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2008年2月10日 (日)

サッポロHD特別委員会の意見書

 サッポロの特別委員会の意見書が2月4日、取締役会に提出されました。
 サッポロ-スティールは、買収関係の仕事をしている法律家にとっては、今年最大の関心事であり、もし法廷闘争になれば、昨年のブルドック事件以上に影響力のある決定になるのは、ほぼ確実です。

 私は、どちらの味方でもないのですが、特別委員会の意見書を読んで、気になる点があったので、今日は、そのことについて取り上げます。

 それは、特別委員会の意見の次の部分です。

「当社株券等の大規模買付行為への対応方針」に基づく特別委員会からの意見書」
http://www.sapporoholdings.jp/news/up_img/1209.pdf
「 このように考えると、本対応方針の「当該大規模買付行為が明らかに濫用目的によるものと認められ」という文言は、独立した対応策発動の要件を定めたものではないと解するのが相当である。そして、本対応方針の注記にあげられた4類型は、企業価値の毀損という結果を生じさせる買付行為の典型的な場合を例示したものであるというべきである。そこで、本対応方針においては、対応策発動の要件は、大規模買付行為によって企業価値の毀損の生じる可能性の強い場合であると定めているものと解すべきである。」

簡単に言うと、特別委員会は、意見書において、

 濫用目的かどうかは、対抗策発動とは関係ないから、企業価値の毀損の生じる可能性の強い場合であるかどうかを判断した

と言ったわけです。

 私は、

なぜ、特別委員会が、濫用目的の有無を判断しないということを、あえて明確に意見書に記載したのか?そのような指摘をせず、濫用目的であると言い切ることはできなかったのだろうか?

という点に大変興味をそそられました。

 サッポロの事前警告(http://www.sapporoholdings.jp/news/up_img/1012.pdf)では、

「大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、当社株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。」

と「対抗措置を講じないという原則」を宣言した上で、例外的に対抗措置をとる場合として

「当該大規模買付行為が明らかに濫用目的によるものと認められ、その結果として会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社株主全体の利益を著しく損なうと判断される場合には、本対応方針の例外的措置として、当社取締役会は当社株主の皆様の利益を守るために、適切と考える方策を取ることがあります。」

としています。

 この例外部分をどう解釈するかは、結構、微妙ですが
解釈1 ①明らかな濫用目的+②当社株主全体の利益を著しく損なうの2つの要件である
解釈2 「当社株主全体の利益を著しく損なう」という要件のみである
の2つの解釈はありうるところです(どちらの解釈が正しいかは、このブログでは立ち入りません)。

 ところが、独立委員会に対する取締役会からの諮問事項は、
「1. SPJSFが、本買付提案に記載された買付行為を行う場合、当該買付行為は、明らかに濫用目的によるものであり、その結果として当社株主全体の利益を著しく損なうものであるかどうかについて、調査・検討及び評価すること

2. SPJSFによる本買付提案の内容が、当社株主全体の利益に資する適切なものと認められるかどうかについて、調査・検討及び評価すること」
となっており、

  諮問事項の1を見る限り、取締役会は、解釈1を採っているのではないか

と見えてしまいます。

 きっと、特別委員会は、意見書の内容を考えるときに、

スティールに「濫用目的」が認められるのか?

と、相当、お悩みになったのではないかと推測されます。そうでなければ、「明らかに濫用目的が認められるか」という問に素直に答えればよいはずです。

 もしかしたら、特別委員会は、取締役会が解釈1をとることについて
    その解釈では、裁判所で、対抗措置を差し止められるリスクがある
ということを、専門的独立的な見地から察知し、意見書を通じて、取締役会に対し、解釈の変更を迫ったのかもしれません。

 取締役会の諮問事項と特別委員会の意見書に、ややすれ違いがあると、私みたいに憶測する輩が出てくるので、なるべくすれ違いはない方がよいのですが、今回のすれ違いは、今後、他の会社が、自社の事前警告や諮問の内容を決定する上で非常に示唆に富むできごとです。

一般的には、事前警告の中で「手続を遵守した場合には、対抗措置をとりません」と宣言した場合には、
 法律上、買収防衛が許されるような場合であっても、手続を遵守すれば、対抗措置を執らない。
と解釈されてしまう可能性はあります。法律上、買収防衛が許されないときに対抗措置をとることはできないのは当たり前ですから、会社が、あえて「対抗措置はとりません」と表明した以上、そこに法律のレベル以上の何らかの意味があるはずだと考えられるからです。

 ここらあたりは、最終的には、意思解釈の問題で、裁判で決着を付けるしかないものの、私は、事前警告型買収防衛策の最大のリスクは
 「自縛性=自分の言ったことに自分が縛られる」
という点だと思っており、事前警告の内容を考えるときには

将来の裁判において、事前警告の文言を利用されて、揚げ足取りをされないようにする

ことが重要だと考えています。そうすると、本当は、「対抗措置をとらない」というリスキーな文言は、入れたくないのが本音です。

 とはいえ、「対抗措置を採らない」という文言は、今や、上場会社の事前警告のほとんどに入っていて、今更、この文言無しで、事前警告をやるというのは、
   証券取引所や大株主との関係で、なんとなく気まずい
感じになります。

 とすると、大事なのは、
   例外的に対抗措置を発動する場合を、どのように規定するか
です。
 サッポロの特別委員会が、「濫用目的」についての判断を避けたことからも推認されるように、主観的要件は、特別委員会にとっても、裁判所にとっても、短時間かつ限られた資料で認定するのが大変困難な要件です。

まして、「明らかに濫用目的が認められる」という要件のは、あまりにもハードルが高い。

 事前警告において、「原則として対抗措置を講じない」と宣言している以上、もし例外要件を満たさなければ、原則どおり、対抗措置をとることはできません。

 そう宣言しているにもかかわらず、取締役会が、対抗措置をとってしまうと、

事前警告をしていなければ、許される対抗措置であっても、事前警告を定めた株主総会決議に違反する対抗措置として、差し止めの理由になったり、取締役の責任が生じたり

する可能性があります。

ですから、例外要件に、「明らかな濫用目的」を加えるのはリスキーであり、私は、上場会社のクライアント様から事前警告を頼まれたときは、それが独立した要件と見られないように気を付けています。

 つまり、企業価値を害する買収からサッポロを守るという視点からすれば、今回の特別委員会の解釈の方が柔軟に対処することができる点ですぐれています。

もっとも、公表された事前警告や諮問事項がある以上、仮に、裁判になったときに、裁判所が、それらを検討して、例外要件に「明らかな濫用目的」が入ると解釈する可能性は否定できません。

 上場会社の中には、現在、事前警告型買収防衛策の導入を検討中の会社もいらっしゃるとは思います。今回の特別委員会の意見書を読んで、意見書の書きやすい事前警告にするように心がけましょう。

(質問コーナー)
Q1
吃音症であっても立派に弁護士業務をこなしている方は実際におられるのですね。
では、検察官や裁判官の場合は、裁判でしゃべることが多い印象がありますが、吃音をもつ人にとっては、仕事を進めていくのは難しいのでしょうか。
投稿 ぱんだ好き | 2008年2月 2日 (土) 10時05分
A1
「裁判」という場だと、検察官も弁護士もしゃべることが多いですね。
また、検察官になるとしたら、取調べの方がハードルが高いかもしれません。
 裁判官は、判決のときを除けば、それほどしゃべらないし、吃音症でも仕事は進められるように思いますし、判決の読み聞かせは、吃音症でも、特に問題ないです。

Q2
株式分割では基準日の制度があるのに、株式無償割当では事後通知で対応しているようです。
どちらかに統一したほうが、より国民に読み易い法律になる気がしますが何故このような違いを設ける必要があったのでしょうか?
投稿 会社法散歩中 | 2008年2月 2日 (土) 11時47分
A2
株式無償割当ても、基準日を設定することができます。
二つの違いは、株式分割は基準日設定が義務づけられるという点です。
この違いは、上場会社が、基準日設定なしに株式分割をやってしまうと、振替制度がうまく機能しないからです。

Q3
種類株主総会の決議事項に許否権を設定することはできますか?また、ある種類の株主は、他の種類株主総会に出席、質問をする権利はありますか?
投稿 ただし | 2008年2月 2日 (土) 12時30分
A3
種類株主総会の決議に対する拒否権というのは、ないです。
似たような機能を持つ種類株式は、設計することはできますが。
他の種類株主総会への出席権はありません。

Q4
資本減少無効の訴えを残した理由として、①登記 ②大会社の要件との関係、を挙げられています。
そこで、同訴えが株式会社に限られていることに、疑問を感じました。というのは、合同会社は資本が登記事項ですし、大会社の要件は持分会社も同様だと思うからです。
ひょっとすると、無限責任社員がいる会社はそれでも良いということかもしれませんが、大会社である合同会社となると必要性は変わらないように思えるのです。
投稿 遅れても遊ばせて | 2008年2月 2日 (土) 15時15分
A4
歴史的になかったし、資本減少無効の訴えを設けるほどの必要性もないということでしょう。
なお、持分会社は、大会社になりません。

Q5
 「事実認定」と「法律の解釈」の分析、面白く読ませて頂きました。 この点につき、葉玉先生にご意見を伺いたく存じます。
 個人的な実感に過ぎませんが、日本では、事実と条文の意味とを一体として認定することにより、事実認定と併せて実は条文の解釈もしてしまっている判決が少なくないのではないか、と長らく感じておりました。おそらく、このような「実感」は葉玉先生がご指摘される(3)に近いものと考えます。実際(3)のような判断手法は、裁判所にとって、「上告理由の節約」に資し、法律の解釈の誤りを突っ込まれないですむという利点があるのではないかと思います。「あてはめ」と呼ばれる操作をどのように行うのかについては法文化によってかなり異なるものと思いますので、その是非を問題としたいわけではありません。ただ、いずれの判断手法を採るにしても、最終的な「妥当性」というのはどのように決定されるものとお考えでしょうか。葉玉先生の上記のエントリにおいても、「一般常識的には『妥当な場合』」という言葉を用いておられますが、「一般常識的に妥当か否か」はどのように判定されるのでしょうか。そして、果たしてそのような「妥当性」は存在するのでしょうか。
投稿 妙処 | 2008年2月 2日 (土) 15時20分
A5
 妥当性は、裁判官の感覚なのでしょう。裁判は、最終的には、裁判官がまともな価値観をもとに、まともな判決を書いてくれるという信頼を基礎とします。この信頼は、裁判官個人に対する信頼ではありません。個々の裁判官をみると、変な人も混ざっています。しかし、合議システムや三審制、公開主義・当事者主義をはじめとする諸原則などを前提とすれば、総じて、まともな裁判がされるようになっています。
 もちろん、個々の裁判官が、司法の独立を勘違いし、法律の趣旨や一般常識に反する価値観を押しつけることが無くなることはないでしょうが、そうした判決は、上訴審で破棄されると信じています。といいつつ、最近の最高裁は、リップサービスしすぎと思いますが。

Q6
取締役Aが放漫経営により会社に損害を生じさせた後、取締役選任決議が取り消された場合、Aは会社に対して会社法423条1項に基づく責任を負うのでしょうか?また、支払見込みのない債務を負担したことにより第三者に損害を生じさせた後、同じく取締役選任決議が取り消された場合、会社法429条1項に基づく責任を負うのでしょうか??
投稿 ただし | 2008年2月 2日 (土) 17時16分
A6
 なかなかの難問ですが、選任の総会決議が取り消しには、遡及効がありますが、取締役の善管注意義務まで遡及的に消滅するものではないと考えるべきだと思います。423や429を使う理屈は、選任決議の取消しがあっても、取締役の地位は、将来に向かってのみ効力を失うとするか、表見取締役とするか、どちらかでしょうか。

Q7
非公開会社かつ委員会設置会社という機関設計は可能でしょうか。
A7
できます。

Q8
権利株の譲渡と株券発行会社における株券発行前の株式の譲渡について、
条文上、権利株の譲渡については「会社に対抗することができない」(35条、50条2項、63条2項、208条4項)と規定されているのに対し、
株券発行前の株式の譲渡については「会社に対し、その効力を生じない」(128条2項)と規定されています。
“会社に対抗できない=会社に対して効力を生じない”という理解でいたのですが、
これらの意味の違いはどういったものなのでしょうか。
投稿 sohta | 2008年2月 4日 (月) 01時27分
A8
 同じと考える説もありますが、私は、違うと考えます。
 「対抗できない」は、対抗要件がない=会社が効力を認めることができる
 「効力を生じない」は、無効=会社も効力を認めることができない。
 詳しくは、会社法100問を見てください。
 
Q9
こんにちは。前回、株券電子化下における株券喪失登録の定めについての定款変更に関し、質問した者です。重ねて恐縮ですが、ご教示願います。
>もっとも平成21年総会の1回でケリをつけようと思えば、定款変更の
>やり方を工夫するだけで、平成22年1月時点において、株券喪失登録
>に関する規定を削除することもできます。
葉玉先生のご回答に「定款変更のやり方を工夫するだけで」とありますが、そのやり方とは、商号変更などによくみられるような、
 「第○章 (附則)
  第●●条の規定は平成22年1月5日から実施するものとする。なお、本附則は第●●条の変更の効力発生日経過後削除されるものとする。」
的なやり方と考えますがいかがでしょうか?
投稿 ヒゲマン | 2008年2月 4日 (月) 15時35分
A9
 そんな感じです。

Q10
発起設立の場合における、設立時役員の選任時期についてご教示ください。
会社法38条1項は、旧商法170条1項を実質的に変更した条文なのでしょうか?
と申しますのは、会社法38条1項において、「出資の履行が完了した後」と規定されていることを根拠に、一部の法務局では、出資の履行前に、設立時取締役を選任した発起人決定書を添付した設立登記申請を受け付けない取扱いがなされようとしております。しかし、旧商法170条1項では、「払込がないにもかかわらずなされた選任は無効となるが、選任無効の瑕疵は、払込のない株式について払込がなされた時に治癒される」(有斐閣 新版注釈会社法(2)P139)と解釈されているようであり、当初予定どおり発起人が全額払込を行えば、結果として、会社法38条1項違反を問われることはないのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか?
投稿 としお | 2008年2月 4日 (月) 17時00分
A10
哲学をもって、旧商法から変更したのではないと思います。

Q11
ところで株主優待制度と現物配当・平等原則の問題で質問があります。
以前入門編において「財産を株主に配分するような優待制度は現物配当に当たる」とおっしゃっていたと思いますが、財産を配分しない優待制度とはどのようなものをいうのでしょうか?自社製品や割引券といったものでも財産といっていいのですよね?それとも後者はあたらないのでしょうか?
また、株主平等原則については、特に明文で規定のある場合は比例的な扱いが厳格に要求されるということでしたが、株主優待が現物配当にあたるとすれば、つまり剰余金の配当ということになり454条3項の規定がある以上比例的な扱いが要求されることにはならないのでしょうか?それとも剰余金の配当と現物配当は区別して考えるということなのでしょうか?
投稿 くーぽん | 2008年2月 6日 (水) 00時05分
A11
 割引券を配る行為は、通常、財産を配分する行為ではありません。
 もちろん、割引券という紙切れは、会社の財産ですが、その本質である割引部分は、将来の値引き約束に過ぎません。
 それから、株主優待が現物配当に該当するならば、比例的な取扱いが要求されます。

Q12
「発行可能株式総数」に関して、種類株式を発行する際も、別途「当該種類の発行株式総数」を定めるとありますが108条2項、「当該種類の株式の発行可能株式総数」も、会社設立時に規定する発行可能株式総数(37条)の範囲内で定める必要があるのですか??
例えば、A社が会社設立時の発行株式が250株で可能総数が1000株だとすると、
設立後、配当優先株を発行したい場合、かかる優先株の発行可能総数も設立時の発行可能総数の範囲内によるのですか??
例えば、上記A社の場合、現在発行済株式は250株なので、あと750株まで発行することができますが、優先株も250株発行して可能総数を1000株とすると750株よりオーバーしてしまうことはできないという意味でしょうか??
投稿 太郎 | 2008年2月 6日 (水) 23時21分
A12
発行可能株式総数は、すべての種類の株式の発行済株式総数の合計が、それを超えることができないというものです。
 ですから、250株優先株を出せば、普通株は750株しか出せません。

Q13
基本的なことなのかもしれませんが、こちらのブログ内検索や他を調べても見つけることができませんでしたので、条文の解釈に関することを質問させてください。
①会社が自己株式を取得する場合として、155条1号に規定があります。これは直接的には、全部の株式の内容としての取得条項付株式を指していると思います。
種類株式としての取得条項付株式(108条1項6号、2項6号)も会社は当然に取得可能と思いますが、168条以下も「日の決定」などは規定していますが、取得できる旨は書いてありません。
このような場合、108条2項6号イの中に107条2項3号イが含まれているから、会社は種類株式としての取得条項付株式を、155条1項1号により取得できると、解釈するものなのでしょうか?
あるいは、168条以下の当然の前提として取得可能と解釈するべきなのでしょうか?
②上の疑問が沸く前に考えていたことで、こちらがメインの質問です。
とある専門家が次のように言っていました。「会社が取得条項付株式を取得するのは170条括弧書きのいずれか遅い日で、取得対価としての株式を株主が取得する日は(107条2項3号イ)の一定の事由が生じた日。そうでないと、会社の通知などが遅れると株主の方が損をすることになる。」と。
理由は尤もだと思うのですが、170条1項2項を読む限りは、同じ日(いずれか遅い日)になるように思います。なぜなら、170条1項の最初の括弧書きに「次項・・において同じ」とあるからです。
両方の日がずれるのも変ですので、やはり同じ日になるのだと思うのですが、本当はどうなのでしょうか?
投稿 会社法で迷子。 | 2008年2月 7日 (木) 16時51分
A13
①155条1項1号で取得できます。
②同じ日です。

Q14
 基本的な、強盗罪についてのご質問です。
 被害者の反抗を現実に抑圧することの要否という論点で、判例は「抑圧するに足る程度の暴行脅迫があれば既遂たりうる」との見解を採っています。これは(教科書等に根拠を見つけられない憶測なのですが)、「被害者の反抗する意思は、現実に抑圧する必要はないが、それとは別に存在する、被害者の財産処分に関する自由意思は現実に抑圧する必要がある」ということなのでしょうか?
 通説では、反抗の現実の抑圧が必要とされていますが、「暴行脅迫に対して被害者が反抗すること」と、「加害者の暴行脅迫が原因で財産処分に関する自由意思を抑圧されること」とは、別問題のように思えるのです(例:脅す犯人に怒鳴り返すつもりもないが、金を出すつもりもなかった。だがビビって、奪われるがままになってしまった。これなら強盗既遂罪成立ですよね?)。
 強盗罪は、あくまでも財産に対する罪だろうという点からの憶測ですが、このように考えると、判例の反抗抑圧不要説が納得できるのです。ただの勘違いでしょうか・・・?
投稿 らくだ | 2008年2月 7日 (木) 20時53分
A14
 うーん。問題意識が良く分からないのですが、お聞きになりたいのは、「強盗罪の実行の着手があったが、被害者が犯行抑圧されなかった。しかし、被害者は、犯人が可愛そうになって財産を交付した。」という事例ですか?
 ちなみに、被害者が「反抗する意思」を持っているかどうかは、犯罪成立には関係ないと思います。

Q15
更新した旨、メールで通知する機能とかあるのでしょうか??
投稿 いち | 2008年2月 7日 (木) 23時41分
A15
 よく分かりません。
 ココログのヘルプを見てください。
Q16
 現在、自分は31歳の有職司法書士試験受験生です。自分の目標は司法試験に合格して検事に任官し、日本国のために働くことです。司法試験合格の手段として法科大学院進学を考えています。ただ、法科大学院には数百万円をかけて尚且つ三振の危険があるのでリスク軽減のために司法書士試験合格を目指しています。ただ、葉玉先生のこのブログでの回答を見るたびに自分の選択は間違っていたのではないかという思いが出てきました。仕事については法科大学院の学費を稼ぐため及び生活のためにやめることは出来ません。現在の仕事がとても忙しいので勉強時間は一日1時間から2時間取れるかどうかというところです。このような状況の中で自分のように司法書士試験合格を経て司法試験合格から検事への任官を目指すという方法についてどう思われますか。
 葉玉先生は元検事の経歴をお持ちですが、検事に任官するのに年齢によるボーダーラインはあるのでしょうか。以前に44歳の方が任官されたということを聞いたことがあります。
 葉玉先生が大量の仕事を処理するときの秘訣があれば教えてください。
投稿 不孤 | 2008年2月 8日 (金) 21時47分
A16
1 司法書士の人が、検事になりたいと思うのは、よいですが、検事になるために、とりあえず司法書士を目指すのは、やめましょう。虻蜂とらずになります。
2 検事の任官年齢は、絶対的なボーダーラインはありませんが、定年が決まっていることや、若い方が可塑性があることから、一般的には、二十代がほとんどです。
 ただ、やる気と能力があれば、例外はあります。
3 大量の仕事を処理するには、次のどれかです。
 ①極めて長い時間仕事をする
 ②一つ一つの仕事を短時間で終了する。
 どちらにせよ、クオリティーの高低はありますが、長い時間をかけたからといって、クオリティーがあがるわけではありません。
 

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コメント

ご回答ありがとうございます。
振替制度のことも、考えないといけないのですね。
散歩に出たまま帰ってこれそうにありません。

投稿: 会社法散歩中 | 2008年2月10日 (日) 16時22分

いつも興味深い記事で、勉強させていただいております。
細かい点かもしれませんが、1点質問させてください。

新会社法100問(2版)p.136の12行目で、現物出資の不足額てん補責任について、
「取締役が善意『無重過失』であることを立証した場合には、213条の責任を負わないこととされている(213条2項2号)」
と記述があります。

そこで213条2項2号を見ると、「無重過失」ではなく、「注意を怠らなかったこと」を証明した場合に免責されると規定されています。
なぜ、「無過失」ではなく、「無重過失」と解されたのでしょうか?
根拠となる条文や考え方があればぜひお教えください。

(神田先生の教科書は「無過失」と書いており、江頭先生の本には無過失か無重過失かについて言及はなく、条文どおり書かれていました。)

投稿: 受験生 | 2008年2月10日 (日) 17時15分

120条1項の方もお願いしま~す。
待ってま~す。

投稿: しょ | 2008年2月10日 (日) 20時22分

 強盗罪についてヘンな質問をした者です。
 質問させていただいた場面は「哀れみからの交付」事例とは異なります。補足してもよいですか?
 ①まず、超基本的なことなのですが、236条の解釈で問題となる「被害者の反抗」とは、何に対するものなのでしょうか。(A)加害者の暴行脅迫行為それ自体に対するもの (B)加害者の財物奪取意思および、その手段としての暴行脅迫行為 に対するもの のどちらかだと思います。私はシンプルに(A)と解すべきだと思います。実務上はどうなのでしょうか。
 ②私は、上の(A)説を前提に、「強盗罪の実行行為といえるためには、被害者の反抗を抑圧する必要はないが、財産処分に関する自由意思を抑圧しなければならないのではないか」と考えています。以下に、その推論過程を示しますので、おかしいところを突っ込んでいただけますか?
 「窃取と強取は、ともに財産に対する罪の実行行為だ」→「明文上でわかる両者の違いは、暴行脅迫を伴うか否かである」→「しかしひったくりが窃盗罪となることからもわかるように、暴行脅迫の有無それ自体が、両者の分岐点となるわけではない」→「かといって、判例に従えば、『被害者の反抗を抑圧した状態』の有無で区別するわけでもない。財産に対する罪の要件なのだから、単なる暴行脅迫との関係を問題としないのは納得できる」→「ならば、暴行脅迫によって、被害者の財産処分に関する意思を抑圧するのが強取。強取以外の方法で、被害者の財産処分に関する意思に反するのが窃取だと区別するのではないか」

投稿: らくだ | 2008年2月10日 (日) 22時33分

 葉玉先生、御回答ありがとうございました。本ブログ及び脱時空勉強術を見ていましたら、結局自分のやっていたことは司法試験という現実から逃げていたに過ぎないということがわかりました。これからは逃げずにがんばっていきます。司法試験の勉強を再開するに当たり、もう一度入門講座から聞きなおそうと思っています。そこで質問なのですが、入門講座期の復習はどのようにすればよいとお考えですか。

 また、自分が聞きなおす入門講座(通信)の担当講師は「復習はしなくてよいのでとにかく講義を早く消化すること(最長でも3ヶ月)が重要である。復習は論文や択一の問題を解きながら行うのが効果的である」との立場ですが、これについて葉玉先生はどうお考えですか。

 検事への任官について伺いたいのですが、弁護士任官の制度で弁護士から検事に任官した場合は任期があるのでしょうか。それとも望めば定年まで勤務できるのでしょうか。

 お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しく御願いいたします。

投稿: 不孤 | 2008年2月10日 (日) 23時31分

資本減少無効の訴えに関する質問への回答ありがとうございました。
規模や登記から理論上は同じ規制が掛かりそうな場合でも、現実に必要な事態が迫っているのかということによっても立法の必要性の度合いが変わってくるのですね。
ライブドアの株式100分割の荒稼ぎ後に、漸く株式分割の規制がされた例や、EDINETのガセ情報後の規制の動きのように・・・。

投稿: 遅れても遊ばせて | 2008年2月11日 (月) 06時36分

取得条項付株式の取得日の質問をした者です。細かい内容なので質問をするかさえ迷っていたのですが、簡潔な回答を頂きスッキリ致しました。どうもありがとうございます。

今回の記事も色々考えるところがありました。あまり長くなるのも失礼ですので、葉玉先生の視点とはかなりずれてしましますが、根本的な疑問を一点だけ書かせて頂きます。
そもそも今回のようなグリーンメーラーによる買収に、濫用目的や企業価値の毀損があるのでしょうか?買った株を高く売りたいのだから、むしろ企業価値を高めたいのではないかと思うのですが・・・。


投稿: 会社法で迷子。 | 2008年2月11日 (月) 08時31分

ご教授ください。
624条2項の規定による定款の定めを何もしていない持分会社は、同条1項の請求に、A応じなければならない・B応じてはならない・C任意のいずれでしょうか。
Aなら582条や859条が骨抜きになるのでは?
Bならそう明示しないのはなぜ?
Cならなぜ「会社は・・・できる」としないのか?
基本的な読み方が判っていないせいならすみません。

投稿: ひで | 2008年2月11日 (月) 20時23分

お仕事ご苦労様です。
早速ですが、本日(2月12日)のダスキン訴訟最高裁判決について質問というか、ご意見を伺いたいです。今帰ってきたばかりで詳細を調査中なのですが、原告の106億円の賠償請求はどれくらいの算定で導かれたのでしょうか?
 株式投資をしたことのない素人なので、ちょっとこの金額にはびっくりというか、アメリカであったクリーニング屋の賠償ウン億円とかいう事件を思い出してしまいました・・。
 ブログのネタとしてでもいいので、取り上げてくれたらうれしいです。自分でも新聞や最高裁HP等で調べてみます。

投稿: be scrivener | 2008年2月12日 (火) 22時20分

 勉強の休憩中に、いつも興味深く先生のブログを拝見させていただいています。

 一応先生のブログの検索機能でチェックしたのですが、以前に質問した方がいらっしゃらなかったようなので、会社法386条1項につき、質問させてください。

 会社法386条1項が、旧商法275条ノ4の改正により、被告たる取締役について「取締役であった者を含む」としました。

 このことにより、旧商法274条ノ4前段につき、最判平成15年12月16日民集57巻11号2265項(平成18年重判:民事訴訟法2)の判示は、先例的意義がなくなったといっていいのでしょうか。

 同最判は、農協の理事に対する訴えの事例で、農協法39条2項により、商法274条ノ4が準用される事例でした。
判決文では、「退任取締役が前段の規定中の「取締役」に含まれると解するのは文理上困難」としていますが、この解釈は、新会社法下では、会社法386条1項により不可能であると思案しています。

 なお、この改正の趣旨は、馴れ合い防止なのかなと考えています。


 お忙しい中すみません。お時間のあるときに、ご教授ください。

投稿: Onceinalifetime(来年新司受験生) | 2008年2月13日 (水) 20時28分

 たびたびすみません。
 平成15年判例の掲載雑誌は、平成18年重判ではなく、「時の判例Ⅴ」の誤りでした。お詫びして訂正します。
 

投稿: Onceinalifetime(来年新司受験生) | 2008年2月13日 (水) 22時07分

いつも楽しく拝見しています。ひとつお教えください。

「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」(施行規則126条4号)は,
内容を変更することがなくても,毎年,監査役会や取締役会で
決議しなければならないのでしょうか。

もし,決議しなければならないのであれば,
取締役会は,事業報告に関する決議でまとめてできますか。
でも,監査役会はそういう機会がないので面倒だなぁと思っています。

投稿: はる | 2008年2月13日 (水) 23時48分

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