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2007年8月25日 (土)

授権枠

世間はお盆休みが終わってようやく活動開始という感じです。
ふと気がつけば10日も更新していないことに気がつきました。

一見、私も、お盆休みを取っていたように見えるかもしれませんが、実際は、ひたすら仕事をしていました(しかも、物書きの仕事でパソコンでずっと文字を打っていました)。
そのため、ブログを書く暇も意欲もなくなり、10日間がまたたく間に過ぎてしまったのです。

 私の愛読している大杉教授のブログやisologueも、夏休みになってしまいましたので、このまま8月を終えたい気分も、かなり強いのですが、長期休暇をして、読者の皆様に愛想をつかされると悲しいので、isologueで取り上げられた「授権枠」について、お話ししたいと思います。
http://www.tez.com/blog/archives/000969.html

 授権枠というのは、慣用的に使われている言葉で、法律的には、定款で定められた「発行可能株式総数」のことをいいます。
 もっとも、授権枠を「発行可能株式総数から発行済株式総数を控除した数」、つまり、「あと何株発行できるか」という意味で使うことも多いです。

 授権枠については、次の記事で説明していますので、参考にしてください。
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50357979.html

 さて、この授権枠は、新株予約権無償割当て型の買収防衛策を設計する上では、極めて重要な制度です。

 新株予約権無償割当型の買収防衛策は、買収者以外の株主の株式を増加させて、買収者の持株比率を下げる防衛策ですから、授権枠が少なければ、持株比率を十分に下げることができず、防衛することができません。

 また、授権枠は、株主総会の特別決議で定款変更をしなければ増加させることができませんから、この授権枠による制約は、取締役会や株主総会の普通決議で発動するタイプの防衛策の最大の弱点でもあります。
 つまり、一度発動させると授権枠の多くを費消してしまい、二度目のTOBでは、十分な防衛ができなくなってしまうのです。
(私の買収防衛策のセミナーでは、この弱点をもとに「ほふく前進戦術」という防衛策破りの裏技を伝授し、そうした攻めに対応できる防衛策は何か、ということを考えたりしています)。

 私は、基本的には、新株予約権無償割当てでは、あまり実効性のある防衛策を設計できないと思っていますが、あえて実効的な防衛策を実現しようとするならば、今回のブルドックがやったように
   株主総会の特別決議で定款を変更して授権枠を拡大する
という方策を組み合わせざるを得ないでしょう。

 ただ、isologueでも触れられていますように、今回のブルドックの授権枠の定款変更は、
「平成19年10月1日時点における当社の発行済株式の総数が5千万株以上であること」を条件として、授権枠の拡大の定款変更の効力を生じるものとしています。

 2年ほど前に、isologueで授権枠の拡大について議論になったときに
(http://www.tez.com/blog/archives/000556.html)、磯崎さんが

「(このプランの新株予約権が行使等されて発行済株式数が増加した場合に限って)、定款記載の発行可能株式総数を行使等前と後の発行済株式数の比を乗じて得た数に増加する」
という停止条件付決議ができないかというご提案をされたときに、私は
  「残念ながら、ご指摘の「停止条件付」決議は、会社法でも認められないと思います。」
というコメントをつけたことがありました。

 授権枠の制度は、株主の保護のために、取締役会の株式発行権限を制限するために定款の必要的記載事項とされているのだから、その制度趣旨を無にするような決議は認められないため、そのようなコメントをつけたのです。

 もし、磯崎さんのご提案の停止条件付決議ができるとすれば、取締役会が、無制限に株式や新株予約権を発行することができることになりかねません。

 もっとも、既に株式や新株予約権の発行の決議がされていて、近日中に発行済株式総数が増加することが決定されている場合には、株式の発行を停止条件として、発行可能株式総数を拡大する旨の定款変更を決議することはできます。
 これは、授権枠の制度趣旨を没却するような停止条件ではないため、例外的に認められているものです。

 この停止条件を、どこまで緩く設定することができるかということは、一応、問題になるでしょうが、具体的な株式・新株予約権の発行決議がない場合や発行期日が設定されていない場合には、停止条件は違法になるものと思います。

 今回のブルドックの停止条件は、一般的な停止条件と異なり、必ず授権枠を拡大するものではありません。
 株主総会の特別決議を取る段階では、スティールが撤退すれば、新株予約権ひいては株式が発行されない可能性があったため、授権枠の拡大に停止条件をつけざるをえなかったわけです。

 このブルドックの停止条件は、
①新株予約権の無償割当て決議を前提とし、一定の条件のもと、一定の期日までに、新株予約権の行使等により株式が発行されることになっていましたから、一般的に認められている停止条件付決議とほぼ同じであり
②一般的停止条件と異なる点は、授権枠の拡大を「行わない」場合が広がっているだけですから、取締役会の権限を抑制するという授権枠制度の趣旨を没却することはありません

したがって、この停止条件は、会社法上、許される停止条件付き決議であるといえるわけです。

 磯崎さんは
「本株主総会第○号議案に基づき発行された新株予約権の行使または取得により、発行済株式の総数が5千万株以上となった場合」といった条件でもOKだったのか?
というご疑問をお持ちのようです。

 私は、これまで述べてきた理由により、ブルドックの新株予約権であるならば、新株予約権の行使等によって発行済株式総数が増加したことを停止条件として授権枠を増加させることとしても、授権枠拡大の時期及び範囲が明確なので、取締役会の発行権限を制限するという授権枠の趣旨を没却せず、有効であると思います。

 登記実務と絡むところなので、あまり断言的なことは言いたくないものの、すべての停止条件が明確かどうかというより、現在認められている停止条件付決議よりも制限的な条件をつける限りにおいては、問題はおこらないのではないでしょうか。

(質問コーナー))
Q1
先生は日本の買収防衛について賛成論者ですか反対論者ですか?
根拠もセットでお答えいただけたら幸いです。
投稿 ToTAN | 2007年8月15日 (水) 19時33分
A1
会社の自治によるものですから、私は、賛成でも、反対でもありません。

Q2
見せ金について質問させてください。
見せ金について、百問の14問では払込みを無効とした上で通常、業務上横領罪に該当するとされております。
しかし、払込みが無効と言うことになると、払込金は会社に帰属するものではなくなり、他人たる会社のお金を横領したことにならず刑法252条1項には当たらないのではないでしょうか?

たとえば、代表取締役になる予定であった発起人が見せ金を行い、代表取締役になった時点で払込金を引き出して借入金の弁済に充てたとしても、それは自分のお金を引き出しただけということになりませんか?
また、有名なトウシン誤振込事件(最判平8年4月26日民集50-5-1267)のように、その口座に振り込まれたことで払込金が口座管理人たる発起人に帰属したと考え、それが会社設立とともに会社に帰属し、結果として会社のお金を横領したことになると考えるのでしょうか?
さらに、会社に帰属すると考えたとしても、それは会社にとっては不当利得になるはずだから、それを単に発起人へ返還して借入金の弁済に充てさせただけと構成するとやはり横領罪の成立が難しくなりそうです。

この場合、払込金がは誰に帰属すると考えたらよいのでしょうか?あるいは、刑法252条2項の「公務所から保管を命ぜられた場合」と考えるのでしょうか。
投稿 tororo | 2007年8月16日 (木) 12時02分
A2
見せ金は、一旦、会社名義の口座に振り替えられた後、代表取締役がお金を引き出して、自分の借金の返済にあてるので、会社のお金です。お金は、占有あるところに所有ありですから。

Q3
葉玉先生、基本的なことで申し訳ありませんが、お教えください。
取締役会での職務執行報告の「3箇月に1回以上」ですが、この意味は、次のいずれでしょうか。
①3箇月を1期間とし、当該期間中のいずれかの日に報告すればよい。
 すなわち、1~3月、4~6月を1期間と考えた場合、各期間中に1回以上報告すればよいので、1/15の次は6/30に行うことも適法である。
②3箇月毎の月に報告する義務あり。
 すなわち、1/15の次は、4月中のいずれかの日に行う必要あり。
③3箇月以内の間隔で報告する義務あり。
 すなわち、1/15の次は、4/15以前の日に行う必要あり。
投稿 しん | 2007年8月16日 (木) 16時32分
A3
調べたわけではありませんが、普通は③でしょうね。

Q4
とりいそぎ誤植だと思われる、おかしいかと思うところを質問します。
過去に出ていた場所だとしたら、ご容赦を。
未出の修正だとイイのですが・・・

新・会社法100門の、p416のQ858の、
「取締役の職務代表者を選任する」の部分の、「職務代表者」は、「職務代行者」の誤植だと思うのですが?
投稿 至誠丸 | 2007年8月16日 (木) 16時46分
A4
そうですね。ありがとうございました。

Q5
会社法整備法88条の端数等無償割当てについて、ご教授ください。
例えば、1株所有していた株主Aに対して、新たに99株が無償で割り当てられるとします。また、株主Aはその有する1株について、Bを質権者とする登録質を設定していたとします。この場合、Aに新たに割り当てられる99株についてはBを質権者とする登録質が設定されたことになり、株主名簿にその旨の記載がなされるのでしょうか?
整備法ではこの場合に該当する規定を見つけることができません。会社法152条1項が適用(類推適用?)されることになるのでしょうか?
投稿 法務課員 | 2007年8月17日 (金) 18時05分
A5
会社法152条1項の類推適用なのでしょうね。

Q6
1000問の57頁の図表2-2のことで質問です。横枠の既存株式の全部について内容を変更のところの全部取得条項付のところは網掛けになっているのは種類株式発行会社以外の会社だからだとしたら剰余金の配当、残余財産の分配、議決権の制限等も108条の規定であり、網掛けになっていないのはなぜでしょうか?
投稿 司法くん | 2007年8月17日 (金) 19時40分
A6
 たしかに徹底していないような気がしますね。108条1項しかないものは、全部網掛けでしょう。

Q7
報道などによると、次の会社法改正として、「会計監査人の選任権と報酬決定権を監査役(会)に付与せよ」との議論があるようですが、これにつき、以下(先生の私見で結構ですので)ご教示下されば幸いです。
(なお、報道でははっきりしないのですが、「選任権」については株主総会権限であることに変わりはないでしょうから、「選任議案の提出権」との理解を前提とします。)

①会計監査人との監査契約を締結する際の会社側代表(権)者は、監査役になるのでしょうか。(そうしないとリクツに合わないように思います。特に報酬額が契約内容になっている場合は。)

②(もし①がYESなら)会計監査人に対する訴え(株主代表訴訟)において、会社を代表するのも監査役になる(従って、提訴請求の提出先も監査役になる)のでしょうか? (これは必ずしもリクツ上そうしないといけないと言えないようにも思いますが。)
投稿 POPOLON | 2007年8月19日 (日) 22時45分
A7
どうとでも決められると思います。
内部的意思決定の話と代表の話は次元が違いますので、監査契約の締結の代表権を誰に与えるかは、論理的に決まるものではないでしょう。

Q8
先日葉玉先生のセミナー「企業買収防衛策の死角」に出席した者です。その中のレジュメ(28P、pp55)に適法な新株無償割当とあり、導入については、「定款に株主総会に無償割当て権限付与」とあるのですが、同時に「毎年定時総会において特別決議を取り無償割当ての委任をしていくのがベスト」と記載されています。これは、発動(無償割り当て)については、取締役会に委任するということでしょうか。そうすると、発動するかどうかの判断は、取締役会で行うということでよいとのことでしょうか。もっとも、買収者が20%以上の株式保有など、客観的な発動要件であれば、委任してもいいかもしれませんが、濫用敵買収者とか、必要な情報を提供しないようなある程度主観的な要件でも、取締役会でいいのでしょうか(ブルドックでは、発動も株主総会で決議しているので)
投稿 お局法務部員 | 2007年8月20日 (月) 04時58分
A8
発動を取締役会の決議で行うことになります。
私は、基本的に客観的な発動要件を前提にし、取締役会に裁量を与えずに発動すればよいと思っています。
もっとも、一定の裁量を与えたとしても、株主総会の委任に基づくものなので、現在の取締役会発動型よりも適法性は高く評価されると思います。

Q9
千問の道標の問125ですが、2の①何らかの種類株式(いわゆる当て馬株式)を定める定款の変更とありますが、現在、非公開及び種類株式発行会社以外の会社(いわゆる普通株式のみ発行)場合で、
1.以下のとおり定款変更決議を行う。
①甲種類株式(株式の内容に格別の定めの無い株式)
②乙種類株式(当該株式を株主総会の決議によって全部取得することができる株式)
2.既存の種類株式(いわゆる普通株式)を乙種類株式とする内容変更を甲種類株主総会決議(会111条2項)で行う。
3.以下の議題を同時に株主総会で決議する。
  ①乙種類株式の全部を取得
  ②100%減資
  ③新たな株主に対して募集株式の発行
といった手続きをとった場合、上記の何らかの種類株式(いわゆる、当て馬株式)を全部取得条項を定めたことにより相対的に既存の普通株式が種類株式となったと考えて行うことが可能でしょうか?
投稿 がんばれカープ | 2007年8月20日 (月) 16時32分
A9
 質問の意味がよく分かりませんが、質問を読む限り、できそうなことを言っていると思います。

Q10
吸収型組織再編の場合、いわゆる対価の柔軟化が19年5月から施行されていますが、例えばその対価の種類について、全株主同じ種類の資産でなければいけないのでしょうか?
価額に異論が無ければ株主平等の原則には抵触しないと思うのですが・・・
今回株式交換を行おうとしているのですが、
条文768-3では同じでなければいけないとはっきり書いていないと思います。
投稿 会社法初心者 | 2007年8月20日 (月) 16時47分
A10
基本的には、株主Aと株主Bには、同じ種類の財産を交付しなければいけません。

Q11
株式上場会社の新株予約権の発行について1点お尋ねさせてください。

会社法第240条2項及び4項並びに会社法施行規則第53条からは、株主保護のため新株予約権の割当日の2週間前までに発行事項を通知することとし、この2週間という周知期間は短縮できないように読めますが、証券取引法第8条3項の規定を満たした場合は、この期間が2週間なくとも有効に発行できるように読めます。この場合、特別法が優先されるものとして、たとえば財務局より1週間と指定された場合は、周知期間は1週間として登記手続に入ることができると考えてよいのでしょうか?
投稿 りーさ | 2007年8月21日 (火) 11時58分
A11
周知期間2週間は短縮されないと思います。

Q12
会社勤めをしたことがないせいか、テキストを読んでも状況がいまいちイメージできません。
具体的な場面をイメージできるようになるには、どうすればいいでしょうか。
また、お勧めの本などございましたら、教えていただけるとありがたいです。
投稿 アストロガンガー | 2007年8月22日 (水) 00時22分
A12
 良い先生から授業を習うことです。独学では難しいでしょう。

Q13
葉玉先生、はじめまして。私はいまロースクール2年生です。答案作成について質問があります。問いに「裁判所はどのような判断をすべきか論述せよ。」「弁護士はどのような立論をすべきか検討せよ。」などとある場合、自分が裁判官や弁護士になったつもりで論述すべきか、第三者の立場から論述すべきなのか、迷ってしまいます。また、もし弁護士として論述する場合、弁護士に不利だけれども、誰でも知っている論点があるときにも悩みます。このような論点は、まったく書かない方がいいですか?一応書いて最後に「主張すべきでない」などと記す方がいいでしょうか?初歩的な質問で申し訳ありませんが、ご教示のほどよろしくお願います。
投稿 sakura | 2007年8月22日 (水) 14時07分
A13
弁護士に不利なところは、「一見不利だけど、こう対応すればよい」と書けばよいのではないでしょうか。

Q14
株券を実際に発行している株券発行会社における、
会社法219条1項1号の公告及び通知の時期についてご教示ください。
旧商法350条1項においては「決議ヲ為シタルトキ」と規定されていましたが、会社法219条1項本文においては「行為をする場合」と規定されていますので、会社法施行によって、株主総会で定款変更決議がなされる前でも、公告及び通知が可能になったと考えておりますが、いかがでしょうか?
投稿 としお | 2007年8月24日 (金) 18時10分
A14
公告及び通知はできます。

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コメント

はじめに。
葉玉先生前々回の質問に対する的確な回答ありがとうございます
それに対するコメントも後ほどすぐに書かせていただきます。

さて、
ようやく専門の道しるべならぬ千問の道標を完走しました。正直計算のところはいまだに
何度読み返してもちんぷんかんぷんです。。。
がやる前とやった後では理解度が格段に違う気がします!そういうわけでLv1勝手に
上げました。

今回も「非常に」長文ですがなにとぞお願いします

葉玉先生2回目

第2章株式
【Q78】について
発行可能種類株式総数と発行可能株式総数の関係について特に
規律を設けなかったのはその必要性を感じなかったからでしょうか

【Q95】について
株式会社が分配可能額を超えて取得請求権付株式を取得した場合に
当該取得行為は無効となると説明されていますが、これは取得行為
全部が無効なのですか。
また、この場合の業務執行者等に462条の適用が外されているのは
どのような理由からですか。

【Q97】について
この質問文中「A種類の株式を対価とする取得条項付株式を対価とする
取得請求権付株式の株主」とあります。この場合の株主が持っている
株式とは、株主が会社に対して取得請求権を行使した場合に会社が、株主に取得条項付株式(会社が強制取得時にはA種類株式を対価として交付)が交付される特質を持つものという理解でよいでしょうか。文言の係り方が複雑で質問自体の意味が正しく理解できないので確認させてください。

【Q99】について
解説中で新株予約権に関する113条4項が参照条文として挙げられているのはどういった趣旨からですか。

【Q125】について
100パーセント減資のため①乃至④まで挙げられていますが、①の手続
の代わりに107条1項3号及び110条の手続もすることは可能ですか

【Q134】について
組織再編の場合の株式買取請求が効力発生後に解約された場合
売買契約の効力発生後の解約に準じて原状回復をおこなうべきと
解説されています。そしてこの場合存続会社等が合併等の対価を
原則交付すべきとし、できない場合、金銭による原状回復とされて
います。しかし、原状回復の原則は現物返還であり、本件では
消滅会社等の旧株式が理論的には返還されるのではないでしょうか。

【Q136】について
質問文では欠損が生じた場合とありますが、分配可能額を超えた場合
ではないでしょうか。それとも分配可能額を超えた場合とは欠損が生じた場合と同義なのでしょうか。

【Q143】について
325条は318条4項にどのように準用されるのでしょうか。
325条後段をみますと「「株主は」とあるのは・・・第318条第4項及び第319条3項を除く」において同じと読み替えるものとするとあります
この読替規定は適用されない結果「株主は」とあるのは単に「種類
株主は」と読み替えると言うことでしょうか。
さらに、318条4項をみますと「株主及び債権者は」となっており
「株主は」という読替規定は条文の文言に忠実に解しますと
適用されずその結果準用されないと言うことでしょうか。

【Q146】について
株主平等の原則は結局のところ、判例が憲法14条で用いるところの
合理的差別は許されると同じ発想でありいわば株主合理的取扱いの
原則と言い換えられないでしょうか。
また、比例的取り扱いと解すべきという見解に対する反論として
308条1項、454条3項等が個別的に設けられていることを説明できない
とあることから比例的取り扱いを必ずしも義務づけるものではないと
結論づけていますが、注意的規定であり当然のことを特に規定した
と再反論が容易に予想されないでしょうか。
このような疑義をなくすために平等原則というのではなく解説でも
何度も強調されている合理的取り扱いの原則と明文化した方がよかった
のではないでしょうか。

【Q151】について
図表2-4についてお願いします。法304条や314条は濫用防止規定のところが網掛けになっていますが、各同条但書が濫用防止規定としていないということでしょうか

【Q158】について
株券発行会社だけ名義書換請求権、譲渡承認請求権の制限が189条2項
6号、施行規則35条2項等により不可とされたのはなぜでしょうか

【Q161】について
単元株式数を増加する場合ではなく減少又は廃止させる場合には466条の株主総会決議は必ず必要なのでしょうか。不要な場合がある場合は条文上の根拠をお願いします。

【Q165】について
施行規則67条は相互保有株主の範囲を組合その他これに準ずる事業体
である株主も含まれるとありますが、これらが含まれる根拠は
同条1項の「当該株式会社の株主である会社等の議決権」の「会社等」
にあたるからでよろしいでしょうか。

【Q169】について
303条の趣旨とは何かという質問に対する明確な回答がなされていないように思われます。私見ではいわゆるモノ言う株主の促進を促し
ひいては株主総会の活性化を志向していると考えますが、同条の趣旨についてはどのように考えられたのか正解をお願いします

【Q183】について
図表2-7についてお願いします。新株予約権を既存のものに譲渡制限
を付すための手続きとしては新株予約権者の全員の同意が必要という
条文上の根拠が見つけられないのですが何条にありますでしょうか。
また、社債を既存のものに譲渡制限を付すために社債権者集会の
特別決議として724条2項1号が挙げられていますが、同号が示す
706条1項各号に関する行為に該当するのでしょうか。
706条1項各号はそれぞれ例示列挙なのですか。

【Q186】について
失念株主の配当に関してですが民法575条1項を類推適用されると
ありますが、類推しなくても配当が株主の地位に対して与えられるものであることから、当事者間においても取得者が株主名簿の名義書換をして対会社対抗要件を備えない限り名義株主に配当財産は帰属すると
解することはできませんか。
かえって民法の規定を類推すると判例法理では代金既払いか否かで
結論が変わりうるのであり、対会社対抗要件という説明が機能しなく
なりませんか。

【Q200】について
判例は民法93条但し書きの類推適用とするが「民法93条を類推適用し」
とあるのはこれと同義でしょうか?

【Q204】について
譲渡担保設定時点では実質的な財産流出がないということであるが
契約次第ではないのでしょうか。譲渡担保設定一般が凡て施行規則27条
1号になるということなのでしょうか。
また、設定時点では「取得」がそもそもないといえないのでしょうか。

【Q220】について
民法422条の類推適用についてですが類推の基底はどこにあるのでしょうか。会社に違法に取得された株主の株式が、債権(民法462条1項の連帯債権)の物又は目的物といえる又は似ているのでしょうか。

【Q223】について
子会社の定義ですが、「議決権の過半数を有する株式会社その他の」
とあるところから読点がないので、今まで議決権の過半数あれば子会社
と考えていたのですがこれは誤りと言うことでしょうか。あくまで解説の通り会社法が採用した基準は形式基準に加えて実質支配基準ではなく、実質支配基準のみということで宜しいでしょうか。

【Q241】について
株券発行会社の株式の質入れの対抗要件につき、株主名簿に記載することは登録質の保護を受けるか否かの意味しか持たないのでしょうか。

【Q246】について
特例登録質権者の質権に登録質権としての効力を認めなかった主な理由は何でしょうか。

【Q272】について
図表2-10についていくつかお願いします
公開会社・取締役設置会社・募集・原則部分の取締役会の決議
202条3項3号は第三者割当通常発行の場合ですから201条ではないでしょうか。
次に公開会社・取締役設置会社・募集・例外部分の取締役会の決定
とありますが200条1項は201条により公開会社には適用されないの
ではないでしょうか。

【Q291】について
図表2-11で授権枠が変化なしまたは拡大とありますが、授権枠総枠の
変更はなされていないのでもともとあった授権枠部分への復活ないしは回復というのが適切ではないでしょうか。

【Q293】について
212条1項1号は120条の利益供与に含まれないのでしょうか。仮に含まれる場合これらの責任の関係はどのようなものでしょうか。212条の方が
優先的に適用されますか

【Q306】について
株主が旧株券を紛失した場合公示催告手続きにより除権判決を得ることができとありますがこれは旧株券はもはや会社法233条にいう「株券」
に該当しなくなったためという理解が前提でしょうか。

投稿: 会社法使い見習いLv2 | 2007年8月25日 (土) 22時45分

ブログ最初期からの読者です。
愛想を尽かさないので、どうぞ無理なさらないでください。

投稿: フック | 2007年8月25日 (土) 23時43分

税務・会計に詳しい法律家を目指しています。
葉玉先生の某予備校での講演会を同時中継で聞きに行きました。(7月末)
私は、旧司法試験受験生で現在論文試験の結果待ちですが、最終合格したら、
そのときからさっそく税務・会計の勉強をしたいと思っています。
しかし、ロースクール生ではないので、租税法の講義を受講することもできず、
何からどのように学んでいったらいいかが、わかりません。
地方在住のため、大学の聴講生とかの方法も厳しい状況です。
 通信教育のパンフレットも取り寄せてみましたが、まず簿記を学んだほうが
いいものか、いっそ(科目免除で)公認会計士の勉強に取り掛かるのがいい
方法かわかりません。
アドバイスをお願いいたします。

投稿: ゴーヤーマン | 2007年8月26日 (日) 14時01分

 事業譲渡に関してですが、契約書に「競業避止義務」の約束があれば、事業譲渡で、なければ「重要な財産の処分」にあたると判断していいのですか???
 
 条文上の根拠がなくて、古い判例が、上記判断基準として根付いているのですか??

 学説のなかには、競業避止の有無で事業譲渡と重要な財産の処分かを振り分けるのは不当だという見解が会社法制定以前からありましたが、なぜ、立法上解決されなかったのでしょうか??

投稿: ニート三郎 | 2007年8月27日 (月) 01時22分

取得条項付種類株式についてご教授ください。
種類株式発行会社であるA社は、定款において、「払込金額の90%~110%の範囲で発行に先立って取締役会で定める額の金銭と引換えに、取締役会で決議した日をもって、当該種類株式を取得することができる」、と規定しており、取締役会決議において当該金額を100万円と規定していたとします(株式分割等の場合に金額を調整する規定はありません)。
A社が当該種類株式について、現行1株を100株とする株式分割を行ったとすると、1株あたりの価値が1/100になるため、当該種類株式の引換価格を1万円に変更しなければ、分割後の1株当たりの価値が急騰することになります。したがって、当該金額を1万円に変更したいのですが、どのような手続きで変更を行えばよいのでしょうか?
①「100万円」との確定金額は取締役会決議で決定したものであるため、単に取締役会決議を行えばよいのでしょうか?この場合、定款には「発行に先立って取締役会決議で定める」との文言に反するようにも思えます。
②①の懸念を排除するため、「発行に先立って」の部分の規定を定款から削除する定款変更を行ったのちに、取締役会決議を取ればよいのでしょうか?この場合、定款変更は、株式の内容の変更でかつ種類株式に損害を及ぼすおそれがあるため(定款文言上は取締役会決議でいかなる金額に変更することもできるようになる)、種類株主総会も必要となるのでしょうか?
③それとも、定款自体を変更して、定款に1株について1万円と規定してしまえばよいのでしょうか?この場合、株式の内容の変更ですが、定款変更の効力発生を株式分割を条件とすれば、株式の価値に実質的変更がないため、ある種類株主の損害を与えるおそれはなく、種類株主総会は不要となるのでしょうか?

投稿: | 2007年8月28日 (火) 14時22分

はじめに。

私もライブドアやYahooにブログがあった頃から時々見てましたが内容が高度すぎて
ちんぷんかんぷんでした。
この夏に一念発起して会社法の基本書を読んで千問をひたすら潰してようやく
「計算」以外はなんとなく全体像が見えてきました。
これからも読者に愛想を尽かされることなんてないと思いますので、末永く会社法の良き伝道者であり続けてほしいです。

前回の回答いただいた部分に関して
【Q44】
A7
(1) 預合いによって、会社にどのような損害が生じたのでしょうか?53条は、実質的にどの程度機能するのでしょうか。
(2) 発起設立は、払込取扱銀行等の責任がありません。
(3) 計算規則は、払込みを有効にするための規則ではありません。
(4) 「なお」以下は、なんのためにそう考えるのかが分かりません。

(1)についてはたしかに発起設立では53条が機能しないかもしれません。無理矢理こじつけようと思えば設立会社のコンプライアンスイメージを預合行為という任務怠り行為により傷つけたと言えそうな気もしますけれども難しいです。
(2)はうっかりしていました。失礼しました。
(3)ですが払込を無効とすると不都合だという論証の前提で質問した次第なのですが、たしかに預合の有効無効を計算規則で示すよりは法や施行規則で明文化する方が法や各規則の趣旨に適っていると思いますが、しかし計算規則で剰余金扱いしないと定めることが法等の
趣旨に反するとまでは言えないのではと思います。

(4)についてですが、払込が会社法上違法な行為で罰則もあることからすると私法上も
無効ではないかというのがそもそも【Q44】の問題意識だと思われます。しかし、本書の解説中ではこの前提をとっていないのであればともかく、この前提をとっているのあれば有効だと解する法的根拠が必要だと思います。というのも会社債権者を害するおそれを防止する必要性だけを強調するだけでは条理に基づくもので法的主張として弱いと考えるからです。そこでなお以下のように考えました。無効と解すると会社債権者が可哀相だから有効とすべきじゃないかという価値判断を法的に説得力を持たせたいのです。
 この点に関し、あえて無効な法律行為を有効だと解すべき根拠を今一度何かございましたらお願いします。

第3章新株予約権について引き続きお願いします。
【321】について
図表3-1に関連して209条と199条1項4号についてお願いします。
199条1項4号では募集株式の事項として期日又は期間を定めなければならないとありますが、これは両方定めることは可能ですか。仮に不可能でも両方定めた場合、株主となる時期を定めた209条の適用に際し、期日又は期間のどちらが優先するのでしょうか。

【336】について
事後的に新株予約権の発行手続きの瑕疵を争う方法として、新株予約券発行の無効の訴え、不存在確認の訴えが挙げられていますが、株主総会決議で行われた場合に会社法830条、831条による争い方は挙げられていません。
新法の下では仮に提起された場合にはこれらは不適法となるのでしょうか。

【337】について
無記名新株予約権付社債、記名新株予約権付社債、証券不発行新株予約権付社債についても上記と同様の取り扱いがされるとあります。
この「上記」とは3の証券不発行新株予約権と同様という意味でしょうか。それとも上記社債がない場合の1ないし3の各予約権に対応して
という意味でしょうか。おそらく後者だと思うのですが念のためお願いします。

【346】について
したがって以降で①記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権については株式会社に対抗できないとありますが、第三者にも対抗
できないのではないでしょうか(257条1項)
またその他の新株予約権は株式会社を含めた第三者に対抗することができないとありますが、無記名式は第三者には対抗できるのではないでしょうか。(257条3項)

投稿: 会社法使い見習いLv2 | 2007年8月28日 (火) 23時40分

会社法施行規則132条について質問があります。
4項で特定取締役を定めなかった場合、事業報告及び附属明細書の作成に関する職務を行った取締役及び執行役が特定取締役となっています。
当社では、経理担当取締役が存在せず経理部長がこの職務を行っていますが、経理担当でない取締役の中から必ず特定取締役を選任しなければならないのでしょうか?

投稿: 経理担当者 | 2007年8月29日 (水) 16時39分

葉玉先生 いつも参考にさせていただいてます。
実務上、どう読み取ればよいか悩んでいます。アドバイスをお願いします。
譲渡制限付普通株式と譲渡制限付配当優先株式を発行しています。で、このたび、新たに譲渡制限付普通株式を発行することになりました。
この場合、会社法199条4項に定める「当該」種類株主総会の決議を要することとされていますが、この当該種類株主総会とは、譲渡制限付普通株主を対象とした種類株主総会を指すと理解してよいのでしょうか?
譲渡制限付配当優先株主を対象とした種類株主総会は不要であると理解していますが、問題がありますか?

投稿: 株式担当者 | 2007年8月29日 (水) 23時26分

葉匤先生,脱時空勉強術を楽しく読ませていただいている法科大学院生です。
第11回の記述について質問させてください。

3頁目の,「困壁を喜んで上っていく者は・・・」の中の,悩める皇帝が,窮地を楽しむことができるのはなぜでしょうか?その理由が読み取れませんでした。

私は法科大学院に通いつつ現行司法試験も受け,今結果待ちです。二足のわらじを履いてみて,窮地を楽しまなければやってられない,ということはよく分かったのですが,実際どうやったら楽しめるのかまだ模索しています。「楽しむ」の意義を間違って捉えてるのではないかとも思ったりします。

是非参考にしたいので,どういう意図で書かれたのか,どういう理由で書かれたのか,ご教示いただけたらと思います。

よろしくお願いします。

投稿: ゆり | 2007年8月30日 (木) 10時25分

葉玉先生コンニチワ。

今更の質問で恐縮です。2問質問があります。
ご回答をお願いします。

第一問:取締役の任期を1年としたときに、あらたに
できるようになることは、剰余金の配当以外に何がある
でしょうか。(簡易合併などもあるらしいのですが条文
で探せていません。)

第二問:特定取締役だけを選定し特定監査役を選定
しない(あるいはその逆)ことはありうるのでしょうか。

投稿: TORI | 2007年8月31日 (金) 18時14分

お忙しいところ申し訳ありませんが、質問させていただきます。
「債務超過を解消した場合においても、簡易合併が事実上できない。」
とのレポートが税理士法人から発表されており、私はよく理解できるのですが、
(http://www.esnet-tax.or.jp/pdf/070717/newsletter_gogai.pdf)
実務においては、債務超過会社の100%子会社を合併期日までに
増資することを条件に簡易合併が行われています。

葉玉先生のご意見をお聞かせいただけませんでしょうか?

投稿: なかむら | 2007年8月31日 (金) 19時14分

見せ金と設立の効力について質問です。

ある問題を解いていたら,発起人Aが見せ金による払い込みをしたとき,見せ金を無効とすると設立が無効になるかについて,
「『設立に際して出資される財産の最低額』(27条4号)の財産が確保されていてば設立無効とはならない。」
とあるのですが,発起人の払い込みが無効である以上,25条2項に違反し,27条4号に関係なく無効になるのではないのでしょうか?

よろしくお願いします。

投稿: たまご | 2007年9月 1日 (土) 01時12分

モックさん、びっくり。授権枠の魔法。おもしろすぎます。

投稿: kawailaw | 2007年9月11日 (火) 03時31分

はじめまして。

脱時空勉強術、ブログでの過去のコメント、昨夜、徹夜してほぼ全て読んでしまいました。
感想は、「葉玉先生は仏教徒?」と思えるほど仏説を俗世に引き直して語られている印象を受けました。
とても科学的で論理的で、無常そのもの。

こういった葉玉先生の思想背景は、生まれ付いての性格なのでしょうか?
それとも何かしら自己啓発関係の書物を読み漁って身に付けた後天的なものなのでしょうか?

出家僧以外でこんなに智慧を感じたのは初めてで、とてもとても気になってしまいました。

投稿: 福岡在住の仏教徒 | 2007年11月 1日 (木) 22時25分

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