最近、このブログは週刊誌化しているため、情報が遅れがちですが、今日は
「内部統制報告制度に関するQ&A」(金融庁総務企画局)
http://www.fsa.go.jp/news/19/syouken/20071002-1/05-1.pdf
について、若干、思うところを述べたいと思います。
Q&Aの中身は、当たり前のことが書かれているだけであり、内部統制報告制度の導入の検討が行われた当時の議論に沿ったことが書かれているだけです。
金融庁は、なぜ、わざわざこんな当たり前のことを言わなければならなくなったのでしょうか。それは、おそらく、企業が、監査人との協議で、相当、カリカリしているからなのだと思います。このブログのコメント欄で、盛んに内部統制漫才を繰り広げられている方もきっとそんな一人なのでしょう。
このQ&Aが発表されるまでの経緯を邪推すれば、次のような感じだったのではないでしょうか。
監査人が担当者に手間のかかる注文をつける
↓
担当者が憤慨する → 担当者が経営者に泣きつく
↓ ↓
↓ 経営者が政治家に泣きつく
↓ ↓
担当者が金融庁に質問する 政治家が金融庁の偉い人に注文する
↓ ↓
質問の殺到で答えるのが大変 金融庁の偉い人が金融庁の現場に指示する
↓ ↓
金融庁は「監査人は、内部統制をビジネスの道具にしているのではないか」と疑う
↓
金融庁は、Q&Aを公表して、企業が、監査人の無茶な注文に対抗できる手段を与える
Q&AのQに書かれている無茶なことは、きっと企業が、監査人(又はコンサル)から言われたことなのでしょう。
そして、金融庁としては、金商法の改正作業の最中から
米SOX法みたいに手間と金のかかるようなことはやるべきではない
という批判を受けて、せっかく
「トップダウン型リスクアプローチ」とか、
「ダイレクトレポーティングの不採用」とか、
いろいろと手間とお金を節約できる方法を取り入れたはずだったのに、実際には、金融庁に
「必要性の観点を無視した文書化のための文書化」
「監査人がプロセスの有効性を評価しようとしているのではないかと思うほどの監査人からの保守的な助言」
等企業からの血の叫びが次々に舞い込んだので、こうしたQ&Aを公表したんでしょうね。
私のような第三者的な立場から見ると、そうした無茶な注文をつける監査人は、勉強不足であり、褒められたものではないと思うものの、その人だけが悪いというわけでもないように思います。
監査人の立場から見ると、自分が
文書を作らせないリスク
システムを導入しないリスク
を負担しなければならない動機がありませんから、保守的になるのは当然のことです。
もしかしたら、株主が、監査人(=会計監査人)に対し
効率性を害する無駄な文書化を強制した
という理由で代表訴訟を起こすようなことが頻発したり
法律が、文書化のための費用と監査人への報酬の合計額について最高限度額を定める(総量規制をする)
と、急に
「そんなに沢山の文書を作らなくてもいいよ」
ということになるかもしれません(笑)。
しかし、そうでもない限り、監査人には、無駄な文書化をやめろという積極的な動機はなく、企業に対する要求が高めになる傾向になるのは、ある意味、理解できます(それが、良いということではありません)。
こうした内部統制報告制度の悲劇は、この制度そのものが
「文書化」「IT」という「形」を要求しながら、具体的に、どんな「形」を整えれば十分なのかを明確にすることができない
ということに起因しています。
普通は、形式を要求する法律は、作らなければならない書類の内容や、数を限定しています。たとえば、会社法では、毎年、計算書類等を作成しなければならないというルールがありますが、計算書類等が何かということは明確です。金商法でも、有価証券報告書等については、どのようなものを作ればいいかは明確です。
ところが、内部統制報告制度においては、実施基準を見ても、どのような文書をどの程度作らなければならないのか、どのようなコンピューターシステムを構築しなければならないのか、形式的・一律的に判断することはできません。
そのため、ビジネス欲の強いコンサルタント等から、「あれも必要」「これも必要」と言われたり、自己の責任を回避したい監査人から保守的な対応(=いろいろな文書を作れば作るほどよいという対応)を要求されたりしたときに、経営者が
そんなの関係ねえ!そんなの関係ねえ!
と反論することが難しく、監査人も、どれだけ文書化させればよいか明確ではないので、「文書化しなくてよい」という勇気がもてません。
また、内部統制報告制度で使われるバタくさい用語は、多くの経営者や現場の人に対し、「頼むから、日本語を喋ってくれ」という気持ちを起こさせ、思考を停止させ、良く分からないから、形式だけは整えようという形式主義を蔓延させました。
きっと、現場の本音は「こんなことやっても、不正会計を防止できるわけないのに、なんで手間ばかり増やすんだ」というところでしょうし、検事時代に沢山の不正会計を見てきた私も
「自分が担当していた事件の不正会計が、今の内部統制報告制度で防止できただろうか」
と検証すると、首をひねらざるを得ません。
私の感覚では、今の内部統制報告制度は、担当者の小さな不正会計の予防には役立つが、本当に防止しなければならない会社ぐるみの(場合によっては、取引先ぐるみ、監査人ぐるみの)不正会計は防止できないと思います。
また、現実には、小規模な新興企業ほど内部統制をしっかりしなければならないことが多いのに、コストの面からその実現は難しいというジレンマもあります。
まあ、本来、ノウハウに過ぎないような各種ツールを「規制」の枠組みに取り込んだ米SOX法が、法制度として未熟であったということが最大の元凶だと思うものの、日本も、やむにやまれず、似たような内部統制報告制度を採用せざるをえなくなったわけですから、せめて運用レベルにおいては、関係者全員が常識的な対応をとるのが良いと思うのですが。
ちなみに、会社法上も、コンプライアンスを含めた内部統制システムの整備が義務づけられる場合があり、監査役による監査も義務づけられているにもかかわらず、こちらの方は、法務省に不満を述べる人の声を聞いたことがありません。
これは、
① 会社法は、「内部統制なんていうものは、会社ごとに違うのだから、どんなツールをつかって内部統制しようと、結果として内部統制が実現できればよい」という「形」に拘らない法制を取っていること
② 監査するのが外部者である会計監査人ではなく、監査役であること(ビジネスが絡まない)
の2点によるところが大きいでしょう。
上場企業の株価下落要因となる不祥事のほとんどは、不正会計ではなく、コンプライアンスの問題ですから、本当は、もっと会社法上の内部統制に力をいれて欲しいところです。
会計上の内部統制に、ちょっとした工夫をすれば、コンプライアンス等も組み入れられると思うのですが、金商法の内部統制狂想曲に踊らされている企業には、その余裕がなく、狂想曲終了後に、組み入れようようとすると、また莫大なコストがかかるため、きっとそんなことをする企業は少ないんでしょうね。
「もったいない」の一言につきます。
(質問コーナー)
ちなみに今日は、Q60までありますので、全部読もうとするひとは、結構、根気が必要です。
Q1
【Q369】
図表4-2に関してです。
この表は大変わかりやすいのですが一つだけ監査役会設置会社にするには取締役会
が設置強制される趣旨がわかりません
というのも取締役が1,2名しかいない場合には3名以上の監査役を要する監査役会を置くべきではないとありますが、監査役会を置いて経営陣の監視に重点を置くことは何ら否定されるべき価値観・考えではないと思うからです。
したがって何か取締役会でなければいけないような積極的な意味づけが他にあると思うのですがこのような消極的な趣旨しかなかったのでしょうか。
A1
積極的な意味はありません。法制審議会で、なんとなく、そのような感じになったので、そうなっているのです。
Q2
【Q374】
図表4-4に関してです
取締役会の場合定款の定めが廃止されると委員は任期終了とありますが
意味がわかりません。取締役は任期終了という意味でしょうか
仮にそうだとした場合表の中でこの部分だけ条文の摘示がありませんが
根拠条文を教えてください
A2
委員会の委員ではなくなるという意味です。
委員会設置会社じゃなくなりますからね。委員で居続けるのは無理です。
Q3
次に委員会設置会社が監査役を置く規定の定めをした場合
アスタリスクにあるように委員会を置く旨の定款の定めを廃止する必要があるので、表中監査役の規定を定款で定めた場合委員は単なる取締役となるとありますが、委員は取締役となると同時に会社法332条4項2号の適用を受け任期満了となるわけではないのでしょうか。
A3
委員会設置会社ではなくなるので、結局、任期満了になります。
Q4
【Q398】
解説中において①~⑤のものが社外取締役が行っても業務の執行に該当しないとありますが、⑤の買収防衛策の発動の有無を社外取締役が決定することは、業務即ち、会社の目的である具体的事業活動に関与に当たりうるのではないでしょうか。職務と業務を適格に見分ける要件はないでしょうか。定義だけですと基準として明確性にやや欠けると思うのです。
A4
買収防衛策が、具体的事業活動にあたるという理由がよく分かりません。
私は、従来の考え方からすると、無茶苦茶明確だと思いますが、明確な定義があれば、ぜひ提示していただきたいと思います。
Q5
【Q399】
委員会設置会社以外の会社において使用人でもある取締役が社外取締役の要件を満たさないのは明白ですが、委員会設置会社以外という留保付な問い方から推察すると、委員会設置会社の場合には結論が異なりうるのでしょうか。
A5
結論は同じです。
Q6
【Q403】
基本的なことをお聞きしますので恥ずかしいのですが、委員会設置会社にあっては各委員会の過半数を社外取締役にする必要がありますが、各委員会は3人以上ですから(400条1項)各委員会で3人の場合は2人が、4人の場合にも2人が、5人の場合には3人が社外取締役である必要があるということでしょうか
4人の場合の解答が自信ありません。
A6
4人の半数は2人なので、過半数は3人です。
Q7
【Q437】
退職金が単なる贈与と見られることはないのでしょうか。
仮に名目退職金が可分なものである場合賃金(職務執行対価)の後払的性質を持つ部分についてのみ361条の適用があると見てよいでしょうか
解説中では例外なく退職金は361条の適用を受けるように思わせます。
A7
贈与は、贈与。退職金は退職金ですね。当事者が退職金として支払うのに、贈与というのは、意思表示理論からはありえません。
Q8
【Q448】
問題文は自己のための競業取引ですが、第三者のために行った場合も
競業取引自体は当然有効なのでしょうか。
A8
有効です。
Q9
【Q450】
356条1項2号の「ために」の解釈は名義か計算かの論争は明文による立法的解決は難しかったのでしょうか。会社法施行後の基本書でも計算の意義であると言い切っているものがあります。
A9
立法的に解決してますよね。「ために」と「計算」で書き分けているわけですから。
基本書が「計算」と言い切るのは学問の自由でいいと思いますが、名義説が正しいと思います。
Q10
【Q455】
自己取引を直接行った取締役も任務懈怠がないことを主張立証すれば任務懈怠責任を免れるとありますが、これは要するに会社法423条3項の法律上の推定を覆せば責任を免れるという意味でしょうか。
これまで、会社法428条1項は不可抗力の場合ですら免責されないわけですから自己取引をした取締役には損害が生じれば無過失の立証も当然許さない趣旨と見ていたのですが、無過失立証をすることは許すと言うことでしょうか。
A10
条文通りですね。無過失立証は許しません。しかし、任務懈怠がないことの反証は許します。過失と任務懈怠を混同していると、分からなくなります。
Q11
【Q475】
図表4-9に関してです。
出資財産等の価額てん補責任には免除手続きが一切ないのはなぜですか。
総株主の同意があっても許さないという趣旨でしょうか。
同様の52条には55条による免除規定が設けられていますが、55条を類推することも許されませんか。
A11
条文通りです。
Q12
【Q482】
この問題に関して会社法908条類推または354条の適用はありませんか。
最判昭和43年11月1日によれば会社代表権限を有するものを定める場合には適用されないとあります。では会社が被告となる場合ではなく、取締役として登記されている者自身が被告当事者となる場合でも被告適格は認められないのでしょうか。
A12
類推はありません。訴訟法と実体法は別です。
訴訟法の表見代理の問題で勉強してください。
Q13
【Q483】
847条7項の悪意とはどのように定義されていますか。あるいは、裁判例では名古屋高決H7/3/8、大阪高決H9/11/18がありますがどちらが近いでしょうか。
A13
解釈ですので、ご自由に。
Q14
【Q487】
株式交換、株式移転、合併の対価が金銭等又は完全親会社や存続会社の株式以外の財産である場合には会社法851条1項の適用がないため原告適格を失うことになるが、
これでは会社が意図的に株式以外を交付することで原告適格を失わせることができることになり公益目的の意味もある株主代表訴訟の意義からして妥当ではないのではないでしょうか。これを防ぐ手だては原告にありますか。
A14
妥当でしょう。
単に、株式買取請求の価格の中に、代表訴訟の対象となっている財産の価値をどれだけ反映させるかという問題でしょう。
Q15
【Q506】
図表4-11に関してですがこの表の意味がよくわかりません。
取締役会決議の省略の場合①②③の全ての手続きが省略可能とありますが①が省略できるのは正しいですか。
取締役会への報告の省略の場合③が省略できないとなっておらず網掛けになっているのはなぜですか。
A15
正しいです。
網掛けについては、報告であり、決議要件は関係ないからです。
Q16
【Q529】
施行規則102条6号とありますが5号でしょうか
A16
5号です。
Q17
【Q537】
解説2のたとえば以下で、会計参与が通常の注意を払っても計算書類などの基礎となった会計帳簿に虚偽の記載があることを発見することが困難であった場合には過失が認められないとありますが、この場合の注意義務は善管注意義務(会社法329条330条、民法644条)であり通常の注意では足りないと思われるのですがいかがでしょうか
A17
言葉の問題に過ぎません。
Q18
【Q540】
監査役が会計参与を兼ねることができるかに関して会社法335条2項だけをみますと、株式会社の当該子会社の会計参与の兼任禁止を定めるのみで当該株式会社には禁止と規定しておりません。親会社もしくは当該株式会社の会計参与との兼任は禁止されていないように見えます
一方、会社法333条では3項1号で監査役が当該株式会社の会計参与にもなれないとあります。
この場合会社法335条2項と333条3項1号はどういう風に読めばよいのでしょうか
条文上会社法335条2項で子会社の会計参与のみ規定されているのが原因ですが、何か理由があるのでしょうか
また、会社法333条では当該株式会社の親会社の場合について規定しておりませんが親会社の監査役の場合には兼任は許されるのでしょうか(今度は会社法335条2項に引っかかるように思えます)このあたり錯綜しており読み込むのが難しいです。
A18
それをまとめたのが、図表4-13ですから、これを見て勉強してください。
Q19
【Q541】
図表4-13に関連してです。前問と関わります
親会社が監査役の原則の場合又は社外監査役の場合で子会社が会計参与の場合に会社法335条2項により兼任禁止とありますがQ540の回答によれば会社法333条1項1号により兼任禁止となりませんか。
A19
同一会社内で兼ねるときと、親子会社では違いますし、兼任禁止と欠格事由も違います。
Q20
【Q559】
取締役を債務者とする違法行為の差し止めの場合には法律行為の場合も有効とありますがこれだと、会社のために差し止めを規定した意義が没却されませんか。
新株発行差し止めの仮処分がなされたのにもかかわらずなお発行を強行した場合は無効とする判例の法理が応用されないでしょうか。
A20
適用されません。新株発行差し止めは、会社が相手方ですから、ぜんぜん違います。
Q21
【Q571】
会計監査人の前払い請求について監査役や会計参与のような取り扱いが設けられなかった趣旨はこれらの者のように職務執行の充実を図る必要性が低いということでしょうか
A21
会計監査人は、お金持ちだからでしょう・・・。
Q22
【Q582】
委員会設置会社以外の会社で業務執行取締役に委任できない事項のうち、①から④まで362条4項1号から4号までの事由が挙げられています。
そのほかの6号や7号は委員会設置会社においても委任できない事項ですが、5号の社債については委任できるはずです。しかし解説中には4号までしか挙げられておらず5号がありませんがなぜでしょうか
また⑥の定款授権ある場合の指定買取人の指定についてですが授権があれば、140条5項但し書きにより委任ができるはずですから定款授権がない場合ではないでしょうか。
A22
社債は、監査役設置会社でも委任の範囲が広いからです。
定款授権は、「ない」が正しいですね。
Q23
【Q655】
図表5-2に関連してです
会社法319条の場合原則的手続①から3まで全て省略可能とありますが①の省略も当然に含まれるのでしょうか
会社法320条の場合も①は省略しうるのでしょうか。また③の場合が網掛けになっているのはどういう意味でしょうか
A23
取締役会の決議・報告の省略で述べたとおりです。
Q24
【Q677】
会社法461条の適用がないとして対象から除外されている者のうち会社法166条1項と170条5項の場合についても適用除外とされたのはなぜですか。
会社法461条の対象に含まれたものは462条の適用があるわけですが、上記2つの場合は462条の適用があっても良い、会社にとって危険な行為類型だと思われます。
461条の対象とされたもののメルクマールはありますか。
A24
会社法100問を参照してください。詳しく理由が書かれています。
Q25
【Q697】
分配可能額を超えて剰余金が配当された場合は不当利得の返還義務規定適用がないとありますが、剰余金配当自体は有効なのでしょうか。
それとも無効だけど不当利得の特則として会社法462条があるという事でしょうか。
また、会社法463条2項の代位行使は民法423条の特則として定められておりその効果も相殺するまでもなく、直接自己に金銭を支払せることができるという理解で宜しいでしょうか
A25
配当は有効です(学説は無効とする説が多いようですが、私には、なぜ無効とするのか、理由がよく分かりません)。
詳しくは、私の商事法務の論文を見てください。
後段は、そのとおりです。
Q26
【Q700】
解説中による方法により免除が可能だとしても、債権者の詐害行為取消の可能性は否定されないという理解で宜しいでしょうか
A26
詐害行為になるならば、取り消せるでしょう。
Q27
【Q706】
マイナスの額と払い戻しをした額のいずれか小さい額を支払う義務を負うとありますが、会社法465条によれば超過額(マイナス額)と払戻額(各号に定める額)という理解が正しければいずれか大きい額の支払義務を負うのではないでしょうか。
A27
言葉の問題ですが、465条の文言に従った表現です。
Q28
【Q727】
図表8-1に関してです
準備金の額のみの減少において欠損額を超えない場合ですが、会社法459条で定めた場合において449条はどう関係するのでしょうか。
449条1項1号によれば定時株主総会において会社法448条の事項について定めた場合に欠損額を超えない場合、債権者保護手続きが不要となると思うのですが、会社法459条の場合は取締役会で定めることになります(2号)とすると、449条但し書き適用の要件を欠くので債権者保護手続きは原則通り必要に思えます。しかし図表では債権者保護手続きはなしとあります。
A28
図表は、限られたスペースで書くので、誤解を生んだのならば、すいません。
Q29
【Q736】
会社法499条1項1号となっています。
A29
ご指摘ありがとうございます。449条です。
Q30
【Q743】
計算46条1号イが挙げられていますが計算48条1項2号ではないでしょうか
A30
そうですね。
Q31
【Q754】
確認株式会社において定款で5年以内に1000万円の資本金に達しない場合に解散する旨の定めを廃止する場合に会社法466条の適用が排除され取締役会の決議等で決定できる根拠条文を教えてください
A31
すいません。今、手許に条文がありません。
Q32
【Q762】
解説の3で2つ以上の公告方法を定めることもできるとありますが、会社法939条はいずれかをと言う文言で規定しており、解するに、3つのうちから一つという意味ではないのでしょうか。それとも、持ち分会社にかかわらず会社は1項に規定されている3つの公告方法であれば、3つまで定めることができると言う意味だったのでしょうか。
A32
書かれているとおりです。
Q33
【Q764】
合同会社において労務出資や信用出資は可能かという質問に対して報酬債権はたとえば可能とありますが、これは労務出資に当たらないのではないかという疑問があります。債権は6号の金銭等に含まれると解されるからです。
結局質問の答えとしては、不可能であるという理解で宜しいでしょうか。
A33
「労務出資とは何でしょうね?」というのがポイントでしょう。
Q34
【Q770】
詐害的出資行為のうち出資行為のみ民法424条で取り消す場合には、2年の出訴期間の制限は類推適用されないのでしょうか
A34
類推を主張するのは、常に自由ですが、認められることは少ないでしょう。
Q35
【Q777】
合資会社の有限責任社員が合同会社となる場合ですが、639条の規定による場合には919条の適用はないということで宜しいでしょうか。
A35
合名会社となる旨の定款の変更をしたものとみなされますから、919条は適用されるでしょう。
Q36
【Q781】
会社法593条では確かに5項により1項2項は除外されていますが、会社法577条の適用により法律の規定に反しないものを規定することができるはずですからQ781条の場合も明文の禁止規定はなく、反しないと考えられるので定款で制限可能ではないでしょうか。
A36
書いているとおりです。
Q37
【Q798と794】
株式会社の代表取締役が一人は日本に住所地を有することを必要とされているとありますがその根拠条文を教えてください。
A37
登記実務上の解釈です。
Q38
【Q801】
合資会社の有限責任社員の場合会社法605条類推とありますが、会社法580条2項の適用ににより出資の増加した価額を限度として当然弁済責任を負うと解されるのではないでしょうか
A38
書いているとおりです。
Q39
【Q809】
次表図表11-2を参照されたいではなく、されない。になっています。
A39
ご指摘ありがとうございます。
Q40
【Q819】
解説2で不当な払い戻しが行われた場合債権者との関係で払い戻しに相当する部分が出資未履行となるとありますが、不当な払い戻しでも有効なのであれば払戻し前から未履行であればともかくとして、もともと出資が行われた部分の未履行は観念できないので
はないでしょうか。
A40
書かれているとおりです。
Q41
【Q821】
合同会社の違法な出資の払戻しに関しては、会社法633条により業務執行社員が免責される場合でも出資の払い戻しを受けた社員の責任は免責されないという理解で宜しいでしょうか
A41
そうでしょう。
Q42
【Q824】
自己完結的な体系を目指したと思われる会社法が定款目的範囲外の行為についてはいまだに会社法以外の法律の民法34条を利用するのはなぜでしょうか。
A42
民法や一般法人法は、一般法ですから、一般法でいけるものをわざわざ会社法には書きません。
Q43
【Q843】
施行規則99条にいう「2以上」とは回数又は種類のいずれかが複数であれば、これに該当するのでしょうか。
1種類の社債を1回だけ募集する場合にのみ委任ができると言うことでしょうか。
A43
委任の範囲は、ご質問のものより、広いです。
Q44
【Q875】
会社法724条2項2号のいう、第706条1項の規定により社債権者集会の決議を必要とする事項とはたとえば何をさすのでしょうか。724条2項1号の場合と区別されている趣旨を教えてください
A44
社債管理会社がない場合がありますから。
Q45
【Q890】
簡易事業譲渡の要件が総資産額なのに対し簡易事業譲り受けの場合は純資産額とされた趣旨を教えてください。
A45
譲渡側と譲受側は、利害関係が全然違います。
Q46
【Q907】
無対価の組織再編行為は、会社法と、となっているのは会社法上というふうに読み替えればよいでしょうか
A46
そうですね。
Q47
【Q911】
施行規則23条6号ロをみても外国会社同士で三角合併を行う場合はもとより、一方が外国会社でない場合などにも135条の例外が適用されるようにみえるのですが、どのように解釈すると外国会社同士限定と解することができるのでしょうか
A47
外国会社同士限定とは、書いていないですが?
Q48
【Q947】
効力発生日の変更につき790条は存続会社との合意により変更できるとありますが、解説中では、当時会社の代表者が単独で変更できるという説明がされております。
これはどういう意味でしょうか。一方当事会社が単独で決めてそれを相手方当事会社が追認するのであればそれは合意による変更といえますし、したがいまして単独でとあえてかかれているのはどのような根拠からでしょうか。
A48
新設分割、株式移転は、単独ですよね。
Q49
【Q950】
吸収合併における消滅会社の株主に存続会社の株式以外の財産を交付した場合には効力発生日以後、当該株主は合併契約書の閲覧請求を認められないとありますが、合併無効の訴えを提起するに当たり、効力が生じた日から6ヶ月以内は認める必要性が高いのではないでしょうか。契約書を6ヶ月間備え置くことの趣旨からしても、仮に債権者たる地位を有していなくても認めても良いのではないでしょうか。
A49
立法論ですね。
Q50
【Q968】
解説の2で475条2号が引用されていますが3号でしょうか
A50
そうですね。
Q51
109条2項の具体的イメージがはっきりしません。こんな使い方があるよ、というのを2~3教えていただけませんか?
投稿 本屋前 | 2007年10月 6日 (土) 23時54分
A51
「葉玉匡美は、1株につき10個の議決権を有する」という感じでしょうか。
Q52
以前、株式買取請求に出てくる「公正な価格」についての記述があったと思いますが、
それについて、一点質問があります。
「公正な価格」は、合併等がなければ有していたであろう価格ではなく、シナジー効果、相乗効果を反映した価格ということで、プラスがあれば、それを上乗せした価格になるということでした。
そこでなのですが、債務超過がひどい会社との合併で、シナジー効果が見込めず、一気に株価が下落してしまったという状況の中、それでも会社が合併を強行した場合は、株主は「合併等がなければ有していたであろう価格」の請求が可能なのでしょうか?
合併前後のシナジーを考慮すると言っても、完全にマイナスになってしまう場合は、考慮の外と考えれば良いのでしょうか?お答えいただければ幸いです。
投稿 kou | 2007年10月 7日 (日) 14時44分
A52
場合によっては、「合併等がなければ有していたであろう価格」でしょう。
裁判所が公正と思うものが、公正です。
Q53
会社法の事業譲渡等についてなのですが、事業譲渡等に該当する「事業の全部の譲渡」とは、何について「全部」なのでしょうか?
会社が保有する事業が3つある場合のそれら3つか、特定事業の中の、営業所や、特定の部門をまとめて、という意味の全部なのでしょうか。
投稿 yoshi | 2007年10月 7日 (日) 17時55分
A53
3つともです。「一部」の意義は、会社法100問で解釈していますので、それを反対解釈してください。
Q54
10月4日に旧司法試験の論文合格発表がありました。
合格者はわずか250人。
合格率はわすか1%強でした。
来年はおそらく合格率1%を切るでしょう・・・
消え行く旧司法試験に関して何か一言コメントをお願いします。
投稿 aguri | 2007年10月 7日 (日) 23時29分
A54
旧司法試験がなくなれば、予備試験が始まります。
試験制度なんて、なんでもいいんですよ。
というか、現実に目の前にあるものを乗り越えればよいだけであり、乗り越えなければならないのです。
合格率1%は少ないように見えますが、現在の受験生の構成を見る限り、私が、受験していたころと、難易度がそれほど違わないように思います。
「合格するための努力をした人は合格し、努力が足りなければ合格しない。」
どんな試験でもそれだけ分かっていればいいのです。
Q55
108条1項7号の全部取得条項付種類株式に関する質問です。
当該株式は、従来の100%減資を可能とするために会社法により新たに導入された制度とされています(神田「会社法」9版 P.78)が、一定の要件で既存の株式全てを取得する為のものと考えると、なぜ107条の規定ではなく、108条の種類株式として規定されているのでしょうか。
更に、当該株式と108条1項6号の取得条項付種類株式の具体的な相違を指摘して下されば幸いです。
投稿 水玉かふぇ | 2007年10月 9日 (火) 03時36分
A55
107条だと、すべての株式が一旦取得されてしまい気持ち悪いから、という良く分からない理由です。
取得条項付は、最初から取得の対価がきまっていますが、全部取得条項付種類株式は、取得時に株主総会で対価を決めます。
Q56
私は旧試験生ですが、今月から始まる予備校の旧試験の答練を受けるか迷っています。
というのも、過去の予備校答練の問題は四年分になるし、まだ択一に合格したことがないので来年に向けて択一の時間を集中的に増やしたいからです。答練を受けない代わりに、葉玉先生が仰る様に、論文過去問を毎日一通書いて、答練に代替しようと考えてます(なお、答練の成績は平均25くらいで、2,3回に1回は成績優秀者にも番号が載ります)。
ただ、大多数の人が受けるのに自分だけ受けないのは不利にならないか等、不安でもあります。
やはり答練は受けた方が良いでしょうか?
投稿 消えゆく旧試験生A | 2007年10月10日 (水) 17時47分
A56
答練は受けても受けなくてもいいですが、他人に答案を見てもらうほうがいいです。
Q57
2007年10月6日の Q1 および Q10 にて質問させていただいた者です。ご回答ありがとうございました。
Q1 を質問させていただいた理由は、ある信託銀行主催の会社法セミナーにて、「297条4項により株主が招集する株主総会については、議長に係る定款規定はその効力を失う…」、
「最悪の場合、招集株主に議長を取られる可能性がある…」、
「だから、株主からの招集請求があった場合、素直に(取締役が)招集すべきだ…」云々の言があったからです。
(残念ながら、そのセミナーでは講師に直接質問できませんでした…)
上記については、いかが解したらいいのでしょうか?
投稿 ツェーベーツェー | 2007年10月10日 (水) 18時22分
Q1のご回答は,私も解せないですね。裁判所の許可をとって株主が招集する場合,定款による議長の定めの効力はなくなり,議場で選ぶ必要があるというのが,少なくとも旧商法における一般的な解釈でした。過半数があれば,すぐに議長を取り返せますが,最悪の場合,議長をとられてしまうリスクがあるというご指摘は実務的な理解としては正しいと思います。また,それが面倒なので,招集許可申請事件においては,素直に会社が招集してしまうことが多いのもまた事実です。会社法では変わっているんだというのであれば,大事件です。
投稿 ik | 2007年10月11日 (木) 23時13分
A57
株主による招集の場合には、定款による議長の定めの効力がなくなるのではなく、単に当該定めを限定解釈しているだけですよね。つまり、もともと定款は、株主による招集の場合については議長の定めをしていないと解釈した上で、株主総会で決めているのだと思います。
たとえば、定款に、「株主招集の場合には、当該招集者が議長となる」と決めたら無効でしょうか?たぶん、そうではありませんよね。定款で二義を許さない文言で、議長の定めを設けたら、その定めを無効にする規定はないと思いますが。
Q58
神田先生の教科書の非公開会社の場合の募集事項の決定のところに、
『既存の株主以外の者に発行する場合には、既存株主の利益保護の
ため、募集事項の決定には株主総会の特別決議が必要である。
改正前商法ではこのことを「株式譲渡制限会社では株主は商法上新
株引受権がある」または「新株引受権の法定(法律による保障)」と表
現していた。
会社法でもその規律の実質には変更はないが、条文の書き方として
新株引受権を排除する場合と有利発行の場合とを一体化して書いた
ので、条文は読みにくい。』
との記述がありますが、その記述のうち、「会社法でもその規律の実質には変更はないが」とはどのような意味なのでしょうか?
という質問をさせていただいたことがあります。
サミー先生の回答は
「 旧法 ─ 非公開会社でも取締役会で募集を決めていた
会社法 ─ 非公開会社は株主総会で募集事項を決議
ここに大きな違いがあり、それを考えると実質は同じである 」
とのことでした。
この説明を聞いてもあまりよくわからないので、もう少し詳しく説明していただけないでしょうか?
会社法の下においても、原則として、株主総会で募集事項を決議するということは、非公開会社の株主は株主引受権を保障されているのと同じことだ、という意味でしょうか?
投稿 かんかん | 2007年10月11日 (木) 13時24分
A58
その意味が分かったとしても、あまり役に立たないので、旧商法との比較という効率の悪い勉強をやめて、単純に会社法の手続きを覚えた方が建設的だと思います。
Q59
お忙しい中,お答えいただき,誠にありがとうございます。ただ,法制審議会の議事録をテキスト検索しても,ご指摘のご議論は見あたりませんでした。むしろ,調査の結果,要綱試案の補足説明の段階では,競業をのぞいた会計帳簿の閲覧謄写権の拒絶事由を株主名簿にも定めて明確化すべきではないか,との案が示され,それに対して,特段ご異論はないようですね,という流れのようでしたが。会社法制定当時の解説においても,プライバシーの問題などもあって定めた,という趣旨の記述があるだけです。個人的には意味があると説明するとすれば,債権者が非上場の取引先株主をみようとするような場合かな,と思います。上場会社は,多くの場合,金商法の開示である程度の株主情報が開示されます。株主の中に取引先があるはず,というレベルになると多くの場合,開示されてしまっているように思います。また,こうした株主が市場で買っているようなことを考えると,保振法32条7項が実質株主名簿について同様の拒絶事由を定めていないことも気になります。むしろ非上場会社において特に債権者が閲覧使用とする場合にのみ,もっぱら問題になる規定なのではないか,と考えますが,いかがでしょうか。
そうした構成ができない場合,競業の意義を,会計帳簿のように類型的に弊害が明らかなものよりも厳格に解することができないか,とも思います。
さらにいうと,株主総会の招集決定を得た少数株主が競業者だった場合,どうするのですか。上場会社では基準日時点の株主がわからないと招集しようがありません。
投稿 ik | 2007年10月11日 (木) 16時08分
A59
おっしゃることも分からないではないですが、世間的には、見たいという株主は少数であり、見られたくないという株主の方が大多数なのです。
Q60
適格株式交換において、買取請求権を行使して現金を受け取る場合、課税対象となるのは1)売却益、2)みなし配当のどちらになるのでしょうか?仮に2)だと、100円で買った株を100円で売却して損益がゼロにも関わらず、課税されるという大きな矛盾が存在することになると思います。
投稿 alcedo | 2007年10月12日 (金) 21時37分
A60
調べていませんが、みなし配当ではなかったと記憶しています。
ちなみに、みなし配当でも、質問の事例で必ずしも課税されるとは限らないと思います。
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