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2007年4月18日 (水)

「ありがとう」と言われる仕事

 はっと気がつくと、前回の記事から1週間も経っていて、愕然としました。
 ようやく昨日、官舎の引渡しが終わり、引っ越し手続きも山を越えたので、これからは、もう少し頻度をあげて、書きますね。

 今日は、某証券会社の法務部の方と、巷で話題の全日空インターコンチネンタルで、パワーディナーをしました。差し迫る総会の準備のための質問にお答えした場面もあったものの、パワーをつけるために飲んだ紹興酒が効き過ぎて、会社法以外の話題で大いに盛り上がってしまいました。
 脳の血液が紹興酒色になっているため、本日は、頂いた質問のうち、複雑そうな問題や、ちょっと仲間内で確認しなければならないような問題は、全部、後日に回しています。

 それにしても、全日空インターコンチネンタルは、改装により、ぐっとシックな大人の空間になりましたね。リッツカールトンやペニンシュラ等と競争していくために、頑張っているのでしょう。
 常に変わり続け、時代に即応していかなければ、廃れてしまうのは、サービス産業の宿命。継続的な設備投資とソフト面の改革は欠かせません。

 他方、新規参入のリッツカールトンが絶対的に有利かといえば、そういうわけでもありません。先日、家族と3日ほど泊まったのですが、開店してまもないためか、サービスのあちらこちらで不備が目立ちました。
 沢山の従業員が、自分の持ち場をしっかり守りつつ、他の従業員とスムーズに連携を取り合うことで、はじめて顧客満足度の高いサービスが生まれます。
 そのためには、ある程度の時間と経験が必要不可欠です。

 かといって、高い代金を払っているお客様に「経験不足ですから、我慢してください」とは言えないわけで、ミスをすれば、お客様から、容赦なく、責められ、場合によっては、信用を失うことにもなりかねません。

 私も、リッツカールトンとほぼ同時期に開業したので、経験不足は否めないのですが、弁護士が失敗すれば、クライアントが深く傷つくため、失敗は決して許されません。
 新米であるとか、不慣れであるとか、言い訳にならず、常に、プロフェッショナルとしての人並み以上の結果を求められる。
 だからこそ、弁護士は、どんな新米でも「先生」と呼ばれるのでしょう。

 その代わり、「先生」の仕事は
  「ありがとう」と言われる仕事
でもあります。

 私が、マクドナルドでお金を払って、コーヒーを頼めば、店員さんが
  「ありがとうございます」
と言います。
 売買契約は、双務契約なので、法的には、売主と買主に主従関係はないのですが、世間的には
  お金を貰う人がお礼を言う
というのが通り相場です。

 ところが、弁護士・司法書士・税理士・行政書士・医師・教師など「先生」と呼ばれる職業は
  お金を払う人
が「ありがとうございます」と言ってくれます。
 お客様から「感謝」を頂ける仕事って、素晴らしいと思いませんか?

 どんなに高給をもらおうとも、人に憎まれてしまうような仕事は、かなりつらい。
 「お金のために、割り切るぞ」と自分に言い聞かせても、ストレスはたまる一方です。

 逆に、 自分のがんばりが、お客様からの感謝の言葉としてかえってくる仕事は、充実した時間をもたらしてくれます。
 自分が全力を尽くして、仕事をすれば、その仕事に、涙を流して喜んでくれる人がいる。
 先生業の一番の魅力は、そこにあるのではないのでしょうか。
 きっと人間がにとって、「自分が他の人の役に立っている」という実感が大切なのです。

 受験生の皆さんは、今頃、試験勉強が佳境にさしかかっているでしょう。

 皆さんが「先生業」を目指す理由は様々でしょうが、それがなんであれ、皆さんが合格さえすれば
   お客様から「ありがとう」と言われる素敵な仕事
ができるのです。

 視野が狭くなりがちな時期ではあるものの、勉強の合間に、自分が目指している職業のすばらしさを見つめ直してみてください。
 きっと気力と集中力がグーンとあがるはずです。

(質問コーナー)
Q1
4月7日の質問コーナー(Q4)で、事業報告の内容とするものとして、施行規則126条の「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」(4号)について回答を拝見しました。これに似た質問となりますが、施行規則127条の「株式会社の支配に関する基本方針」についてご教示いただけないでしょうか。

『基本方針を定めている場合には・・・』とあります。この場合、①事業報告作成時に基本方針があれば内容とする(『会計監査人の解任・・・』の場合と同じ) ②事業年度内に基本方針を作成した場合に事業報告の内容とする  のどちらとなるのでしょうか
投稿 ますお | 2007年4月11日 (水) 10時50分
A1
①です。

Q2
補欠監査役の選任の効力についてご教授ください。
定款で補欠監査役選任の効力を4年とし、昨年の定時総会で○○氏の補欠として、△△氏を補欠監査役として選任いたしました。監査役○○氏は本年の定時総会で任期満了となりますが、再任される予定です。
この場合、監査役○○氏の任期は一旦満了となりますので、補欠監査役△△氏の選任の効力も失われることになるのでしょうか?
それとも、監査役○○氏は再選される予定ですので、補欠監査役△△氏の選任の効力は、あと3年間あると考えてよろしいのでしょうか?
投稿 法務課員 | 2007年4月11日 (水) 13時54分
A2
 補欠の会社役員の選任に係る決議が効力を有する期間は、定款に別段の定めがある場合を除き、当該決議後最初に開催する定時株主総会の開始の時までです。

Q3
Q10の「その他種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合」についての疑問ですが。千問の道標Q140を読むと、「322条1項各号に掲げる行為(→本件は合併)をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき」と説明されています。つまり、322条は会社の行為によって損害を蒙る株主と蒙らない株主の両方がいる場合ですね。
 そこで、債務超過会社の合併による損害が、配当財源が減るからだという理由だとしたら、その損害は、優先配当株主だけが蒙る損害ではないので(株主全員が蒙る損害だから)、322条には該当せず、従って、「種類株主総会の決議は不要」ということにならないでしょうか。
 例えば、千問Q141のように、累積型を非累積型に変更するような場合は、配当優先株主のみが損害を蒙りますので、「種類株主の権利を守るために決議が必要」ということになりますが…。
 その意味では、合併に関して配当優先株主の決議が必要になる場面は、「(類似品)存続会社が吸収合併等の対価として譲渡制限株式を交付するとき」等のように、その種類株主だけが損害を蒙る場合しかないのではないでしょうか。
 それとも、「優先株主は配当を得ることが第一目的であるから、他の種類株主と損害の蒙り度が全く違う」というような、損害の程度や頻度を理由に、当該種類株主の決議が必要だという主張も可能なのでしょうか?
投稿 江崎一恵 | 2007年4月11日 (水) 16時19分
A3
配当財源が減っても、優先株主分の財源は十分にあるような場合には、普通株主だけが損害を受けます。
場合によっては、優先株主も、普通株主も、損害を受けるものの、優先株主は、配当が5%減るだけだが、普通株主は0円になるというように、損害の程度が異なる場合もあるでしょう。
ですから、種類ごとに利害関係が異なる以上、種類株主総会は必要でしょう。

Q4
従業員持株会に加入している社員が(退職、役員就任等により)退会する場合、その「持分」を持株会に譲渡したり、自己の名義に書き換えたりする必要が生じる場合があります。
この後者の自己名義に書き換える場合の話なのですが、この場合も139条①の株主総会(取締役会)の承認が必要となるのでしょうか?
136条の方は「譲り渡そうとするときは」となっているのに対して、137条①は「取得した取得者は」となっているので、この137条①の方で必要になるのでは?と考えています。
よろしくお願いします。                                                   
投稿 ネットくん | 2007年4月11日 (水) 17時23分
A4
問題意識がいまいち分かりませんが、会社が自己株式を取得しようとするときは、譲渡承認は不要です。

Q5                                                                           
本日は、清算人の登記の申請書に定款の添付を義務付けている商業登記法73条1項につきご教授ください。
ある書籍にはこの場合に定款の添付を義務付けているのは、「清算人会設置会社である旨の定款規定をチェックするため」と記されているのですが、むしろ、「清算株式会社になることは、特例有限会社から株式会社への移行(整備法46条)や組織変更(920条)と同じように解散・設立の登記を義務付けるのがふさわしいくらいの会社の性質の変更だから、設立の登記に必ず必要な定款の添付を義務付けている」という理由付けがしっくりくるのですが、このような理解で間違いないでしょうか?
というのも、清算人会の設置は定款の相対的記載事項であり(477条2項)、定款変更は原則として株主総会しかできない(466条)から、商業登記法46条2項により株主総会議事録を添付すれば定款を添付せずとも通常定款変更の登記は可能です。なぜ清算人会の場合、議事録だけでは足りないのか、上記の理由付けだけでは足りないと思うからです。
投稿 NK | 2007年4月12日 (木) 01時43分
A5
商業登記法は、答えると怒られるので勘弁してください。

Q6
監査法人について質問があります。
会社法、公認会計士法を見ても、会社の会計監査人の資格要件として
「業務を行っている」という点がありません。そこで、
1.現在、一時会計監査人を選任している会社で、8月1日から業務を開始する
監査法人(設立登記済)を6月28日の株主総会で会計監査人に選任する
ことは可能でしょうか?
2.可能だとして、それは始期付条件決議になるのでしょうか?
3.その場合、現在の一時会計監査人の終期は総会終結時でしょうか?
  それとも条件成就日でしょうか?
4.その際の登記は、総会終了後直ちに?または、条件成就後直ちに?
  どちらになるのでしょうか?
業務を開始していない監査法人を会計監査人に選任できるか、という点を
実務に落としたとき、以上がわかりません。
投稿 法務次長・課長 | 2007年4月12日 (木) 06時10分
A6
 1 可能だと思います。
 2 選任決議の効力発生日を8月1日にしたもののように思います。
 3 会計監査人が欠けている間は、一時会計監査人に権限があります。
 4 選任決議の効力が生じた日でしょう。

Q7
212条2項に相当する規定は 設立時にも存在しますか?
 存在しないとしたらその理由を教えてください。
投稿 maru | 2007年4月12日 (木) 18時21分
A7
ないです。
現物出資は、発起人しかできず、しかも、発起人が全員で同意した定款に基づくものですから。

Q8
吸収分割契約において、吸収分割と同時に剰余金の配当または全部取得条項付種類株式の取得を行う旨定めておけば(758条8号)、剰余金の配当や全部取得条項付種類株式の取得に際しての対価の交付の限度額に関する規制に付する規定が適用されません。(792条)これは何故ですか?
投稿 maru | 2007年4月12日 (木) 18時22分
A8
人的分割です。

Q9
会社法施行規則第127条の「株式会社の支配に関する基本方針」について
当該方針を当該事業年度(当社は3月決算期ですので、平成18年4月1日~
平成19年3月31日)末までに定めず、次期の4月1日から事業報告作成までの間の取締役会で決議した場合、「株式会社の支配に関する基本方針」として記載するのか、後発事象として「その他企業集団の現況に関する重要な事項」として記載するのかご教授頂きたいのです。
事業報告の記載事項はすべて、当該事業年度に係るものを対象とし、平成19年4月1日から事業報告作成までのものに関しては後発事象として記載すると認識していたのですが、以前このブログで事業報告に記載する「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」、「内部統制システムの構築の基本方針」について、事業報告作成時を基準として記載する旨の回答がされています。
「株式会社の支配に関する基本方針」についても同様に考えて宜しいのでしょうか?
事業報告の内容を定めた会社法施行規則第118条~第127条のなかに「当該事業年度に係る」という文言が入っている条文といない条文がありますが、これとなにか関係があるのでしょうか?
投稿 株主総会担当 | 2007年4月13日 (金) 08時54分
A9
記載します。
事業報告は、必ずしも事業年度に係ることばかりではありません。

Q10
小会社で、非公開会社で、一名だけいる監査役が会計監査限定監査役の場合です。既に監査報告書は作成済みで、当該監査役が定時総会に病気欠席したときに、株主の質問権を害さず、監査報告は書面で提出されて、他の取締役が代読(又は監査報告を書面により報告)をした時は、総会がこの書面を承認すれば、決議は有効で、定時総会は違法ではない、との趣旨の記載が旧商法時代の書籍(実務相談株式会社法)にございましたが、会社法でも、同様に考えて良いでしょうか。
投稿 はりこのとら | 2007年4月13日 (金) 21時16分
A10
同じでしょう。

Q11
相続人等に対する株式の売渡請求について質問させてください。
定款に相続人等に対する株式の売渡請求の規定を入れている例を多く見受けますが、実行するには株主総会の決議が必要で、当該株式は議決権がないところまでは理解できました。
全ての株式に譲渡制限をつけた株主1人の会社で、その株主が死亡すると取締役としては売渡請求をしたいのですが、全ての株式が売渡請求対象で議決権がないので、株主総会決議ができない、よって請求できないということになるのでしょうか。
投稿 みゃあ | 2007年4月13日 (金) 21時33分
A11
175条2項ただし書の適用により、議決権を行使できると思います。

Q12
131頁のComprehension Test 169で,「会社の本店事務所とするためのビルの一室を賃借する行為は,発起人の権限の範囲内か。――当該行為は『賃借』であって『取得』ではないため,財産引受行為(28条2号)以外の開業準備行為となり,定款の記載の有無を問わず,発起人の権限の範囲外となる。」とあります。
これは,賃借行為は,一切28条2号によって有効となる余地がないという意味だと思うのですが,昨今よく行われるリース契約のようなものでも,28条2号によって有効となる余地がないということでしょうか。
また,相手方がどうしても売るのを嫌がっていて,賃貸ならOKという場合,それでも28条2号によって,有効となる余地はないのでしょうか。
投稿 mel | 2007年4月14日 (土) 12時51分
A12
賃貸は、駄目でしょう。私は、財産引受は、あまり合理的な規制とは思いませんが、現行法では仕方ありません。
どうしてもということならば、設立後に賃貸すればよいと思います。

Q13
 事業報告に記載する内部統制について質問があります。
 先生は、会計監査人の解任又は不再任の決定の方針について、事業報告作成時のものを記載すると4/7に回答されております。同様に内部統制についても、3月決算会社が事業報告に記載する場合、翌月4月の取締役会で変更した内容を当該事業報告に盛り込むことは可能でしょうか?
投稿 パルフィー | 2007年4月14日 (土) 13時46分
A13
可能です。

Q14
会社計算規則第74条1項2号の創立費についての質問なのですが、創立費について一定の用件を満たすときには新たに資本金または資本準備金から控除できるとありますが、その用件とはどのような物なのでしょうか?
投稿 tiyo | 2007年4月14日 (土) 18時31分
A14
現状では、できません。

Q15
補欠監査役の選任に関して教えてください。
監査役会設置会社で、社外監査役A、社外監査役B、(社内)監査役Cがいます。次回の定時総会で補欠監査役Dを選任する予定です。補欠監査役Dを選任する際に、会社法施行規則96条2項3号で社外監査役の補欠として選任するとともに、株主総会参考書類の中に、「なお、補欠社外監査役Dは(社内)監査役Cの補欠として就任する場合でも、社外監査役として就任します。」と記載して選任すれば、選任後、実際に(社内)監査役Cの補欠として就任する際に社外監査役として就任できますでしょうか?(社外監査役として登記できますでしょうか?)
投稿 竹の子 | 2007年4月15日 (日) 15時07分
A15
社外監査役というのは、客観的な属性であって、Dが監査役に就任すれば、必ず社外監査役になります。

Q16
「会社法マスター115講座」では、会社法の条文は、どの程度、網羅されておりますでしょうか?
そこで、条文索引を出版社のホームページにPDFでアップしていただくことは可能でしょうか?
投稿 玉屋 | 2007年4月16日 (月) 01時31分
A16
ちょっと把握していません。条文索引は、作るのが大変ですので勘弁してください。

Q17
「A:会計監査権限限定監査役を任期満了退任させて業務監査権限監査役を選任する総会」と「B:426条に基づく責任免除の定款規定を設けるための総会」を同一にすることは可能でしょうか?
気にしているのは、当該Bの議案を総会に提出するには426条第2項により425条第3項の規定を準用しているという点です。425条第3項の冒頭、「監査役設置会社(中略)においては・・・」という表現を426条第2項においても素直に適用し、議案提出時既に業務監査権限監査役設置会社においては同意が必要であるが、言い換えれば、会計監査権限限定監査役しかまだ置いていない場合には、監査役の同意は不要と読むこともできると思います。この読み方でOKということであれば、上記Aの議案とBの議案は同一総会で決議することが可能ですが、これがNGとなると最初にAの議案の総会を終え業務監査権限監査役を置いた後に、Bの総会について同監査役の同意を得て議案を提出し決議をするという2回の総会が必要な事態が生じます。
ABは同一総会にて決議可能でしょうか?
投稿 ヤサオトコ | 2007年4月16日 (月) 19時28分
A17
同一総会では、難しいですね。

Q18
新・会社法100問(第2版)の、p317の"634"について、質問があります。
「執行役が、会社法の業務の執行に関し・・・」とありますが、正しくは、「執行役が、会社の業務の執行に関し・・・」ではないかと思うのです。
葉玉さんならば、「会社法の業務執行」でも正しいのかもしれませんが(笑)
ご確認の上、コメントいただけるとありがたいです。
投稿 至誠丸 | 2007年4月17日 (火) 16時55分
A18
すいません。そうですね。

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コメント

お忙しいところ失礼します。法律用語についての質問です。

公開会社である小規模会社(大会社以外の会社)が設置を義務付けられる
機関(株主総会、取締役以外)との説明として、『新・会社法100問』では取締役会+{監査役or(委員会+会計監査人)}とされていますが、これを「又は」「若しくは」「及び」「並びに」等の法律用語を使って表すと、どのようになるのでしょうか?

会社法328条1項の「大会社(公開会社でないもの及び委員会設置会社を除く)は、 監査役会及び会計監査人を置かなければならない。」 という規定については、「公開会社である大会社は、監査役会<又は>委員会<並びに>会計監査人を置かなければならない」(『新・会社法100問』264頁)という表現で言い換えられていたので、ちょっと気になりました。

投稿: 苦楽受験生 | 2007年4月18日 (水) 05時26分

連続で非常に恐縮です。競業取引・利益相反取引について、『新・会社法100問』及び『千問の道標』では、ともに名義説にたっておられます。その理由として、両者とも計算説をとる実益がなく、また、利益相反取引においては、直接取引と間接取引の区別が不明確になるからだと説明されています。

しかし、競業取引においては、第三者名義の取引であっても、会社に利益が帰属する場合(「第三者」が会社の完全子会社の場合)には、356条1項1号の対象にはならないと解されているようですし、この説明には、計算説の方が適しているのではないでしょうか?

また、利益相反取引については、428条で、「自己のためにした取引」についての特則が設けられていますが、この規定の適用をめぐって計算説をとる実益があると思いますし、実質的に考えても、自己の名義でした取引ではなく、自己の計算でした取引について、同条の特則規定を適用すべきようにも思えます。

もっとも、「ために」と「計算において」を区別して用いている、計算説をとると利益相反取引における直接取引と間接取引の区別が困難となる、というご指摘は容易に反証することが難しいため、実際に計算説を採用することは困難だと思うのですが、上記2点についてのお考えをお聞かせいただけると幸いです。

よろしくお願いします。

投稿: 苦楽受験生 | 2007年4月18日 (水) 05時38分

すでに既出かもしれませんが、100問・第2版184頁のComprehension Test 281の判例引用が、「最判昭和33年10月24日・百選5」となっていますが、この文脈からすると、引用判例は最判昭和33年10月24日民集12巻14号3228頁・百選5ではなく、最判昭和33年10月24日民集12巻14号3194頁ではないか、と思いましたが、それでよかったでしょうか?

前者の判決は、発起人の開業準備行為に関する判例で、株券発行前の株式譲渡に関連しそうな箇所は発見することができず、同欄内のもう一つの判例(株券発行前の株式譲渡に関する最大判昭和47年11月8日・百選14)をみてみると、そこで一部変更判例として後者の判決が挙げられていましたので、言わんとするところは、後者の判決に示されていることだと思われます。

投稿: 通りすがり | 2007年4月18日 (水) 11時15分

昨日(4月18日)のQA4の件なのですが、

問題意識がいまいち分かりませんが、会社が自己株式を取得しようとするときは、譲渡承認は不要です。

私が質問に書いた「この後者の自己名義に書き換える場合・・」の「自己」と言うのは、従業員持株会の退会者が自己(自分)の名義に書き換えるときの話です。
つまり、持株会の自分の持分を、自分の名義に書き換えるだけのときも、取締役会の承認が必要でしょうか?と言う質問だったのです。
分かり難い言い回しですみませんが、再度ご教授いただけたらと思います。よろしくお願いします。

投稿: ネットくん | 2007年4月18日 (水) 12時59分

お忙しいところ、失礼いたします。今更で恐縮ですが、会社計算規則136条3号で、株主資本等変動計算書の注記として、この3月末日を基準日とする配当の総額の記載が求められています。配当金については、剰余金の処分として株主総会の議案になるので、計算書類の承認とは別に総会の議案として取締役会で審議するものというイメージがあり、総会の議事の審議をする前に、計算書類の承認のところで、実際は配当金が決まってしまうというのは、どうもしっくりしません。会社計算規則で、当期の配当額を注記で記載させるというのは、どういう趣旨からのものでしょうか?ご教示いただけますと幸いです。

投稿: southalps | 2007年4月18日 (水) 19時40分

はじめまして。

旧司法試験受験生ですが,現在択一前の最後の足掻きとして,会社法100問を読み進めております。初版を使って一度最後まで読み通したはずなのに,まだまだ新しい発見の連続です。繰り返し復習していきたいと思います。

さて,本日は,株主名簿についてお伺いします。

株主名簿上の名義書換の効果として,免責力が認められるということが,旧商法では言われてきていたと思います。すなわち,会社は,株主名簿上の名義人に権利行使を認めれば,たとえその者が実質上無権利であっても原則として(論者によっては悪意・重過失なき限り)免責される,と。
この免責力は,株券不発行会社においても認められるのでしょうか?

株券発行会社の場合は,株券の占有に,手形所持人と同じく(法律上の)権利推定的効力が認められているため,手形法40条3項を類推して免責力を認めることが可能かと思いますが,当事者双方の意思表示によって名義書換請求を認める株券不発行会社の場合には,株券の占有のような(法律上の)権利推定的効力に基づく名義書換ではないため,明文で設けられている126条1項の場合を除いては,免責的効力を認めることは困難なように思われます。

また,江頭憲治郎『株式会社法』198頁には,「株券発行会社以外で振替株式でない株式の株主名簿の場合には,権利推定の効力があるものに基づき名義書換がなされたものではないので,真の株主が誰かに関する免責的効力はない。」と書かれています。

100問のNo.34では,株券不発行会社の場合に,名義書換の資格授与的効力及び免責的効力を認めておられますが,条文至上主義で考えると,上述の理由から,手形法40条3項の類推適用(善意・無重過失による免責)を認めるのは困難ではないでしょうか。もちろん,事実上の推定力は認めうると思いますので,民法478条の善意・無過失を認める重大な一要素とはなりうると思います。

ご教示の程,よろしくお願い致します。


追伸 

問題後のQ&A,とっても便利です。これだけでも(笑),第2版を買い直した甲斐がありました。

投稿: ちゃる | 2007年4月18日 (水) 19時45分

権利株に関する規定、35条と50条2項の内容の違いがわかりません。同じ内容に思えるのですが。
もし同じ内容であるならば、同じ内容の規定がおかれた理由を教えてください。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

投稿: ブルー | 2007年4月18日 (水) 21時40分

ご回答ありがとうございました。

投稿: ヤサオトコ | 2007年4月18日 (水) 22時40分

先生と呼ばれる仕事に公認会計士が入っていないのがミソですね。

監査法人にお礼を言ったことはほぼ皆無です。制度上、やむを得ないことではあるものの、監査法人・公認会計士は時に敵であることがある。その敵に報酬を支払うというのはやはり嫌なものです。一般に会計士が働けばはたらくほど、クライアントは迷惑に感じるものです。

とはいえ、会計監査の重要性は認識しています。誤謬は発見して欲しいし、安心でもある。ステークホルダーのためにもなっているとは思う。

監査法人は自らの既得権を守るため、効率的な監査を行うインセンティブが足りません。監査法人はX非効率に陥っています。ぜひ、上場会社の会計監査は金融庁が行って欲しい。金融庁が上場会社に上場税を課し、業務を民間の監査法人に委託してもよい。現行の会計監査制度には極めて不満です。

投稿: 経理部長 | 2007年4月19日 (木) 01時31分

わたしは会計士なんですが、かつて監査法人にいた頃、たまに「先生」と呼ばれると、何か違和感がありました。理由は「ありがとう」とクライアントから言われることがないからですね。私自身は、クライアントから「ありがとう」と言われる仕事がしたくて、監査法人を辞めたんですが、今は一般事業会社の管理部門にいます。クライアントから「ありがとう」と言われる機会はないんですが、フロントで働く人から「ありがとう」と言われると、やはりうれしいですね。

さて、社外監査役の社外性について、ご教授ください。
新たに監査役を選任するに当たり、定時株主総会での選任前(1~2ヶ月程度)から、「監査役付顧問」として会社に来てもらった場合、社外監査役の要件は満たさなくなってしまうのでしょうか。業務的には、総会での選任後、スムーズに監査役としての業務を行ってもらうための準備をしてもらうので、実質的には社外性に問題はない気がするのですが、形式的にはアウトなのかな、という気もしています。

投稿: TAKLAW | 2007年4月19日 (木) 10時14分

先日は、ご回答下さりありがとうございました。

今回お伺いしたいのは、会社法23条1項2項中の用語、広告の意味についてです。ここでの「広告」とは「公告」とどのような違いがあるのでしょうか。
ご教示のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。

投稿: 茶坊 | 2007年4月19日 (木) 11時01分

100問63,68-2の問題で,取締役に貸与した金銭の未返済,投資資金の持ち逃げについて,株主が429条1項に基づいて役員等に損害賠償の責任ができるか,という点を,詳細に論述しておられます。

429条の検討自体は必須かな,と思うのですが,果たしてこのような場合に,現実に429条に基づく責任を追及することがあるのでしょうか?

まず,非公開会社の場合は,まず損害額の立証が極めて困難かと思われます。例えば会社が3000万円損失を被ったとして,その3000万円÷株式数を,株主の損害と推定するという主張が果たして認められるのでしょうか?

また,公開会社の場合は,株価の下落分が「損害」と主張することも可能かと思われますが,株価は複合的要因に基づいて決定されるものですので,そのうちのどの範囲が,役員等の任務懈怠と相当因果関係ある損害になるのかの立証は,極めて困難なように思われます。

両問題には,この点について触れるところがないのですが,これはあまり問題にならないと考えておられるのでしょうか?
それとも,現実には,それほど損害額・因果関係の立証責任は重いものではないのでしょうか?

葉玉先生のお考えをお聞かせください。

投稿: ハル | 2007年4月19日 (木) 11時48分

はじめまして。
取締役の賞与について分からない点がありましたので、メールを送信いたします。
例えば、報酬について平成16年の定時株主総会で年間1億円の枠(個別の報酬額は取締役会に一任)を決議していた場合において、平成18年度の報酬総額が5000万円であるときは、平成18年度の賞与として3000万円を支払うためには別途株主総会決議を得る必要があるのでしょうか?
会社法第361条第1項を読みますと、報酬と賞与を明確に区別していますので、平成16年の報酬に関する株主総会決議とは別に、平成19年の定時株主総会で賞与として3000万円を支払うことについて決議を得る必要があると考えておりますが、そのような理解でよろしいのでしょうか?それとも年間1億円を超えなければ取締役会決議だけでよいということになるのでしょうか?

投稿: 信人 | 2007年4月19日 (木) 12時39分

新・会社法100問第2版の555ページについてご教示ください。(二 小問2について 2 (二)甲会社が乙会社の株式を持っている場合
存続会社:甲 消滅会社:乙 組織再編のタイプ:吸収合併
 
上記の条件で、合併した場合、会社法749条1項3号に基づき、乙会社は自己の株式の割り当てを受けず、自己の株式とならないと記載しています。
条文をどのように解釈すると、上記のような整理になるのでしょうか。会社法749条1項3号を何度読んでも理解できません。
お手数ですが、もう少しわかりやすく、ご教示ください。

投稿: くろすけ | 2007年4月19日 (木) 20時04分

計算書類の備置義務について教えてください。
本店に備え置く計算書類及び事業報告(附属明細も)には、取締役会のメンバーの印鑑が必要でしょうか。条文では特段何も求められていないので、印鑑なしで、印刷した最終版の計算書類と事業報告を備えおけばよいと考えているのですが問題ありますか?
取締役会での承認の証跡、あるいは株主総会で承認された証跡の意味で取締役会メンバーの印鑑を押しておく必要はあるか困っています。

よろしくお願いします。

投稿: さくら | 2007年4月19日 (木) 20時09分

取締役会設置会社(非公開・中会社)の役員任期について、初歩的な質問で恐縮ですが、お教えください。
①取締役の任期
3月決算ですが、5月臨時総会で4名の取締役中2名(いずれも任期満了は本年6月末の定時総会時)が退任し、新任2名(うち1名は非常勤)を選任します。この場合、5月退任時に取締役の最低員数3名に欠員が生じるので補充する形になりますが、そうすると新任2名の任期は前任者の任期満了(本年6月定時総会時)までとなり、6月の定時総会で再選する必要があるということでよいでしょうか。法的には欠員補充は1名でよいわけですが、新任2名のいずれを補欠とするか決め手が無いので、新任2名いずれも補欠ということで。
なお、当社定款で、「補欠として選任された取締役の任期は退任した取締役の任期の満了するときまで」と規定しています。この定款で、増員取締役(欠員が無い場合の取締役増員)について触れていなければ、今回の場合とは別に、増員取締役の場合の任期は通常の2年任期でよいですね?
ついでに、ここでいう補欠は会社法329条で規定する予選の意味とは別の、取締役に欠員がある場合の補充ということですが、これも補欠という言葉で表現してよいですね?
②監査役
監査役全員(1名しかいない場合を含む)が任期満了前に辞任した場合には、後任監査役の任期は通常の4年という記述をみましたが、それでよいでしょうか?(定款には、補欠として選任された監査役の任期は前任者の残存期間とする旨定めていますが)。その場合、定款に定める補欠というのはどういう場合にありうるのでしょうか?

投稿: きんた | 2007年4月19日 (木) 22時36分

はじめまして。
新しいお仕事がお忙しい中非常につたない質問で恐縮なのですがぜひご教授ください。
質問の内容は「監督」と「監査」の概念の相違点です。
監査委員会は「監査」を行いますがその範囲は妥当性にまで及びます。
妥当性というのは「監督」という概念に内包される気がするのですが、そうであるとすれば具体的には「監督」と「監査」は何が異なるために条文上文言が使い分けられているのでしょうか。
ご解答よろしくお願いいたします。

投稿: 受験生 | 2007年4月19日 (木) 23時53分

4月19日さくらさんの関連です。そもそも442条1項1号の本店に備え置く計算書類及び事業報告(附属明細も)は、取締役会の承認が必要なのでしょうか。条文からはどうしても承認された計算書類等を備え置くとは読めません。旧商法282条1項と読み比べると取締役会の承認が必要とは読めません。本当に取締役会の承認のない計算書類等を備え置くと読んでよいのでしょうか。よろしく御教示ください。

投稿: 三社祭 | 2007年4月20日 (金) 08時37分

会社法124条の基準日について教えてください。
①例えば、基準日を単に平成19年4月1日と定めた場合、基準日株主は4月1日の午前0時の時点で株主名簿に記載された株主となるのでしょうか。
②会社法の基準日の規定は任意規定ですか。すわなち、基準「日」だけではなく、例えば、4月1日の午後5時、というように基準「時間」を定めることも可能ですか。
よろしくご教示ください。

投稿: 勉強中 | 2007年4月20日 (金) 11時29分

役員退職慰労金について教えてください。
役員退職慰労金は、報酬等に含まれるのは理解しているのですが、報酬といった場合、役員退職慰労金は含まれるのでしょうか。

ご教示方よろしくお願いします。

投稿: まるまる | 2007年4月20日 (金) 14時20分

定時株主総会の監査役(小会社・会計監査限定監査役)の説明義務について教えください。一人だけいる甲監査役が、監査報告書を作成後に、定時総会に病気欠席の場合、その定時総会の最初の議案で増員選任され同時に就任承諾した乙監査役は、その後の議案に関して、監査役に対する株主からの質問に回答しても差し支えないでしょうか。乙監査役からの回答では差し支える(決議の取り消し事由になりうる)ようなときでも、質問者である株主が「乙監査役からの回答で良い」と認めた場合ならば、乙監査役の回答でも差し支えないでしょうか。

投稿: はりこのとら | 2007年4月20日 (金) 14時25分

いつも有難うございます。

旧商法でいう人的分割は、会社法では物的分割+現物配当と構成されましたが、この現物配当にあたり、分割会社は法445条4項に従い、配当額の1/10を準備金に計上しなければならないのでしょうか。
一方、無対価の分割を行った場合には、そもそも現物配当は生じないので、法445条4項の適用はないと考えて間違いないでしょうか。

投稿: 丸坊主 | 2007年4月20日 (金) 15時19分

会社法112条について教えてください。

種類株主総会で1名の取締役を選任するという定款の定めがある株式会社において、取締役選任権付き種類株式の全てが自己株式となり議決権が行使できなくなった状態で種類株主総会において選任された1名の取締役が欠けた場合には、定款で定めた1名の取締役を選任することが出来ないので、112条によって定款の定めは廃止されたものとみなされると思いますが、廃止されたとみなされた後に株式会社が自己株式を第三者に処分し種類株式の議決権が復活した場合でも、この定款の定めは復活しないと理解して宜しいでしょうか?

宜しくお願いします。

投稿: ふみ | 2007年4月20日 (金) 20時02分

葉玉さんこんばんは。司法書士受験生です。会計参与の特別な理由による任期満了(マスター115講座 127頁)についてご教授ください。
私が通っている予備校の見解では、全部の株式の譲渡制限規定を廃止したときには 取・監・「参」の任期が満了すると教わっていました。会社法334条2項の「~準用する第332条の規定にかかわらず」の読み方を、取締役の特別の任期満了事由である、332条4項の
 (1)委員会設置会社にする定款の変更
 (2)委員会設置会社の定款の定めの廃止
 (3)株主の譲渡制限(全部の株式)に関する規定の廃止
この3つに加えて、(4)番目として会計参与設置の旨廃止 で会計参与の任期が満了するという見解です。
教わった時から「ほんとかー?」とかずっと気になっていたところでしたが、これはそうではなくて、会計参与の特別の任期満了については(1)~(3)の準用はなく、「会計参与設置の旨廃止」のみ、と捉える読み方が正しいのでしょうか。よろしくお願いします。

投稿: 骨太 | 2007年4月20日 (金) 22時13分

競業取引および利益相反取引について質問させてください。
 取締役会設置会社において、競業取引または利益相反取引を
した取締役は 当該取引後 遅滞なく当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければいけません。(365条2項、356条1項、419条2項)しかし、取締役会設置会社以外の株式会社において競業取引または利益相反取引をした取締役が 当該取引についての重要な事項を 他の取締役 または 株主総会に報告しなければならない旨の規定は存在しません。
 これは何故ですか?

投稿: maru | 2007年4月21日 (土) 02時14分

清算持分会社のの業務の執行について質問させてください。
 社員が二人以上ある場合には 清算持分会社の事業の全部または一部の譲渡は 社員の過半数をもって決定します。(650条3項)
 この規定の趣旨は以下のような理解で正しいでしょうか?
 
 そもそも、社員が二人以上ある 持分会社の業務執行は社員の過半数で決する(590条2項)。そこで、事業の全部または一部の譲渡も 清算開始前、社員の過半数で決せられる。
 しかし、持分会社が清算を開始すれば 業務執行を行うのは
清算人である。(650条1項)そして 清算人には 社員がなるとは限らない。(647条1項)それならば、清算人が持分会社の利益に反する行為を行うこともある。
 そこで清算持分会社では 事業の全部または一部の譲渡という重要な行為を清算人に決定させることはできない。
 よって 本来どおり 事業の全部または一部の譲渡は社員の過半数をもって決定する。

投稿: maru | 2007年4月21日 (土) 02時15分

いつもたのしくよんでいます。そもそもなんですが、なぜ営業報告書を廃止して事業報告を作成することにしたのでしょうか。
教えて下さい。

投稿: 源静香 | 2007年4月21日 (土) 14時27分

葉玉先生、商業登記法にも絡んでくる質問なのですが、差し支えない範囲で以下の点につきご教授ください。
吸収合併存続会社が消滅株式会社の特別支配会社である場合は、消滅会社の株主総会決議が省略できると規定されています(784条1項本文)が、消滅会社では取締役会の決議が必要でしょうか?必要だとしたら取締役会では何を決議するのでしょうか?不要だとしたら商業登記法80条6号括弧書きはいかなる場合を規定した条文なのでしょうか?
以上の点、差し支えない部分について教えていただきたいと思います。

投稿: NK | 2007年4月21日 (土) 15時33分

連続質問で恐縮ですが、もう一点ご教授ください。
公開会社では取締役が株主でなければならない旨の定款は無効とされています(331条2項)が、監査役と異なり、会計参与・会計監査人には準用されていません(333条・337条参照)。これは会計参与・会計監査人は一定の有資格者しかなれず、既に別の制度(資格試験など)で有能であることが証明されているからと理解して構わないでしょうか?

投稿: NK | 2007年4月21日 (土) 15時36分

お世話になります。

会社と個別の株主(被相続人)との間で生前に、「相続が発生した場合は1株50万円で会社は被相続人が所有していた株式を取得できる」旨及び「本契約書は、各当事者の権利継承者、相続人、遺言執行者、遺産管理人、管理者、継承者 (合併、法律運用あるいはその他を通じての) に対しても法的拘束力を持つものとする」旨の公正証書契約書を締結することにより、会社法177条(売買価格の決定)で規定されている売買価格について相続人との協議または裁判所への価格決定の申し立ての手続きに従う必要を廃除することは可能でしょうか?

あるいは、このような契約は無効で相続人を拘束することはできないのでしょうか?

よろしくお願いします。

投稿: KIRABO | 2007年4月22日 (日) 15時14分

葉玉先生、115講座89頁の「払込期日までに払込みが行われない場合の株式・社債等の相違点」について以下の点につきご教授ください。
1 新株発行の場合も株式引受契約の債務不履行責任(民法415条)は負うとの理解でよいか?
2 新株発行で出資の履行をする権利が失われた場合に出資の履行をする義務も消滅するのは、債権の一般的消滅原因である「債権発生の基礎となった法律関係の消滅」(この場合株式引受契約)によるとの理解でよいか?
3 新株予約権と社債の場合に「払込義務が消滅することはない」とするのは、割当日に既に新株予約権者・社債権者になっているので(会社側は引受契約の債務を履行している)、その後その地位が消滅しても、引受けた者の財産給付義務は消滅しないから、すなわち、「債権発生の基礎となった法律関係」は存続しているからとの理解でよいか?
4 そもそもこれらの引受契約に民法の解除の規定は適用があるのか?
以上の点宜しくお願いいたします。

投稿: NK | 2007年4月22日 (日) 17時02分

Q16の件につき、ご回答をありがとうございました。

投稿: 玉屋 | 2007年4月22日 (日) 23時39分

親会社(100%)を同じくする完全子会社間における吸収合併の場合、従前は消滅会社の株主である親会社に対して、新株を割り当てない旨の取扱いが、実務上なされておりましたが、これは会社法でも変更なしと考えてよいのでしょうか?
*会社法749Ⅰ③に当たらないような気がいたしましたので、ご教示下さい。

投稿: 教えて下さい | 2007年4月23日 (月) 20時04分

会社計算規則162条2項の規定について教えてください。
旧商法では、連結計算書類にかかる監査報告は、招集通知に添付義務はなく、総会で報告をすることが必要とされていたが、ほとんどの会社は任意で招集通知に添付していたと理解していました。
会社法になっても変更がないと思っていましたが、会社計算規則162条2項があることを知り、同項の「会社が提供することを定める」意味が、何かがわかりません。
監査報告書を単体と連結を1通にしたときのことを想定しているのかとも思いましたが、1通にしても連結は任意記載だといえばよい気がします。
また、連結計算書類にかかる監査報告を「会社が提供」するのなら、単体の監査報告と同様に総会での報告義務は、なくなってよさそうな気がしますが、そのような規定はないようです。
よろしくお願いいたします。

投稿: 悩める法務部員 | 2007年5月23日 (水) 19時33分

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