説明し、承認を取れば(または報告すれば)、提出義務は履行されたと認められるでしょう。

Q11
前回のQ5
 合資会社で既存の社員が、無限A・有限B
  Bが死亡。その相続人たるCおよびDが遺産分割をし、Cのみが社員の持分を承継可能でしょうか?
  また、もし、Bが出資の一部未履行であった場合も遺産分割をし、Cのみが社員の持分を承継可能でしょうか?
投稿 たかだ | 2008年7月23日 (水) 08時18分
前回のA5
 608条1項の定めがあれば、可能でしょう。
 また、一部未履行分は、Cのみが債務を負うと考えるべきでしょう。

 旧法ですが、認められないと先例があります
投稿 みうら | 2008年8月 1日 (金) 18時54分
A11
 その先例は、どういう理由で否定したのでしょうか?
 その先例の合理性に疑いがあります。

Q12
譲渡制限株式会社の株主AがBに自己の保有する株式を譲渡したとします。
Bが会社に承認請求(137条1項)をし、会社が不承認決議をしたとします。
そして、会社がその株式を自己株式として取得する場合(140条)、株主として議決権を行使するのは譲渡人のAなのでしょうか。
140条3項の規定で譲渡等承認請求権者の議決権行使が排除されていることからすると、Bのような気もします。
Bだとすると株主だと擬制することになるのでしょうか。
投稿 kawai | 2008年8月 1日 (金) 21時53分
A12
 名義書換未了である以上、議決権行使をするのは、Aです。

Q13
現在、司法試験、合格目指して勉強しています。
法曹になるための現在の制度は、法科大学院に進学し、新司法試験を受けて、司法修習に行くというのが、主流です。しかし、旧司法試験もあと2年ほど継続され、その後も、予備試験を経れば、法科大学院を卒業しなくても司法試験の受験ができます。
このような中、私自身、法科大学院に進学しなくても、予備校などを利用し、旧司法試験が行われている間は、旧司法試験にチャレンジし、その後は、予備試験を経て司法試験の受験という方を選択した方が、一年でも早く法曹としてのスタートを切れるのではないかと思っています。
先生は、しっかりと、法科大学院に進学し、新司法試験を受験した方がいいと思いますか?それとも、多少は、リスクもありますが、予備試験を受ける方が賢い方法だと思いますか?
司法試験に合格するには、自分の努力が一番重要ですし、努力しなければ、どんな方法も意味がないと思います。ですが、私自身、すでに、大学を卒業し3年たっており、年齢を気にしていますし、また、私は法学部出身でもなく、法科大学院でどのような授業等が行われているのか、情報がなく、法科大学院に進学することに、二の足を踏んでいる状況です。
投稿 まんごー | 2008年8月 4日 (月) 00時17分
A13
 予備試験については、まだ十分に煮詰まっていないので、それだけを当てにするのはリスクがあります。
 お金と時間に余裕があれば、ロースクールに進学する方が現時点では正しいと思います。
 予備試験の方が早く資格が取れるなら、途中でロースクールを退学してもいいので。

Q14
「唯一、代用有価証券の取扱いについては、すべての証券会社が問題意識をもって、金融庁と折衝しないと大変なことになると思います。」
とは具体的にはどのようなことを仰っているのでしょうか??
投稿 一投資家 | 2008年8月 4日 (月) 12時37分
A14
 今の金融庁のパブコメへの回答どおりだと、証券会社は、代用有価証券についてのシステム対応が大変だということです。

Q15
私は現在26歳で、会社に勤務しながら司法試験の勉強をしております。
さらに、人と接する仕事、社会に意義の強い仕事がしたく、弁護士を志しました。旧司法試験、あと2回のチャンスに向け勉強中です。
合格後は、企業での経験、海外勤務の経験を生かして、渉外弁護士として働きたいと思っています。
企業を取り巻く環境も劇的に変化して、海外の企業が日本にも押し寄せてきています。将来的には、M&A、特に敵対的買収へ防衛策を講じる案件を扱うチームに入りたいと思っています。

そこで、TMIをはじめとする渉外事務所に勤務しようと思えば何歳までが好まれますか。
また、社会人経験のある人は好まれますか。
当方は、慶應大(非法学部卒)、企業勤務です。
投稿 ぽむj | 2008年8月 4日 (月) 20時18分
A15
 「社会人経験」という抽象的なものは評価されず、「どんな仕事をしていたか」で評価されると思います。
 年齢は、若い方が好まれると思いますが、30歳以上でも、特に優秀ならば採用します。
 30代後半になってくると、だんだん難しくなりますよね。結局、経験10年の法曹と同等の魅力がその人に備わっているかということが判断されるようになると思います。

Q16
私は某ロー未修者コース3年次に在籍する者ですが、最近、私の周囲でも就職のことがちらほら話題になっております。
そこで、先生にお伺いしたいのですが、
ローでの成績は必ず法律事務所に提出しなければならないそうですが、採用に当たってはどれほど重視されるのでしょうか?
もし、他に考慮要素があれば、どのようなことを考慮されるのでしょうか?
私は恥ずかしながら、訴訟法関係(特に民事訴訟法、要件事実)が非常に苦手で、ローでの今までの成績も良くなかったのですが、これでは就職が厳しいでしょうか(上3法、行政法は比較的高評価を頂いております)?
訴訟法関係の成績が芳しくないと、任官は更に厳しいでしょうか?
投稿 まゆまゆ | 2008年8月 4日 (月) 22時02分
A16
「どれほど」というのが難しいですが、まゆまゆさんが採用担当になったつもりで評価すると分かります。
 AさんとBさんがいて、Aさんは成績がよく、Bさんは悪い。その他があまり代わり映えしないならば、Aさんを採用するでしょう。
 また、司法試験の合格率も、一般的には、学校の成績に比例しますから、自ずと成績は重視されます。
 なお、各科目の成績の高低は、それほど気にしてないと思います。

Q17
はじめまして。「業務執行」の意義に関して、質問させて下さい。
過去のエントリ「業務の執行と職務の執行」を読んで、眼からウロコが落ちる思いでしたが、学習が進むとかえってわからなくなり困っています。以下の質問にお答えいただけますと幸甚です。
①「業務の執行」には「監査・監督」や「意思決定のプロセス(招集等)」は含まれないが、原則として法律行為のみならず会社運営にかかる事務全般が含まれる・・・と考えていましたが、持分会社の「常務」(590条3項)は業務執行権がなくてもできると知り、混乱しております。「常務」とはどのような行為を指すのでしょうか?
A17
 業務執行者社員を定めた場合には、常務も業務執行社員しかできません。

Q18
②以前、他の方の質問に対する答えとして、「業務執行しない取締役」の例として就任したばかりの平取締役を挙げておられましたが、新聞報道を見る限り平取締役でも職掌を決めた上で選任する企業が多いですし、取締役会における発言・議決権行使のためだけに役員報酬を支払う企業は少ないのではないかと思います。
 個人的には、業務執行しない取締役というものは(社外取締役or委員会設置会社を除けば)ほとんどいない(つまり大抵の取締役は業務担当取締役である)、と認識していましたが、この認識は誤っていますでしょうか?
A18
 取締役に業務執行権を与えている、または使用人兼務取締役が多いのは、事実上でしょうが、それは、会社が、取締役を業務担当取締役としているから、そうなっているだけであり、法律論としては、取締役であるというだけでは、業務執行権はありません。

Q19
③監査役設置会社の取締役は支配人を兼任できるのに対し、委員会設置会社の取締役は支配人を兼任できないのはなぜでしょうか?前者は業務担当取締役に選定された上で兼任しているということでしょうか?
A19
 取締役は、執行役を監督する立場なので、執行役の指揮下にある支配人にはなるのは、ガバナンス上問題があるという思想です。

Q20
以前の記事で「その他資本剰余金」というのは,
出資に関連して会社に入ってきた財産の価額のうち,資本金にも,資本準備金にも計上されていないものとあったのですが、どのようにして生じるのかよく分かりません。
例えば,1000万円出資して,800万円を資本金にしたら,残り200万円が資本準備金。このままだとその他資本剰余金は0円なの200万円のなかから計上しない額を決めるのでしょうか。
また「その他利益剰余金」というのは取り崩して、資本にあてることができないとうことは溜まる一方ということになるのでしょうか。
投稿 桜鯛 | 2008年8月 5日 (火) 00時47分
A20
 たとえば、自己株式の簿価が200万円で、それを300万円の払込を受けて交付すれば、100万円がその他資本剰余金となります。
 私のビデオの第2回をみて勉強してください。

Q21
会社法第427条第1項の責任限定契約を締結できる旨の定款変更を行った後に責任限定契約を締結する場合に、責任限定契約の締結について取締役会決議が必要でしょうか?会社法第362条第4項の「その他の重要な業務執行」に当たるのでしょうか?
投稿 ロニー | 2008年8月 5日 (火) 09時36分
A21
私は、当たらないと思います。

Q22
論文試験の学習方法について、葉玉先生は常々「答案を書け」「答練を受けろ」とおっしゃっておりますが、私も同様に考えます。
ただ、経済面等の諸事情により、予備校等の答練あるいは合格者・研究者による添削を受けることができない状況にあります。
そこで、答案練習を一人で行わなければならない状況であるのですが、一人で答案練習をするにあたって注意点ないし効果的な方法がありましたら、ご教授願います。
投稿 おそらく二振目 | 2008年8月 5日 (火) 23時33分
A22
 ① 定期的にやる
 ② 時間を絶対オーバーしない
 ③ 誰かに見てもらう。
でしょうか。

Q23
ここ数度「業務執行取締役」についてご質問させていただいたものです。ご回答により、ようやく頭の整理ができてきました。大変ありがたく、お礼申し上げます。
念のためですが私の理解が正しいか、ご確認させていただきたく、再度質問させていただきます。
業務執行取締役等を、以下のとおりにまとめたのですが、正しいでしょうか?
①代表取締役           業務執行できる   業務執行取締役
②業務担当取締役        業務執行できる   業務執行取締役
③使用人兼務取締役      業務執行できる   業務執行取締役
④かつて業務執行をし、 
 現在は①~③ではない
 取締役              業務執行できない  業務執行取締役
⑤社外取締役
 ⑤‐1 将来的にも業務執行を
    予定しない取締役     業務執行できない  not業務執行取締役
 ⑤‐2 将来、業務執行を予定
    する取締役         業務執行できない  not業務執行取締役
⑥従業員からの持ち上がりで
 まだ①~③になったことがない
 取締役               業務執行できない  not業務執行取締役

以上が正しいとしてですが、④は業務執行取締役なのに業務執行できない、というなんだかややこしい結果になるのですね。
また、社外取締役でも、典型的な社外取締役(⑤-1)もいれば、社外から招聘し、まだ業務執行権を与えていないが近い将来使用人兼務にするなどして業務執行権を与えることを予定している社外取締役(⑤-2)というのもありうる、ということですね。
細かい話ですが、この⑤-2で、使用人兼務取締役を任命されたがまだ業務執行していない、という状態(例えば入院中に任命され、入院中は事実上社長が直接業務執行した)というときは、業務執行はしようと思えばできるが業務執行取締役ではなく、依然として社外取締役である、ということになるんでしょうか?(これはあまりに細かい話ですが……)
投稿 | 2008年8月 6日 (水) 12時38分
A23
 使用人になったら、社外取締役の定義中の「使用人でなく」の要件を欠きますので、社外取締役ではありません。

Q24
会社法の立案に際して、民法の諸規定に問題を感じた部分はありましたか?
また、現在の実務で、何か問題を感じる部分はありませんか?
現在、旧商法・旧証券取引法に続いて、債権法の改正のための下準備が行われていると聞いております。内田貴先生(法務省民事局参与)の特別講義を2度拝聴して、特に興味をもっております。
投稿 一般法の民法 特別法の会社法 | 2008年8月 6日 (水) 19時03分
A24
民法の債権法分野は、基本的に任意規定なので、問題はあまり感じませんでした。
実務上も、特に問題を感じるようなことはありません。

Q25
100問の19問目の発行可能種類株式総数について教えてください。
発行可能種類株式総数は
発行可能株式総数より多くさだめることは可能
とありますが定めが可能なだけであって
実際に発行された場合は
発行可能株式総数の制限を受けるという理解でよいのでしょうか。
投稿 白玉 | 2008年8月 7日 (木) 20時19分
A25
発行可能種類株式総数の「合計数」が、発行可能株式総数を超えることができるという話でしょうか?
 いずれにせよ当然、発行可能可能株式総数の枠内でしか発行できません。

Q26
合併交付金の解釈についてご教示下さい。
合併比率が1(存続):0.001(消滅)という場合に、
消滅会社の株主に対し、比率に応じた合併交付金を支払うことを予定しております。
この場合、合併交付金を会社法234条の端数処理として支払ったという解釈は可能でしょうか?
このように解釈できた方が、税務的に有難いようです(経理担当曰く)。
如何でしょうか?
投稿 pin | 2008年8月 8日 (金) 10時21分
A26
合併交付金を支払うという合併契約ならば、234条の端数処理ではないです。
そういう約束がないならば、234条の端数処理が行われます。

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コメント

葉玉先生こんにちは。
ロースクール在学時代からブログ拝見させていただいていましたが
質問をさせていただくのは初めてです。
よろしくおねがいします。

Q1
私は企業法務に関係する活動をしたいと考え,ある程度以上の規模の
事務所を目指していましたが,TMIを含め現時点でオファーを
頂いている事務所はありません。
合格発表前に決まるのは難しい状況だと思います。
ですが,現在も企業法務に関係する活動をしたいという思いは
変わりません。(むしろお話を伺うと益々その気持ちが強くなりました)
そこで,最近話題の(?)インハウスロイヤーという道も考えているのですが,法曹としてのキャリアを考えるにあたって,葉玉先生が考えるインハウスロイヤーのメリット・デメリット,また最初からインハウスロイヤーとなることについてどう考えるかについて伺えればと思います。

Q2
これは質問というよりお願いなのですが,先生のいらっしゃるTMIを含め
面接後何の音沙汰もないという事務所が多いです。
先生方やスタッフの方も通常業務に加え,就職活動の相手をするのは
とても大変なこととは思いますが,就職活動をしている側も合格発表を
控え不安定な気持ちなのに,事務所から何の連絡もないのは非常に
落ち着きません。
周囲の人が連絡を受けていて,自分に連絡が来なければ大体の想像は
つきますが,それでも全く連絡がないのは精神衛生上良くないので
簡単でも「今回はお断りします」というメールを頂ければと思います。
(もしくは大体○日以内には連絡します,としていただくか)
是非来年以降の後輩達の就職活動の際にはご検討ください。

投稿: 合格&就職未確定者 | 2008年8月10日 (日) 17時24分

Q3ロー生です。愚問かもしれませんが、よろしくお願いします。

百問p273の6によれば、「非取締役設置会社になることにより、混乱を回避することができる」と書かれていますが、たとえばもし出題の設定が公開会社の場合、取締役会は設置義務ですから、当該会社が公開会社でありつづけたい場合、あてはまらない理由付けではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

また、そもそも、先生は、p270で定款変更を行えば、取締役会を廃止することができると述べられていますが、やはり公開会社等では、取締役会は設置義務ですから、汎用性のない理由付けかと思うのですがいかがでしょうか。

もし、私の疑問が適切な場合、公開会社において、選任解職権を株主総会に委譲し、かつ、取締役会に選任等の権限を残した場合における、他の許容性的な理由付けはございませんでしょうか?

新司法試験では公開会社又は取締役会設置会社(の形態を維持したいと当事者は思っている)のケースが出題されるかと思うので、先生の理屈付けは試験との関係ではリスキーでしょうか?

なるべく、条文に忠実な先生の解釈を自説にしていきたいので、ご教示お願いいたします。


投稿: だっち | 2008年8月12日 (火) 20時14分

会社法による内部統制と財務報告に係る内部統制の調整に苦慮しています。
将来の上場を視野に入れた、未上場会社のスタッフです。会社法の法定項目に関する内部統制システムの整備項目は、取締役会にて決議し、粛々と整備を
進めていますが、その整備と金商法上の内部統制の具体的「整備項目」の区別がわかりません。(COSOや経済産業省の枠組みよりさらに具体的に)
最新の情報として、参考となる書籍やサイト等のご推薦をいただけると助かります。
よろしくお願いします。

投稿: 内部監査人 | 2008年8月14日 (木) 17時58分

吸収合併や吸収分割では、差損が生じる場合、承継会社側で株主総会が必要です(795条2項)。
事業譲渡の場合でも、承継する債務が大きければ差損が発生するケースはありえると思いますが、事業譲渡では特に承継会社側で株主総会は求められないのでしょうか。
求められない場合、その理由があればご教示ください。

投稿: ご質問 | 2008年8月15日 (金) 14時27分

すみません。↑上のご質問は、「事業の重要な一部の譲受け」を想定しております。

投稿: ご質問 | 2008年8月15日 (金) 14時47分

 いつも楽しく拝見しています。一件お教えください。
 取締役が会計監査人の報酬等を定める場合には、監査役(会)の同意を得なければなりません(会社法399条)。
 また、会計監査人の報酬等については、事業年度に係る報酬等の額を事業報告の内容とすることになっています(会社法施行規則126条)。
 3月決算の会社であれば、5~7月頃に取締役が「年額○円」と定め、監査役(会)が同意しているケースが多いと思います。

 その後、期中において、取締役が、会計監査人の監査内容を増加させ、報酬等の額を増加する場合には、監査役(会)の同意は必須でしょうか。それとも、少しの額の増加であれば、同意は不要と考えてよいでしょうか。(弊社のケースについて言いますと、監査役会による報酬等の額の同意に際しては、会計監査人の監査内容と報酬額とを相対的に検討したうえで、額の妥当性を判断しましたので、監査内容が少し増加し、その分だけ額が少し増加するような場合には、監査役会の妥当性の判断も変わらないと考えられます。したがって再度の同意は不要と考えますが、いかがでしょうか。)

 また、取締役が、報酬等の額を単価(監査1時間あたり△円)により定め(同時に監査時間数についても定め)、単価のみについて監査役(会)の同意を得てもよいのでしょうか。

投稿: はる | 2008年8月17日 (日) 14時47分

いつも楽しく拝見しております。
取締役会設置会社で取締役が3人いるところ、うち1人が自己破産しました。
この場合、委任契約が終了して、取締役の地位を失うことになるかと思います。

このとき、自己破産した取締役は会社法346条1項の取締役として権利義務を有する者にあたるのでしょうか?
「任期の満了又は辞任により退任した」とはいえない気もするのですが。
よろしくお願いいたします。

投稿: 浜っ子 | 2008年8月18日 (月) 13時13分

葉玉先生、ぜひご教示ください。

会社法370条による取締役会決議の省略を行おうとする場合、提案する決議事項について利害関係を有する取締役(=議決に加わることができない取締役。例えば、自己取引の承認決議に関する提案を行う場合において、その取引を実際に行う取締役)が自ら提案を行うことについては、問題ないでしょうか??

投稿: 某社法務実務担当者 | 2008年8月19日 (火) 12時15分

今旧司法試験合格を目指して勉強しています。仕事もあるせいか勉強時間が一日5時間程度しかありません。このような少ない勉強時間の中ではやることも限られてきてしまいますがどのような勉強をするべきでしょうか。問題を解く、基本書を読む、論証を覚えるなどありますがどの順番で優先すべきか教えてください。ちなみに択一試験には合格しています。

投稿: とむくるーず | 2008年8月21日 (木) 23時09分

葉玉先生質問です。

委員会設置会社は三委員会に限らず、訴訟委員会など、新たな委員会を設置してもいいんですよね。

とすれば、その委員会に委任できる権限の限界はどこまであるのでしょうか。

あるとすれば、その根拠条文は何でしょうか。

投稿: ロー志望 | 2008年8月22日 (金) 16時26分

葉玉先生、こんばんは

暗記や記憶のやり方についての質問です。

私は、民法や憲法の定義・条文・趣旨などを書き込んだ『暗記カード』を作成し、知識の記憶の定着を行っております。

ここで二点ほど質問です
①先生は受験生時代に、このようなカードを作成しましたか?
②暗記だけの時間を作りましたか?

よろしくおねがいします

投稿: こんちゃん | 2008年8月23日 (土) 00時32分

Q1に関してA1のような回答を頂いたものです。いつもお世話になっております。
お忙しいところ大変申し訳ないのですが、もうしばし質問させてください。
=================================
Q1
合同会社の設立登記における資本金の決定について質問させてください。そもそも株式会社では、設立時の資本金の額に関する事項を定款または発起人全員の一致により決定するのだと理解しております。(32条)しかし、合同会社においては資本金が登記事項になっているにも関わらず、会社法本体には資本金の額に関する事項の決定方法につき具体的条文がありませんよね?そして、合同会社においては設立時の資本金の額に関する事項は会社計算規則75条をもとに社員になろうとするものが決定するのですよね?そもそも、私のこの理解は正しいのでしょうか?正しいとして、なぜ合同会社では、会社法本体に設立時の資本金の額の決定方法につき具体的条文をおかず会社計算規則に定めを置いているのでしょうか?
投稿 登記職人見習中 | 2008年7月28日 (月) 00時33分
A1
株式会社よりも、資本金の額に関する自治を重視しているからでしょう。
資本金の額を小さくすることが経済的に大事な場合もありますから。

=================================
合同会社で、会社法本体に設立時の資本金の額の決定方法につき具体的条文をおかず会社計算規則に定めを置いていることと 資本金の額に関する自治を重視していること はどのように関連しているのでしょうか?


投稿: 登記職人見習中 | 2008年8月23日 (土) 13時57分

8月9日のQAのNO23等業務執行取締役について何度も質問している者です。NO23についてはおっしゃるとおりでした。
また、何度もすみませんが、教えてください。
使用人兼務取締役のことです。

1.QAのNO23にも入っているので、念のための確認にはなりますが、使用人兼務取締役は業務執行取締役であるという認識で正しいですか?

2.使用人兼務取締役は、業務執行の「権限」はない(が、代表取締役の手足として業務執行している)との理解は正しいでしょうか?

3.(1が正しいとして)業務担当取締役と使用人兼務取締役とが、213条等において同じ責任を問われるのはなぜなのでしょう?
使用人としての業務執行しかしておらず、権限もないのならば、単に使用人としての責任を問われるべきなのではないのか?取締役会で選定される、法定の取締役(業務担当取締役)と、代表取締役の指名で決まる使用人兼務取締役とが同じ責任を問われるのは変ではないか、という意味です。

(もし基本的な誤解がありましたらご容赦ください)

投稿: | 2008年8月23日 (土) 17時21分

葉玉先生 教えてください。
会社法100選(1版)のNO42の「株券発行前の株式譲渡」に関してです。
この場合、会社に対してはなんらの効力も生じないが、譲渡の当事者間では債権的効力を発生させる(のみ)とあります。
ところでこれに関して会社法判例百選のNO14(S47年11月8日最判)についての解説を読んでいたところ(P33の右側)、①債権的効力を発生させる(のみ)という説と、②当事者間では有効とする説がある、と書かれています。
そこで質問ですが、この2説はどう違うのでしょうか(同じじゃないのか?と思ってしまうのですが)。
もしこの質問にお答えしにくければ、具体的にどのような効果の違いがあるのか、例示してもらえませんでしょうか?

投稿: | 2008年8月23日 (土) 17時45分

会社法2条9号は、「又は」以後には会計限定監査役を除外する旨規定されていません。監査役を置かなければいけない会社も会計限定監査役にできる場合が有ると思うのです。法の趣旨から考えると、この後段も会計限定監査役を除外するものと思うのですが、どこからそれを導くのでしょうか?

投稿: 会社法漫遊 | 2008年8月24日 (日) 08時20分

テレビ出演、おめでとうございます。

かっこよかったです。happy01

ただ、びっくりしてお昼の盛りそば噴出しました(笑
芸能界入りしても応援しますhappy02

投稿: スポンジ | 2008年8月24日 (日) 13時02分

お疲れ様です。
バシいっとスーツが決まってた割りに,
ずいぶんとコメントがおとなしかったような・・・

投稿: ぉぃぅ | 2008年8月24日 (日) 13時04分

失礼しました。
3.(1が正しいとして)業務担当取締役と使用人兼務取締役とが、213条等において同じ責任を問われるのはなぜなのでしょう?
使用人としての業務執行しかしておらず、権限もないのならば、単に使用人としての責任を問われるべきなのではないのか?取締役会で選定される、法定の取締役(業務担当取締役)と、代表取締役の指名で決まる使用人兼務取締役とが同じ責任を問われるのは変ではないか、という意味です。

重要な使用人は取締役会で選任されるのでした。

会社法に「業務執行をする取締役」とされる業務担当取締役と、代表取締役の手足に過ぎない使用人兼務取締役とが同じ責任を問われるのは変ではないか、という意味です。
に修正します。


投稿: | 2008年8月24日 (日) 16時32分

テレビ出演おめでとうございます。

先月、事務所の講演会に参加させていただきました。
電子化で証券代行の役割が変わってしまうのでしょうか?

証券会社で株式事務の手続きが円滑に進むのでしょうか?
(証券会社に・・関係がありますので・・)
まあその前に証券システムの問題もありますが・・

投稿: あっ!と法 無 | 2008年8月24日 (日) 17時51分

 「金商法の内部統制と善管注意義務」を論ずる前に、まず、「重要な欠陥」の意義を明確にするべきだと思います。

 実施基準においても、「リスク・重要な欠陥・統制の不備の意義は一律に示すことができない」として何も示していません。

 そもそも、統制というものは、リスクが明確になって始めて当該リスクに有効に対応する統制の有り方が解るのであって、リスクを明確に示さないのでは「重要な欠陥」どころか、「統制の不備」ですら、その意義を論じることは出来ないでしょう。

 思考を逆にして見て下さい。
 例えば、〔○○入力〕を観察すると、以下のリスクを一律に示すことができます。(どんな業種でも、どんな国でも共通のリスク)
①【架空計上】が行われる。
②恣意的に【二重入力】が行われる。
②'誤謬による【二重入力】が発生する。
③誤謬による【入力漏れ】が発生する。
④【未承認】のデータを入力する。
⑤【改竄】が行われる。
⑥恣意的に【相手先誤り】が行われる。
⑦恣意的に【金額誤り】が行われる。
⑧恣意的に【日付(納期)誤り】が行われる。
⑨恣意的に【勘定科目誤り】が行われる。

 この9つのリスクを防止または発見できなかった場合には、財務諸表に虚偽記載が発生することになります。⇒これは「重要な欠陥」ですよね!

 例えば、担当者が証拠資料を入手し、当該担当者がシステムに入力するというような業務のやり方をしていれば、「架空計上」が自由にやれてしまうことになります。

 ◆このような業務のやり方自体が正に「重要な欠陥」なのです。

 従って、「重要な欠陥」は、直ちに是正すべきであり、「報告」義務を果たせば良いなどと言ってもらっては困ります。
                     ↓
--- 「金商法は、内部統制の「報告」義務を課しているだけで、内部統制の「構築」義務は課していないのです。」 ---
                     ↓
 実際の3点セットを一度ご覧になって頂きたい。上記9つのリスクを防止または発見できるように統制の整備がされた3点セットを見たことがありますか?
リスクさえ、まだ誰も一律に示した人がいないのに、「統制の不備」を誰が発見できましょう。
                     ↓
 現状のままでは、「統制の不備」が有るのか、無いのかさえも解らずに、「報告」も漏れたまま、従って何を「整備」しなくてはいけないのかも知らずに終わってしまうでしょう。
                     ↓
 このような誤解は、「財務報告の信頼性に係るリスク」以外の無限にあるリスクまで考えてしまうことが原因だと思います。
                     ↓
 「財務報告の信頼性に係る9つのリスク」に絞って、3点セットを作成すれば、そこで発見された「統制の不備」は、そのまま「重要な欠陥」となります。
 このように「重要な欠陥」は、3点セットを作成した時点(机上)で容易に発見できます。

------ 以下、用語説明 -------------------------------------------

 ◆リスクの意義
 「R①架空」、「R②二重」、「R③洩れ」、「R④未承認」、「R⑤改竄」、「R⑥相手先の誤り」、「R⑦金額の誤り」、「R⑧期間帰属の誤り」、「R⑨勘定科目の誤り」の9つのリスクをいう。

 ◆「重要な欠陥」の意義
 重要な欠陥とは、9つのリスクに有効に対応する3つの統制パターンの内、全部又は一部の統制がないものをいう。

 ◆3つの統制パターンの説明

 【1】
 「C①職務分離+システムによる入力制限」により、「R①架空」、「R②二重」、「R③洩れ」、「R⑥相手先の誤り」、「R⑦金額の誤り」、「R⑧期間帰属の誤り」、「R⑨勘定科目の誤り」と「R④未承認」が防止できます。

  【記述例】
 〔受注受付〕と〔受注入力〕を別の者が行うことにより、相互牽制が働き、上記リスクに有効に対応する統制としている。

 〔受注システム〕は、「受注登録画面(受注システム)」で与信限度枠を超過した得意先はエラーとなり入力が出来ないこととしている。

 【2】
 「C②システムによる入力制限+システムによるアクセス統制」により、「R⑤改竄」が防止できます。

  【記述例】
 〔受注システム〕は、「受注登録画面(受注システム)」で課長の電子承認後の
データは修正不可としている。

 【3】
 「C③モニタリング」により、「R②二重」、「R③洩れ」が発見できます。

  【記述例】
 課長は、毎週システムより自動出力される「【週報】受注状況一覧(受注システム)」と「営業日報」を照合し、特に①【入力漏れ】、②【二重入力】等がないことを確認している。

投稿: 内部統制の被害者 | 2008年8月28日 (木) 16時57分

葉玉先生 実務的な質問で恐縮ですが教えて下さい。
私はとある大会社(会社法上の。世間的には小さな会社)で総務やら法務やら何でもやらされている者ですが、監査費用を削減したいということもあり(動機は不純)、減資したうえで会計監査人をはずしたいと考えています。
で株主総会を開かないといけないのですが、手間と費用削減のため(これまた動機が不純)、1回で済ませることは可能でしょうか。
1.まず減資について決議した後、債権者からの異議がないことを条件に
  定款変更(会計監査人の廃止)を決議する。
  (減資と定款変更の効力発生日は同じ日とする。)
2.債権者保護手続きを粛々と実施。
3.1の総会議事録を添付して、減資と会計監査人の廃止を1回で登記する。

投稿: サラリーマンブラザーズ | 2008年10月16日 (木) 12時59分

 こんにちは。
 司法書士事務所で補助者をしている者です。
 会社間または会社と個人間の(不動産売買)取引が利益相反行為に該当する場合に、それを承認する取締役会議事録の下書きを頼まれることがあります。ほとんどは小規模の非公開会社なので監査役に取締役会の出席義務がないのですが、監査役に出席義務のある会社の場合に「出席しないとダメなんですか?」と聞かれてけっこう困ります。出席してくださいとは言っているのですが、仮に監査役が出席しなくとも取締役の過半数出席で過半数賛成すれば、決議自体は有効に成立するという理解でよいのでしょうか?私自身は監査役が出席しなかったことで内部または対外的な責任(損害賠償責任とか)が生じることはあっても決議は有効なので、例えば前述の例でいえば利益相反行為の承認の効力が監査役が出席しないことによって覆ることはないということで(依頼主の聞きたいのはこのことなのでですが・・・)理解しているのですが、それで正しいのでしょうか?
 ちなみに、利益相反行為承認の議事録を所有権移転登記の添付書面で法務局に提出しなければならないのですが、議事録に代取は署名して会社代表印を、出席取締役全員は署名して実印を押印(もちろん印鑑証明書添付)しないといけないことになっています。とても面倒です。ここまでしなくともと思うのですが・・・

投稿: 司法書士補助者 | 2008年11月21日 (金) 19時11分

はじめまして。
いつも、たのしくブログを拝見させてもらっています。

会社法について質問があります。
会社法第423条3項3号で、
利益相反取引にかんして取締役の損害賠償責任が定められています。
同号、括弧書きで委員会設置会社については「~に限る。」となっています。

文面からは、何かが限られていると読めるのですが、
委員会設置会社の取締役は、委員会非設置会社の取締役と比べ
どのような取引が除外されている(限られている)のでしょうか。

また限られている取引があるとして、なぜそのような規定が設けられたのか教えていただけないでしょうか。
お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

投稿: ふくたか | 2008年12月 4日 (木) 18時23分

スワップは開示対象にならないという原則はあるのでしょうか?
スワップは金融商品会計基準上のデリバティブ取引として時価で財務諸表に計上すべきものと思います。(金利スワップ、通貨スワップ、エクイティスワップなどと同様に)。)08年第1Qの四半期報告書には計上すべきであり、
また、08年3月期の有価証券報告書においても、CBにスワップを組み合わせた複合金融商品の発行として、後発事象の注記を行うべきではなかったのでしょうか?金融庁にデリバティブとして会計処理すべきだったのではないかと質問したのですが、あまり明確な回答は得られませんでした(破綻と第1Qの決算発表が同時だったせいかもしれませんが)

投稿: KY | 2008年12月 5日 (金) 02時21分

葉玉先生、いつもHPを楽しく拝見させていただいています。
 さて、会社法433条3項の親会社社員の会計帳簿閲覧請求権の議決権要件の要否について質問です。親会社の社員が請求する場合に、議決権要件を必要とする(A/T千問の道標)形式的・実質的理由は何ですか?
 千問や江頭先生の会社法では、要するとする図表または記述が見受けられるのですが、近藤光男先生の最新株式会社法(3版)では、「議決権要件が外されている」との記述があります。この点、条文上形式的には、要するということが明らかとまではいえないようにも思えます。他方、少数株主権の濫用の防止という1項の趣旨は、親会社の場合にも当然当てはまると思え、その意味では、勿論解釈として、要するといえるようにも思えます。そこで、上記質問を致した次第です。御教授のほどよろしくお願いします。

投稿: 無知な人 | 2008年12月 8日 (月) 22時34分

社外取締役および社外監査役についての質問です。
当該会社に出向したことがある場合は、「社外」とはいえないのでしょうか?
出向しているときでも、給与は出向元からもらっています。
出向先との雇用契約はありませんが、出向元と出向先との間には出向させる旨の契約はあります。

投稿: 葉玉ゼミ生 | 2008年12月 9日 (火) 20時19分

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