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2008年7月13日 (日)

反社会的勢力への対応

 私は、TMI総合法律事務所の新人弁護士の採用担当なので、最近は、毎日のように面接しています(TMIに面接に来ていただいているロースクールの卒業生の皆さん、ありがとうございます)。
 他方、弁護士としての本業も一生懸命にやらなければならないので、おのずと趣味の時間が削られます。
 ということで、ブログの更新をさぼっておりました。読者の皆様ごめんなさい。

 さて、今日は、最近、重要性が増している「反社会的勢力への対応」について、お話ししたいと思います。

 私は、検事時代に、ある地検で暴力係検事をしていたことがあります。
 この係は、
   暴力をふるって否認している被疑者を自白させる係
ではなく
   暴力団関係の事件を担当する係
です。
 私が暴力係だったころも(14年前くらい)、警察は
  暴力団とつきあうのをやめよう
ということは言っていましたが、実際には
  銭湯やサウナで「入れ墨の方、お断り」という看板が出るくらい
で、なかなか社会のルールとしては浸透しませんでした。

 私は、拳銃の撃ち込みや抗争事件、恐喝事件等を処理しながら、暴力団の活動を止めるには、どんな事件をやったらいいんだろうと思っていました。
 そうして考えたあげく、活動資金を止めるのが一番だと思い、警察に「資金源を止める事件をやりましょうよ。」等と飲み会の席で言っていたところ、私が、暴力係になって2年目からは、高利貸し(出資法)や白タク(道路運送法)など暴力団の資金源になっている行為を摘発してくれました。
 やって見ると、この手の資金源になっている犯罪は、組長ほか幹部を逮捕するのにはもってこい事件でした。
 拳銃の撃ち込み事件は、実行犯が「組長の指示でやりました」とでも言ってくれないと難しいのですが、資金源の事件は、お金の流れを追えば、ほとんどの場合、組長に行き着きます。
 今まで暴力事件を主としてやってきた警察官に、経済犯罪の調べをさせて、調書をとってもらうと、財政経済担当の警察官とは色合いの違うユニークな調書ができあがってきて、それなりの苦労はありましたが、警察の方は、「暴力団のトップに切り込む手法として新たな発見があった」と言って大変喜んでくれました。

 その後、東京地検で、総会屋に対する利益供与事件をやったのですが、その事件が、商法改正(利益供与罪の強化)や上場会社の総会屋との関係断絶の本格化につながり、その動きが総会屋の衰退につながったのを見て、「金の流れ」を止めることが、暴力団や総会屋などの反社会的勢力の根絶に有効な手法であることを改めて実感しました。

 さらに、法務省民事局にいたとき、マネーロンダリング対策の国際会議であるFATF(Financial Action Task Force)に代表として駆り出されました。このFATFは、アルシュ・サミットをきっかけに立ち上がったマネロン対策の部会なのですが、私が何度かFATFに出ているうち、911テロが起こりまして、それをきっかけに、「テロ資金の流通防止」というやや趣を異にする目的がFATFに組み込まれたのです。

 今から振り返ってみると、最近、活発化している金融面における反社会的勢力排除の動きと国際連携は、FATFが起源となっている部分も多いように思います。

 さて、以上のような私の経験からすると、最近の反社会的勢力への対応の各界の動きは、本当に目を見張るものがあります。

 平成19年6月19日に犯罪対策閣僚会議が策定した                            
 企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/dai9/9siryou8_2.pdf
を皮切りに、
(1) 全国銀行協会による「反社会的勢力介入排除対策協議会」の設置と、反社会的勢力のデータベースの共有化の検討
http://www.zenginkyo.or.jp/news/2008/05/27160002.html
(2) 日本証券業協会による「証券取引および証券市場からの反社会的勢力の排除」
http://www.jsda.or.jp/html/houkokusyo/hoan_g.html
(3) 証券取引所による反社会的勢力排除に向けた上場制度の整備
http://www.tse.or.jp/rules/comment/071127-jojo.pdf
等、急速に反社会的勢力排除の動きが現実化しています。

 昔から何度となく掲げられていた「暴力団とのつきあいをやめよう」という標語と、今回の動きの決定的な差は
  金融界が中心となって反社会的勢力の排除が行われている
ことです。

 このことは、
  上場企業のみならず、中小企業を含めて、すべての事業者が反社会的勢力排除を事実上強制される
ことを意味します。

 反社会的勢力とのつきあいがある企業は、場合によっては
   銀行から融資を受けられないし、
   証券取引もできない
    その企業が、上場企業であれば、上場廃止となる
ということですから、すべての企業にとって、その存続のために反社会的勢力との関係断絶が必要不可欠になったのです。

 他方、金融業界の急速な動きに対し、事業会社サイドは今ひとつ動きが鈍いような気がします。
 もちろん、上場企業は
  企業行動憲章や内部統制の中に反社会的勢力対応を盛り込んだり
  反社会的勢力と関係のないことの確認書を出したり
しなければならなかったので、まったく意識していないわけではないでしょう。
 しかし、それ以上のことはあまり進んでおらず、形式的な規定整備に止まっているような印象があります。

 でも、現実には、スルガコーポレーションのように反社会的勢力の利用が発覚したとたん、行からの資金調達がいきなりストップし、民事再生に追い込まれる事態も生じています。蛇の目ミシンのように反社会的勢力からの脅しに屈することにより、取締役が巨額の損害賠償責任を負わされることもあります。

 こうした動きを、会社法の側面から見ると
   反社会的勢力との取引については、その取引が適法か違法かにかかわらず、関係を維持すること自体が善管注意義務を問われるリスクが高い
 しかも、反社会的勢力との関係維持については、経営判断の原則が適用されない
ということなのでしょう。

 昔ならば、反社会的勢力との関係について、「事なかれ主義」に基づき特別な担当者をしつらえて窓口をしぼりこみ、くさいものに蓋して、経営者に伝えないのが、常道でした。
 しかし、今や経営者に求められる善管注意義務の要求水準が変化し、あらゆるレベルにおいて反社会的勢力と決別せざるをえなくなったわけです。

 もちろん、こうしたルールを適用する前提として
   取引先が反社会的勢力であるかどうかを確認する
という作業が必要になり、事業会社は、そこで
   「そんなの分からないよ」
と思考停止に陥りがちです。

 各社で反社会的勢力データベースを構築することを期待されていますが、実際には、個社で対応するのでは、有効なデータベースが構築できるはずはありません。
 といって、プロのコンサルに頼むと結構お金がかかりますし、そのデータの正確性もよく分かりません。

 そこで、私は、お客様から
  どうやって取引先が反社会的勢力かどうか見分けるんですか?
と聞かれたときは、とりあえず
 ①その取引先が、銀行から融資を受けているか
 ②その取引先が、証券会社に口座を開設しているか
の2点で判断すればよいとアドバイスしています。

 すなわち、現在の反社会的勢力への対応は、金融界を中心とした動きであり、全国銀行協会も、証券業協会も、データベースを構築して、顧客をチェックすることになるのですから、①②の要件をクリアするのならば、その2つの業界のデータベースでは、反社会的勢力とは認定されていないということが分かります。

 ①②のチェックをおざなりにやって、取引先の嘘を見抜けなければ意味がありませんし、チェックの手法は、これだけではありません。
 また、定期的なチェックもかかせません。
 ただ、企業が
  「どうせ反社会的勢力かどうか、分からないから、対策を何も採らない」
という最悪の選択をしないように
  調べようと思えば、それなりに調べる方法がある
ということを知っていただきたくて、簡単な判別法をアドバイスしているのです。

 一番、大事なことは
  取引先が反社会的勢力と関連している
と判明したときの対応であり、ここで失敗すると
  自社が、突然、倒産する
ということすらあるのです。
 現在の社会情勢は、反社会的勢力と付き合う会社は、たとえ被害者的立場のものであっても、反社会的勢力と同視されるという厳しいものです。
 この動きを逆手にとり、反社会的勢力が
  私と関係していることを公表しますよ。
  そうすると、御社は、おしまいですよ。
と脅しのネタに使ってくることも考えられます。
 また、トップの問題意識が高くても、一部の社員が反社会的勢力に取り込まれ、情報を上にあげてこない可能性もあります。

 しかし、どんな過去があろうとも
   経営者が、自社が反社会的勢力と取引を知ったときに、どう対応するか
という判断を誤らなければ、会社を救う道はいくらでもあります。

 反社会的的勢力は、裏の人間ですから、経営者が、裏に行こうとすれば、彼らの手に落ちます。そして、警察の捜査が入った瞬間に、その会社は死亡します。

 逆に、経営者が、すぐに弁護士や警察と協議し、表の世界で勝負すれば、今の世の中、普通だったら無理筋の解決法でも、反社会的勢力に対してならば通用するのです。

 内規の整備や契約書への反社条項の追加等形式面での対応も重要ですが
 取引先の確認と取引先が反社会的勢力であると確認された場合の適切な対応が100倍大事だと思います。

 

(質問コーナー)                                                             
Q1
387条2項は、会社法への移行に伴って実質的に改正されたところはないと認識しています(旧法の279条2項に同趣旨の規定があります)。会社法前段階での改正によって、判例の射程が制限されることになったということでしょうか。
判例百選等の解説にはそのあたりのことが詳しく解説されていません。
いつ、何が、どう変わったから、現在では役会への一任が駄目と解されるようになったのでしょうか。
また、上記質問中①の点からも、取締役と監査役で扱いを異にする理由を見出すことができません。
取締役会への一任が、取締役の場合は許容されることがあるが、監査役の場合は許容される余地がない、というのであれば、その理由を教えていただけませんでしょうか。
投稿 いつも質疑応答お疲れ様です | 2008年7月 1日 (火) 19時08分
A1
監査役は、取締役を監査する立場ですから、取締役会が報酬を自由に決めるのはまずいということでしょう。

Q2
「吸収合併」又は「株式交換」の場合、対価の全部又は一部が持分等であるときは、消滅会社において略式手続の規定(784条)が適用される余地はない
・「吸収分割」の場合、対価の全部又は一部が持分等であるときは、消滅会社において略式手続の規定(784条)が適用される余地がある
以上のように理解しているのですが正しいでしょうか。
(784条1項は「前条第1項の規定は、」適用しないと規定していることから、783条1項の適用される「吸収分割」の場合にだけ略式手続がある)
投稿 初心者 | 2008年7月 1日 (火) 22時30分
A2
そうです。

Q3
法律と関係のない質問で恐縮ですが、「情報整理」について質問させて下さい。
仕事をしていると、特に、日々大量の情報を扱うことになります。
その情報をバラバラにしていると、後先の検索が困難になるので、誰もが一度は情報を整理しようと考えると思います。
そして、時間を見つけては、情報整理に取り掛かるのですが、これが一筋縄ではいきません。
情報をある基準(属性)をもとに階層的に分類したとしても、その基準(属性)では分類できない情報が出てきたり、それを何とか分類しようとすると、階層がとてつもなく深くなったり、あるいは、情報分類の基準(属性)に一定の共通性を見つけようと思っても、結局その共通性を見つけ出すのが困難で、仮に、共通性が見つかったとしても、その再分類に時間がかかってしまう等、結局、時間がかかる一方で、最終的には、情報分類に意味はないのではないかと考えてしまいます。
しかしながら、情報を分類しないと、やはり、どこに何があったか探し出すのは困難ですし、情報整理をしないわけにもいきません。
周りの人間に聞いてみたところ、厳密なルールをもって分類をしていないとの答えが多く、それは正しいとは思うのですが、やはり、時間が経つと、情報がごちゃごちゃしてきますし、何より、心理的に何か気持ち悪さが残ります。
最近では、階層による分類ではなく、フラットに整理する方法も流行っていると聞きましたが、現在では、情報はデジタル化している以上、PC上の管理(ディレクトリ管理)をしないわけにもいきません。
前置きが長くなりましたが、葉玉先生は、私より、もっと多くの情報を扱っておられると思いますが、先生は、その膨大な情報をどのように管理・整理されていらっしゃるのでしょうか?
投稿 直樹 | 2008年7月 2日 (水) 02時43分
A3
私の考え方は、賛否両論ありますが、次のとおりです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20070628/128602/

Q4
取得条項付株式について
108条3項の要綱についてなのですが、会社法施行規則20条に1項5号ハのカッコ内がよく分かりません。
「当該種類の株式の株主の有する当該種類の株式の数に応じて定めるものを除く」
これは要綱よりも細かくなるから、要綱段階で定めなくてもいいという理解でよいのでしょうか。
投稿 三毛猫 | 2008年7月 2日 (水) 04時52分
A4
一部の株式を取得するとき、みんな平等に減らすのならば、定款で決めなくてよいという意味です。

Q5
司法試験の論文演習について質問があります。
先生のブログを読んで論述問題に解答することができるようになるためにはとにかく実際に時間を計って問題を解くことが重要であることがよくわかりました。
しかし、たとえば会社法100問にのってるような問題は難しくて、酷いときは条文を写すので精一杯いう状態になってしまいます。
そこで、会社法115講座を使いながらやろうと思っています。そこで、100問と115講座を併用しようという場合に何か効果的・効率的な方法がありましたら教えてください。
ちなみに私は入門者ではありませんが初学者です。
投稿 受験生 | 2008年7月 2日 (水) 15時34分
A5
論文を書いていて、「条文を写す」のに時間がかかるというのは、やり方がおかしいように思います。
100問と115講座の併用の方法ですが、まずは、115講座で概要を理解したら、後は100問で個別の問題演習をとことんやるのがいいと思います。

Q6
ジョイントベンチャー等のために合同会社を作ったとき、親会社は合同会社の持分を持っているわけですが、
株式会社の場合の親会社を持株会社と呼ぶのに倣って、この合同会社の親会社を持分会社と呼ぶのは不適切でしょうか?
「持ち持分会社」と呼ぶのが一番正確なのでしょうけれど、なんか変な感じがします。
投稿 巴 | 2008年7月 2日 (水) 22時30分
A6
呼び名は、自由にどうぞ。でも、変です。

Q7
自分は愚にもつかぬ屁理屈をこねてブログを荒らしているんだろうかと悲観しましたが、7月 1日A12を見てもう一度ご教授を乞う気になりました。
会社法で、持分会社の出資の払戻の規定を新設したのは何故ですか。
またその際、払戻が「できる」とはしないで、払戻を請求する社員と会社が対立すれば空文化してしまう可能性があるのに敢えて社員が請求できる規定にしたのは何故ですか。
投稿 ひで | 2008年7月 3日 (木) 14時37分
A7
今までの議論をよく読んでください。
もう語り尽くしました。

Q8
 発起人が見せ金で払込みをした場合、設立無効事由に当たることになると思います。そして、『会社法100問第2版』p118によりますと、設立の登記後に25条2項違反となることを回避する方法はない、とあります。しかし、このような瑕疵が常に治癒することができないとしては、厳格に過ぎないかと感じました。
 そこで、設立無効事由を緩和する立場に立ち、36条1項を類推適用することはできないでしょうか?すなわち、設立後であっても、発起人が改めて有効な払込みをした場合、瑕疵は治癒されて会社は有効に成立すると解することはできないのでしょうか?
投稿 にわか九州人 | 2008年7月 4日 (金) 21時00分
A8
 まあ、そういう解釈をすることを否定するものではありませんが、立案当時の議論では、無効事由になるということでした。

Q9
株主Aが基準日後に株式をBに譲渡した場合で、総会決議ではAが議決権を行使したという場合、総会決議の取消訴訟を提起できるのは、訴訟提起時の株主であるとのご回答で、Aは、もう会社と関係ないので、決議がなんであれ、構わないのではないでしょうか、ということですが、配当決議(実務においては、基準日株主に対して配当がなされることが多いと聞きます)においては、やはりAが実質的にその利害にかかわっており、むしろBに訴訟提起を認める必要がないのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
A9
配当決議を取り消しても、Aは、配当を貰えません。
Bは、会社から不当に財産が流出することを防止することで、利益を得ます。

Q10
Q19に関して確認させてください。
つまり、取締役選任決議に瑕疵がある場合に、決議が取り消されるまでに第三者に対して損害を与えた場合には、908条2項の類推などを媒介として、当該取締役は429条1項の責任を負うことはあるが、会社に損害を与えた場合には、423条1項は問題とならず、単に不法行為責任が問題となるということでよろしいでしょうか。
投稿 CCC | 2008年7月 4日 (金) 23時08分
A10
明示的に論じられてはいませんが、そうなるでしょう。

Q11
先生、勉強を継続するためにどうやったら精神的に強くなれますか?
自分に負けずに精神的に強くなりたいです。
弁護士の仕事でもプレッッシャー等はあると思いますが、どうやってそれらにうちかってますか?
投稿 司法受験生 | 2008年7月 5日 (土) 00時36分
A11
勉強を継続するのに「精神的な強さ」は不要です。
「義務感」と「楽しみ」と「刺激」をコントロールするだけです。
弁護士の仕事も同じです。

Q12
競業避止義務における「自己または第三者のために」の解釈
多数説・判例は「計算説」で有力説は「名義説」ですか?
だったらそれで大勢についてよろしいかと。
計算説:法律上の権利義務が誰に規則するかではなく、経済上の利益が誰に帰属するかが重要。
名義説:当然逆で権利義務の帰属主体を重視。
そこそこレアなケースとは思いますが、下記のような状況設定で。
㈱松真商店は中古品の販売業とする。この商店をほぼ一人で切り盛りしているのがサミー取締役とします。
Xから、新しく事務所を開くので中古の机・椅子4セットを購入したとの意思表示があり、在庫があったので値段交渉もOKで商談成立。
時を同じくして偶然にも、Yから事務所を閉めるので机・椅子を買い取ってほしいとの要請がありました。
そこでサミー取締役は、Yのところに出向いて、机・椅子6セットを二束三文で現金で購入(仕入れ)しました。
商店の帳簿上は机・椅子2セット分の出金(仕入れ代金)と在庫計上をしました。
そして、いそいそと購入依頼のあったXのところに4セットを納入に行き、現金を受け取りました。
サミーさんの一連の商取引は、㈱松真商店のサミーとしてであり、販売先のXと仕入先のYも当然にそう思っております。
経済上の利益はサミーさんに帰属しますが、相手方からすると外見上は商店名義での取引となっております(Xには商店名義の現金受け取りの領収書を切るとか)。
が、帳簿上ではその形跡はいっさ残っていない。
しかし、これは競業忌避義務に違反であって、その利益はサミーさんに帰属している。
これを商店サイドで証明するには、X・Yとの取引を証明すればよいわけですよね。
各人に証言させて、「確かに私は、4セット購入しました。」、「私は6セットを引き取ってもらいました。」でそれぞれが「商店と取引したつもり。」でしたとの証言があればよいはず。
だったら、この証言により、取引の利益が商店に残らず、サミーさんにいってしまったことが判明。
よって競業取引義務違反。
なんか問題ありますか?
権利義務の帰属いかんやとかでなく、わかりやすいと思いますが?!
投稿 良きサマリア人 | 2008年7月 5日 (土) 01時46分
A12
問題あります。
その事例では、計算説より名義説の方が、会社にとって有利です。
名義説ならば、会社は、サミーに対して、サミーが横領した売却代金をについて不当利得返還請求権を行使すればよいだけです。

Q13
 司法試験論文試験においては論理の矛盾・破綻・飛躍などは絶対にしてはならないといわれています。
  ①論理の矛盾。破綻・飛躍をしないようにするためにはどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
  ②また、論理の矛盾・破綻・飛躍をしてしまった場合、それを発見するにはどのような点に注目すればよいでしょうか。
投稿 | 2008年7月 5日 (土) 12時40分
A13
 論理の矛盾等は、よくあることなので、「絶対に」などと強迫観念に囚われる必要はありません。
 また、それを「発見」しようと考える必要もありません。
 まずは、判例通説の論理をきちんと追った論文を書く練習をしましょう。

Q14
会社法911条3項26号について教えてください。
「社外監査役が負う責任の限度に関する契約の締結について定款の定め登記があるときは社外監査役の登記を抹消を要しない」
とあるのですが理由がよく分かりません。
監査役会が存在するときに、責任を軽減してやったのだから、監査役会の定めを廃止してもそれくらいの責任は負うべきということなのでしょうか。
投稿 三毛猫 | 2008年7月 6日 (日) 04時39分
A14
意味がよくわかりませんが、責任限定契約も一緒に抹消しろという話ではないでしょうか。

Q15
社債の財務代理人について質問させてください。会社法上、社債管理者を置かなくてもよい場合(会社法702条但書き)においても、財務代理人をほとんどの会社で置いているようです。この財務代理人は 会社法上の要請なのでしょうか?
それともほかの法律の要請?もしくは実務上の慣習なのでしょうか?ご教授ねがいます。
投稿 登記職人見習中 | 2008年7月 6日 (日) 13時29分
A15
実務の慣習です。

Q16
会社法855条について質問です。
同条は取締役解任の訴えを固有必要的共同訴訟と定めているものと理解していますが、訴状において誤って、会社のみ、あるいは当該取締役のみを被告とした場合には、「訴状が民事訴訟法133条2項(1号)に違反する場合」として裁判長の補正命令(民事訴訟法137条1項前段)の対象となるのでしょうか?
裁判所がこのような原告の過誤を見逃し、補正命令をせずに被告適格が欠けるとして訴えを却下するという処理には違和感があります。
投稿 今宵フィッツジェラルド劇場で | 2008年7月 6日 (日) 21時47分
A16
当事者は補正できると思いますが、133条1項は形式不備の場合なので、当事者適格の欠缺の場合には適用されないのではないでしょうか?きちんと調べていませんが。

Q17
退任登記未了の退任取締役の第三者責任で、
908条2項ではなく、1項の類推適用としているのは、どうしてですか?
908条2項を適用する点で、何が問題となるのですか?
投稿 はな | 2008年7月 6日 (日) 23時43分
A17
908条2項は「故意又は過失によって不実の事項を登記した者」です。会社は、退任登記をしていないだけで、「不実の登記をした」といえるかという問題があります。また、908条1項と比べると、「故意・過失」という要件も加わります。

Q18
公開会社法が将来的に制定されると聞きました。
会社法により、株式会社が公開会社と非公開会社に分かれましたが、登記簿上で公開会社かどうかを表示するような制度に変わることはあるのでしょうか?
投稿 uriya | 2008年7月 7日 (月) 00時19分
A18
公開会社法が制定されるかどうかは、未定です。
私は、不要または無意味だと思います。

Q19
「業務執行取締役」の定義がよく分からなくなりましたので教えて下さい。
(以下、取締役会設置会社を前提とする)
「業務執行取締役」は、会社法2条15号によれば、
①代表取締役(363条1項1号)
②363条1項2号の取締役
③業務を執行したその他の取締役(2条15号)
となります。
ところで2条15号は「業務を執行したその他の取締役」(③)と書いていますが、それでは「まだ業務を執行していないその他の取締役」はどうなるのでしょうか?というのが質問の趣旨です。
この人も「過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったこと」(2条15号)の有無によって異なってきそうです。
以下、「過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったこと」がある人を「経験者」、そうでない人を「未経験者」といいます。
1.「経験者」
a.取締役に選任された時から業務執行をするまで
 ⇒社外取締役でも業務執行取締役でもない取締役
b.業務執行をした時以降
 ⇒業務執行取締役
2.「未経験者」
a.取締役に選任された時から業務執行をするまで
 ⇒社外取締役
b.業務執行をした時以降
 ⇒業務執行取締役
こういうことになるのでしょうか?
だとして、会社法は
(1)1.a.における「社外取締役でも業務執行取締役でもない取締役」なる存在を想定しているのでしょうか?
また
(2)2.a.において「社外取締役」が業務執行をすることもあること、および「社外取締役」が業務執行をしたとたんに「社外取締役」でなくなるということを想定しているのでしょうか?(私は社外取締役はずっと業務執行はせず業務執行取締役の監視にあたるもの、と考えていましたので)。
そもそも上記のような解釈で正しいのでしょう?
投稿 息子 | 2008年7月 7日 (月) 05時44分
A19
(1)普通に存在します。従業員で働いていた人が、取締役に選任されたけど、単なる平取締役だという場面ですよね。
(2)社外取締役が、業務執行をしてしまったら、社外でなくなるということを規定するために、そういう定義を置いています。

Q20
2007年2月23日のブログ『種類株式と株主割当て』で、「322条1項は、明文上第三者に対する募集株式の発行については、原則として適用されないということになっているのは発行可能種類株式総数の範囲で、募集株式が発行されるのは、原則として、他の種類株主は覚悟しておきなさい。という趣旨です。つまり、配当優先株式の発行可能種類株式総数が1000株で、現在300株しか発行されないのなら、後700株について、募集株式の発行がされるのは、予想すべきことなのです。」とありました。このように会社法を理解する場合に、199条や200条のように、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会が必要となるのは何故なのでしょうか。
是非教えてください。
投稿 | 2008年7月 7日 (月) 18時17分
A20
 すいません。質問の趣旨がわかりません。譲渡制限株式の話ですか?

Q21
(1) 刑事又は民事訴訟において、書証として取締役会議事録の提出の要求がなされた場合、会社は拒否できるでしょうか。会社法371条3項、4項又は6項を拒否の根拠として主張して、認められうるでしょうか。
A21
 どのような根拠で、提出の要求がなされたかにより、刑事訴訟法・民事訴訟法によって規律されます。

Q22
取締役会議事録について、民事訴訟法271条4号ニの自己利用文書に該当するとして、文書提出を拒否することができるでしょうか。
A22
自己利用文書には該当しないでしょう。

Q23
米国訴訟のディスカバリー手続において取締役会議事録の提出を求められた場合、日本の会社法又は民事訴訟法を根拠に拒否することは難しいと考えられます。しかし上記(1)又は(2)の問いで「拒否できる」場合があるとしたら、日本の訴訟ですら提出義務がないのに、外国の訴訟で提出義務があるとされるのはおかしいように感じますがいかがでしょうか。
投稿 訴訟担当見習い | 2008年7月 8日 (火) 00時14分
A23
主権や法律に対する考え方の違いですが、米国法は米国法、日本法は日本法なので、「おかしい」とはいえません。

Q24
株主のプライバシーを事由に、閲覧禁止という立場ですか?その発想は、本当に株主のために考えたものでしょうか?自分は、ブログ全体に流れる、経営者御用達弁護士の限界を感じます。
投稿 カール | 2008年7月 8日 (火) 21時37分
A24
 カールさんのご家族が、上場株式に投資しただけで、家族の氏名・住所が第三者に知られることに違和感がないのなら、私の気持ちは分からないでしょう。
 また、私のようなビジネス法務で生きる弁護士は、株主名簿の閲覧請求権を拒む立場に立つこともあれば、請求するような立場に立つこともあります。カールさんは、企業が株主になることを忘れています。この問題は、経営者御用達かどうかは、無関係です。

Q25
葉玉先生こんにちは
2006年1月4日の解説についてご質問させていただきたいのですが、
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50447629.html

取締役会設置会社については、365条2項において
「……第三百五十六条第一項各号の取引をした取締役は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。」
という規律があり、 ここでいう「取引をした取締役」は、
①直接取引では、利益相反取引の相手方である取締役+会社側の代表取締役・代理人である取締役 (②間接取引 略)
を指します。 とあります。
ここで質問ですが、そうすると、2人の取締役が同じ報告をしなければならない、ということになるのでしょうか?それは(少なくとも実務的には)ナンセンスだと思いますが……
また、仮に会社側の代表取締役のみが報告した場合はどういう問題になるのでしょうか?
投稿 こども | 2008年7月 9日 (水) 18時49分
A25
 連名で、どちらかが報告すればよろいのではないでしょうか。
 ただ、言い分が食い違うことだってありえますから、そのときは別々でしょう。

Q26
会社法239条について質問させてください。
239条の委任をする場合でも、募集新株予約権の内容自体は確定的に定める必要があり、会社法236条1項各号の事由(行使に際して出資される財産の価格等)の決定まで委任することはできないと理解しております。
 それでは、239条に基づいて委任をうけた取締役(会)はいったい何を決定できるのでしょうか。
1、新株予約権を発行する数(上限の範囲内で)、とか、払込金額(下限以上で)ということでしょうか?
2、その他にも決定できる事項はありますか?
投稿 登記職人見習中 | 2008年7月 9日 (水) 21時01分
A26
 238条1項のうち、239条1項各号に掲げられていないものです。

Q27
6月22日つけの勉強法に関して質問があります。先生は、適切な資料を、熟達者より尋ね、自分なりの言葉でまとめよ、とのことだったのですが、センスがないのか、司法試験科目に関しては、網羅的に理解したということもあって、ノートがながくなりがちになってしまいます。
 最低限の情報となると、法律の場合、定義、要件、効果、趣旨ということになるのではないかと思うのですが、正直なところ、それだけをまとめることは、市販されている教材もあることですし、あまり効果を発揮するように思えないのです。それでも、記憶の定着などの効果を信じ、作成するべきでしょうか。
 反対に、上述の通り、網羅的に(論理の運びを正確かつ到密に)行おうとすると、ものすごい分量のものができてしまいます。これでは、基本書を何度も読み返したほうが、効率的なように思えるんです。
 もしよろしければ、先生作成のノート、あるいは、その抜粋という形でもお示しいただけないのでしょうか。
投稿 司法試験受験生 | 2008年7月 9日 (水) 22時46分
A27
 まとめること自体が勉強です。
 手を動かすことによって、身につくのです。
 読むだけでは身につきません。

Q28
ロースクール2年生です。
新司法試験の勉強素材についてお伺いします。
新司法試験に1発合格するために,勉強素材を以下の3つに絞り込み,何度も繰り返すことを計画しています。
1.市販の予備校テキスト(情報集約・加工用)
2,新旧司法試験論文過去問集
3.新旧司法試験短答式過去問集(一部新作問題込み)
基本書も判例百選もケースブックも熟読しない,というお粗末な計画です。
しかし,新司法試験までの2年弱という短い時間,および,私の現在の能力を考えると,上記3つを何度も繰り返して身につけるのが,私にとっては精一杯のように感じています。

司法試験受験生の態度・覚悟として甘いでしょうか。
葉玉先生のご意見を伺えると幸いです。
投稿 ロースクール2年生 | 2008年7月11日 (金) 22時30分
A28
自分にあった勉強なら、それでも良いでしょう。

Q29
 地方の実務家です。
 全部取得条項付種類株式を利用した少数株主排除と株主総会決議無効原因について。
 例えば,普通株式のみを発行している会社がありました。発行済み株式総数は490株で,親会社が400株を所有しています。残り90株は少数株主です。
 少数株主を完全に排除するため,普通株式を全部取得条項付株式に転換し,会社がその全部取得条項付株式を取得し,その対価として別種類株式を交付することとしました。その割合は,全部取得条項付き株式100株につき,別種類株式1株です。これにより、親会社に整数の別種類株式を与えるが,少数株主には端数株式のみを与えて,会社法234条の手続きを経て現金を交付することを予定しています。これに必要な定款変更や株主総会特別決議は一日で完了しました。
 この場合,結局のところ,親会社には別種類株式を与えるが,少数株主は別種類株式の整数を取得する余地はないことになります。この場合,会社法171条2項や,株主平等原則に違反するなどとして,株主総会特別決議の無効原因となりうるでしょうか。
 先生の御見解や,参考文献等があればご教示ください。
投稿 | 2008年7月11日 (金) 23時
A29
 無効原因にはならないでしょう。
 決議取消事由は、ありえます。
 ただ、対価が適正であれば、著しく不当とはいえないと思います。、
 通常は、反対株主の買取請求で権利保護を図るべき場合です。

Q30
葉玉先生、はじめまして。
私は(20代後半の)大学1年生です。
2010年現行司法試験に合格するために、伊藤塾の本科生として司法試験対策に取
り組んでいます。
私が通っている大学では、単位取得要件として、新書を月最低10冊読んでレポ
ートとして提出する講義があります。
読書は楽しいのですが、司法試験対策に使える時間が激減してしまいますが、読
書と司法試験合格に相関関係はありますか?
例えば、読書をすればするほど論文を書くスピードや判例を読むスピードが速く
なるなど。
A30
読書は役に立ちますが、読書だけでは論文を書くスピードや判例を読むスピードは速くなりません。

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コメント

>行からの資金調達がいきなりストップし

すみません、意味がよくわからなかったのですが、誤記でしょうか?
でも「銀行からの」「行政からの」「公からの」のいずれでも意味が通るし、判断付きませんでした。

投稿: | 2008年7月14日 (月) 00時36分

・新株予約権に取得請求権付がないのには理由がありますか。
・株式会社の株式移転の無効の訴えの原告についてなのですが
他の組織再編と異なり株式移転だけ
株式移転について承認をしなかった債権者が
含まれていないのは何か理由があるのでしょうか。

投稿: 三毛猫 | 2008年7月14日 (月) 01時31分

蛇の目ミシン等の判決を読んでて思ってたのですが、やはり、反社会的勢力との関係維持(取引)については経営判断原則の適用はないと考えるのですね。
TMIの新人採用面接、楽しんでらっしゃいますね(笑)葉玉先生と話す事だけを目的として採用面接に行ってもよろしいのでしょうか?(笑)
ところで、先生は司法修習地をいかなる基準で選択されましたか?また、何故、裁判官や弁護士ではなく任検の道を選択されたのでしょうか?何が決め手となりましたか?

投稿: しょ | 2008年7月14日 (月) 02時14分

反社の取組漸くとの思いです。
以前、とある会社の株式担当責任者をしてました。
また、その前の営業の支店でもそちら方面の被害に
あってました。
そのとき思ったのが、彼らは贅沢な生活をしているのに
なぜ、税務署は摘発しないのかと思ってました。
アメリカの禁酒法でアルカポネの対応をしてたのは
税務署だったはずです。
それを、暴対協で警察に述べたのですが、「彼らは
協力するといっても、及び腰なんだよねー」といわれた
のを思い出しました。
さすがに葉玉先生ですね。ただ、この動きがどれだけ
しっかりするか。
証券会社も元凶だったのですから。

これから、弁護士で活躍する先生方もよろしくお願い
します。

投稿: 閑散役 | 2008年7月14日 (月) 12時00分

検査役についてなのですが
具体的にどのような人がなるのでしょうか。
何か資格を保有している人なのでしょうか。

投稿: 勉強中 | 2008年7月14日 (月) 17時49分

>カールさんのご家族が、上場株式に投資しただけで
>家族の氏名・住所が第三者に知られることに違和感が
>ないのなら私の気持ちは分からないでしょう。

違和感があるかないかと言われればあります。しかし、この問題を、そうやって単純化してしまうのには賛成しません。その規制の先にある、市場の生態系に与える影響を吟味してからでないと、コンプライアンス不況の二の舞になるからです。

そもそも株主というのは、収益の最大化を目的としているわけです。健全な買収者が現れ、市場よりもプレミアムつきで買い取ってくれことは大歓迎ですし、健全な買収者の活動は、幅広く経営者に規律を植えてくれるでしょう。

葉玉さんの思惑とは別に、株主の有形無形の権利を奪う可能性があるということです。つまり、一言だけ言いたいのは、閲覧禁止による買収者の減少の度合いや、市場に与える影響を、精査することなしに、軽んじるのはやめていただきたいということです。

そういえばアメリカで、著名ブランド、バドワイザーが外資に買収されましたが、日本の未熟な経営者、株主にこういったことができるでしょうか。いまだに株主の権利が希薄な日本で、コンプライアンス、買収防衛策ばかりが論じられ、実際の市場の機能がおざなりになる現状を憂います。

投稿: カール | 2008年7月14日 (月) 18時58分

3万8千回ぐらい読み返しましたが、あなたがまともに考えている文面を見つけられませんでした。
馬鹿でどうもすみません。
幸せなカリスマ人生を送れてよかったすね。

投稿: ひで | 2008年7月14日 (月) 20時36分

>A4
>一部の株式を取得するとき、みんな平等に減らすのならば、定款で決めなくてよいという意味です。

例えば3000株取得しようとしたが株主が10000人いる場合など、端数が生じ、どうしても平等にならない場合については、どのようにお考えでしょうか。

投稿: | 2008年7月14日 (月) 21時41分

Q19について追加の質問です。
(再掲)
「業務執行取締役」の定義がよく分からなくなりましたので教えて下さい。(以下、略)
A19
(1)普通に存在します。従業員で働いていた人が、取締役に選任されたけど、単なる平取締役だという場面ですよね。
(2)社外取締役が、業務執行をしてしまったら、社外でなくなるということを規定するために、そういう定義を置いています。

●今回の質問(前提:取締役会設置会社)
そうすると、
①以下の理解でよろしいでしょうか?
「取締役は上記(1)の取締役であろうと「社外取締役」として選任された取締役であろうと、業務執行権はある。但し、上記(2)のとおり、「社外取締役」として選任された取締役が業務執行したら社外取締役ではなくなる。」
②以上の理解で正しいとして、では363条の2号の「……業務を執行する取締役として選定……」とは何のために行うのでしょうか?つまり、「従業員で働いていた人が、取締役に選任されたけど、単なる平取締役」の人も業務執行権があるとしたら、あえて「業務を執行する取締役として選定」する意味は何なのでしょうか?(363条2項の3ヶ月に1回報告を求められるかどうか?)
③仮に②に対する回答が上記()書き通りだとして、質問ではなく意見になりますが、363条の2号の書き方や2条16号の書き方だと、少なくとも「業務を執行する取締役」(363条2号の取締役)を会社が選定しなければならないかのような誤解を与えるように感じます。
例えば「取締役会は、業務執行取締役の中から、(代表取締役のほか)三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない者を選定することができる」等とすればよりわかりやすかったのではないでしょうか?

投稿: 息子 | 2008年7月15日 (火) 08時42分

はじめまして。会社法176条3項について質問させてください。
会社法176条3項では、相続人等に対する売渡請求について、「株式会社はいつでも請求を撤回することができる」とありますが、これは、取締役会設置会社であれば、取締役会決議をもって、いつでも撤回することができる、ということなのでしょうか?

それとも、この売渡請求には、会社法461条1項5号にあるとおり、財源規制があるので、売渡請求の決議後に分配可能額を超えることが明らかとなった場合に、会社はいつでも撤回できる、とする趣旨なのかなと考えたのですが、いかがでしょうか?

よろしくお願いします。

投稿: winwin | 2008年7月15日 (火) 09時26分

先般「(社外取締役との)責任限定契約は利益相反取引か」という質問をさせていただきました。

幸いまだご回答はいただいておりませんので(←せかすつもりではありません。ご容赦を)、その質問の趣旨を書いておきたいと思います。
1.社外取締役との責任限定契約が会社法上の利益相反取引であるとすると、当然会社法356条・365条の開示・承認・事後報告の義務を負うことになろうかと思います。
2.しかしながら、どうもこの点実務上しっくりきません。そもそもこの責任限定契約は社外取締役の人材確保のために締結するものです。言ってみれば(社外取締役就任とセットで)会社が社外取締役にお願いをして締結してもらうものです。にもかかわらず、当該社外取締役に、取締役会で開示・承認・事後報告の義務を負わせるのか?という感覚的な違和感があります。
3.「本ブログのテーマは法的なもので、感覚的なものではない」とお叱りを受けそうです。
では、「このような会社法上に規定された取引は、たとえ形式的には「利益相反取引」であったとしても、必ずしもそのとおりの規制を受けるものではない(定型的な取引であるので取締役会の承認は不要)」等の理屈は立てられないものでしょうか?
4.「そんなことを議論している暇があったら、社外取締役に頼めばいいではないか」と思われるかもしれませんが、当該者が経済界の超重鎮であったりした場合、実務的にはかなり深刻な問題となったりするのです。
5.せめて、開示や事後報告につき他の取締役を代理人とすることはできないでしょうか?(何とか本人が開示・報告をしないですむ方法はないでしょうか)

投稿: こども | 2008年7月15日 (火) 10時03分

598条について質問させてください。法人が業務を執行する社員である場合、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任しなければいけません。この職務をおこなうべきものは、当該法人の従業員である必要はないですよね?

投稿: 登記職人見習中 | 2008年7月16日 (水) 00時09分

598条の職務執行者について引き続き質問させてください。内国会社の代表取締役のうち少なくとも1名は、日本に住所を有する必要があること及び外国会社の日本における代表者のうち少なくとも1名は、日本に住所を有する必要があることの2点から考えると以下の考えは正しいのでしょうか?
つまり、職務執行者のうち少なくとも1名は日本に住所を有する必要があると理解してよいでしょうか?お手数ですが、ご教授願います。

投稿: 登記職人見習中 | 2008年7月16日 (水) 14時00分

株式会社における設立手続とその無効について質問させてください。

①定款の作成についての発起人の意思表示に瑕疵等があったり、②設立時発行株式に関する事項の決定についての「同意」(32条1項)に意思表示の瑕疵等があったりしたら、発起人はそのような「定款作成」や「同意」の無効・取消しを主張できますか?
仮にできるとして、「定款作成」や「同意」が無かったことになれば、それは設立の無効原因となりますか?

拙い質問で申し訳ありませんが、以上についてお願いします。

投稿: 会社法の名無し | 2008年7月16日 (水) 18時30分

http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50761908.html
職務執行者の住所については、以前にブログに書かれていますね。

なお、従業員であるかどうかについては、従業員でなくてもよかったはずです。
たとえば顧問税理士とかコンサルタントに依頼するなど。
ただ、職務執行者が当該法人の代表者でない場合は、印鑑に関係する書面がひとつ増えるらしいですが、同じ法務局の場合はそれも省略できるようです。

投稿: kuro | 2008年7月16日 (水) 18時51分

>勉強を継続するのに「精神的な強さ」は不要です。
>「義務感」と「楽しみ」と「刺激」をコントロールするだけです。
>弁護士の仕事も同じです。
わたしは司法試験受験生です。
今まで専念して勉強できる環境にありました。
しかし、勉強の資金がなくなってきたので働こうと思うのですが、働いてても受かるものなんでしょうか?
働きながら受かる人って要領が良い人しか受からないとおもうのですが

強さって必要ないんですかね
受かるのかどうか不安になりながら勉強するのって強さだとおもうのです

投稿: 司法受験生 | 2008年7月17日 (木) 13時05分

葉玉先生、こんにちは。利益相反取引の範囲について質問させて下さい。

事例1【AがXY両社の代表取締役を兼任する場合に、X社がY社の債務を保証した場合】は間接取引にあたる、とするのが判例・通説だと思います(江頭〔2版〕p.406)が、これはどういう風に論証すれば良いでしょうか?

もし、AがYの代表取締役であることを理由に、Y社の利益はAの利益と同視すべきなので、AとXの利益が相反していると言える、と論証すると、今度は、
事例2【X社取締役Aが代表取締役を務めるY社とX社の取引であって、Y社をA以外の代表取締役が代表する場合】も間接取引にあたることとなり、この場合に承認を不要とする通説の結論(前掲P.404)が維持できなくなると思います。

また、事例1を規制対象に含むとして、適用条文は3号で良いんでしょうか?この事案を認めた判例(最判S45.4.23)は、3号に相当する条文がない時代に、「X社とY社の利益が相反する取引」として規制を認めたもののようなので、むしろ、
事例1のうち【Aが自らXを代表してYの債務を保証した場合】に限定した上で(前掲p.406注(5)はこの結論を示唆しているように思いますが)、2号の「取締役が第三者のために会社と行う取引」の規定を類推適用した方が良いような気もします。

以上、長くなりましたが、要するに、会社法上【会社と第三者の利益が相反する間接取引】は、どの範囲で、どのようにして規制対象となるでしょうか(あるいは全くならないでしょうか)?という質問です。よろしくお願いします。

投稿: moltu | 2008年7月17日 (木) 13時55分

すみません、上の質問に追記です。

事例1について、「AがYの代表取締役であることを理由に、Y社の利益はAの利益と同視すべきなので、AとXの利益が相反していると言える」という論証(どっかで見た気がするんですが)はそもそもアリですか?

事例3【X社取締役Aが取締役を務めるY社とX社の取引】は、AがYの大株主である等特段の事情がない限り、これによってAが利益を得る関係になく、間接取引にもあたらない(「新会社法100問」p.525)という論証は、Aが代表取締役の場合にも妥当しそうな気がします。

投稿: moltu | 2008年7月17日 (木) 14時21分

利益相反取引に関して質問させて下さい。

ターゲット会社の社外取締役が代表取締役をしている会社の第三者割当増資をターゲット会社が引き受ける場合、当該社外取締役は、直接取引たる行為として規制をうけますか?

投稿: ネットくん | 2008年7月17日 (木) 15時01分

会社法319条の株主総会の決議の省略についてご教示ください。
取締役会設置会社では、株主総会決議の省略をする場合であっても、決議の省略をすることや株主総会の目的である事項について、あらかじめ取締役会で決議することが必要なのでしょうか。
宜しくお願いします。

投稿: 権兵衛 | 2008年7月18日 (金) 17時17分

葉玉先生
いつもブログを見させていただいております。初めて、書き込みさせていただきます。
私は、アスキーソリューションズ(現エーエスアイ)という会社の株主です。
この会社は、5月まで大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場していたのですが、上場時の粉飾やその後も複数回の決算の訂正・修正などを問題視され、上場廃止となりました。
上場廃止後、資金繰りがうまくいかなくなり、今月11日に民事再生の申立となりました。

会社は債務超過となっておりますし、資金繰りに問題が生じているので、民事再生の申立をしたこと自体はやむを得ないと思っているのですが、釈然としない部分があります。
釈然としないことは、上場時の審査において粉飾した決算を使ったにもかかわらず、その責任を誰も取らないまま、株主に責任を取らせようとしていることです。
粉飾や決算の修正・訂正が上場廃止理由で、それにより資金繰りが悪化した。
その責任を刑事、民事両面で責任のあった人(私は社長と監査役だと思っていますが、監査法人や幹事証券会社や大阪証券取引所かもしれません)がしかるべき責任をとり(資金を会社に入れたり、刑事罰を受けたりし)、その後、株主に痛みを求めるのなら分かるのですが、どうもしっくりきません。
また、民事再生において、会社が選任した弁護士が監督委員となっているのですが、これだけ問題のある行動をしてきた会社だけに会社が選任した弁護士がやるというのも、納得感がありません。
株主が監視をするため会社再建委員会を作り、チェックさせて欲しいと意見しましたが、無視されています。
私は法務知識に欠ける部分があると思いますが、先生はこういった会社がこのまま民事再生をおこなうということをどうお考えになりますか。
法律的に考えて、私の考えはおかしいでしょうか。
多忙かとは存じますが、ご回答いただければ幸甚です。

誤って、過去の記事にコメントしました。そちらは無視してください。

投稿: 澤田 | 2008年7月19日 (土) 10時05分

S54・11・16の判例に株主総会決議無効確認の訴えを提起し、訴訟継続中に、その決議から3ヶ月の日時が経過した場合、その後に決議取消の訴えを追加することができるとあったのですが
無効となる自由と取消となる自由が重なる場合があるということでしょうか。
どういう場合かよく分かりません。
会社法でもこの判例は有効ですか。

投稿: 三日月 | 2008年7月20日 (日) 04時25分

 葉玉先生、おはようございます。元司法試験講師の葉玉先生に伺いたいことがあります。論文の学説選択についてです。

  ①自分の論文における学説選択の基準は原則としては入門講座の講師の薦める説に従っています。ただ、特に憲法と刑事訴訟法で自分の価値観とは相いれない説が勧められることがあります。このような場合、自分の価値観と相いれない説でもあくまで合格のためと割り切ってその説で答案を書いたほうがよいでしょうか。

  ②外国人の地方参政権について伺いたいのですが、自分はこの論点については認められないという立場です。認められない最大の理由としては国家の安全保障です。ただ、この点を展開していくと法律の答案ではなく政治学の答案になってしまいそうです。このような場合、一言言及するくらいの方がよいのでしょうか。また、そもそも禁止説ではなく判例の立場といわれている許容説または要請説で書いたほうがよいのでしょうか。

 お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。

投稿: 不孤 | 2008年7月20日 (日) 07時37分

葉玉先生、はじめまして。
私は某ロー未修者コース3年次に在籍する者ですが、最近、私の周囲でも就職のことがちらほら話題になっております。

そこで、先生にお伺いしたいのですが、
ローでの成績は必ず法律事務所に提出しなければならないそうですが、採用に当たってはどれほど重視されるのでしょうか?
もし、他に考慮要素があれば、どのようなことを考慮されるのでしょうか?
私は恥ずかしながら、訴訟法関係(特に民事訴訟法、要件事実)が非常に苦手で、ローでの今までの成績も良くなかったのですが、これでは就職が厳しいでしょうか(上3法、行政法は比較的高評価を頂いております)?
訴訟法関係の成績が芳しくないと、任官は更に厳しいでしょうか?

突然、質問ばかりで申し訳ありませんが、ご教示頂ければ幸甚です。
宜しくお願い致します。

投稿: まゆまゆ | 2008年7月21日 (月) 20時16分

はじめまして、お忙しいところ失礼いたします。
私は現在26歳で、会社に勤務しながら司法試験の勉強をしております。
さらに、人と接する仕事、社会に意義の強い仕事がしたく、弁護士を
志しました。旧司法試験、あと2回のチャンスに向け勉強中です。

合格後は、企業での経験、海外勤務の経験を生かして、
渉外弁護士として働きたいと思っています。
企業を取り巻く環境も劇的に変化して、海外の企業が日本にも
押し寄せてきています。将来的には、M&A、特に敵対的買収へ
防衛策を講じる案件を扱うチームに入りたいと思っています。

そこで、TMIをはじめとする渉外事務所に勤務しようと思えば
何歳までが好まれますか。
また、社会人経験のある人は好まれますか。

当方は、慶應大(非法学部卒)、企業勤務です。

突然の質問、失礼いたしました。
ご教示頂ければ幸いに存じます。よろしくお願い致します。

投稿: ぽむ | 2008年8月 4日 (月) 20時13分

葉玉先生はじめまして。
現在43才妻子もち会社員です。
旧司法試験受験生です。
会社の忙しさと金銭的理由で答練が受けれない状態です。
答練が絶対必要条件なのは分かっているのですが。
答練抜きの勉強法など教えていただきたい。
お忙しいなかすいません。

投稿: かつ | 2008年10月18日 (土) 10時52分

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