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2007年5月14日 (月)

買収防衛策と総会決議(2)

今日は、母の日。旧司法試験の択一試験の日。
 択一が終わったからといって、ほっとせずに、次に向かって進みましょう。
 毎年同じようなことをいいますが
  択一が終わった瞬間から、論文の勉強を始めた奴が勝つ
というのが原則です。
 遊ぶのも、ボーッとゆっくりするのも合格後にいくらでもできますから、今は勉強しましょう。

 さて、前回の買収防衛策の記事について、中央大学の大杉先生が
    「葉玉説に、チャレンジ!」
http://app.blog.livedoor.jp/leonhardt/tb.cgi/50134673
というタイトルで、チャレンジされてきました(笑)。
 学識経験から言えば、本来なら、私が大杉先生にチャレンジすべき立場にあるものの、チャレンジされた以上、受けて立つのがこの世の定め。
 ブログで会社法論争というのも、時代の流れとして面白くもあり、ちょっと反論してみましょう。

 大杉先生が、私の考え方に異議を唱えられているのは、
  「買収者に財産的損害を与えるような買収防衛策の行使には慎重であるべきだ」
  「総会承認があれば防衛策の行使が全て正当化されるわけではない」
ということの論拠として、私が
   有利発行規制
を持ち出した点です。

 大杉先生の葉玉説批判の論拠を要約すると
(1) 新株予約権は、公正価格の算定が困難なので、有利発行規制が使いにくい。
(2) 買収者に行使・譲渡を制限した新株予約権を抱え込ませる「予約権抱え込み型」の防衛策が損害を生じさせるか否かは、それほど明確ではなく、有利発行という判断枠組みが使いにくい。むしろ、それも勘案した上で、「不公正発行に当たるか否か」「取締役会に裁量の逸脱が見られるか否か」を論じる判断枠組みの方が相応しい。
(3)総会特別決議さえ取れば、買収者に損害を与えるような態様の防衛策の使用もOKと主張する人が出てくるのではないか。特別決議をとっても、不公正発行の問題は残ると考えるべき。
(4)株主の承認は不公正発行であることを否定するか、疑問である。現行の法制度を前提にすると、総会承認があったか否かで結論を2分するよりも、その総会決議が合理性・説得力を持つものであったか否かを個別に見た上で、裁判所による差止め判断の一要素とするほうが、落ち着きが良い。

 こうして大杉先生の論拠を並べてみると、実は
  大杉先生と私の考え方は、それほど違いがない
と思えます。

 以上の論拠のうち、大前提として議論しなければならないのは、(3)です。
 私は
    有利発行で特別決議を得たとしても、不公正発行として差し止めの対象となることは理論的にありうる
と考えていますし、条文構造上も、その考え方は正しいはずです。
 ですから、(3)は批判に対する反論というより、私と大杉先生は同じ考え方ですよ、と表明させていただきます。

 次に、(4)についても、株主の承認があっても、理論的には、不公正発行となる場合はありうると考えています。この点でも、私は大杉先生と同じ考え方です。

 もっとも、新株予約権の発行差止請求権のもととなっている、株式発行差し止め請求権は、米法を参考に制定されたもので、株主総会が有していた新株発行権限を、授権枠の範囲内で、取締役会に移譲した反面で、取締役会による新株発行権限の濫用を防止することを主目的とした権利です。
 ですから、今回話題になっている「株主総会の意思に基づく発行」は、差し止め請求権が、本来規制としようとしていた領域ではないというのも事実であり、その場合に裁判所が「著しく不公正」と認定するのは、なかなか難しいように思います。
 この点は、これまであまり論じられていない領域なので、もうちょっと研究が必要でしょう(もっとも、差し止めにならないとしても、少数株主の財産権を著しく害するような有利発行が行われた場合には、その決議に賛成した株主に対する損害賠償の問題が生ずると思います)

 結局、私の主張は
   買収者に財産的損害を与えるような場合には、特別決議を取らないと法令違反で差し止められる可能性が高い
というものであり
  特別決議を取れば、どんな悪いことをやって財産的損害を与えてもよい
という主張ではありませんから、大杉先生の考え方と矛盾するようなものではないということが明らかになったと思います。

 さらに言えば、買収者に与える財産的損害が比較的軽微な場合であったとしても、その程度は、「不公正発行になるかどうか」という判断の中で重視される要素であると考えていますから、この点でも、大杉先生の考え方と共通しています。

では、どこが違うのかということを明らかにするために、私の思考プロセスを明らかにすると
1 買収者に経済的損害が生じ、買収者以外の株主に「特に有利」と認められれば、特別決議がなければ、差し止められる。
2 1以外の場合であっても、不公正発行で差し止められることもあるが、株主総会の決議があれば、不公正と認められない場合がある。
3 2の決議が普通決議で足りるかどうかは、新株予約権の内容次第である。
ということになります。

 この考え方と大杉先生の考え方の一番の違いは
      有利発行規制が適用される場合「も」ある
ということであり、逆に、大杉先生にお伺いしたいのは
  有利発行規制は一切適用されないと考える必要があるのか?
ということです。

 大杉先生のおっしゃるように、新株予約権の価値の算定は、なかなか難しく、それを利用して、本来なら相当高価な新株予約権を、無条件取得条項などをつけて、価値を0にし、有利発行手続きを免れるようとするなど、アコギな手法が使われることもあるくらいです。
 裁判所も、差し止めの仮処分の際に、有利発行に触れずに差し止めることが多いのも事実です。

 しかし、これは、有利発行規制が全く使い物にならないということを意味するものではありません。
 裁判所が差し止めの根拠として有利発行を使わないのは、不公正発行という枠組みを使った方が決定書を書きやすいからであり、有利発行を排斥しているわけではありません。逆に有利発行であることが明らかで、特別決議がないような場合には、きっと有利発行で決定書を書くこともあるはずです。
 特にこれまでに判例で問題となった株式発行や新株予約権発行は、ほとんど全てが第三者が払込みをする通常の募集手続に関するものですが、現在の買収防衛策のように株主に無償交付する事案であれば、買収者に経済的損害が生ずることが明らかな場合も出てくる可能性があります。
 
 買収防衛策で用いられる新株予約権の内容が非常に幅広いことを考えると、私は、有利発行規制と不公正発行の二本立てで判断するのが、ケースごとに適切な判断が可能になると思っています。
 不公正発行は、基準が不明確であるという難点があるので、有利発行規制で、明確に違法なラインを引けるものなら、引いておいた方がよいのではないでしょうか。

 また、これは、(2)の批判とも関連するのですが、「予約権抱え込み型」の防衛策が損害を生じさせるか否かは、それほど明確ではないというのは、そのとおりであり、買収者が一時的に権利行使も、譲渡もできないからといって、それだけで財産的損害が生じたとは言い難い場合もあるでしょう。
 しかし、買収者が、行使も、譲渡もできず、すぐに行使期間が経過して消滅してしまうような内容の新株予約権のように、買収者に財産的損害が生ずることが明らかな場合もあります。
 有利発行規制が強行法規として存在することを前提とすれば、そのような場合には、買収者が、会社の定めた手続きを守ったかどうかという手続き論や不公正発行かどうかという以前に、特別決議がない限り、違法とされる可能性が高いと思います。
 有利発行規制が使いにくいからといって、その論理を排除する根拠がない以上は、それを排除することはできず、むしろ、使えるときには、きちんと使うべきであるというのが私の考えです。

 大杉先生の批判になるべくお答えしようとしたものの、ブログの性質上、議論がすれ違ったり、反論になっていない部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

 私は、いまだ判例で適法な買収防衛策が明らかになっていない現状において、買収防衛策の限界論を論じる以上、できる限り、会社法の条文や、従来の判例の考え方と矛盾・衝突を生じない防衛策を考えたいのです。

 授権資本制と有利発行規制の裏には、新株発行において
    株主の持株比率維持の利益は保護しない。
    しかし、株主の有する株式の経済的価値は保護する。
という考え方がある以上、まずは
  株式の経済的価値を毀損しない防衛策
を前提にしなければ、有利発行規制という論拠を取るか、不公正発行という論拠を取るかは別として、裁判所から肘鉄を食らわされるような気がします。

 法的リスクの少ない買収防衛策を考えるためには、「株式の経済的価値の保護」という問題をクリアした上で、これまで不公正かどうかの判断基準であった
   資金調達の目的
がなくても、どのような要件があれば、不公正とならないのかを考える必要があり、私は、差し止め請求権の立法過程等を勘案すれば
   株主の意思
が株式発行の公正さを高める要素となりうると考えます。

 株主の意思以外にその要素となりうるとすれば
   買収者が株主共同の利益を害する現実的な虞がある
というような「正当防衛」的な事情でしょう。
 これは、ニッポン放送の一連の裁判でも意識されているところで、これはこれで論ずる意味があるのですが、どうも、最近の風潮を見ていると、防衛策が適法かどうかが、こうした正当防衛的な事情があるかどうかという議論だけに収縮しているような傾向にあるように思います。
 しかし、仮処分の現場で、正当防衛的な事情を主張・立証することは、困難であり、実務的には、その要素についてどれだけ理論的に詰めていっても、実は、あまり役に立たないのではないかという予感がします。

「資金調達目的も、正当防衛的な事情もないにもかかわらず、なお不公正と言われない新株予約権の発行は、どのようなものか。」
というテーマを突き詰めて考えていくと
   株主が、株主の利益を守るために、持株比率の基準を決めたのだから、私的自治の観点から、裁判所は、それが著しく不合理でない限り、尊重すべきである
という論理に行き着くのではないかと思うのです。
 
 最終的には、買収者の悪質性等との総合判断によるのでしょうが、まずは、株主の意思がどの程度まであれば足りるかということに重点を置いた議論を行う方が、実務的には意味があるように思い、前回の記事を書いた次第です。

(質問コーナー)
Q1
株式移転と同時に株主名簿管理人を置く場合の手続について教えてください。
完全親会社の定款に株主名簿管理人を置く旨を規定し、かつ株式移転計画に完全親会社の株主名簿管理人を○○信託銀行とすると定めました。
これから○○信託銀行との契約が必要になりますが、この契約締結をするのは移転計画で定められた設立時取締役の中から選定された代表取締役(取締役会設置会社とする予定です)と考えてよろしいでしょうか?
投稿 トキオ | 2007年5月10日 (木) 14時54分
A1
 通常の設立であれば、発起人代表に当たる者は、株式移転の場合は、誰になるのか、という問題ですね。
 結構、難しい問題ですが、その代表取締役予定者が、株式移転の手続の執行権限を有しているならば、契約締結権もあると認めてよいのではないでしょうか。

Q2
組織再編の債権者保護手続で公告する「計算書類に関する事項」(会社法789条2項3号、施行規則188条)について教えてください。
「最終事業年度に係る貸借対照表」(例えばH18.3期B/S)を電磁的方法(会社法440条3項)で開示していた会社が、臨時総会で定款変更をして電子公告を導入し、かつ、従前の電磁的方法開示のアドレスとは異なるアドレスを電子公告の掲載アドレスに設定したとします。
この場合、会社法440条3項に基づき、従前のアドレスに、引き続き(=5年経過するまで)、H18.3期のB/Sを掲載するという措置をとり続けますが、登記(実務)上は、電子公告の新アドレスが登記されるとともに、従前のアドレスの登記は抹消されることになります(もっとも履歴事項全部証明書を見れば、従前のアドレスは分かります。)。
 当該会社が会社法789条の債権者保護手続の公告をする場合、「計算書類に関する事項」として公告すべき事項は、会社法施行規則188条各号のどれになりますでしょうか。
「最終事業年度に係る貸借対照表」について電子公告をしているわけではないので、1号ハには該当せず、2号により従前のアドレスを公告すればよいと考えていますが、よろしいでしょうか(従前のアドレスの登記は抹消されているとはいえ、履歴事項全部証明書を見れば記載されていますし、実際に当該従前のアドレスには「最終事業年度に係る貸借対照表」が掲載されているので、問題ないと考えていますが、いかがでしょうか。)。

投稿 企業法務をやっている人 | 2007年5月10日 (木) 22時17分
A2
  2号だと思います。

Q3
千問Q323について質問させてください。
 新株予約権の発行においては 株式についての201条2項に
該当する規定は設けられていないので、ブックビルディング方式によることはできない、との内容がQ323に書かれています。
 では、なぜ新株予約権に関して 201条2項に該当する条文は
定められなかったのでしょうか?立法時の様子を教えていただけると嬉しいです。
投稿 maru | 2007年5月11日 (金) 01時47分
A3
 特に要望がなかったからです。

Q4
会社法808条1項2号について質問させてください。
 808条1項2号括弧書によれば、新設分割設立会社が持分会社である場合には、新設分割株式会社の新株予約権の新株予約権者は新設分割株式会社に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することはできません。 
 なぜ、新設分割設立会社が持分会社である場合に新株予約権の買取請求が認められないのでしょうか?理由を教えて下さい。
投稿 maru | 2007年5月11日 (金) 01時49分
A4
 新設分割によって、新株予約権が消滅することも、承継されることもないからです。

Q5
競業避止義務について、非常に基本的な事柄で恐縮なのですが、質問させて頂きたく、コメントを書いております。
P社 ―― 取締役A

S社 ―― 代表取締役A

P社の取締役Aか、ライバル関係にあり、かつ競業関係にあるS社の代表取締役に就任する場合、就任は「取引」ではないが、P社の取締役会の承認が必要とする見解が多いと思います。

では、この「就任は『取引』ではないが、承認が必要」という見解に立った場合、S社の取締役会の承認も必要なのでしょうか?
もちろん、実際にはAが代表取締役に就任するに際して取締役会の承認が為されている以上、実際上の問題は無いと思います。

ただ、理論的に考えた場合、P社の取締役AがS社の(代表)取締役に就任すると、S社から見ても企業秘密の漏洩の危険がある以上、365条1項1号の趣旨に当たるのかな、と思い、質問させて頂きました。
投稿 受験生 | 2007年5月11日 (金) 09時41分
A5
 取締役に就任するだけでは、取引に該当しません。
 AがP社のために取引をしようとするときに、S社の取締役会の承認が必要です。
 という以外、答えようがありません。

Q6
先生、いつも拝見させていただいております。
先生がお役人を辞められたら聞いてみたかったのですが
なぜ未だに会社の設立には公証人の認証が必要なのでしょうか?
後日の争いを避けるためなどの趣旨は存じておりますが
発起人一人で設立しスピードが必要な実務(特に遠方)では
どうしてもこの定款認証が足をひっぱります。
先生は、この制度はどう思われていたのでしょうか?

また、上記の認証による遅滞と手数料等を避けるため
持分会社を設立し、同日組織変更で株式会社を設立することも
一つの方法として考えておりますが、何か法的に問題がありますでしょうか?
投稿 カイラー | 2007年5月11日 (金) 09時47分
A6
スピードだけが、大切な要素ではありません。歴史の生んだ知恵として、公証人の認証制度があるのです。私も、公証人の仕事のやり方に不満がないわけではありませんが、それは、どこの役所に対してもいえることなので、公証人に限った問題ではありません。

なお、持分会社を設立して、同日組織変更というのは、持分会社の設立の意思がないのに、持分会社を設立したとして、公正証書原本等不実記載罪に該当するおそれがあります。

Q7
会社法361条(取締役の報酬等)の内容についてなのですが、第1項末尾の定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。とありますが、設立1期目の場合に取締役の報酬等を決定する場合は定款で定めなかった場合、設立後遅滞なく臨時株主総会を開催して決定するということでしょうか。報酬等の決定は定時株主総会で決定しないといけないと私は考えておりましたので、設立1期目においては定款において定めるという選択肢しかないのかな~とも考えるのですがいかがでしょうか。
投稿 実務家 | 2007年5月11日 (金) 10時57分
A7
報酬等の決定は、定時株主総会以外でも可能です。
そうでないと、臨時株主総会で選任した役員の報酬が出せない場合が生じてしまいます。

Q8
創立総会において、定款変更をし、発行する株式の全てに譲渡制限の規定を設ける場合(会73条②)ですが、決議に反対した株式引受人に引き受けを取消す旨の規定が見つからないのですが、この場合には、取消す事ができないのでしょうか?
投稿 こおさく | 2007年5月11日 (金) 12時04分
A8
できません。

Q9
681条(社債原簿の記載事項)について教えてください。

681条6号には,社債原簿に記載すべき事項として,「社債券を発行したときは、社債券の番号、発行の日、社債券が記名式か、又は無記名式かの別及び無記名式の社債券の数」と規定されています。

ここでいう「社債券の番号、発行の日」の「発行の日」というのは,「社債券の発行の日」か「社債の発行の日」のどちらでしょうか。

旧商法317条5号には,「債券発行の年月日」と規定されていましたので,会社法でもそのように読めばいいのかとも思えます。
しかし,そもそも,旧商法306条1項では,「社債全額の払い込みがなくては社債券を発行できない」と規定されており,このような規制があれば,社債券に社債券発行の日を記載することは意味があったと思います。

一方,会社法では,696条などで,「社債の全額払い込みがなくても社債券を発行できる」としており,社債券に社債券の発行の日を記載してもあまり意味がないような気がします。

社債券に記載すべき「発行の日」としては,社債券の発行の日を記載する意義は乏しく,むしろ,社債発行の日(社債は有因証券)を記載すべきかとも思われます。
条文上はどちらとも読めますので,社債部分の立案に携わった葉玉先生に御教示いただければと存じます。
よろしくお願いします。
投稿 修行中 | 2007年5月11日 (金) 13時35分
A9
 社債券を発行した場合の規定ですから、社債券の発行の日です。

Q10
W株式会社が07年6月末決算にもとづく計算書類を作成し、同年9月の総会で承認された。
同社は、翌08年1月、同計算書類に基づいて計算した分配可能額の範囲内で、取締役会決議により、自己株式の取得や剰余金の分配を行った。
ところが08年2月、経理が数字の入力を1桁誤っていたために前年決算の売掛金、その他利益剰余金などの額が18億円過大に計上されていたこと、これを修正した計算書類に基づいて計算すると分配可能額がなかったことが発覚した。

この場合、取締役らは、461条違反で462条の責任を負うことになるのでしょうか、それとも08年6月決算において特別損失を計上することにより465条の責任を負うことになるのでしょうか。

剰余金、分配可能額を「確定した計算書類の記載」ベースで計算するのか、「(粉飾やミスを直した)実際の値」ベースで計算するのかがよくわからず、混乱してしまいました。
投稿 WLS3 | 2007年5月11日 (金) 15時07分
A10
客観的に分配可能額がなかった以上、461条違反です。

Q11
葉玉先生、弊社は非公開会社なのですが、定時株主総会招集のための取締役会の議案について御教示いただけないでしょうか。取締役会の議案で「定時株主総会招集及び議案決定の件」として、総会議案の1つである「役員賞与支給の件」について、いきなり役員報酬額総額を提案することは不適法であり、事前の取締役会において、報酬額、報酬総額の決定について代表取締役に一任することを決議しておく必要があるのではないか、という意見が社内から出たのですがいかがでしょうか。代表取締役一任という措置を取ること自体が法定されているわけでなく、わざわざ別の議案で代表取締役一任という形式を取る必要はないようにも思い、御相談する次第です。
また、役員賞与として取締役分と監査役分とを区別して付議することが適切でしょうか。あわせて御教示いただけましたら幸いです。
投稿 SMOKY | 2007年5月11日 (金) 15時48分
A11
ちょっと事態を飲み込んでいないような気がするのですが、最終的に、取締役会で何を決めたか、だけが大事だと思います。ただ、どういう根拠をもとに、代表取締役に報酬額等を一任しようとしているのかは、気になります。
 役員賞与は、取締役分と監査役分を区別すべきでしょう。

Q12
取締役等の会社に対する責任の免除に関する規定についてです。
定款及び登記簿に
「当会社は、商法第266-12の規定により、取締役会の決議をもって、同条1-5の行為に関する取締役(取締役であった者を含む)の責任を法令の限度において免除することができる。」
というような責任免除規定がありました。
その会社は、小会社&閉鎖会社だったので、会社法の下では、責任免除規定を置けません。
当該規定は、会社法施行日前の行為についての責任を免除するためには必要なので、定款に残しておく必要があります。
では、その会社が取締役会を廃止してしまったら、この規定はどうなるのでしょうか?
単に「取締役会」の所を「取締役の過半数の同意」と変更すれば良いのでしょうか。
整備法には「なお従前の例による」とだけしか規定されていません。
これだけをみると、商法時代には「取締役の過半数の同意」で良いとは言っていないので、取締役会の廃止と共にこの規定も廃止になると考えることもできます。
私は、後者ではないかと考えています。
A12
 取締役会を廃止したら、その定めは無効でしょう。

Q13
株券提出公告についてです。
A種類株式とB種類株式を発行している会社が、A種類株式についてのみ譲渡制限の規定を設定した場合、株券提出公告は必要でしょうか?
というのは、会社法219では、1項で会社法107-1-1に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更をする場合には、株券提出公告が必要と規定しています。108-1-4の場合について規定していません。
括弧書きで、「種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式」とされていますが、これは、例えば、A種類株式が譲渡制限株式でB種類株式が譲渡制限のない株式であった場合に、B種類株式をA種類株式にする(1種類になるので種類株式ではないですが)場合には、B種類株式についてだけ株券提出公告を要すると考えることもできると思います。
立法趣旨は、譲渡制限の定めは、株券の記載事項ですし、重要な事項なので、譲渡制限を設定する場合には、株券提出公告をして、株券に記載しなさいということだと思うので、108-1-4の場合についても株券提出公告を要すると思うのですが、それだったら、条文に明記しておくべきかと。
投稿 パラリーギャル | 2007年5月11日 (金) 16時46分
A13
108条1項4号の場合も、株券提供公告は必要です。(注)5月14日に訂正しました。

Q14
会社法346条4項の「監査役は・・・選任しなければならない」とは,監査役が二人以上ある場合には全員の一致が必要ですか,それとも過半数でよいのですか。また,監査役会設置会社及び委員会設置会社においては,全員の同意ではなく決議(会393Ⅰ,412Ⅰ)でよろしいのでしょうか。その結論に至る条文の根拠も教えていただきたくよろしくお願いいたします。
投稿 ポケット | 2007年5月12日 (土) 08時36分
A14
 手元に資料がないので正確ではないかもしれませんが、監査役は、独立の権限があるので、一人でも選任できたような気がします。

Q15
買収防衛策と決議要件についてですが、
まず、定款規定で「買収防衛策の総会決議」規定を盛り込まない建て付けが
会社法上果たして有効なのでしょうか? 先生方の中には、これでも有効だと仰る方がかなりいるようですね。私は、むしろ、そちらのほうが問題に感じます。
これがOKなのであれば、たとえば、会社側はとりあえず「普通決議」で行こうと思っていたけど、総会当日に議決権を数えたら、たまたま賛成が67%あったので、「賛成2/3をもって可決されました」、だから特別決議だろう、なんていい加減なやり方だって通ってしまうような気がします。
投稿 T/A | 2007年5月12日 (土) 12時11分
A15
 難しい問題ですね。決議要件まで事前に決めた方が望ましいでしょうが、それがないから、不公正さが増すとまではいえないかもしれませんね。結果的に、どの程度の株主が賛成したかという点が重要であるのも事実ですから。

Q16
株主総会の取締役選任議案に関して参考書類に記載が求められる、会社法施行規則74条3項の「候補者が当該株式会社の親会社・親会社の子会社(当該株式会社を除く。)の業務執行者であるときの、親会社・親会社の子会社における地位・担当」に関してですが、本規定が記載を求める“親会社の子会社の業務執行者状況”というのは、①「当該株式会社の兄弟会社での業務執行者状況」のみを指すのでしょうか? それとも、当該株式会社の子会社も親会社の子会社(親会社の孫会社)に該当するので、 ②「当該株式会社の子会社での業務執行者状況」も含むのでしょうか? 条文中、 「(当該株式会社および当該株式会社の子会社を除く。)」とせずに、 「(当該株式会社を除く)」としたことからすれば、②も含めて記載すべきか?と思っているのですが、いかかでしょうか。
A16
自社は含まれません。

Q17
有利発行の点ですが、仮に新株予約権の無償割当てが有利発行と評価されるとした場合、現在多くの企業で導入されている、
①株主総会で導入(事前警告)
②発動要件に合致すれば取締役会決議で新株予約権を無償割当て
というスキームは、原則として②の際に株主総会特別決議(法238条2項、1項)を欠いているため、②が違法になる(①において特別決議がなされており、かつその決議が②の発行の委任(法239条1項)であると解釈でき、かつ②の発行が①から1年以内の場合には例外的に適法になる)という理解でよろしいでしょうか。
投稿 paripasu | 2007年5月13日 (日) 20時17分
A17
 事前警告は、法的には意味があまりないので、普通決議でもいいのではないでしょうか。
 問題は、発動時にどうか、ということであり、現在企業が導入している買収防衛策でも、新株予約権の内容によっては、適法になる場合はあると思います。

Q18
財産引受の定義は、なぜ発起人が、主語になっているのでしょうか?
「財産引受とは、発起人が、会社のために、
成立後に財産を譲り受ける旨の約束をすることをいう(28条2号)。」
(新会社法100問、p124)

条文の文言を読む限りでは、
「会社が、」譲り受ける場面を想定しているように読めます。
が、新会社法100問でもそうですし、予備校のテキスト上でも、
「発起人が、」の表現で定義されております。 ご教授ください。
A18
 会社が譲り受ける場面ですが、設立中に契約が行われるので、会社の代表取締役が存在しません。ですから、発起人が、設立中の会社の代表者として、契約をするのです。

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コメント

早速に回答いただきありがとうございます。

>Q8
>創立総会において、定款変更をし、発行する株式の全てに譲渡制限の規定を
>設ける場合(会73条②)ですが、決議に反対した株式引受人に引き受けを取
>消す旨の規定が見つからないのですが、この場合には、取消す事ができない
>のでしょうか?
>投稿 こおさく | 2007年5月11日 (金) 12時04分
>A8
>できません。

できない理由が思い浮かばないのですが、何かヒントをいただけないでしょうか。創立総会である事がポイントのような気がするのですが。

投稿: こおさく | 2007年5月14日 (月) 09時49分

会社法52条2項を引用します。「前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(28条1号の財産を給付した者及び同条2号の財産の譲渡人を除く。第2号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の責任を負わない」。この引用した条文の括弧書きについてお尋ねします。
①括弧書きは、発起人だけの括弧書きで、設立時取締役には、括弧書きはな いという読み方でよろしいでしょうか。
②もしそうだとすると、発起人が財産引受けの譲渡人である場合は、常に不足額のてん補責任を負うのに、設立時取締役が財産引受けの譲渡人である場合は、そうならないことのアンバランスは、どう説明するのでしょうか。
以上、宜しくお願い致します。

投稿: ロゴス | 2007年5月14日 (月) 11時50分

葉玉先生、5/14のQ16に関しまして、長々と質問を書いてしまい、その意図が明確でなかったかもしれず、大変申し訳ございません。

整理いたしますと・・・
A社(自社)には、親会社B社と子会社C社があるとします。
つまり、“B社→A社(自社)→C社”という支配関係です。

会社法施行規則に基づき、取締役選任議案に関する総会参考書類に「自社A社の親会社・親会社の子会社(自社A社を除く。)での業務執行者状況を書け」という場合、親会社B社での業務執行者状況はもちろんですが、自社の子会社C社(親会社B社にとっても子会社(子A社の子))での業務執行者状況についても書く必要があるのでしょうか?

度々でおそれいりますが、ご教授いただきたくよろしくお願い致します。

投稿: 東京ジャーニー | 2007年5月14日 (月) 13時24分

葉玉先生、総会直前のお忙しい中、ご質問をお許し下さい。
会社法の下では、①無配、②資本部の計数変動なし、③圧縮積立金等の税法上の積立金の積立て又は取崩しはあり、という場合において、
③は、当期末のBSに反映させ、株主資本変動等計算書に記載して、取締役会の承認を得るというのが会計基準のようですから、株主総会に諮るべき剰余金の処分は無いものと思われます。
資料版商事法務を見てみると、剰余金処分の議案を出していない会社が、ごくわずかですが、あるようです。一方で、配当は見送る旨と剰余金の処分はない旨を記載して、剰余金処分の議案としている会社も見られます。
後者は、これを承認してもらう意味があるのか疑問ですが、配当減資がないのに否決されても困るだけだと思います。
そこで、会社法で要求されているのは、配当を行う、資本の部の計数を変動を行うというように、会社が積極的な提案をする場合に限られると考え、冒頭の事例では、株主総会には剰余金処分の議案の提出は不要と考えても問題はないでしょうか?
よろしくお願いいたします。

投稿: 実務者はつらいよ | 2007年5月14日 (月) 14時04分

買収防衛策の導入に関する株主総会決議に法的根拠を持たせるために、当該決議を株主決議にする旨の定款の一部変更を行い(当然ながらこれは株主総会の特別決議になりますが)、その定款規定に則って、大規模買付ルールを遵守しない買収者または企業価値を損なうような買収者に対しては特別委員会の勧告に従って取締役会の判断により新株予約権の無償割当をすることができる旨の事前警告型買収防衛策を、株主総会の普通決議により導入する会社が見受けられます。
このようにして導入された事前警告型買収防衛策の有効性については、どのようにお考えでしょうか。

投稿: 企業法務担当者 | 2007年5月15日 (火) 00時49分

葉玉先生(大杉先生)
いつも勉強させていただいてありがとうございます。
買収防衛策のテーマでお二方のご意見のやり取りを拝見し、より一層知識が深まる感じがします。ありがとうございます。
私も企業実務家として、一昨年来このテーマでは、著名な弁護士、東証の方々のご指導を受けましたが、最近思うところがあります。かなり長々となりますが、お二方のご指導を賜りたく、同じ内容を書き込ませていただくご無礼をご容赦ください。

買収防衛策の議論をする際に、もう一つ認識しておく必要があるように思っています。私自身、指針が出されたときに、「企業価値」という基準が提示され、「企業価値」を高める買収は良い買収であり、それを下げる買収は悪い買収と理解していました。しかし、その後の証券市場での様々な買収主体の主張を見ると、「企業価値」そのものの定義が様々あることを知りました。買収提案する側もされる側も、一様に「企業価値」という単語を使っていますが、そこには主体となる当事者の意識、気持ちが反映され「企業価値」が一義的に捉えられないような気がしま
す。
この「企業価値」の定義をかっちりしたものにすることで、買収防衛策の適法性もある程度明確になるように思います。
しかし、一方で、あまりにガチガチに規制するのはいかがなものかという考えもあると思います。特に「企業価値」≒「株主価値」という会社法理論から導かれる考え方と、「企業価値」≠「株主価値」、「企業価値」≒「ステークホルダー価値」といったどちらかというと経営実務的な考え方とがあり、そのどちらも正しそうである以上、明確にしておく必要はないという考えもありえると思います。
私自身企業経営者に近い、助言、補助的立場に居る者の場合、後者の方がすっきりします。特に法人諸説のどれに従おうとも企業の社会的存在、社会的責任は認めければならない以上、「企業価値」≒「ステークホルダー価値」という方が親和的です。そう考えると、投資家にはどの企業の株式を購入する権利もありますし、購入したどの企業の株主からのイグジットも用意されている証券市場ではあまり会社法理論に固執するよりも一般人(刑法理論上のではない)の感覚から捉える方がスムーズかなと思います。

以上、長文ご迷惑とは存じますが、ご寛容賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

投稿: 法務次長・課長 | 2007年5月15日 (火) 04時57分

葉玉師匠、コメントありがとうございます。

取締役会は、貯金ロボットの内部構造としての「駆動力配分ユニット」であり、(主として定款で)設定された会社の恒常性(事業活動の循環)の「方向を決定する」ために存在するし、だからこそ、各取締役は文字通り「ユニットとして一体」である。
そして、取締役会は、駆動力配分ユニットであると同時に、貯金ロボットについての「開いている主観」または「主観の窓」としても機能する。

だからこそ、恒常性の範囲内の取引で在っても、会社と取締役個人の利益が相反するものであれば、会社と相手との関係が直接的である場合だけではなく、会社と相手との関係が間接的であっても、取締役会の決議を求めて、取締役全員に責任を持たせる。
そして、会社の恒常性の核となる「事業の部類に属する取引」を、会社の恒常的活動を離れて行ってしまえば、当然に取締役会の決議が不可欠になるし、取締役全員に責任を持たせる・・・と理解しました。

自分のこれらの理解は、「少なくとも的を外しては居ないもの」でしょうか?
(以前よりましになったでしょうか・笑)
またコメントしていただけると、ありがたいです。

投稿: 至誠丸 | 2007年5月15日 (火) 17時38分

葉玉先生、本日は種類株式発行会社がある種類の株主に損害を及ぼすおそれのある単元株式の設定を行った場合の当該種類株主の保護について教えてください。
例えばA種・B種の株式を発行している会社が、A種は1単元=1株、B種は1単元=1000株と定款変更した場合(188条・466条)、B種類株主総会の決議は必要でしょうか?
必要だとすれば条文上の根拠は322条1項1号ロの「株式の内容の変更」に単元株式の設定が該当するからでしょうか?不要だとするとB種株主の保護はどのように図られるのでしょうか?
以上の点宜しくお願いいたします。
(条文の見落とし、前提知識に誤解があれば申し訳ありません)

投稿: NK | 2007年5月15日 (火) 22時17分

2点ご教示ください。

①組織再編で事前開示書類として要求されている「計算書類『等』」の内訳は,会社法施行規則第2条の定義規定にいう「計算書類等」,すなわち事業報告+貸借対照表+損益計算書+株主資本等変動計算書+個別注記表+監査報告書(会計監査人,監査役会)を指すと考えてよいのでしょうか。

②会社法施行規則第63条で,招集通知に記載する議案の概要について,「議案が確定していない場合にあっては、その旨」との定めがありますが,これは招集通知に,議題(目的事項)と併せて,「議案は未確定」と書くことでよいのでしょうか。(例えば,--決議事項 「取締役選任の件」(議案は未確定)--など?)

よろしくご指導願います。

投稿: akiko | 2007年5月16日 (水) 00時13分

大会社の適用時期について質問させてください。
 会社法マスター115講座P14によると
 最終事業年度の末日時点で大会社の要件に該当していれば当該事業年度に係る定時株主総会の終結の時から大会社となることとなり(パターンA)、その逆の場合には、当該定時株主総会の終結の時から大会社ではなくなるということになる。(パターンB)  ということですよね。
 ここから理解すると大会社への以降時期は 定時総会で貸借対照表につき承認決議をした時ではなく 定時総会終結の時だということですよね。
 
 そうだとすると以下のような事例は決議の効力が認められないということになるのでしょうか?

●事例 
 
  事業年度は毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期と する。
  定時総会は事業年度の末日の翌日から3ヶ月以内に開  催するものとする。
  平成18年9月1日に資本金は6億円に変更した。
 しかし 平成19年2月1日に資本金は4億5000万円に変更し た。
 このとき 平成19年6月26日の定時総会で 第1号議案とし  て貸借対照表につき承認決議をした。
 その後、第5号議案で会計監査人設置会社の定めを廃止   した。
 定時総会は終結した。
  なお、各決議には期限条件は付されていない。

上記の大会社への以降時期への理解をあてはめると、第5号議案の承認時では まだ定時総会は終結していないので今だ大会社であり会計監査人設置会社の定めは廃止できない。
 よって 第5号議案は条件(定時株主総会の終結にあわせる)をつけない限り 決議の効力は認められない?ということになりませんか?
 

投稿: maru | 2007年5月16日 (水) 02時31分

葉玉先生。上記maruさんと同様,会社法マスター115講が出た時から大会社の移行時期は気になっておりました。「会社法施行前後の法律問題」(商事法務)87pでは,(参考-1)会社法上の大会社の規定の適用として「・・最終事業年度に係る貸借対照表が確定すれば,当該貸借対照表上の資本金の額は5億円以上となるため,その時点から,会社法上の大会社として,監査役会および会計監査人を置かなければならないこととなる。」旨の記述があり、115講と抵触するように思えます。115講の14pの「定時総会終結の時から」は,どの条文のどの文言の解釈として導かれるかを御教授頂きたいと思います。

投稿: 猫太郎 | 2007年5月16日 (水) 09時53分

6問 債権者保護が必要なので、不可能ですね・・

弁護士会・税理士会・管理組合法人に関して、破産による解散の場合を除いて理事等が清算人になる。と改正されます。
破産で解散することに変更されるのか・・
☆現行は単に準用ですが、弁護士会は会長だけが、税理士会は会長・副会長全員が法定清算人となる意味は・・
労働組合法人は、そのような変更はありません・・

財団法人は、理事・評議員の決議で解散できるというのは、事実たる慣習なんだ。だから寄付行為でさだめた事由として登記できないといいますから・・

投稿: みうら | 2007年5月16日 (水) 20時26分

葉玉先生、こんにちは。
前回のQ18、財産引受の定義について、
コメントありがとうございました。
以下、別の質問になりますが、よろしくお願いします。

委員会設置会社の取締役は、支配人、使用人の兼任が禁止され
(331条3項)、さらに、監査委員となる場合には、その子会社も含めて
執行役、業務執行取締役等の兼任が禁止されています(400条4項)。

これは、監査役の兼任禁止の規定(335条2項)を意識しているものと
思うのですが、監査委員の場合には、子会社の業務執行取締役ではない、
普通の取締役の兼任が認められているのはなぜでしょうか?

投稿: あしぼん | 2007年5月16日 (水) 23時00分

はじめまして。

最近になってこのブログを拝見させていただくようになりました。

私は会計士受験生なのですが、答案の作成の方法で少し疑問があるので質問させてください。場違いな質問でしたら申し訳ありません。

「○○と●●について××の点で比較をしなさい」

という、問題が出たとします。
その場合、○○と●●の本質的な共通点をまず書くように、予備校では指導を受けるのですが、私は××の点に焦点を絞って、共通点と相違点を書いてしまいます。

やはり比較の問題でしたら、本質的な共通点相違点をしっかり書かないと、採点される試験委員から良い評価はもらえないのでしょうか?

また、本質的共通点を書くとして、ある講師は「その本質的なところを重点的に書かないと、『分かってないな』と判断される」といい、またある講師は「本質的なところはさらりと書けばよい」といいます。

どちらが採点者の印象がよいのでしょうか?

もちろん、問題によりけりなのかもしれませんが。。。

投稿: 初心者 | 2007年5月17日 (木) 22時27分

非公開会社で種類株式発行会社ではない会社の話です。
株主をAグループとBグループに分けて、Bグループの株主が有している株式のみを全部取得条項付にするということは、可能なのでしょうか?
「株主全員の同意があれば可能」という見解を聞いたことがありました。
(既存の一種の株式の一部を別の種類の株式に変更する、ということなどできるのでしょうか。。。)
*例えば下記のような定め方です。
以下の株主が保有する普通株式を全部取得条項付種類株式へ変更する
株主B1 ●●株
株主B2 ●●株

投稿: BQP | 2007年5月17日 (木) 23時28分

葉玉先生、簡易組織再編について教えていただけませんでしょうか。
千問939に、会社法796条3の簡易再編の要件を満たすとしても、吸収型再編の存続会社において差損が生じる場合には、株主総会決議が必要と記載があります。
例えば、債務超過の100%子会社を合併する前に、親会社が増資をして債務超過を解消したとします。この場合に、たとえ債務超過でなくなったとしても、子会社株式の簿価>子会社簿価純資産となるため、やはり株主総会決議が必要となるのでしょうか。

投稿: マイ | 2007年5月18日 (金) 10時20分

葉玉先生
教えていただけますでしょうか。
会社法343条1項の監査役による監査役選任の議案の同意に関して、監査役が1名で、その監査役自身が株主総会で辞任し、同じ総会で次の監査役が1名選任される場合、これまでの監査役に次の監査役選任の議案を同意してもらう必要はありますでしょうか。
また同様に、344条1項1号の会計監査人選任の議案を提出する場合、その総会で辞任する監査役に同意を得る必要がありますでしょうか。

さらにそもそも議案の提出というのはいつの時点をいうのでしょうか。株主総会の召集通知(議案が書いてある)を出す時点か、総会を開始した時点か、いつをいうのでしょうか。
お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

投稿: ねこねこ法務っちゃん | 2007年5月18日 (金) 15時06分

お忙しいところ恐縮ですが、2点、ご教示ください。

1.新株予約権が行使された際に新株予約権者に対して新株を発行して交付するのか、それとも自己株を交付するのかを新株予約権発行時に決めていない場合、実際の新株予約権の行使にあたって、いかなる機関が新株発行と自己株交付のどちら(またはその両方)にするかを決めることになるのでしょうか。取締役会決議が必要ですか、それとも、代表取締役限りで決定することができますか。
また、新株予約権者は、新株予約権を行使した日に、新株予約権の目的である株式の株主となる(282条)とされていることとの関係で、当該決定は、新株予約権が行使された日の当日に行う必要があるのでしょうか。

2.いわゆる人的分割として「剰余金の配当」を行う場合の会社法445条4項(準備金の計上)の適用の有無の件、どうなりましたでしょうか(以前どなたかが質問された際、回答を保留されていたように記憶しています。)。

投稿: 休日出勤者 | 2007年5月19日 (土) 15時55分

いまさらですが、発起人の設立手続の決定方法について、お尋ねしたいと思います。

 発起設立の場合、設立時役員の選任について、会社法40条1項において、
「発起人の議決権の過半数をもって決定する」とあります。
 これは、役員は株主が決定するので、発起設立では、発起人が株主の全員であるゆえに、株主としてその選任を行っているゆえに、「議決権の過半数」で決定する、と認識しています。
 
 一方、設立中の会社に関する決定(本店の所在場所、支配人の選任等)は、「発起人組合」として決定するために、その決定は、「発起人の(頭数の)過半数」で決定すると認識しています。
確か、旧法下もこのような取扱いであったと思います。

「会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて」(平成18年3月31日民商第782号通達)には、以下のような記述があります。
『(9)設立時取締役及び発起人の権限の見直し
 設立時の会社における業務執行の決定は、原則として発起人が行うとされ、定款に別段の定めがない場合には、設立時取締役は、設立時代表取締役又は設立時委員の選定その他会社法に規定のある事項に限り、業務執行の決定を行うとされた。
 したがって、会社の成立前は、定款記載の最小行政区画内における本店の所在場所の決定、支店所在場所の決定、支配人の選任、株主名簿管理人の決定等は、定款に別段の定めがない限り、発起人の議決権の過半数によることとなる。』

 この記述の「発起人の『議決権の』過半数」という部分が疑問です。
会社法になって、この部分の決定方法が変わったということも読み取れません。

 「論点解説新・会社法 千問の道標」のQ16をみても、民法670条に従い、「発起人の過半数」で決定するとあり、それはやはり「発起人の頭数の過半数」と解するのが普通であると認識しているし、確信もしています。
 しかし、発起人の議決権で数えると過半数以下だが、頭数では過半数の一致がある発起人会の議決がある場合に困ります。 

 千問Q16の「発起人の過半数」というのは、「発起人の頭数の過半数」と解してよいのでしょうか?
 よろしくお願いいたします。

投稿: シュートエレファント | 2007年5月19日 (土) 16時49分

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