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2007年6月 5日 (火)

【入門】株式譲渡自由の原則(1)

 金曜日は、ビジネスブレイクスルー大学院大学(http://www.ohmae.ac.jp/cls/)でセミナーの収録をしてきました。 

 ここは、日本で唯一文部科学省が認可した、インターネットによる経営大学院で、学長は大前研一さんです。これだけでも、ユニークな学校だということが分かると思いますが、ビジネスブレイクスルーでは、弁護士や企業法務に従事している方等を対象に企業法務セミナーをインターネットで開催していて、その名も「サイバー・ロースクール」(ちなみに、法科大学院ではありません)。
 申し込みをすれば、誰でもセミナーを受講できるので、興味のある方は覗いてみてください(企業法務担当者用なので、ロースクールの学生には、ちょっと受講料が厳しいかもしれませんが・・・)。ただし、今日、私が収録した買収防衛策についてのセミナーは、まだリリース前なので、ホームページを見ても載っていません。載ったら、お知らせします。

今日は、最初に、前回の答えの間違い直しから始めます。
前回のA14で、会社計算規則163条3号が「・・・監査役会又は監査委員会の監査報告に付記された内容が前号の意見でないこと。」という要件が定められていることから、監査役会や監査委員会のない会計監査人設置会社には、163条の適用がないというお答えをしました。
この点は、ある人と意見交換をして、それなりに考えた上で結論付けたのですが、私の回答を見た某立案担当者(現民間人)が
「3号だけを見ると、どちらとも読めるが、163条2号かっこ書や5号が存在するということは、監査役会や監査委員会のない会計監査人設置会社にも、163条の適用があることを前提にしなければ、説明しにくい」という趣旨のメールをくれました。
 そう言われてみれば、そのように思いますし、監査役会も監査委員会もない会社では、監査役会や監査委員会の監査報告そのものが存在しないことから、163条3号の「監査役会又は監査委員会の監査報告に付記された内容が前号の意見でない」という要件を充たすと考えることもできます。

3号は、ややミスリーディングかもしれませんが、実質としては、総会承認なく、確定させても特に問題はないので、前回のA14を訂正し
 監査役会・監査委員会のない会計監査人設置会社でも、規則163条のすべての要件を充たす場合はある

と考えます。

次に、久々の入門編「株式譲渡自由の原則」について解説いたします。

  25問「株式譲渡自由の原則とその制限について論ぜよ。」

 株式会社に出資した人は、出資と引き換えに、「株式」という権利をもらい、株主になります。お金を出したのだから、代わりに財産的な価値のある権利をもらうのは、当然のことです。
 株式譲渡自由の原則は、読んで字のごとく、株主は、株式を自由に譲渡することができるという原則です。会社法127条は、この原則を「株主は、その有する株式を譲渡することができる。」と端的に規定しています。
 
 自分がお金を出してもらった権利を自由に譲渡できることは当たり前すぎて、このままでは「へえーっ、そんなものですか」で終わってしまいますので、一つ、皆さんに問題を出します。
  民法466条は「債権は、譲り渡すことができる。」と規定して債権譲渡自由の原則が採用されているのに、なぜ民法の特別法である会社法は、あえて127条で株式譲渡自由の原則を置いたのでしょうか?

 いろいろな答えが考えられると思います。

 例えば、「株式は債権ではなく、民法466条1項が適用されないから」という答えもあるかもしれません。しかし、つい最近まで民法は株式が債権であることを前提とした規定を置いていましたし、契約により発生する会社に対する権利である株式が債権としての性質を持つことは否定できないように思います。

 私は、会社法127条は、民法466条2項(譲渡禁止特約)の適用除外を定めたものだと考えています。

 譲渡禁止特約に違反する債権譲渡の効力については、民法でも学説が分かれていますが、悪意の譲受人との関係では譲渡は無効であると考えるのが判例通説です。

 会社法127条が、この規定の適用を排除すると、どういうことになるかというと
  会社と株主が、株式の譲渡を禁止する特約を結んだとしても、株主が、その譲渡禁止特約に違反して株式を譲渡してしまえば、譲受人がその特約について、知っていても(悪意)でも、知らなくても(善意)でも、譲渡は有効になってしまう
ということになるのです。

 正義感の強い人は、「悪意の人を何で保護するのよ!」と怒り出すかもしれません。

 しかし、このルールの良いところは、譲受人が「悪意」でも有効とするところなのです。
譲受人の善意や悪意という分かりにくい部分で、譲渡が有効かどうかを決めるルールは、争いのタネを残します。つまり、会社側に、「お前は悪意だったんだろう」という株式譲渡の効力を争うネタを与えてしまうことになるのです。
 本当は、善意なのに、悪意だと言いがかりをつけられて、譲渡の効力を争われるとすれば、株式を買う気がなくなる人もいるのではないでしょうか。
 
 逆に、悪意者でも保護するルールにしておけば、株式を買おうとしている人は、会社と株主との間でどんな約束があるかを気にせずに、株式を買うことができます。
 株主は、悪意の人に売っても譲渡が有効になるので、出資したお金(投下資本)を回収しやすくなります。

 このように株式譲渡自由の原則では、株主の投下資本回収手段を確保するために、譲受人の善悪を問わず、譲渡を有効とすることにその本質があるのです。
 
 このように説明すると、会社法を勉強しはじめたばかりの人は
  「でも、株式も、定款で譲渡制限ができるから、結局、債権譲渡自由の原則とあまりかわらないんじゃないですか」
という質問をしたくなるでしょう。

 確かに、株式には、定款で、譲渡に株式会社の承認を要するという条項を置くことができますが、株式の譲渡制限と、債権の譲渡禁止特約は、次の2つの点で大きく違います。

①   株式の譲渡制限は、譲渡自体は制限していない。
譲渡制限株式の譲渡を、株式会社が承認しないときには、会社又は指定買取人がその株式を買わなければいけません。
 つまり、いったん買い手がつきさえすれば、少なくとも、買い手か、会社か、指定買取人が買ってくれるわけで、譲渡自体が制限されるわけではありません。
 つまり、譲渡制限株式というより、譲渡『先』制限株式という方が実態を表しています。
 これに対し、債権の譲渡禁止特約は、悪意の第三者に対する譲渡は、譲渡自体が制限されます。

②  譲受人の善意悪意に譲渡の効力が左右されない。
 株主は、株式会社の承認を得ずに、譲渡制限株式を譲渡することができます。その際、譲受人が、譲渡制限について善意でも、悪意でも、譲渡自体は有効です。
 しかも、譲受人は、善意・悪意を問わず、会社に対して、
   譲渡を承認して自己を株主と認めてください
という請求することができ、もし会社がそれを断るのならば、会社か指定買取人が譲受人から譲渡制限株式を買い取らなければなりません。
 これに対し、譲渡禁止特約付の債権は、悪意の譲受人には譲渡することができませんし、悪意者が債務者に何かを要求することもできません。

以上の2点を見てもわかるとおり、実は、株式の譲渡制限という制度は、株式譲渡自由の原則の狙い(=民法の譲渡禁止特約を排除し、譲受人の善悪を問わず、譲渡を有効にする)を何も損なうことなく、譲受人が会社に株主として参加することだけを防止する制度なのです。

 しかも、譲渡制限は、定款の記載事項であり、株券の記載事項であり、登記事項でもありますから、株式を譲り受けようとする人は、その株式が譲渡制限株式であるかどうかを、すぐに調査することができます。これは、債権譲渡禁止特約が、債務者から話を聞かない限り、存在するかどうかはっきり分からないのと大きな違いです。

こうして見ると、譲渡制限株式は、一旦、買い手を見つければ、必ず誰かには譲渡できるように工夫されています。

 では、なぜ、株式に、これほどの自由譲渡性が認められているのか。
 それは、次回、お話しましょう。
 
(質問コーナー)
Q1
100パーセント子会社においても796条1項但書きの適用が除外されないのはなぜでしょうか。ご教示ください。
投稿 再編マン | 2007年6月 1日 (金) 08時20分
A1
特殊な一場合だけを捉えて、例外を認めるかどうかは、立法政策の問題です。
Q2
現在株主からの閲覧請求への対応を検討している者です。法定書類の備置・閲覧・保存に関して教えて下さい。
①株主名簿や議事録等は、「本店に」「支店に」等と備え置く場所まで規定されていますが、会計帳簿には同様の規定がありません。432条の保存場所は、本店、支店、倉庫等々、会社が任意に決められると解釈して良いでしょうか?
A2
そのとおりです。
Q3
②計算書類(等)には、備置本店5年、支店3年(442条ⅠⅡ)と保存10年(435条Ⅳ)があり、「備置」と「保存」の両方があります。基本的な質問で恐縮なのですが、そもそも「備置」と「保存」の違いは何でしょうか?
A3
備え置くのは、いつでも見せられるようにするために備え置くのです。
保存は、単に保存です。
Q4
③各書類に関して、株主は「株式会社の営業時間はいつでも閲覧等を請求できる」旨の規定がありますが、その請求先は、備え置くこととされている場所(本店または支店)に限ると解釈して良いでしょうか?またその場合、保存場所の規定が無い会計帳簿の請求先は、どこになると考えれば良いでしょうか?(旧商法293条ノ6Ⅰでは「本店において」請求可能となっていましたが、この限定が無くなっています。)
よろしくお願いいたします。
投稿 YKK | 2007年6月 1日 (金) 17時27分

A4
請求の一般原則によることになります。代表者宛に請求してください。

Q5
433条のように「総株主の議決権の百分の三以上の議決権を有する株主」といった規定の株主は1人に限られるのでしょうか?例えば、1/100の議決権を持っている株主3人が集まって請求すれば、会社は会計帳簿を閲覧させなければならないのでしょうか?
投稿 リアル初心者 | 2007年6月 2日 (土) 11時06分
A5
あわせ技で大丈夫です。

Q6
ロースクールの未修1年生です。
法学部卒ですが、未修に入りました。
勉強法について質問です。
私は、基本書と判例百選を読み込んでいくという勉強スタイルをとってきました。
それは学部時代からの習慣です。
でも、百選を読むのがとても時間がかかるし、解説も玉石混交で1年次のうちから百選を読み込むのは逆に基礎が固まらないうちは有害かなとも感じてきました。
そこで、事案と判旨だけ読んで、解説は読まずにという方法を取ろうと思うのですが、どうでしょうか?
基本を徹底的に作り上げることを重視するなら、そもそも百選なんて読まない方がいいのでしょうか?
投稿 ポン | 2007年6月 2日 (土) 23時11分
A6
百選というツールを使うかどうかは、どちらでもいいことです。
百選に載っている判例の事例の概要と判例の内容を知っておけばいいのです。

Q7
 論点でよくある、株券不発行会社が正当な理由なく名義書換を怠った場合、それにより当該株式譲受人と第三者との関係についてです。
 条文を素直に解釈すると、130条1項より、株式譲受人は第三者に対抗することはできません。
 ただ、江頭先生は、対抗できるとして、その理由を中少会社の株主名簿の記載はあまり信頼に値しない、としています。
 また判例は、指名債権の二重譲渡における優劣関係を決する基準によるべきとしています。
投稿 ももんにょ | 2007年6月 3日 (日) 19時53分
A7
130条1項という条文があるのですから、130条1項でしょう。

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コメント

                             新司法試験受験生有志

先日(5月15~5月19日)行われた第2回新司法試験の内容に関して、
司法試験委員が在籍する法科大学院において、問題内容の漏洩があった
可能性があります。
下のブログは、新司法試験受験生が数年前から連載しているものですが、
その記載内容において、新司法試験にかかる問題内容の漏洩があったことを
示す事実が記されています。
現在、主要機関に同内容のメールを送信しております。
どうか、この問題を大きく取り上げて頂きますよう宜しくお願い致します。
○問題のブログ
http://undersail.jugem.jp/?eid=510
○保存版
http://symy.jp/Croe
http://symy.jp/KGm0
>>公法系は、憲法・行政法とも、慶應内部で2月から実施された試験委員の
>>答練を受けた人が有利だったという印象。都市計画法が出題されることもメ
>>ールで示唆がありました。他の受験生が悩みそうなところを悩まずにすんだ
>>人が多かったというあたり、アンフェア。行政法は、問題に食らいついて解
>>いたという実感があまりありません。
※第2回新司法試験憲法において、実際に都市計画法が出題されています。
※司法試験委員が法科大学院内部で答案練習を行うことは禁じられています。
>>京都大→友人経由の情報によると、会社法は経営判断原則が出るそうです。
>>昨日の公法系のことがあるので、重点的に復習。
※第2回新司法試験会社法において、実際に「経営判断原則」が出題されています。
                                 以上

投稿: 葉玉先生すみません。あまりに頭にきたので・・・・ | 2007年6月 5日 (火) 21時59分

葉玉先生。
上の投稿をした者です。
上記内容が本当であればとうてい許されることではありません。
怒りが頂点に達し、多くの人に知ってもらおうと、このような投稿をしました。
ただ、ここに投稿することが適切であったのかという疑問はもっています。
もし、先生が不適切であると判断されるならば削除して下さい。
このような形で先生にご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ありません。

投稿: 葉玉先生すみません。あまりに頭にきたので・・・・ | 2007年6月 5日 (火) 22時06分

「譲渡禁止特約に違反する債権譲渡の効力については、民法でも学説が分かれていますが、悪意の債務者との関係では譲渡は無効であると考えるのが判例通説です。」とありますが、
「悪意の第三者」または「悪意の譲受人」の誤りではないでしょうか

投稿: | 2007年6月 6日 (水) 19時47分


いつも質問させていただいていますmaruと申すものです。
大変お世話になっています。
前回も同様の質問をしたのですが私の書き方が悪かったせいか
回答をいただけませんでした。
もういちど同じ質問を貼りますので、なんとかコメントをいただけると嬉しいです。

反対株主の株式買取請求における公告について質問させてください。
 785条4項および797条4項は 通知を公告に代えることができる例外要件を定めています。そして各条1号は 公開会社では会社の承認なく株式の譲渡ができるので、株主名簿に記載されたものに通知するよりも公告で株主名簿に記載されていない現在の株主に公告したほうが適切な場合があることを趣旨とすると理解しています。
 まだ各条2号は すでに株主総会の召集通知で株主に通知しているので再度通知する必要性が少ないことを趣旨とすると理解しています。
 この趣旨は新設合併等の手続きにも当てはまると考えますが、
806条4項は無条件に通知を公告に代えることができると定めています。
 この理由を教えてくだされば幸いです。

投稿: maru | 2007年6月 7日 (木) 00時08分

はじめまして
ブログ拝見してます

弁護士の仕事について質問です。
学校の弁護士の先生が「弁護士の仕事は当事者のかわりにするケンカする喧嘩屋だよ」よくおっしゃられます。

そういう部分もあるのでしょうか?

投稿: yosh | 2007年6月 7日 (木) 13時35分

 
 
『葉玉匡美の脱時空勉強術』
 
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20070524/125477/
 
 
まだブログ記事に書いてないようですので
代わりに宣伝しておきますね。
タイトルだけ見ると怪しげな宗教の秘術に見えるのはわたしだけでしょうか('▽')

投稿: ポップン | 2007年6月 7日 (木) 17時57分

葉玉先生、会社法施行規則24条についてご教授ください。

当社の株主が所有する譲渡制限株式について、差押債権者が譲渡命令の申立(民事執行法161条)を行ったため、裁判所の譲渡命令が発令されそうです。

この裁判所の発令する「譲渡命令」は会社法施行規則24条1項2号にいうところの「確定判決と同一の効力を有するもの」と理解してよろしいでしょうか?

実務的な質問で恐縮ですがよろしくお願いいたします。

投稿: hi | 2007年6月 7日 (木) 21時02分

葉玉先生

はじめまして。いつもブログを拝見させていただいてます。
非公開会社(公開会社でない株式会社)で法務を担当している者ですが、
株式交換の株式交換完全親会社について質問させていただきます。

株式交換完全親会社は株式交換契約を締結する必要がありますが(767条)、
この契約は株式交換の効力発生日までに締結すればよいのでしょうか(吸収
合併契約等の内容の事前開示(794条)は締結前の契約でも可と考えてよろ
しいでしょうか)。
また、株式交換に関する取締役会決議が行われる前(総会召集や契約締結
等について何ら決議していない状態)で事前開示(794条)を行うことは可能
でしょうか(代表取締役の権限で開示)。

不躾かつ不自然な取り扱いについての質問ではありますが、よろしくご教授
ください。

投稿: OGT | 2007年6月 8日 (金) 00時42分

種類株主総会について疑問に思ったことがあって質問です。


先生の記事からの抜粋になるんですが・・・

会社の行為から種類株主の権利を守るための種類株主総会
 種類株主も無議決権株式でない限り,株主総会で議決権を行使することが,他の種類株主(いわゆる普通株式の株主を含む。)の方が数が多くて,自分に不利なことが決定されるような場合があります。
 また,取締役会の決定等により,特定の種類株主だけに損害が生じるような場合もあります。
 そこで,会社法は,これらの会社の行為から種類株主の権利を守るために,種類株主総会の決議がない限り,それらの行為を無効とする規定をたくさん置いています。
 そして,このパターンは,さらに3つに分類することができます。

(1) 種類株式の保有や譲渡が制限されるような変更がされる場合(111条関係)
① 全部取得条項の付加する定款変更(111Ⅱ) ~ 特別決議(324条2項)
② 譲渡制限条項を付加する定款変更(111Ⅱ) ~ 特殊決議(324条3項)
③ 取得条項を付加する定款変更(111Ⅰ) ~ 種類株主全員の同意(なお,これは種類株主総会の決議ではなく,全員から同意を取ればよい。)

①の例なんですが知ってるのは100%減資だけなんですが、そのほかでどんな利用方法があるんですか??それと、①の場合で株主総会の決議があっても111条でこういった規定がなされているので種類株主は自己の不利益になるような場合には種類株主総会の決議で賛成しなければいい、という解釈であってますよね??でも会社がある種類株を全部取得条項付種類株式にするためには、利害の関係する株主に一定の理解を得ることが必要であるって考えられるんですが。

投稿: ksuke | 2007年6月 8日 (金) 00時49分

葉玉先生、ライツプラン事前警告型について、
財産権を侵害しないライツプランといってもなかなか難しい新株予約権の設計だと思います。

先生も「政治的な道具」とおっしゃっています。確かに米国の事例を見てても、ライツプランの償却や取り消しのプロクシーファイトが繰り広げられます。

しかし、普通決議のみで導入したライツプランで、差別的な予約権の付与が「不公正発行」として差止められることがある程度想定できれば、買収者側も「やれるものならやってみろ」ぐらいの形でドンドンTOBを仕掛ける可能性も考えられ、政治的道具の役割を果たさず、単なるお飾りと化さないか心配なのですが?
なぜ、ストラテジックでシナジーの見込める買収者(買収者側の弁護士)は、イケイケにならず、躊躇するのでしょう?(楽天とか)

ある弁護士には発動しない前提で導入するんです、といってましたが、絶対に発射しない核ミサイルだと解れば、抑止力としてすこし疑問を感じてしまいます。

投稿: katsu | 2007年6月 8日 (金) 02時23分

葉玉先生

定義規定の書き方についての質問です。

以前からすごく気になっていたのですが,定義規定(2条)の書き方には,2種類あります。一つは,「この法律において『破産手続』とは,XXX」という書き方です(破産法,独禁法など)。もう一つは,「一 会社 XXX」という書き方です(会社法,民事再生法,租税法など)。後者のほうが文字数が少なく簡明だと思うので,あえて前者の書き方をする理由が分からないし,新しい会社法が後者だったので,最近の法律は後者で書かれていると思っていました。しかし,一番新しいはずの新信託法は前者で書かれているので,なぜ使い分けるのかがよく分からなくなりました。初学者の私からすれば,どちらかに統一したほうがよいように思えるのですが,立法技術の慣習上,どのような理由によって使い分けているのでしょうか。

瑣末な質問で恐縮ですが,毎日条文を読んでいる学習者としてはとても気になるところです。

投稿: tom | 2007年6月 8日 (金) 17時58分

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