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2007年9月28日 (金)

株式併合+有利発行=?

 最近、モック社の株式併合及び新株予約権の有利発行のことが、
  磯崎先生のブログ(http://www.tez.com/blog/archives/000996.html)や
  大杉先生のブログ(http://blog.livedoor.jp/leonhardt/archives/50335104.html)や
  山口先生のブログ(
       http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2007/09/post_5ea7.html
などで取り上げられています。

 モック社の行為の評価は、様々あると思いますが、こうしたブログを読んでいると、なんとなく
 「会社法のせいで、こういうことができるようになった」
という雰囲気があるような気もするので、今日は、少しだけ、言い訳をさせてもらいます。

 株式併合や有利発行で問題が生ずるのは
  株式併合によって、少数株主が多数排除される場合(特に端数の代金が安価な場合)
  引受人に大幅に有利な発行をすることによって、既存株主が大きな経済的損害を被る場合
でしょう。

 では、これらが会社法になってはじめて生じた問題なのかというと、
  会社法は、株式併合・有利発行の要件を緩めたわけではない
ので、これらの問題の本質的な部分は、会社法に非があるわけではなく、もともと存在していた問題です(ここまでが言い訳部分です)。

 もちろん、会社法が
   株式併合をした場合に授権枠が拡大する
というルールを取ったために、そのような行為が行われるときに、少数株主の損害が拡大する可能性があるという批判もあるでしょうが、そもそも、そのような少数株主に財産的損害を与える行為を適法に行うことはできないとすれば、株式併合による授権枠拡大というルールが採用されたとしても、損害が拡大するということはないはずです。

 すなわち、会社法上、一つの規定を形式的に適用すればできそうだからといって、他の規定を含めて検討したときに実際に出来るかどうかは別問題であり、会社法全体として、それらの行為ができるのか、できないのかを検討するのが出発点だと思います。

 たとえば、会社が、少数株主に大きな財産的損害を与えるような「株式併合+有利発行」を行おうとしても
 (1) 特別利害関係人による著しく不公正な決議として、併合決議は取り消される
 (2) 新株予約権の割当てが、著しく不公正な方法によるものとして差し止められる
 (3) 取締役や引受人等の責任(対会社・対第三者)が生ずる
という制度によって、少数株主に損害が生じないような手当ては既にされています。

 モック社の件は事実関係を知らないので、こうした保護制度の適用があるのかどうかは分かりませんが、一般論としていえば

 (1) 引受人と大株主が同一人であるような場合はもちろん、引受人である法人の出資者が既存の大株主であるというような場合には、その大株主は特別利害関係人に該当するでしょうから、そのような場合に、端数処理代金が不当に安くなるようなスキームで株式併合決議を行えば、著しく不公正なものとして取り消されるでしょう。

 (2) 「著しく不公正な方法」は、通常、経営者の支配権維持目的との関係で論じられことが多いのですが、払込価額の点についても、通常の有利発行の枠を超えて、「著しく不公正な払込価額」であるような場合には、差し止めの対象とされるでしょう。
 なお、新株予約権の発行差し止めがされない場合に、新株予約権の行使に基づく株式発行の差し止めができるか等の論点が

 (3) また、著しく不公正な払込価額であるような場合には、引受人(新株予約権者)に385条の責任が生じますし、また、通謀した取締役も、第三者に対する損害賠償責任を負うでしょう。

 モック社も、当然、これらの株主保護制度については検討を加えた上で、今回のスキームを実施しているのでしょうから、今後、モック社が、どのような正当化根拠を主張するのか、一法律家としては興味津々です。現在の公表資料から読み取る限り、正当化根拠がまだよく分からないので、今後の展開に注目したいと思います。

 以上の問題点の中で、個人的に、一番興味があるのは、新株予約権の有利発行が行われてしまった場合の
  引受人の責任(285条)
です。

 この責任(285条)は、新株予約権を行使した新株予約権者が、取締役と通じて著しく不公正な払込金額で新株予約権を引き受けたときに、当該払込金額と当該新株予約権の公正な価額との差額に相当する金額を支払わなければならないというものです。

 この285条責任と有利発行決議との関係については、若干の論点があり、「有利発行決議をもらったら285条の責任は原則として生じない」と書いている本もあります。

しかし
 有利発行(238条1項3号)は「払込金額が当該者に特に有利な金額」であるのに対し、
 引受人の責任(285条)は「著しく不公正な払込金額」
であり、それぞれ要件が違いますから、株主総会で有利発行の特別決議を得たとしても、「著しく不公正な払込金額」である場合には、引受人は285条の責任を負うと考えるべきだと思います(千問Q293参照)。
 まあ、有利発行決議で285条責任を負わなくなるという論者も、例外的に負う場合があることを認めているので、結論としては、あまり変わらないのかもしれませんが。

 それから、本来、有利発行は、4倍規制のある授権枠の中で行う(=既存株主の経済的価値の低下に歯止めがある)のが普通ですが、併合で授権枠を広げた上で、大量の有利発行をするという行為を行うわけですから、このような有利発行目的の授権枠の拡大が「著しく不公正」という要件との関係で、どのように評価されるのか、というのが2番目の注目ポイント。

 さらに、株式併合により1株以上残っている株主は、引受人に対する代表訴訟を提起することができますが、端数のみになった人は、代表訴訟を提起することができません。
 また、端数調整の場面では、株式買取請求権の行使時の株式価格決定のような手続きもないことから、端数のみになった人が、どのような対応策を取ることができるかというのが、3番目の注目ポイント。

 スクイーズアウトでよく用いる全部取得条項付種類株式の取得の場合なら、価格決定の申し立て等があるので、その分、適法性は高いのですが、株式併合でスクイーズアウトすると、株価下落時には、少数株主にとって不利なので、まずは、決議取消事由のところで厳格に考えるのが筋ですが、株式の発行までされてしまうと
 ①株主として直接損害を被ったとして、取締役に対する損害賠償を請求することができるか
 ②大株主や引受人の背後による実質受益者に対しても不法行為に基づく損害賠償等を請求することができるか
などが一般的には問題になります。

 最後に、税金の面。たとえば、本件のように引受人が外国法人である場合には、有利発行による受贈益は課税されるのでしょうか?
 もし、受贈益について課税が生じた後に、285条で責任追及されて支払ったら、一体、どうなるんでしょうか?引受人自体に別に収益源があれば、そこで損金算入という手もあるのでしょうが、そうした収益がなければ、国が受贈益分の税金を取り得になるのでしょうか?やや傍流ですが、興味があるので、知っている人がいたら教えてください。

 以上のように、一般論として考えても、会社法上の色々な論点が満載なので、会社法に興味がある方は、モック社関連の今後の動向には要注目だと思います。

(質問コーナー)
Q1
新・議決権制限プランの効果について質問です。このプランの目的は、買収者が過半数をはるかに超える株式(残余権)の取得を促進させることにあるのでしょうか?会社支配権の移転の際に、買収者にできるだけ多くの株式(残余権)を取得させる仕組みは、支配権移転の効率性を高める機能があることはよく知られています。ただ、昨年度、ご紹介されたプランと異なり、このプランでは、新株予約権無償割当てプランと異なり、買収者の足を止める効果は弱くなってはいませんか?ご紹介の新・議決権制限プランでは、議決権行使条件である株主総会決議で議決権を行使することが認められるように思われるからです。公開買付けの最低取得株式数を高く設定する誘因を与えること自体、望ましいと思いますが。
投稿 K@頭 | 2007年9月21日 (金) 23時21分
A1
「買収者の足止め効果」の意味次第ですが、買収者を絶対に多数派にさせないという力は弱まっています。というより、弱めています。
 上場企業である以上、一定の株式数以上を買い集めた場合には、防衛策を解除できるようにするべきであるという議論があるからです。
 もっとも、足止め効果を強くしようと思えば、議決権行使条項付株式の数を増やせば、いくらでも強くなります。

Q2
買収者の議決権行使を株主総会の決議を条件として制限することは、アメリカの州法における反敵対的企業買収法ではよく見られるようです(曖昧で申し訳ありません)。ただし、反敵対的企業買収法では、買収者以外の株主のみが議決権を行使できたように記憶しております。
投稿 K@頭 | 2007年9月21日 (金) 23時24分
A2
 買収者が既に普通株式を取得している以上、その議決権を完全に無くすことは難しいです(工夫次第で不可能ではないと思っていますが)。
 しかし、新議決権制限プランは、議決権行使条項付株式については、買収者以外の株主のみが議決権を行使できるという仕組みなので、当該株式の比率が高まるほど、アメリカ的になっていきますね。

Q3
 会社法107条2項3号により、例えば対価を全て新株予約権にした場合、会社は「一定の事由」の生じた日以降、自己株のみを持ち、株主=自社という状態になりこれがしばらく続くのでしょうか?
投稿 素朴君 | 2007年9月22日 (土) 12時52分
A3
「しばらく続く」という意味次第ですが、定時株主総会を開催しなければならないので、どこかで新株を発行しなければなりません。

Q4
間もなく施行となる「金融商品取引法」は、会社法に負けず劣らず複雑怪奇で非常に苦労しております。
先生のお知り合いに「金商法であそぼ。」を始めて下さる方はいらっしゃらないでしょうか?
投稿 hiro | 2007年9月22日 (土) 13時09分
A4
会社法ですら、他の人が引き受けてくれなくて苦しんでいるところですから、いわんや金商法をや、ですね。
まあ、私で分かることならば、答えます。

Q5
今年ロースクールを受験するのですが,第一志望校の受験まで約2ヶ月に迫っています。
そこで,この2ヶ月は,どのようにして備えるのが良いのでしょうか?
投稿 現役受験生 | 2007年9月22日 (土) 13時09分
A5
 すいません。私はロースクールの受験をしたことがないし、試験問題も見たことがないので適切なアドバイスはできません。
 ただ、試験一般に言えることですが、直前2か月は、①演習の量を増やす、②同時期に3科目以上勉強し、3週間で全科目勉強するというスケジュールを立てることが必要です。

Q6
会社法や勉強法に関する質問ではないのですが、世間をにぎわせている弁護士懲戒請求事件についてはどうお考えになられていますか?
投稿 大学生 | 2007年9月24日 (月) 07時16分
A6
事実関係を知らないので、あまり考えはありません。
興味はあります。「発言者が弁護士でなかったらどうだろう?」「懲戒の対応に追われるというのが損害ならば、訴訟の被告として準備に追われるというのも損害になるのだろうか」とか、和解になじまなさそうな事件なので、判決が楽しみです。

Q7
株式移転の際の株券提供公告についてご教示ください(長文になりますが、ご容赦ください)。
(問題提起)
1.株券提供公告について、効力発生日の前日を提出期限とした場合、瑕疵ある手続きになると解されていますが(会社法219条1項。本ブログ2006年5月21日А1)、これは株式移転の場合でも同様でしょうか?
 例えば、①10月2日を効力発生日とすべく株券提供公告を行ったが、公告文面が「10月1日までにご提出ください」となっていた場合、10月2日に設立登記を申請すると、瑕疵ある手続きとなるのでしょうか?
A7
 10月2日が予定日だったら、公告内容は間違っており、瑕疵はあります。
 「効力発生日まで」という表現を使わずに、あえて「10月1日まで」とするのならば、少なくとも10月1日が予定日で、その旨公告していたが、何らかの都合で10月2日にしか登記申請ができなかったという場合なら適法ということなのでしょう。公告自体には瑕疵はないですから。

Q8
 ③当初10月1日の効力発生を予定して前記文面の公告をした会社が、効力発生日を10月10日に変更したいと考えた場合、提出期限を「10月10日まで」とした株券提供公告を再度実施しなければならないのでしょうか?
A8
 公告義務は果たしていますから、公告のやり直しは必ずしも要件ではないでしょう。

Q9
株式移転の場合、1ヶ月以上の株券提出期間が確保されている限り、提出期限以後の日を効力発生日とすることが可能である(しても瑕疵は生じない)と考えますが、いかがでしょうか?
A9
条文から離れすぎる解釈のように思います。

Q10
なお、法務省HP(http://www.moj.go.jp/ONLINE/COMMERCE/k11-1-09-03.pdfのp25)で公表されている公告文例は、このような場合を想定してか、「効力発生日までに当社にご提出ください」となっていますが、株主は効力発生日を把握できるとは限らず、この記載では提出期限がいつまでなのかが明確とはならないため、実務で行われているように、提出期限は日付で明記すべきであると考えています。
投稿 water | 2007年9月24日 (月) 14時42分
A10
「効力発生日(10月2日を予定しております)」だったら、いいのではないでしょうか。

Q11
先生のゼミ生の勉強方法について質問させてください。
質問への回答で、基本書は使用していませんというものがありました。
これは、葉玉先生のゼミ生は、ゼミ中に基本書を用いなかったという意味で、独自で学習する際には、基本書や百選は使用しているのでしょうか?
それともゼミ外の自分達で勉強する時間も含めて、論文、択一の問題集とそれに付属する解説を読むのみなのでしょうか。
もしくはその両者でもなく、中間的なものなのでしょうか。
宜しくお願いします。
民訴の過去問では、一行問題まで含めて演習をしていましたか?
投稿 | 2007年9月24日 (月) 15時22分
A11

Q12
葉玉先生、いつも興味深く拝見させてもらっています。
教えていただきたいのですが、
①募集株式の発行の際に、募集事項で、引受人を指定することはできるのでしょうか。
②また、そもそも第三者割当とは、募集事項で「○○(←株主以外の人、又は株主の一部の人)を引受人とする」と定めた場合をさすのでしょうか。
③さらに、割当自由の原則によって結果的に特定の人にだけ引き受けさせることが可能だと思うのですが、その場合は「第三者割当」の問題にはならないという理解で正しいのでしょうか。
質問の趣旨は、先生の記事の
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/1_90e5.html
にて、「c 株主の一人である松真さんに600株を割当てて発行するのは、「株主に対する発行」ではなく、「株主以外の者に対する発行」である」
という記述を読みまして、「そもそも第三者割当で引受人を決める場合、どういう手続でやるんだろう?」と思ったのが発端です。
投稿 GG | 2007年9月24日 (月) 16時05分
A12

Q10
三角合併を用いてグループ再編する場合において、
A社:親会社
B社:存続受け皿会社、A社の100%子会社
C社:消滅会社、A社が株式70%保有、第三者Dが株式30%保有
B社がC社株主に交付する合併対価はA社株式を予定
合併対価としてのA社株式取得原資のためにA社はB社の増資を引受ける。
 このようなケースの場合、B社はC社の株主Dに対してA社株式を交付することは勿論として、C社の株主としてのA社に対しても必ずA社株式を交付しなければならないのでしょうか?
 B社からA社に対して合併対価としてのA社株式交付手続を省略することは許されないでしょうか。
 A社としては、増資してB社に払込んだ額の一部が、自社株で戻ってくることになります。もし、B社からA社に対するA社株式交付の省略が許されるのであれば、増資額がその分だけ低く抑えられます。よって、最終的なA社の財産額に差異は生じないように思うのですがいかがでしょうか。(A社としては金庫株が発生しない分、便宜であるようにも思います。)
会社法上、上記のような取扱が認められるか否かが読めなかった為、質問させていただきました。
投稿 MK | 2007年9月24日 (月) 22時04分
A10
A者のみに、交付しないということはできないでしょう。

Q11
 ということは、取締役と会計参与の意見が一致せず会計参与が377条の意見陳述をする場合とは以下のようになるのでしょうか?
①臨時総会で会計参与が377条にもとづき意見陳述をする。
②取締役または会計参与が交代する
③交代した取締役と会計参与が計算書類を作成する
④定時総会で承認する
投稿 maru | 2007年9月25日 (火) 02時33分
A11
そうですね。

Q12
以下の「流れ」を、「株式発行のファスナー」と、自分は勝手に名付けでいますが・・・
募集→(公示)
(承諾)←申込
割当→(引受)
(X)←払込
交付→(名義)

(X)について、葉玉先生ならば、「ファスナーの歯」として、どんなイメージをお持ちなのかを、一回、是非聞いてみたいと、ずーと思っていました。
 論点毎に、「流れに混ぜる(調合など)」ような感じで認識したり、「循環に嵌め込む(嵌入など)」ような感じで認識したりと・・・
ピッタリくる「言葉」がなかなか見つからないので、(目を上下させたり左右させたりと)煮詰まっております。
投稿 至誠丸 | 2007年9月25日 (火) 12時03分
A12
「受領」です。

Q13
取締役会非設置会社において、会社法200条により募集株式の募集事項の決定を取締役に委任した後に、この会社が取締役会設置会社となった場合、当該委任に基づいて、取締役会による募集事項の決定は可能でしょうか?
投稿 困っております | 2007年9月26日 (水) 19時44分
A13
そりゃ、無理でしょう。
取締役会設置会社になったんですから。

Q14
買収防衛策の発動を仮に取締役会決議で行った場合、相手が濫用的等でない限り、さしどめられると思います。
差止められると、取締役は面子以外に何か経済的リスクを負うのでしょうか?
面子以外の敗訴した取締役のワーストシナリオは何でしょうか?(解任されるというのは抜きにして、賠償とかあるのでしょうか?)
また、ブルドックのように、仮に特別決議で発動が容認された場合、その後株価がTOB価格まで届かなかった場合、取締役は恥をかくとか解任されるとか以外に何か株主代表みたいな訴訟リスクを負うのでしょうか。
投稿 katsu | 2007年9月27日 (木) 01時42分
A14
ぜったい防衛策の発動が違法とされるのに、あえて発動すれば、会社に訴訟関連費用や資金調達費用という損害が生じることになるので、その賠償を求められる可能性はあります。
 株主総会で発動が容認された場合は、通常は、取締役の責任は問われないでしょう。

Q15
当社は、最近吸収分割を行いました。それに伴い、税務において、みなし事業年度の申告をすることになりました。
今、3月決算の会社ですが、8月を境に、期が変わることになります。
そうした場合、臨時株主総会を開催し、本決算と同様の処置をする必要がありますか?
根拠はないのですが、第○期に一回は、総会の決議が必要なのかぁと考えているのですが、それに関する根拠法を見出せないでいます。
投稿 HIME | 2007年9月27日 (木) 09時09分
A15
 みなし事業年度については、国税庁のQ&Aを見てください。

Q16
遅ればせながら、ご子息ご誕生おめでとうございます!

投稿 小林・佐藤・田中 | 2007年9月27日 (木) 11時15分
A16
ありがとうございます。
この3つの名字を見てドキッとしてしまうのが元民事局付の悲しい性ですね(笑)。
今度、事務所に遊びに来てください。

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コメント

297条(株主による招集の請求)関連のご質問です。
同条4項の規定により少数株主が株主総会を招集した場合、株主総会の議長は誰が務めることとなるのでしょうか? (定款に議長についての規定がある場合)

1.定款に規定するもの(会長・社長等の代表取締役)
2.招集した少数株主
3.議場にて互選

仮に、2.が認められるとするならば、議事運営等を有利に運ぼうと企図する少数株主自身が議長となるには、どのような規定・手順に沿って議長となればよいのでしょうか?

投稿: ツェーベーツェー | 2007年9月28日 (金) 13時34分

さっそく商事法務1811号に掲載されました先生方の論文を読ませていただきました。そこで気になる部分が1点あります。
(注21)の「会社法322Ⅱとの関係でどのような意味を持つのか明確でない部分」とは、どのようなことでしょうか?
とても気になりますので、是非ご教示いただきたく存じます。

投稿: 気になります | 2007年9月28日 (金) 14時25分

葉玉先生こんにちは。さっそく質問に入ります。
葉玉先生こんにちは。さっそく質問に入ります。
非公開会社(取締役会設置会社です)で株式譲渡承認請求があり,承認をしない旨の通知を出し,会社が買い取る旨の株主総会決議も済みました。その間にも経営者と承認請求者との間でやりとりがあり,価格について合意が成立し,供託は面倒だからお互いしないことにしましょうという話になりました。(要するに,価格の合意が141条1項の通知前に成立して,供託はやめようという話になったという事例です)
 この場合,履行の問題にすぎないとして供託をしないで法141条の買取手続をすすめてもよいものでしょうか?それとも特定株主からの合意による取得にあたるとして,他の株主に議案追加請求権行使の機会を与えた上で再度株主総会を開く等特定株主からの合意による取得手続ですすめなければならないでしょうか?

投稿: ポケット | 2007年9月28日 (金) 16時28分

こんにちは。
私は旧試験の受験生です。
前々回のQ・Aで、論文の演習は繰り返す必要はあまりないということでしたが、出来が悪かった問題についても繰り返さなくてよいのでしょうか。繰り返すよりも新しい問題を解くべきだとお考えなのでしょうか。
繰り返さなければ知識が定着しないのではないかと思ったのですが、どうでしょう。
演習するにあたって、間違えた知識・覚えていなかった知識をどう身に着けるのが効果的かという点につき、ご教示をお願いします。

投稿: 受験生 | 2007年9月28日 (金) 19時47分

 こんばんは! はじめまして! 信託大好きおばちゃんですぅ

内国法人の新株予約権を有利な価額で外国法人が受け取った場合、国内にある資産の贈与を受けたことによる所得だと思うから、国内にPEがあろうがなかろうが課税の対象になると思います(法令178①ニ、法令187①六)。
本事案の場合は、香港法人だからこの課税関係になると思いますが、もし租税条約を締結している国の法人の場合で、租税条約にその他所得があるような場合は、この受贈益はその他所得にあたるかもしれないから(あまり深く検討していないから違うかもしれませんが)、日本での課税はされなくなるのではないかと思います。

その後引受人が285条で責任追及されて支払った場合 その支払額が損金になるかどうか。
香港の税制においては、外国で生じた所得については課税所得からはずされると思います。だから、日本で課税された受贈益が香港での課税所得にならないし、受贈益に対する日本の法人税を香港の法人税から控除することもできないと思います。だから受贈益に関しては日本で課税されるだけ。 その後、285条で責任追及されたらその支払いはたぶん香港では損金とならないと思います。所得が非課税だからその所得に関連した費用も損金だめとしないとまずいかなあって(香港税制未確認)。
だから、葉玉さんの言われるように日本のお上の税金取り得になるのではないかなと思います。


投稿: 信託大好きおばちゃん | 2007年9月29日 (土) 01時04分

会社法上、一つの規定を形式的に適用すればできそうだからといって、他の規定を含めて検討したときに実際に出来るかどうかは別問題であり、会社法全体として、それらの行為ができるのか、できないのかを検討するのが出発点だと思います。

そのとおりだと思います。取得条項の付いた新株予約権を株主無償割当てで発行することもできるし、取得の対価を現金と定めることもできるが、配当可能額がないのに取得できるかとか、一部の株主を差別する行使条件・取得条件の付いた新株予約権を株主無償割当てで発行することはできるが、他の株主すべてが特別利害関係人になってしまい決議に瑕疵が生じないかとか、議決権制限株式を発行することもできるし、議決権行使の条件を持ち株比率20%以下と定めることもできるが、全株式をそういう議決権制限株式に替えることが許されるかも、同じような検討が必要ですね。

投稿: 克匡恭 | 2007年9月29日 (土) 01時59分

葉玉師匠、ありがとうございます!

自分にとって『受領』は、会社法を考える上では、「外字」でした。
すごく身近にある言葉なのに・・・

『領』は、「えりあし」や「首筋」などの、人間の重要な部位(急所)を表す言葉であって・・・
『受』には、「下の手」と「上の手」で「ちゃんと遣り取りをする」という意味や、「受胎・受戒」などと共通の「さずかる」という語感も、「株式発行のファスナー」にピッタリです♪

そして、自分には、戦国時代のお侍さんが、命がけで取ってきた首を『(会社が)受領』するという感じがするので・・・『受領』の「中身は結構ヘビー」かもしれません(笑)

ホントに、ありがとうございました。

投稿: 至誠丸 | 2007年9月29日 (土) 12時32分

先日は未修者択一対策への質問に応えてくださり、ありがとうございました。
先生のアドバイスや会社法100問の内容を参考に、
「受験生は、受験勉強をする」の実践を開始しました。
石にかじりついてでも合格したいと思います。

ただ、葉玉先生がゼミで実践されたという、
「5 一緒に飯を食いながら、励ます。」だけは実践不能です(笑)。
これからも、ブログを通じて新旧司法試験受験生を励ましてくださいますよう、
お願いいたします。

投稿: 悩める未習2年生 | 2007年9月29日 (土) 21時32分

お忙しいところ申し訳ありません。
下記の質問をさせていただいた者です。
無回答という形での回答なのか、単純に忘れてしまっただけなのかがわかりませんでしたので、再度質問をさせてください。

Q11
先生のゼミ生の勉強方法について質問させてください。
質問への回答で、基本書は使用していませんというものがありました。
これは、葉玉先生のゼミ生は、ゼミ中に基本書を用いなかったという意味で、独自で学習する際には、基本書や百選は使用しているのでしょうか?
それともゼミ外の自分達で勉強する時間も含めて、論文、択一の問題集とそれに付属する解説を読むのみなのでしょうか。
もしくはその両者でもなく、中間的なものなのでしょうか。
宜しくお願いします。
民訴の過去問では、一行問題まで含めて演習をしていましたか?
投稿 | 2007年9月24日 (月) 15時22分
A11

投稿: 再度 | 2007年9月30日 (日) 14時09分

初めまして
ここは、初期のころから拝見させていただいております。

別サイトですが、先生の脱時空勉強術について質問をよろしいでしょうか。
それは、「説得文書」の書き方ですが、これは長文の論述の際にも、効果はあるのでしょうか(新司等)。

個人的には、十分効果的だとは思っております。
新司法試験では、長文化したため、その論述も長くなってしまいます。多くの答案を見る試験管に対し、説得ある論述をし、他の答案と差をつけるためにも、気をつけるべき点、効果的な方法がありましたら教えてください。

こらからもお体に気をつけ頑張ってください。

投稿: 十六夜 | 2007年10月 2日 (火) 08時26分

はじめまして。
先生のブログは受験のモチベーションをあげるのに、役立ち助かりました。
今回、司法書士筆記試験に合格することができました。
しかし、最近の記事は、私にはとても難しく、ぜひ、入門シリーズを復活させていただけたら、と、思っております。
沖縄では、会社法に詳しい司法書士はそんなにいないと思うので、会社法、税法にくわしい司法書士めざしてがんばりたいと思います。

投稿: むつみ | 2007年10月 2日 (火) 21時53分

質問です。
会社法116条について。

今回、株式の譲渡制限に関する規定を設定することになりました。
そこで、株式買取請求権の行使の判断材料として、効力発生日の
20日前までに株主に通知しなければなりませんが、

効力発生日を10月1日にすることになったとして、通知をしたいの
ですが、先に、10月1日を効力発生日とする、株式移転がなされ、
1人株主となっております。

要するに、10月1日の午前中に、株主移転の設立登記が提出され、
同日午後に、完全子会社の臨時株主総会を開いたということです。

このとき、通知をする相手方というのは、10月1日以前の
株主ですか?
それとも、株主移転により、完全親会社となった株主ですか?
通知の相手方によっては、10月1日を効力発生日として、
当該規定を設定できないのでは?と思い質問させていただきました。

投稿: ころまる | 2007年10月 3日 (水) 09時25分

たびたびのご質問で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
124条(基準日)関連で悩んでおります。なお当社は、100%親会社が存する完全子会社です。

1.臨時配当をする際に、完全子会社であることから株主を確定する必要がないため、配当を受ける株主について特に基準日を定めない場合、配当を受ける株主は、454条により決定する「配当がその効力を生ずる日」現在の株主と考えていいのでしょうか?

2.同様に臨時株主総会を開催する場合、298条により決定する「株主総会の日時」現在の株主が、当該臨時株主総会にて議決権を行使できる株主と考えていいのでしょうか?

3.上記1.および2.のように、基準日を定めずに臨時配当や臨時株主総会を行いたい趣旨は、基準日を定めると124条3項により公告をする必要があるからです。仮に基準日を設定しなければいけない場合、当社のような完全子会社であっても、124条3項による公告は免れないのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたします。


投稿: ツェーベーツェー | 2007年10月 4日 (木) 12時43分

税法の議論の場ではないということは承知していますが。。。 モックの引受先の課税関係の件、私は少し違う考えを持っています。

確かに、上場株については取引所で成立する株価があるので、それを基に税務上有利発行か(受贈益があるか)否かを判定することになることが原則となります。

しかし、上場株といえど大量の放出・売買があるときには、それが株価に影響を与えてしまうことから、この場合、取引所で成立する株価に時価の機能を求めることはできません。 例えば、まさしくモックが多額の損失を出した焼肉さかい株の損切りがあります。 モックとゴールドマン、稲畑産業は、経営難のさかいの株式を合わせて約70%保有していましたが、そのほとんどを今年4月に、株価ほぼ500円のときに100円でジーコミュニケーションに売却しました。 合理的に動く外資が、500円の取引価格が成立している時に、100円未満でしか市場では処分できない、あるいは買い手が付かないと考えたわけです。

他にも、これもゴールドマンですが、三洋電機の3,000億円の第三者割り当てを受けた時も、株価が200円ぐらいのときに、実質70円で引き受けています。 いずれの取引も、原則として税務上の問題はないと思います。

ここで今回のモックの割り当てについてみると、同社の時価総額に比較して調達額が多額であり、プレスリリースで「割当先にリスクが大きい」としています。 じっくり財務諸表等を見て検討したわけではないのですが、課税当局が割当先に受贈益を認定するには、それなりの理論武装、あるいは割当先とモックが共謀し不当な利益を得ようとしているような特段の事情が必要になると思います。

また、引受先は確かに形式上外国法人ではありますが、課税当局は実質を見てきます。 このような多額の増資を海外からE-mailや電話のみで決定できるのか? 実態あるいは拠点が日本にあるのではないか? 日本にありとなれば、日本の拠点の貢献に帰属する「売却益」への課税は理屈上は可能です。 実態がはっきりせず、かつ、確定申告がされない場合、なかなか税務調査の網にかかりにくいのですが。

投稿: むぎゅ | 2007年10月 4日 (木) 14時04分

すっかりご無沙汰しています。
株主名簿の閲覧謄写請求で,実質的に競業を営み,または,これに従事している場合,拒否できることにされましたが,この趣旨は「本当のところは」難なのでしょうか。ダヴィンチアドバイザーさんが起こした仮処分で,東京地裁がおっしゃっている理由はどうもしっくりきません。帳簿閲覧権なら,競業している業者が帳簿を手に入れると商売の秘密がばれてしまうかも知れないので類型的に(実際利用可能か,利用する意図があるかを問わず)拒絶可能という法制は妥当だと思います。しかし,株主名簿はそんなことないと思います。特に上場会社でしたら,ライバル会社の株主名簿を見たところで何が問題なのかよくわかりません。事業会社が全うに公開買付をしたり,委任状勧誘を行って,戦うケースで,たとえば,現経営陣がおかしいのでまさに監視の趣旨で株主名簿を閲覧し,同志を募ろうとしたら,あなたは競業だからだめです,というのはやはりちょっと行き過ぎではないか,と思います。また,株主総会の招集決定を得ていたような場合を想定しますと,拒否できたら,もう適法に招集通知を出すことすら出来ません。この改正の趣旨を合理的にどうお考えだったのか,あるいは,この状態になった場合にどのような解決策があって妥当性が確保できるとお考えだったのか,ご教示願えませんか。

投稿: ik | 2007年10月 5日 (金) 02時52分

葉玉先生,

前回お名前を間違えて投稿してしまった,ゆりです。
大変失礼しました。申し訳ありませんでした。


旧司法試験の口述試験について,伺わせてください。

先日の発表で,運良く論文を突破しました。しかし,
私は法科大学院と二足の草鞋のため,基本書もここ1年以上,
読んでおらず,夏休みは新試験の択一問題ばかり解いており,
口述過去問を見ても半分も答えられないようなひどい有様です。

そこで,もし先生が今の私の状況なら,何をされるでしょうか?

それから,実務家の先生からご覧になって,こういう奴は絶対に
仲間にしたくない,こういう態度やこういう姿勢の奴は落としたい,
と思うような人物像はありますか?もしありましたらご教示いただけ
ないでしょうか。

質問攻めですみません。
かなりパニックになってしまって・・・。

申し訳ありませんが,よろしくお願いします。

投稿: ゆり | 2007年10月 5日 (金) 13時50分

定款に定めがないにもかかわらず、株主総会の決議を経ずに取締役会の決議のみで公開市場における自己株式の取得を行った場合、取締役・監査役はどのような責任を負わなくてはならないのでしょうか?

投稿: hiro | 2007年10月 5日 (金) 16時20分

会社法学習初心者です。
良ければ質問に答えていただければと思います。

会社法の「会社分割」と「株式交換・株式移転」についての質問です。

従来の商法では、事業部門を切り離す場合、
事業譲渡や、現物出資・財産引受などが用いられていたようです。
(現在の株式分割)
また、完全な親子会社関係を作り出す場合、
子会社となる会社の株式を全て買い取る方法や、
子会社となる会社を設立し、親会社の事業全てを現物出資していたようです。
(現在の株式交換・株式移転)

ここでひとつ疑問がわいたのですが、
何故、後者の組織再編には、財産引受が用いられなかったのでしょうか?
分割で財産引受が可能なら、交換・移転でも可能のように思います。
出来れば、よろしくお願いします。

投稿: nak | 2007年10月 5日 (金) 17時31分

会社法マスター115講座 第2章24(P54)について何点か
質問させてください。

質問Ⅰ 3 利害関係人の責任追及のところで、
    「しかし、図表中の①の方法で損害を回復するには必ず
    会社の協力が必要であるし(株主代表訴訟を提起しても
    執行には会社の協力が必要)」という記述があります。
    これは、②給付した現物出資財産の価額が予め定めた
    価額に著しく不足する場合 にも該当することではない
でしょうか?

質問Ⅱ 3 利害関係人の責任追及のところで、
    「②の方法は取締役が会社に賠償するだけであるから
     不当に株式を取得したものも利益を享受することとな
り」という記述があります。
     これは、引受人が支払い義務を履行した場合には当て
はまらない記載ですよね?

質問Ⅲ 4 無効・不存在の訴えのところで
     「無効判決を得たとしても、現実に処理することは極
めて困難であろう」という記述があります。
     ここでいう現実に処理することとは具体的に何を指す
      のでしょうか?
  以上三点につきご教授していただければ幸いです。

投稿: maru | 2007年10月 5日 (金) 19時21分

459条1項1号に定めのある160条1項、156条1項の自己株式の取得は特定の株主からの自己株式の取得であると考えていたため、その取得方法には市場取引は含まれず、市場取引は165条2項の守備範囲だと解釈しておりましたが・・・459条1項1号の自己株式取得の方法に市場取引も含まれるということが書いてあるものを見つけました。果たしてこれは正しい解釈なのでしょうか?また、正しいのであればそういった解釈はどのように導き出されるのでしょうか?

投稿: hiro | 2007年10月 5日 (金) 19時39分

以前、株式買取請求に出てくる「公正な価格」についての記述があったと思いますが、
それについて、一点質問があります。

「公正な価格」は、合併等がなければ有していたであろう価格ではなく、
シナジー効果、相乗効果を反映した価格ということで、プラスがあれば、
それを上乗せした価格になるということでした。

そこでなのですが、債務超過がひどい会社との合併で、
シナジー効果が見込めず、一気に株価が下落してしまったという状況の中、
それでも会社が合併を強行した場合は、
株主は「合併等がなければ有していたであろう価格」の請求が可能なのでしょうか?
合併前後のシナジーを考慮すると言っても、完全にマイナスになってしまう場合は、
考慮の外と考えれば良いのでしょうか?
お答えいただければ幸いです。

投稿: kou | 2007年10月 6日 (土) 00時46分

投稿: megadating | 2007年10月26日 (金) 03時35分

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