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2007年4月27日 (金)

会計参与の任期

会計参与の任期の問題について、いくつかのコメントをいただきました。

この点について、私は、立案時からいままで

 「委員会になったからといって、会計参与の任期が終了するはずがない」

と思い込んでいたので、脊髄反射的に、そのように答えたのですが、

皆様の書き込みをみてよくよく条文を見直してみると

  確かに、条文を見る限り、皆様のおっしゃるとおりだ・・・・

とやや愕然としてしまいました。

私は、条文至上主義者で、自分の思いとは違うものでも、条文を読んで、もっとも素直な解釈だと思えば、それに従いますので、今回の会計参与の任期については、先日の答えを改め

   会計参与の任期は、委員会の設置・廃止・譲渡制限の廃止の定款の変更の場合も終了する。

と回答したいと思います。

登記の基本通達でそうなっているなら、なおさらです。

会社法マスター115をどこかで修正する必要がありますね。

私のつたない記憶によれば、立案時に仲間内で議論していたときは、次のような意見が強かったような気がします。

 取締役の任期について3324項が、

①委員会の設置・廃止を終了事由としているのは、取締役の権限に重要な変更が加えられるからであり、

②譲渡制限の廃止を終了事由としているのは、公開会社になる以上、非公開会社で株主構成をコントロールしていた取締役を一新し、新しい株主のもとで選任しなおすべきだから

という点にある。

 これに対し、会計参与は

 ①委員会の設置・廃止により、権限に変更は生じず

 ②非公開会社の株主構成をコントロールしていたわけではないので、公開会社になったからといって選びなおす必要はない。

 この点からすると

   それらの定款変更で、会計参与の任期を終了させる必要はない。

 

以上の理屈は、筋が通っていると思うのですが、334条は

 『第三百三十二条』の規定は、会計参与の任期について準用する。

と書かれていて

 『第三百三十二条第一項から第三項まで』の規定は、会計参与の任期について準用する。

とされていないので、第4項も準用されると読むのが素直なんですよね。

 立案担当者(急に他人モードになりますが)は、きっと、334条2項で

 『前項において準用する第三百三十二条の規定にかかわらず、』

と書いたので

  332条4項が適用除外されているから、大丈夫。

という頭があったんだと思いますが、よく考えると、332条1項から3項までの準用については、

  それらの規定が準用された上で、さらに任期の終了事由を増やす

という使い方をしているのですから、

  4項も同じように考える

しかないようにも思います。

このように『条文の文言に間違いはないが、考えていたのとやや違う結論になってしまった」というような気がするものの、(それを素直に告白すると怒られそうな気もするので)

  きっと立案担当者は、何らかの理由で、最終的に、会計参与の任期に334条4項が準用されると考えていたに違いない・・・

とも思うのです。

 では、なぜ委員会の設置・廃止や譲渡制限の定めの廃止で、会計参与の任期が終了してしまうのでしょうか。

 さあ、一体、なぜでしょう。

 それは、きっと

   会計参与は、取締役又は執行役と共同して、計算書類を作成するので、定款変更という特別な事情で、取締役又は執行役の任期が終了したときには、会計参与も、もう一度、選任しなおしたほうがいい

という政策判断があるからだと思います。

 この説明が説得的かどうかは、ともかく、

  会計参与の任期に、332条4項は、準用される

ので、そう考えることにしておきましょう。

(質問コーナー)

Q1

株懇のひな形もそうですが、多くの会社は、定款で定時株主総会の議決権の基準日を単に331日とだけ定めている(時間は特に定めていない)と思います。そうすると、331日の午前0時に株主名簿に記載された株主ということになるのでしょうか。

実務的な感覚からすると、「331日の最終の株主名簿に記載された株主」ではないかと思っていたのですが、仮にそうしたいのであれば、定款にそう定めるか、あるいは、時点はちょっとズレますが定款で基準日を41日と定めるしかないのでしょうか。

投稿 勉強中 | 2007425 () 1132

A1

その問題は、昔、相当議論したのですが、結局は、定款の趣旨で判断するしかないということだという結論にいたりました。

少なくとも331日については、どの会社も、331日の最終の株主名簿という趣旨ですから、現在の取り扱いで問題ないと思います。

Q2

株主総会招集通知に記載する議題名についてでございます。会計監査人選任議案の議題名の記載事例を見てみると、「会計監査人1名選任の件」とし員数を明示しているものもあれば、「会計監査人選任の件」として員数を明示していないものもあります。(取締役、監査役の選任議案の事例では、員数を明示していないものは見たことがございません。)

取締役選任議案に関するものではありますが、判決例(東京高判平3.3.6金商87423)は、「~、原則として員数を明らかにすべきであり、員数の明示は『会議の目的たる事項』に含まれると解するのが相当である。~」とされております。招集通知に記載する会計監査人選任の議題名についても、員数を明示すべきでしょうか?

どうかよろしくご教示くださいますようお願い申し上げます。

投稿 一目山人 | 2007424 () 1951

A2

明示した方がベターだと思いますが、明示しないから違法というわけではないと思います。

ただ、明示していないと、株主から、別の監査法人と一緒に共同監査しろ、という提案があっても、断れないでしょうね。

Q3

株式の相互持合いでお互いに議決権を行使できないA社とB社の関係において、B社の基準日(3/31)以降株主総会(6/30)までに、A社におけるB社の持株比率が25%未満になる措置をとった場合に、A社はB社総会での議決権が行使できるようになるという考え方はよろしいでしょうか?

あるいは、B社の基準日と同日において、A社におけるB社の持株比率が25%以上であるから、A社はB社総会での議決権を行使できないことになるのでしょうか?

因みにA社定款において、

「基準日後株主が行使することができる権利が株主総会における議決権である場合において、第1項の株主の権利を害しないときは、当該基準日後に株式を取得した者の全部または一部を当該株主総会において権利を行使する株主と定めることができる。」

とあります。

A社がB社の株主であることはB社基準日の株主名簿で明確ですが、A社がB社総会で議決権を行使できる株式かどうかについては、A社株主名簿でB社の持分比率によって決まってくることから、その比率がB社の基準日で判断されるのか、またはB社の総会日で判断されるのかというのが質問の主旨です。

投稿 KIRABO | 2007425 () 1022

A3

基準日を定めた場合、原則は、B社基準日ですが、施行規則67条312号、4項の例外があります。

Q4

当方、非公開・中会社で実務を担当しております。

当社は従来普通株式のみ発行しておりましたが、事業承継との関係からか、オーナー社長の持株の一部とその他の株式の全部を無議決権配当優先株式に変更することとなりました。

変更のために株主全員の同意をとることは困難が予想されるため、発行済の全株式に転換請求権を付与し、転換請求の対価として無議決権配当優先株を交付する、というスキームを考えています。(総会後、各株主に個別に転換してもらうよう交渉します)

そこで、お尋ねしたいのですが、6月の定時総会で定款変更として(1)種類株式を発行できることとする(2)全株式(=普通株式)に転換請求権を付与する、という内容の議決をとらねばならないと思いますが、これらを同時に一つの議案として決議してよいのでしょうか?それとも、(1)の議決を行った後、メンバー同一とはいえ種類株主総会(普通株主)にて(2)を決議する、という手順を踏むべきなのでしょうか?

ご教示いただければ幸いです。

投稿 ヒデ | 2007425 () 1817

Q

質問1 以下のような場合には、会社法および施行規則上、ある会社の親会社が2社あることになるのでしょうか。(X社、A社、B社はいずれも株式会社)

 1)X社の議決権をA社が60%、B社が40%、それぞれ有している場合において、X社の取締役3名がA社従業員1名、B社従業員2名であるとき

 2)X社の議決権をA社が60%、B社が40%、それぞれ有している場合において、A社とB社が同一内容の議決権行使をする旨の株主間契約を締結しているとき

A4

親会社は、論理的には2社以上あることもありえます。

Q5

質問2 会計限定監査役設置会社において、以下の疑問があるのですが、文言上は肯定せざるをえないような気がします。いかがでしょうか。

 1)取締役は、この監査役にも事業報告を提出しなければならないのでしょうか(施行規則129条2項、法436条1項3項、438条1項1号)

 2)この監査役が提出すべき事業報告にかかる監査報告にも、通常と同様(受領後4週間等)の監査期間保証があり、取締役から早く出すように求めることは(事実上はともかくとして法律上は)できないのでしょうか(施行規則132条1項)。

投稿 WLS3 | 2007425 () 2217

A5

そうです。

Q6

連結配当規制についてご意見をお聞かせください。

会社法施行後、連結配当規制を任意で導入できるようになっています。調査ベースではありますが、3社のみの導入にとどまっていると思います。

この背景には、特段導入のメリットがないからという点が大きいと思います。ちなみに会社によっては、連結配当規制を入れないことを毎年意思決定していくルールもあるようで結構やっかいです。

もし、クライアントから連結配当規制の導入の可否について相談があった場合にはメリットデメリットをどのように説明されるでしょうか。また、連結配当規制に意義についてご私見で結構ですのでコメントいただけると幸甚です。

投稿 くろすけ | 2007426 () 1301

A6

メリット 連結重視の経営なら、子会社が赤字を打って連結債務超過のときなんかに配当をするなんて、もってのほか。そういう甘えた考えをしていると、本体もすぐ資本の欠損が生じるよ。連結配当規制を導入すれば、経営者としての識見を評価されるよ。

デメリット 株主から、なんで配当が少ないんだ、と怒られちゃうね。

Q7

日本では決算を会社法ベースと証取法ベースの2種類で作成し、求められている注記の量に差が設けられております。2種類の書類を作るのはかなり大変です。また規制業種は、各業種の業法に基づき当局宛に報告書を出しています。

そもそも、何パターンも似たようでありながら、違うものを作らせるこの状況は改善しないのでしょうか・。。

投稿 まるまる | 2007426 () 1306

A7

その問題は、昔から言われている問題であり、昔と比べると、相当近づいています。

もう、ひとがんばりです。

規制業種の問題は、根が深いですね。各業種ごとに関心領域が違いますし。

Q8

会社法第399条第3項について、お教え下さい。

委員会設置会社の場合、会計監査人の報酬等を定める場合には、監査委員会の同意を得ることになっていますが、同意を求める主体である「取締役」について、会社法第399条には、第396条や第397条のような「取締役」の読み替え規定がありません。

一方、委員会設置会社の取締役が上記の会計監査人の報酬等を定める行為は業務の執行にあたり、第415条の規定と矛盾するように思われます。この点はどのように考えれば良いのでしょうか。

投稿 スタッフS | 2007426 () 1750

A8

まず業務の執行と、業務執行の意思決定は、別のものです。

委員会設置会社以外の取締役会設置会社の取締役のことを考えていただくと、取締役は意思決定に参画しますが、当然には、業務執行権はありません。

Q9

剰余金の配当に際して、会社計算規則45条1項1号の「剰余金の配当をする日」とは効力発生日をいうのですか、それとも決議日をいうのですか。減資決議と剰余金配当決議を同時に行い、減資の効力発生後に剰余金配当をする場合に、減資前の資本金なら基準資本額に満たないので利益準備金計上を要するが、減資後の資本金なら基準資本金額以上となり利益剰余金計上を要さない、という場合、いずれかにより、処理方法が異なってくるものですから。

投稿 ik | 2007427 () 0108

A9

効力発生日です。

Q10

千問Q58の図表1-4について質問させてください。

図表1-4の三段目に 上記の方法による選定がされない場合

とあります。この場合 かつ非取締役会設置会社において

設立時取締役全員が設立時代表取締役となることについては

理解できます。

 ただ 上記の方法による選定がされない場合 かつ取締役会設置会社においても 設立時取締役全員が設立時代表取締役となるのでしょうか?取締役会設置会社は設立時代表取締役の選定について選定強制規定を置く会社となるので 設立時代表取締役を選定しないということはそもそもありえないと考えるのですが・・

 つまり図表1-4は 上記の方法による選定がされない場合かつ

取締役会設置会社という組み合わせを 空欄に斜線をひくという

方法で表現するのが適切なのではないでしょうか?

投稿 maru | 2007427 () 0526

A10

選定しなければ、登記ができないから普通はそうなのでしょうが、万一、選定してないのに、設立されてしまったら、どうしましょうという話なんでしょう。

Q11

会社法370条について質問がございます。

会社法370条により書面又は電磁的記録により同意の意思表示をすることができる対象事項は、会社法に定める取締役会の決議事項であれば、特別取締役による決議の場合を除いて、特に制限はありませんか。

法370条の文理や千問の道標P369は、「取締役会決議の省略を行い、当該決議に基づき不当な経営が行われた場合には、取締役・監査役は、十分な吟味をせずに提案に同意をし、または異議を述べなかったという点において任務懈怠責任を問われる可能性はある。」として、決議の省略による損害を会社法423条の問題としていることから、370条の対象事項は会社法に定める取締役会の決議事項であれば足りるということかと考えましたが、いかがでしょうか。

投稿 ひろゆき | 2007427 () 1107

A11

特に制限はありません。

Q12

立法時の考え方を教えてください。

度重なる商法改正そして会社法の施行により、種類株の発行が増加したり合併対価が柔軟化されているなか、企業の注記として潜在株式調整後1株当たり当期純利益の注記が求められていないのはなぜでしょうか。もちろん求められると面倒が増えてこまるのですが。。

投資家等のステークスホルダーから見れば、単純な1株当たり当期純利益より潜在株式調整後1株当たり当期純利益の方が重要ですよね。。

投稿 まっくろくろすけ | 2007427 () 1133

A12

投機的観点、投資的観点、オーナー的観点など株主の立場によって、何を重要と考えるかは、違うでしょう。会社法は、いわゆる「投資家」だけをターゲットに開示事項を定めているわけではありません。

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2007年4月24日 (火)

長大な質問コーナーその2

質問が多すぎて、1回でアップできませんでした。

今日は、1日で3つも記事を書いたことにしていただくと、うれしいけど。

では、質問の続きです。

Q21

役員退職慰労金について教えてください。
役員退職慰労金は、報酬等に含まれるのは理解しているのですが、報酬といった場合、役員退職慰労金は含まれるのでしょうか。

投稿 まるまる | 2007420 () 1420

A21

質問の趣旨がよく分かりませんが、含まれると考えてもいいと思います。

Q22

定時株主総会の監査役(小会社・会計監査限定監査役)の説明義務について教えください。一人だけいる甲監査役が、監査報告書を作成後に、定時総会に病気欠席の場合、その定時総会の最初の議案で増員選任され同時に就任承諾した乙監査役は、その後の議案に関して、監査役に対する株主からの質問に回答しても差し支えないでしょうか。乙監査役からの回答では差し支える(決議の取り消し事由になりうる)ようなときでも、質問者である株主が「乙監査役からの回答で良い」と認めた場合ならば、乙監査役の回答でも差し支えないでしょうか。

投稿 はりこのとら | 2007420 () 1425

A22

乙監査役からの回答では差し支えるという意味がよくわかりませんが、乙監査役が回答することはできると思います。

Q23

旧商法でいう人的分割は、会社法では物的分割+現物配当と構成されましたが、この現物配当にあたり、分割会社は法4454項に従い、配当額の1/10を準備金に計上しなければならないのでしょうか。
一方、無対価の分割を行った場合には、そもそも現物配当は生じないので、法4454項の適用はないと考えて間違いないでしょうか。

投稿 丸坊主 | 2007420 () 1519

A23

おっと、その問題は、以前、サミーさんが悩んだ問題だったような。ちょっと調べます。

無対価ですと、445条4項は適用ありません。

Q24

会社法112条について教えてください。

種類株主総会で1名の取締役を選任するという定款の定めがある株式会社において、取締役選任権付き種類株式の全てが自己株式となり議決権が行使できなくなった状態で種類株主総会において選任された1名の取締役が欠けた場合には、定款で定めた1名の取締役を選任することが出来ないので、112条によって定款の定めは廃止されたものとみなされると思いますが、廃止されたとみなされた後に株式会社が自己株式を第三者に処分し種類株式の議決権が復活した場合でも、この定款の定めは復活しないと理解して宜しいでしょうか?

投稿 ふみ | 2007420 () 2002

A24

廃止されたものとみなされた以上、当然に、復活はしないと思います。

Q25

葉玉さんこんばんは。司法書士受験生です。会計参与の特別な理由による任期満了(マスター115講座 127頁)についてご教授ください。
私が通っている予備校の見解では、全部の株式の譲渡制限規定を廃止したときには 取・監・「参」の任期が満了すると教わっていました。会社法3342項の「~準用する第332条の規定にかかわらず」の読み方を、取締役の特別の任期満了事由である、3324項の
 (1)委員会設置会社にする定款の変更
 (2)委員会設置会社の定款の定めの廃止
 (3)株主の譲渡制限(全部の株式)に関する規定の廃止
この3つに加えて、(4)番目として会計参与設置の旨廃止 で会計参与の任期が満了するという見解です。
教わった時から「ほんとかー?」とかずっと気になっていたところでしたが、これはそうではなくて、会計参与の特別の任期満了については(1)(3)の準用はなく、「会計参与設置の旨廃止」のみ、と捉える読み方が正しいのでしょうか。よろしくお願いします。

投稿 骨太 | 2007420 () 2213

A25

332条は適用されません。

Q26

競業取引および利益相反取引について質問させてください。
 取締役会設置会社において、競業取引または利益相反取引を
した取締役は 当該取引後 遅滞なく当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければいけません。(3652項、3561項、4192項)しかし、取締役会設置会社以外の株式会社において競業取引または利益相反取引をした取締役が 当該取引についての重要な事項を 他の取締役 または 株主総会に報告しなければならない旨の規定は存在しません。
 これは何故ですか?

投稿 maru | 2007421 () 0214

A26

株主総会を開くのが面倒くさいからです。

Q27

清算持分会社の業務の執行について質問させてください。
 社員が二人以上ある場合には 清算持分会社の事業の全部または一部の譲渡は 社員の過半数をもって決定します。(6503項)
 この規定の趣旨は以下のような理解で正しいでしょうか?
  そもそも、社員が二人以上ある 持分会社の業務執行は社員の過半数で決する(5902項)。そこで、事業の全部または一部の譲渡も 清算開始前、社員の過半数で決せられる。
 しかし、持分会社が清算を開始すれば 業務執行を行うのは
清算人である。(6501項)そして 清算人には 社員がなるとは限らない。(6471項)それならば、清算人が持分会社の利益に反する行為を行うこともある。
 そこで清算持分会社では 事業の全部または一部の譲渡という重要な行為を清算人に決定させることはできない。
 よって 本来どおり 事業の全部または一部の譲渡は社員の過半数をもって決定する。

投稿 maru | 2007421 () 0215

A27

そんなところでしょう。

Q28

いつもたのしくよんでいます。そもそもなんですが、なぜ営業報告書を廃止して事業報告を作成することにしたのでしょうか。

投稿 源静香 | 2007421 () 1427

A28

株式会社は、営業ばかりではなく、その他の事業も行うからです。

Q29

吸収合併存続会社が消滅株式会社の特別支配会社である場合は、消滅会社の株主総会決議が省略できると規定されています(7841項本文)が、消滅会社では取締役会の決議が必要でしょうか?必要だとしたら取締役会では何を決議するのでしょうか?不要だとしたら商業登記法806号括弧書きはいかなる場合を規定した条文なのでしょうか?
以上の点、差し支えない部分について教えていただきたいと思います。

投稿 NK | 2007421 () 1533

A29

合併契約を結ぶのは、取締役会決議が必要でしょう。

Q30

公開会社では取締役が株主でなければならない旨の定款は無効とされています(3312項)が、監査役と異なり、会計参与・会計監査人には準用されていません(333条・337条参照)。これは会計参与・会計監査人は一定の有資格者しかなれず、既に別の制度(資格試験など)で有能であることが証明されているからと理解して構わないでしょうか?

投稿 NK | 2007421 () 1536

A30

規制するほどのことはないからです。

Q31

会社と個別の株主(被相続人)との間で生前に、「相続が発生した場合は150万円で会社は被相続人が所有していた株式を取得できる」旨及び「本契約書は、各当事者の権利継承者、相続人、遺言執行者、遺産管理人、管理者、継承者 (合併、法律運用あるいはその他を通じての) に対しても法的拘束力を持つものとする」旨の公正証書契約書を締結することにより、会社法177条(売買価格の決定)で規定されている売買価格について相続人との協議または裁判所への価格決定の申し立ての手続きに従う必要を廃除することは可能でしょうか?

あるいは、このような契約は無効で相続人を拘束することはできないのでしょうか?

よろしくお願いします。

投稿 KIRABO | 2007422 () 1514

A31

売買予約は、有効で、相続人は義務を承継するでしょう。

Q32

葉玉先生、115講座89頁の「払込期日までに払込みが行われない場合の株式・社債等の相違点」について以下の点につきご教授ください。
新株発行の場合も株式引受契約の債務不履行責任(民法415条)は負うとの理解でよいか?

A32

それは、難問です。

Q33
新株発行で出資の履行をする権利が失われた場合に出資の履行をする義務も消滅するのは、債権の一般的消滅原因である「債権発生の基礎となった法律関係の消滅」(この場合株式引受契約)によるとの理解でよいか?

A33

契約は、事実なので、消滅するわけではないでしょう。契約に基づく権利義務が消滅するのでしょう。

Q34
 新株予約権と社債の場合に「払込義務が消滅することはない」とするのは、割当日に既に新株予約権者・社債権者になっているので(会社側は引受契約の債務を履行している)、その後その地位が消滅しても、引受けた者の財産給付義務は消滅しないから、すなわち、「債権発生の基礎となった法律関係」は存続しているからとの理解でよいか?
 そもそもこれらの引受契約に民法の解除の規定は適用があるのか?

投稿 NK | 2007422 () 1702

A34

 契約は、存在していますし、民法の解除の規定を排除しているわけではないでしょう。

 ただ、解除しても、発行された新株予約権が当然に消滅するわけではありません。

Q35

親会社(100%)を同じくする完全子会社間における吸収合併の場合、従前は消滅会社の株主である親会社に対して、新株を割り当てない旨の取扱いが、実務上なされておりましたが、これは会社法でも変更なしと考えてよいのでしょうか?
*会社法749Ⅰ③に当たらないような気がいたしましたので、ご教示下さい。

投稿 教えて下さい | 2007423 () 2004

A35

割り当てないこともできます。

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長大な質問コーナーその1

(質問コーナー)

Q1

公開会社である小規模会社(大会社以外の会社)が設置を義務付けられる
機関(株主総会、取締役以外)との説明として、『新・会社法100問』では取締役会+{監査役or(委員会+会計監査人)}とされていますが、これを「又は」「若しくは」「及び」「並びに」等の法律用語を使って表すと、どのようになるのでしょうか?

会社法3281項の「大会社(公開会社でないもの及び委員会設置会社を除く)は、 監査役会及び会計監査人を置かなければならない。」 という規定については、「公開会社である大会社は、監査役会<又は>委員会<並びに>会計監査人を置かなければならない」(『新・会社法100問』264頁)という表現で言い換えられていたので、ちょっと気になりました。

投稿 苦楽受験生

A1

法律用語は万能ではありません。

公開会社である大会社以外の会社は、取締役会のほか、監査役又は委員会を置かなければならず、委員会を置いたときは、会計監査人も置かなければならない。

というのが一番正確です。

Q2

競業取引・利益相反取引について、『新・会社法100問』及び『千問の道標』では、ともに名義説にたっておられます。その理由として、両者とも計算説をとる実益がなく、また、利益相反取引においては、直接取引と間接取引の区別が不明確になるからだと説明されています。

しかし、競業取引においては、第三者名義の取引であっても、会社に利益が帰属する場合(「第三者」が会社の完全子会社の場合)には、35611号の対象にはならないと解されているようですし、この説明には、計算説の方が適しているのではないでしょうか?

また、利益相反取引については、428条で、「自己のためにした取引」についての特則が設けられていますが、この規定の適用をめぐって計算説をとる実益があると思いますし、実質的に考えても、自己の名義でした取引ではなく、自己の計算でした取引について、同条の特則規定を適用すべきようにも思えます。

もっとも、「ために」と「計算において」を区別して用いている、計算説をとると利益相反取引における直接取引と間接取引の区別が困難となる、というご指摘は容易に反証することが難しいため、実際に計算説を採用することは困難だと思うのですが、上記2点についてのお考えをお聞かせいただけると幸いです。

投稿 苦楽受験生 | 2007418 () 0538

A2

まず、競業取引について、利益説に立ったとしても、第三者が完全子会社である場合には、利益は会社に帰属するという見解が正しいかどうかを検証する必要があります。

99%子会社や50%子会社だったらどうでしょうか。また、会社が全株式について質権を設定している会社については会社に利益が帰属するのでしょうか?

さらにいえば、極めて例外的な完全子会社の場合を除くためだけに利益説を採る意味があるのでしょうか?

むしろ利益説は、名義説よりも競業取引を広く認めようという発想からきたものではなかったのでしょうか?

などなどの疑問があります。詳しくは、また日を改めて。

次に、利益相反取引について、428条の関係で、計算説をとる実益が本当にあるのでしょうか。そもそも、法的には第三者に効果が帰属していて、利益は取締役に帰属しているという状態がどのような状態なのか、明確でないため、議論するのが難しいのですが、利益説では該当するが、名義説では該当しない取引、つまり、自己の利益のために他人名義でする直接取引は、正々堂々とした取引とは思えませんから、取締役が無過失であると主張することは、実務上、不可能だと思います。

あえていえば、そのような場合に、一部免責を受けられないということにするか、どうかという違いをどう考えるかということだと思いますが、その点も話が長くなるので、また後日。

Q3

すでに既出かもしれませんが、100問・第2184頁のComprehension Test 281の判例引用が、「最判昭和331024日・百選5」となっていますが、この文脈からすると、引用判例は最判昭和331024日民集12143228頁・百選5ではなく、最判昭和331024日民集12143194頁ではないか、と思いましたが、それでよかったでしょうか?

前者の判決は、発起人の開業準備行為に関する判例で、株券発行前の株式譲渡に関連しそうな箇所は発見することができず、同欄内のもう一つの判例(株券発行前の株式譲渡に関する最大判昭和47118日・百選14)をみてみると、そこで一部変更判例として後者の判決が挙げられていましたので、言わんとするところは、後者の判決に示されていることだと思われます。

投稿 通りすがり | 2007418 () 1115

A3

そうですね。そっちがいいと思います。

Q4

昨日(418日)のQA4の件なのですが、

問題意識がいまいち分かりませんが、会社が自己株式を取得しようとするときは、譲渡承認は不要です。

私が質問に書いた「この後者の自己名義に書き換える場合・・」の「自己」と言うのは、従業員持株会の退会者が自己(自分)の名義に書き換えるときの話です。
つまり、持株会の自分の持分を、自分の名義に書き換えるだけのときも、取締役会の承認が必要でしょうか?と言う質問だったのです。
分かり難い言い回しですみませんが、再度ご教授いただけたらと思います。よろしくお願いします。

投稿 ネットくん | 2007418 () 1259

A4

持株会の実質にもよりますが、共有名義のものを共有物の分割をして単独名義にするためには、権利の変動が生じていますから、取締役会の承認が必要だと思います。

Q5

忙しいところ、失礼いたします。今更で恐縮ですが、会社計算規則136条3号で、株主資本等変動計算書の注記として、この3月末日を基準日とする配当の総額の記載が求められています。配当金については、剰余金の処分として株主総会の議案になるので、計算書類の承認とは別に総会の議案として取締役会で審議するものというイメージがあり、総会の議事の審議をする前に、計算書類の承認のところで、実際は配当金が決まってしまうというのは、どうもしっくりしません。会社計算規則で、当期の配当額を注記で記載させるというのは、どういう趣旨からのものでしょうか?ご教示いただけますと幸いです。

投稿 southalps | 2007418 () 1940

A5

 申し訳ありませんが、株主資本の変動に関するものだからとしか、いいようがありません。

なお、計算書類の承認で配当が決まるというわけではありません。

Q6

株主名簿上の名義書換の効果として,免責力が認められるということが,旧商法では言われてきていたと思います。すなわち,会社は,株主名簿上の名義人に権利行使を認めれば,たとえその者が実質上無権利であっても原則として(論者によっては悪意・重過失なき限り)免責される,と。
この免責力は,株券不発行会社においても認められるのでしょうか?

株券発行会社の場合は,株券の占有に,手形所持人と同じく(法律上の)権利推定的効力が認められているため,手形法403項を類推して免責力を認めることが可能かと思いますが,当事者双方の意思表示によって名義書換請求を認める株券不発行会社の場合には,株券の占有のような(法律上の)権利推定的効力に基づく名義書換ではないため,明文で設けられている1261項の場合を除いては,免責的効力を認めることは困難なように思われます。

また,江頭憲治郎『株式会社法』198頁には,「株券発行会社以外で振替株式でない株式の株主名簿の場合には,権利推定の効力があるものに基づき名義書換がなされたものではないので,真の株主が誰かに関する免責的効力はない。」と書かれています。

100問のNo.34では,株券不発行会社の場合に,名義書換の資格授与的効力及び免責的効力を認めておられますが,条文至上主義で考えると,上述の理由から,手形法403項の類推適用(善意・無重過失による免責)を認めるのは困難ではないでしょうか。もちろん,事実上の推定力は認めうると思いますので,民法478条の善意・無過失を認める重大な一要素とはなりうると思います。

投稿 ちゃる | 2007418 () 1945

A6

免責的効力の意味次第だと思います。

民法上の免責も、免責の一種であり、立案時も、それがあるから、あえて免責の規定を置く必要はないという議論をしていました。

手形法40条3項類推だけが、免責的効力だとすると、株券廃止会社の株主名簿には免責的効力はありません。

Q7

権利株に関する規定、35条と50条2項の内容の違いがわかりません。同じ内容に思えるのですが。
もし同じ内容であるならば、同じ内容の規定がおかれた理由を教えてください。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

投稿 ブルー | 2007418 () 2140

A7

払い込みの前か、後かの違いです。

詳しくは、株式の胎児という記事を見てください。

http://app.blog.livedoor.jp/masami_hadama/tb.cgi/50189147

Q8

先生と呼ばれる仕事に公認会計士が入っていないのがミソですね。

投稿 経理部長 | 2007419 () 0131

A8

ミソです。

Q9

社外監査役の社外性について、ご教授ください。
新たに監査役を選任するに当たり、定時株主総会での選任前(12ヶ月程度)から、「監査役付顧問」として会社に来てもらった場合、社外監査役の要件は満たさなくなってしまうのでしょうか。業務的には、総会での選任後、スムーズに監査役としての業務を行ってもらうための準備をしてもらうので、実質的には社外性に問題はない気がするのですが、形式的にはアウトなのかな、という気もしています。

投稿 TAKLAW | 2007419 () 1014

A9

監査役付顧問って、よく分からないかんじがしますが(笑)、監査役見習いであれば、業務執行ではないので、社外性を認めてもいいかもしれません。

Q10

今回お伺いしたいのは、会社法2312項中の用語、広告の意味についてです。ここでの「広告」とは「公告」とどのような違いがあるのでしょうか。

投稿 茶坊 | 2007419 () 1101

A10

広告は、電通とかがやっているような宣伝(アドバタイズメント)です。

公告は、会社法上、義務付けられている公のための告知です。

Q11

100問63,68-2の問題で,取締役に貸与した金銭の未返済,投資資金の持ち逃げについて,株主が4291項に基づいて役員等に損害賠償の責任ができるか,という点を,詳細に論述しておられます。

429条の検討自体は必須かな,と思うのですが,果たしてこのような場合に,現実に429条に基づく責任を追及することがあるのでしょうか?

まず,非公開会社の場合は,まず損害額の立証が極めて困難かと思われます。例えば会社が3000万円損失を被ったとして,その3000万円÷株式数を,株主の損害と推定するという主張が果たして認められるのでしょうか?

また,公開会社の場合は,株価の下落分が「損害」と主張することも可能かと思われますが,株価は複合的要因に基づいて決定されるものですので,そのうちのどの範囲が,役員等の任務懈怠と相当因果関係ある損害になるのかの立証は,極めて困難なように思われます。

両問題には,この点について触れるところがないのですが,これはあまり問題にならないと考えておられるのでしょうか?
それとも,現実には,それほど損害額・因果関係の立証責任は重いものではないのでしょうか?

投稿 ハル | 2007419 () 1148

A11

間接損害の立証が、直接損害よりも困難であることは、間違いありません。

しかし、不可能かといわれると、そうでもない。

裁判官が、「原告にいくらかあげないと、かわいそうだな」と思わせるかどうかがポイントです。

Q12
取締役の賞与について分からない点がありましたので、メールを送信いたします。
例えば、報酬について平成16年の定時株主総会で年間1億円の枠(個別の報酬額は取締役会に一任)を決議していた場合において、平成18年度の報酬総額が5000万円であるときは、平成18年度の賞与として3000万円を支払うためには別途株主総会決議を得る必要があるのでしょうか?
会社法第361条第1項を読みますと、報酬と賞与を明確に区別していますので、平成16年の報酬に関する株主総会決議とは別に、平成19年の定時株主総会で賞与として3000万円を支払うことについて決議を得る必要があると考えておりますが、そのような理解でよろしいのでしょうか?それとも年間1億円を超えなければ取締役会決議だけでよいということになるのでしょうか?

投稿 信人 | 2007419 () 1239

A12

株主総会決議の趣旨によります。総会が、賞与込みで決議していたのか、賞与抜きで決議していたのかということです。

Q13

新・会社法100問第2版の555ページについてご教示ください。(二 小問2について 2 (二)甲会社が乙会社の株式を持っている場合
存続会社:甲 消滅会社:乙 組織再編のタイプ:吸収合併
 上記の条件で、合併した場合、会社法749条1項3号に基づき、乙会社は自己の株式の割り当てを受けず、自己の株式とならないと記載しています。
条文をどのように解釈すると、上記のような整理になるのでしょうか。会社法749条1項3号を何度読んでも理解できません。
お手数ですが、もう少しわかりやすく、ご教示ください。

投稿 くろすけ | 2007419 () 2004

A13

749条1項3号は、かっこ書で、存続会社である株主を除いています。

そして、存続会社である株主に対する金銭等の割り当てについては、どこにも規定がありませんから、存続会社には、対価が交付されないということになります。

Q14

計算書類の備置義務について教えてください。
本店に備え置く計算書類及び事業報告(附属明細も)には、取締役会のメンバーの印鑑が必要でしょうか。条文では特段何も求められていないので、印鑑なしで、印刷した最終版の計算書類と事業報告を備えおけばよいと考えているのですが問題ありますか?
取締役会での承認の証跡、あるいは株主総会で承認された証跡の意味で取締役会メンバーの印鑑を押しておく必要はあるか困っています。

投稿 さくら | 2007419 () 2009

A14

印鑑はいりません。

Q15

取締役会設置会社(非公開・中会社)の役員任期について、初歩的な質問で恐縮ですが、お教えください。
①取締役の任期
3月決算ですが、5月臨時総会で4名の取締役中2名(いずれも任期満了は本年6月末の定時総会時)が退任し、新任2名(うち1名は非常勤)を選任します。この場合、5月退任時に取締役の最低員数3名に欠員が生じるので補充する形になりますが、そうすると新任2名の任期は前任者の任期満了(本年6月定時総会時)までとなり、6月の定時総会で再選する必要があるということでよいでしょうか。法的には欠員補充は1名でよいわけですが、新任2名のいずれを補欠とするか決め手が無いので、新任2名いずれも補欠ということで。
なお、当社定款で、「補欠として選任された取締役の任期は退任した取締役の任期の満了するときまで」と規定しています。この定款で、増員取締役(欠員が無い場合の取締役増員)について触れていなければ、今回の場合とは別に、増員取締役の場合の任期は通常の2年任期でよいですね?
ついでに、ここでいう補欠は会社法329条で規定する予選の意味とは別の、取締役に欠員がある場合の補充ということですが、これも補欠という言葉で表現してよいですね?

A15

当然に、任期が6月末までになるわけではありません。補欠として、選任しなければ、2年です。

逆に、補欠として選任するのなら、取締役は、短くするのは、どれだけ短くしてもいいので、両名とも、6月末とすることもできます。

Q16
監査役全員(1名しかいない場合を含む)が任期満了前に辞任した場合には、後任監査役の任期は通常の4年という記述をみましたが、それでよいでしょうか?(定款には、補欠として選任された監査役の任期は前任者の残存期間とする旨定めていますが)。その場合、定款に定める補欠というのはどういう場合にありうるのでしょうか?

投稿 きんた | 2007419 () 2236

A16

定款の趣旨にもよりますが、補欠として選ばなければ、4年でいいのではないでしょうか。

Q17

質問の内容は「監督」と「監査」の概念の相違点です。
監査委員会は「監査」を行いますがその範囲は妥当性にまで及びます。
妥当性というのは「監督」という概念に内包される気がするのですが、そうであるとすれば具体的には「監督」と「監査」は何が異なるために条文上文言が使い分けられているのでしょうか。

投稿 受験生 | 2007419 () 2353

A18

単なる伝統です。

Q19

419日さくらさんの関連です。そもそも442条1項1号の本店に備え置く計算書類及び事業報告(附属明細も)は、取締役会の承認が必要なのでしょうか。条文からはどうしても承認された計算書類等を備え置くとは読めません。旧商法282条1項と読み比べると取締役会の承認が必要とは読めません。本当に取締役会の承認のない計算書類等を備え置くと読んでよいのでしょうか。よろしく御教示ください。

投稿 三社祭 | 2007420 () 0837

A19

承認は必要です。承認がないと、ドラフトも全部開示するということにもなりかねません。

会社法は、当然のことを書かなかっただけです。

Q20

124条の基準日について教えてください。
①例えば、基準日を単に平成1941日と定めた場合、基準日株主は41日の午前0時の時点で株主名簿に記載された株主となるのでしょうか。
②会社法の基準日の規定は任意規定ですか。すわなち、基準「日」だけではなく、例えば、41日の午後5時、というように基準「時間」を定めることも可能ですか。

投稿 勉強中 | 2007420 () 1129

A20

  そうです。

  営業時間外に、名義書き換えを認めろというわけではないので、事実上、そのような指定をしていることになっています。法的にも認められるのではないかと思います。

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会社役員の基準時

月日は百代の過客というか、光陰矢のごとしというか。

先週

「頻度をあげますね。」

などと気軽に書いたわりには、もう火曜日になってしまいました・・・・。

狼少年になりそうですが、今週からは、なんとか週2回のペースに復活させます。

絶対とは、いいきれないのが、怖いけど。

念のため、今日は、2回分、書いときます。

とはいっても、質問コーナーが35問もあるので、独立させただけです。

今日は、2つほど、お知らせがあります。

まず、5月15日に、商事法務で、セミナーをやることになりました。

題名は

  直前対策緊急セミナー

  Q&A本年株主総会の争点と実務の着地点

という若干大げさなものですが、趣旨は

 総会関係で悩んでいる方の質問を事前に2問ずつ、お聞きして

 それに答えましょう。

というものです。時間が許せば、質問の周辺領域で注意すべき点についてもお話したいと思っています。

 自分の悩みを解決するだけではなく、他社の悩みを聞くのも大変参考になると思い、こういう企画にしてみましたが、いかがなものでしょう?

定員が40名ということなので、総会対策で悩んでいる人や、恋で悩んでいる人は、お早めに申し込みください。

詳しくは、http://www.shojihomu.co.jp/school.htmlへ。

2番目のお知らせは

 このブログでも実名で質問していただきました中央大学の大杉教授が、ブログを開設されました。

http://blog.livedoor.jp/leonhardt

商法関係の貴重な情報源がまたひとつ増えました。

大杉先生、期待しています。

さて、これからは本題。

今日は、入門を復活させようと思ったのですが、総会前ということもあり、銀行屋は荒野の藤袴 さんからの質問

4/3Q15の”事業報告における役員に関する記載において、事業年度末後定時総会までに辞任・退任した役員を除外することについて”ですが、立法論としてなぜそういう風になったかをぜひお教えください。」

について、少し詳しく説明したいと思います。

4月3日のQ15を見てもらえばわかるのですが、私は

「事業年度末後定時総会までに辞任した役員を除外するのは、条文上、仕方がない」

という趣旨の回答をしました。

 しかし、銀行屋は荒野の藤袴 さんからの質問を見て

 もしかして、質問と回答の間に重大なすれ違いがあったのではないか

と思うようになってしまいました。

それは、

私は、昨年(平成18年)6月の定時株主総会までに辞めた会社役員について回答したつもりなのですが、

質問者のラッシャー木村さんは、今年(平成19年)6月の定時株主総会までに辞めた会社役員について質問していたのではないか

ということです。

 質問を誤解していたかどうかは、いまだに判然としないものの、誤解のないように、事業報告の基準時について、例をあげながら、説明してみます。

 事業報告は、株主等に対して、株式会社の状況に関する重要な事項等を報告するためのものですが、事業報告で報告すべき事項は、時が経つにつれ、刻々と変化していくものなので、「どの時点の事実を事業報告に記載するのか」という基準時を決める必要があります。

 この基準時については、施行規則120条1号から3号のように条文に明記されているものと、そうでないものがありますが、明記されていないものについては、現時点(事業報告記載時点)を基準時とすることを基本としつつ、開示事項の性質に応じて、もっとも適切な時点を解釈によって導く必要があります。

 もっとも、今回の質問にあった会社役員については、事業年度の途中の日である定時株主総会の日に選任・退任することが通常であるという特殊性に鑑みて、施行規則119条2号かっこ書で

  直前の定時株主総会の終結の日の翌日以降に在任していたものであって、

  当該事業年度の末日までに退任したものを含む。

という基準時が定められています。

3月決算の会社で、今年(平成19年)の総会を例にとって、この要件を検討してみますと

「直前の定時株主総会」は、平成18年6月の定時株主総会のこと

「当該事業年度の末日」は、平成19年3月末のこと

ですから、

  平成18年6月の定時株主総会の翌日以降に在任していたものであって、

  平成19年3月末までに退任したものを含む。

という意味になりますね。

 この条文の①の部分をとらえて、私は

   平成18年6月の定時株主総会までに辞任退任した会社役員は含まれない

と回答したのです。

なぜ、昨年(平成18年)の定時株主総会の日までに退任した会社役員を除いているかというと、それらの会社役員に関する質問や責任追及は、昨年の定時株主総会でやっているはずだからです。

これに対し、質問が、もし

今年(平成19年)の定時株主総会までに辞任・退任した会社役員について、今年の事業報告に記載しなくていいのはなぜか。

という質問だとしたら、回答は

それは、勘違いであり、

当該会社役員については、今年の事業報告に記載する必要がある

ということになります。

私が、質問者がもしかしたら勘違いしているのではないかと思ったのは、先ほどの②の部分「平成19年3月末までに退任したものを含む。」を反対解釈して

  平成19年3月末までに退任したものは含むが、

  平成19年4月1日以降に退任したものは含まれない

と考える人がいるのではないかと、ふと思ったからです。

 しかし、このような反対解釈は、間違いであり、条文の②の部分は

事業年度の末日までに、すでに辞任している会社役員について、どのように取り扱うのか、不明確になるといけないので、注意的に規定した

ものに過ぎません。

 実質的にも、今年の3月末までフルに活動していた会社役員に関する事項は、今年の事業報告で書く以外に書く機会はないわけで、今年の総会が始まる前に辞めたからといって、書かなくていいということにはなりません。

 最初に質問してくれましたラッシャー木村さんが勘違いをしていたかどうかはよくわかりませんが(もし勘違いしていていなかったとすれば、失礼しました)、万一、事業報告を作成している人が、私の答えを勘違いしていると怖いので、補足してみました。

事業報告の基準時の問題は、結構、難しいところなので、もうすぐ出る

T&Aマスター4月30日号

のサミーズカフェで、事業報告に書くべき主要な事項について、検討を加えてみました。

関心のある方は、カフェに行って、マスターのサミーさんに聞いてみてください。

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2007年4月18日 (水)

「ありがとう」と言われる仕事

 はっと気がつくと、前回の記事から1週間も経っていて、愕然としました。
 ようやく昨日、官舎の引渡しが終わり、引っ越し手続きも山を越えたので、これからは、もう少し頻度をあげて、書きますね。

 今日は、某証券会社の法務部の方と、巷で話題の全日空インターコンチネンタルで、パワーディナーをしました。差し迫る総会の準備のための質問にお答えした場面もあったものの、パワーをつけるために飲んだ紹興酒が効き過ぎて、会社法以外の話題で大いに盛り上がってしまいました。
 脳の血液が紹興酒色になっているため、本日は、頂いた質問のうち、複雑そうな問題や、ちょっと仲間内で確認しなければならないような問題は、全部、後日に回しています。

 それにしても、全日空インターコンチネンタルは、改装により、ぐっとシックな大人の空間になりましたね。リッツカールトンやペニンシュラ等と競争していくために、頑張っているのでしょう。
 常に変わり続け、時代に即応していかなければ、廃れてしまうのは、サービス産業の宿命。継続的な設備投資とソフト面の改革は欠かせません。

 他方、新規参入のリッツカールトンが絶対的に有利かといえば、そういうわけでもありません。先日、家族と3日ほど泊まったのですが、開店してまもないためか、サービスのあちらこちらで不備が目立ちました。
 沢山の従業員が、自分の持ち場をしっかり守りつつ、他の従業員とスムーズに連携を取り合うことで、はじめて顧客満足度の高いサービスが生まれます。
 そのためには、ある程度の時間と経験が必要不可欠です。

 かといって、高い代金を払っているお客様に「経験不足ですから、我慢してください」とは言えないわけで、ミスをすれば、お客様から、容赦なく、責められ、場合によっては、信用を失うことにもなりかねません。

 私も、リッツカールトンとほぼ同時期に開業したので、経験不足は否めないのですが、弁護士が失敗すれば、クライアントが深く傷つくため、失敗は決して許されません。
 新米であるとか、不慣れであるとか、言い訳にならず、常に、プロフェッショナルとしての人並み以上の結果を求められる。
 だからこそ、弁護士は、どんな新米でも「先生」と呼ばれるのでしょう。

 その代わり、「先生」の仕事は
  「ありがとう」と言われる仕事
でもあります。

 私が、マクドナルドでお金を払って、コーヒーを頼めば、店員さんが
  「ありがとうございます」
と言います。
 売買契約は、双務契約なので、法的には、売主と買主に主従関係はないのですが、世間的には
  お金を貰う人がお礼を言う
というのが通り相場です。

 ところが、弁護士・司法書士・税理士・行政書士・医師・教師など「先生」と呼ばれる職業は
  お金を払う人
が「ありがとうございます」と言ってくれます。
 お客様から「感謝」を頂ける仕事って、素晴らしいと思いませんか?

 どんなに高給をもらおうとも、人に憎まれてしまうような仕事は、かなりつらい。
 「お金のために、割り切るぞ」と自分に言い聞かせても、ストレスはたまる一方です。

 逆に、 自分のがんばりが、お客様からの感謝の言葉としてかえってくる仕事は、充実した時間をもたらしてくれます。
 自分が全力を尽くして、仕事をすれば、その仕事に、涙を流して喜んでくれる人がいる。
 先生業の一番の魅力は、そこにあるのではないのでしょうか。
 きっと人間がにとって、「自分が他の人の役に立っている」という実感が大切なのです。

 受験生の皆さんは、今頃、試験勉強が佳境にさしかかっているでしょう。

 皆さんが「先生業」を目指す理由は様々でしょうが、それがなんであれ、皆さんが合格さえすれば
   お客様から「ありがとう」と言われる素敵な仕事
ができるのです。

 視野が狭くなりがちな時期ではあるものの、勉強の合間に、自分が目指している職業のすばらしさを見つめ直してみてください。
 きっと気力と集中力がグーンとあがるはずです。

(質問コーナー)
Q1
4月7日の質問コーナー(Q4)で、事業報告の内容とするものとして、施行規則126条の「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」(4号)について回答を拝見しました。これに似た質問となりますが、施行規則127条の「株式会社の支配に関する基本方針」についてご教示いただけないでしょうか。

『基本方針を定めている場合には・・・』とあります。この場合、①事業報告作成時に基本方針があれば内容とする(『会計監査人の解任・・・』の場合と同じ) ②事業年度内に基本方針を作成した場合に事業報告の内容とする  のどちらとなるのでしょうか
投稿 ますお | 2007年4月11日 (水) 10時50分
A1
①です。

Q2
補欠監査役の選任の効力についてご教授ください。
定款で補欠監査役選任の効力を4年とし、昨年の定時総会で○○氏の補欠として、△△氏を補欠監査役として選任いたしました。監査役○○氏は本年の定時総会で任期満了となりますが、再任される予定です。
この場合、監査役○○氏の任期は一旦満了となりますので、補欠監査役△△氏の選任の効力も失われることになるのでしょうか?
それとも、監査役○○氏は再選される予定ですので、補欠監査役△△氏の選任の効力は、あと3年間あると考えてよろしいのでしょうか?
投稿 法務課員 | 2007年4月11日 (水) 13時54分
A2
 補欠の会社役員の選任に係る決議が効力を有する期間は、定款に別段の定めがある場合を除き、当該決議後最初に開催する定時株主総会の開始の時までです。

Q3
Q10の「その他種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合」についての疑問ですが。千問の道標Q140を読むと、「322条1項各号に掲げる行為(→本件は合併)をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき」と説明されています。つまり、322条は会社の行為によって損害を蒙る株主と蒙らない株主の両方がいる場合ですね。
 そこで、債務超過会社の合併による損害が、配当財源が減るからだという理由だとしたら、その損害は、優先配当株主だけが蒙る損害ではないので(株主全員が蒙る損害だから)、322条には該当せず、従って、「種類株主総会の決議は不要」ということにならないでしょうか。
 例えば、千問Q141のように、累積型を非累積型に変更するような場合は、配当優先株主のみが損害を蒙りますので、「種類株主の権利を守るために決議が必要」ということになりますが…。
 その意味では、合併に関して配当優先株主の決議が必要になる場面は、「(類似品)存続会社が吸収合併等の対価として譲渡制限株式を交付するとき」等のように、その種類株主だけが損害を蒙る場合しかないのではないでしょうか。
 それとも、「優先株主は配当を得ることが第一目的であるから、他の種類株主と損害の蒙り度が全く違う」というような、損害の程度や頻度を理由に、当該種類株主の決議が必要だという主張も可能なのでしょうか?
投稿 江崎一恵 | 2007年4月11日 (水) 16時19分
A3
配当財源が減っても、優先株主分の財源は十分にあるような場合には、普通株主だけが損害を受けます。
場合によっては、優先株主も、普通株主も、損害を受けるものの、優先株主は、配当が5%減るだけだが、普通株主は0円になるというように、損害の程度が異なる場合もあるでしょう。
ですから、種類ごとに利害関係が異なる以上、種類株主総会は必要でしょう。

Q4
従業員持株会に加入している社員が(退職、役員就任等により)退会する場合、その「持分」を持株会に譲渡したり、自己の名義に書き換えたりする必要が生じる場合があります。
この後者の自己名義に書き換える場合の話なのですが、この場合も139条①の株主総会(取締役会)の承認が必要となるのでしょうか?
136条の方は「譲り渡そうとするときは」となっているのに対して、137条①は「取得した取得者は」となっているので、この137条①の方で必要になるのでは?と考えています。
よろしくお願いします。                                                   
投稿 ネットくん | 2007年4月11日 (水) 17時23分
A4
問題意識がいまいち分かりませんが、会社が自己株式を取得しようとするときは、譲渡承認は不要です。

Q5                                                                           
本日は、清算人の登記の申請書に定款の添付を義務付けている商業登記法73条1項につきご教授ください。
ある書籍にはこの場合に定款の添付を義務付けているのは、「清算人会設置会社である旨の定款規定をチェックするため」と記されているのですが、むしろ、「清算株式会社になることは、特例有限会社から株式会社への移行(整備法46条)や組織変更(920条)と同じように解散・設立の登記を義務付けるのがふさわしいくらいの会社の性質の変更だから、設立の登記に必ず必要な定款の添付を義務付けている」という理由付けがしっくりくるのですが、このような理解で間違いないでしょうか?
というのも、清算人会の設置は定款の相対的記載事項であり(477条2項)、定款変更は原則として株主総会しかできない(466条)から、商業登記法46条2項により株主総会議事録を添付すれば定款を添付せずとも通常定款変更の登記は可能です。なぜ清算人会の場合、議事録だけでは足りないのか、上記の理由付けだけでは足りないと思うからです。
投稿 NK | 2007年4月12日 (木) 01時43分
A5
商業登記法は、答えると怒られるので勘弁してください。

Q6
監査法人について質問があります。
会社法、公認会計士法を見ても、会社の会計監査人の資格要件として
「業務を行っている」という点がありません。そこで、
1.現在、一時会計監査人を選任している会社で、8月1日から業務を開始する
監査法人(設立登記済)を6月28日の株主総会で会計監査人に選任する
ことは可能でしょうか?
2.可能だとして、それは始期付条件決議になるのでしょうか?
3.その場合、現在の一時会計監査人の終期は総会終結時でしょうか?
  それとも条件成就日でしょうか?
4.その際の登記は、総会終了後直ちに?または、条件成就後直ちに?
  どちらになるのでしょうか?
業務を開始していない監査法人を会計監査人に選任できるか、という点を
実務に落としたとき、以上がわかりません。
投稿 法務次長・課長 | 2007年4月12日 (木) 06時10分
A6
 1 可能だと思います。
 2 選任決議の効力発生日を8月1日にしたもののように思います。
 3 会計監査人が欠けている間は、一時会計監査人に権限があります。
 4 選任決議の効力が生じた日でしょう。

Q7
212条2項に相当する規定は 設立時にも存在しますか?
 存在しないとしたらその理由を教えてください。
投稿 maru | 2007年4月12日 (木) 18時21分
A7
ないです。
現物出資は、発起人しかできず、しかも、発起人が全員で同意した定款に基づくものですから。

Q8
吸収分割契約において、吸収分割と同時に剰余金の配当または全部取得条項付種類株式の取得を行う旨定めておけば(758条8号)、剰余金の配当や全部取得条項付種類株式の取得に際しての対価の交付の限度額に関する規制に付する規定が適用されません。(792条)これは何故ですか?
投稿 maru | 2007年4月12日 (木) 18時22分
A8
人的分割です。

Q9
会社法施行規則第127条の「株式会社の支配に関する基本方針」について
当該方針を当該事業年度(当社は3月決算期ですので、平成18年4月1日~
平成19年3月31日)末までに定めず、次期の4月1日から事業報告作成までの間の取締役会で決議した場合、「株式会社の支配に関する基本方針」として記載するのか、後発事象として「その他企業集団の現況に関する重要な事項」として記載するのかご教授頂きたいのです。
事業報告の記載事項はすべて、当該事業年度に係るものを対象とし、平成19年4月1日から事業報告作成までのものに関しては後発事象として記載すると認識していたのですが、以前このブログで事業報告に記載する「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」、「内部統制システムの構築の基本方針」について、事業報告作成時を基準として記載する旨の回答がされています。
「株式会社の支配に関する基本方針」についても同様に考えて宜しいのでしょうか?
事業報告の内容を定めた会社法施行規則第118条~第127条のなかに「当該事業年度に係る」という文言が入っている条文といない条文がありますが、これとなにか関係があるのでしょうか?
投稿 株主総会担当 | 2007年4月13日 (金) 08時54分
A9
記載します。
事業報告は、必ずしも事業年度に係ることばかりではありません。

Q10
小会社で、非公開会社で、一名だけいる監査役が会計監査限定監査役の場合です。既に監査報告書は作成済みで、当該監査役が定時総会に病気欠席したときに、株主の質問権を害さず、監査報告は書面で提出されて、他の取締役が代読(又は監査報告を書面により報告)をした時は、総会がこの書面を承認すれば、決議は有効で、定時総会は違法ではない、との趣旨の記載が旧商法時代の書籍(実務相談株式会社法)にございましたが、会社法でも、同様に考えて良いでしょうか。
投稿 はりこのとら | 2007年4月13日 (金) 21時16分
A10
同じでしょう。

Q11
相続人等に対する株式の売渡請求について質問させてください。
定款に相続人等に対する株式の売渡請求の規定を入れている例を多く見受けますが、実行するには株主総会の決議が必要で、当該株式は議決権がないところまでは理解できました。
全ての株式に譲渡制限をつけた株主1人の会社で、その株主が死亡すると取締役としては売渡請求をしたいのですが、全ての株式が売渡請求対象で議決権がないので、株主総会決議ができない、よって請求できないということになるのでしょうか。
投稿 みゃあ | 2007年4月13日 (金) 21時33分
A11
175条2項ただし書の適用により、議決権を行使できると思います。

Q12
131頁のComprehension Test 169で,「会社の本店事務所とするためのビルの一室を賃借する行為は,発起人の権限の範囲内か。――当該行為は『賃借』であって『取得』ではないため,財産引受行為(28条2号)以外の開業準備行為となり,定款の記載の有無を問わず,発起人の権限の範囲外となる。」とあります。
これは,賃借行為は,一切28条2号によって有効となる余地がないという意味だと思うのですが,昨今よく行われるリース契約のようなものでも,28条2号によって有効となる余地がないということでしょうか。
また,相手方がどうしても売るのを嫌がっていて,賃貸ならOKという場合,それでも28条2号によって,有効となる余地はないのでしょうか。
投稿 mel | 2007年4月14日 (土) 12時51分
A12
賃貸は、駄目でしょう。私は、財産引受は、あまり合理的な規制とは思いませんが、現行法では仕方ありません。
どうしてもということならば、設立後に賃貸すればよいと思います。

Q13
 事業報告に記載する内部統制について質問があります。
 先生は、会計監査人の解任又は不再任の決定の方針について、事業報告作成時のものを記載すると4/7に回答されております。同様に内部統制についても、3月決算会社が事業報告に記載する場合、翌月4月の取締役会で変更した内容を当該事業報告に盛り込むことは可能でしょうか?
投稿 パルフィー | 2007年4月14日 (土) 13時46分
A13
可能です。

Q14
会社計算規則第74条1項2号の創立費についての質問なのですが、創立費について一定の用件を満たすときには新たに資本金または資本準備金から控除できるとありますが、その用件とはどのような物なのでしょうか?
投稿 tiyo | 2007年4月14日 (土) 18時31分
A14
現状では、できません。

Q15
補欠監査役の選任に関して教えてください。
監査役会設置会社で、社外監査役A、社外監査役B、(社内)監査役Cがいます。次回の定時総会で補欠監査役Dを選任する予定です。補欠監査役Dを選任する際に、会社法施行規則96条2項3号で社外監査役の補欠として選任するとともに、株主総会参考書類の中に、「なお、補欠社外監査役Dは(社内)監査役Cの補欠として就任する場合でも、社外監査役として就任します。」と記載して選任すれば、選任後、実際に(社内)監査役Cの補欠として就任する際に社外監査役として就任できますでしょうか?(社外監査役として登記できますでしょうか?)
投稿 竹の子 | 2007年4月15日 (日) 15時07分
A15
社外監査役というのは、客観的な属性であって、Dが監査役に就任すれば、必ず社外監査役になります。

Q16
「会社法マスター115講座」では、会社法の条文は、どの程度、網羅されておりますでしょうか?
そこで、条文索引を出版社のホームページにPDFでアップしていただくことは可能でしょうか?
投稿 玉屋 | 2007年4月16日 (月) 01時31分
A16
ちょっと把握していません。条文索引は、作るのが大変ですので勘弁してください。

Q17
「A:会計監査権限限定監査役を任期満了退任させて業務監査権限監査役を選任する総会」と「B:426条に基づく責任免除の定款規定を設けるための総会」を同一にすることは可能でしょうか?
気にしているのは、当該Bの議案を総会に提出するには426条第2項により425条第3項の規定を準用しているという点です。425条第3項の冒頭、「監査役設置会社(中略)においては・・・」という表現を426条第2項においても素直に適用し、議案提出時既に業務監査権限監査役設置会社においては同意が必要であるが、言い換えれば、会計監査権限限定監査役しかまだ置いていない場合には、監査役の同意は不要と読むこともできると思います。この読み方でOKということであれば、上記Aの議案とBの議案は同一総会で決議することが可能ですが、これがNGとなると最初にAの議案の総会を終え業務監査権限監査役を置いた後に、Bの総会について同監査役の同意を得て議案を提出し決議をするという2回の総会が必要な事態が生じます。
ABは同一総会にて決議可能でしょうか?
投稿 ヤサオトコ | 2007年4月16日 (月) 19時28分
A17
同一総会では、難しいですね。

Q18
新・会社法100問(第2版)の、p317の"634"について、質問があります。
「執行役が、会社法の業務の執行に関し・・・」とありますが、正しくは、「執行役が、会社の業務の執行に関し・・・」ではないかと思うのです。
葉玉さんならば、「会社法の業務執行」でも正しいのかもしれませんが(笑)
ご確認の上、コメントいただけるとありがたいです。
投稿 至誠丸 | 2007年4月17日 (火) 16時55分
A18
すいません。そうですね。

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2007年4月11日 (水)

【入門】株主平等の原則(4)

今日は、株主平等の原則の最終回です。

これまでの説明でサミーさんが言いたかったことをまとめると
 1 株主平等の原則の本質は、株主の非個性化にある。
 2 保有株式の数に比例的に取り扱うことは、株主平等の原則の本質的内容ではない。
   だからこそ、比例的に取扱わなければならない剰余金の配当、議決権、残余財産の分配等については、明文で、比例的な取扱いが強制されている。
ということでしょう。

 これを前提に、旧商法で株主平等の原則の「例外」と呼ばれていた諸制度について外観してみましょう。

1 単元未満株主
 単元株式数に満たない数の株式のみを有する単元未満株主は,株主総会等における議決権を行使することができません(189条1項)。これは、株主管理コストを低下させるための制度です。
 「比例的な取扱い」を株主平等の原則の内容と考えるならば、単元株式数の制度は、「例外」になりますが、保有株式の数のみに着目して差別的取扱いをするものですから、109条1項の例外ではありません。ですから、188条1項には、「109条1項の規定にかかわらず」という文言がありません。

2 剰余金の配当における基準株式数
 現物配当をする場合には、基準株式数以上の株式を有する株主に対しては当該財産を,基準株式数未満の株式しか有しない株主に対しては金銭を交付するという取扱いの差異を設けることができます(456条)。
 これも、「比例的な取扱い」を株主平等の原則の内容と考えるならば、単元株式数の制度は、「例外」になりますが、保有株式の数のみに着目して差別的取扱いをするものですから、109条1項の例外ではありません。「109条1項の規定にかかわらず」という文言がないのもそのためです。

以上のように、会社法の明文上の「例外」と言われていた制度は、いずれにせよ、109条1項の「例外」ではなくなったと考えるべきでしょう。

次に、従来から、解釈上認められていた制度について説明します。

3 株主優待制度
 株主優待制度は、内容が各社ばらばらなので、109条1項に違反するかどうかは、その内容次第です。
 保有株式数に純粋に比例するのではなく、
① 階段型 1000株につき割引券1枚
② ハードル型 10000株以上なら、皆、割引券1枚
のように、株主の個性に着目することなく,株式の数のみに着目して株主を別異に取り扱う限りにおいては,109条1項には違反しません。
③ 逆ハードル型  1000株以下の株主様には、割引券1枚

これは、株式の数に着目しているので、109条1項の本質には触れませんが、合理性がなければ、109条2項違反になる可能性はあります

 駄目そうなのは、
 3年以上保有している株主様は、割引券1枚
というもので、これは、株式の数に着目していないので、109条1項違反でしょう。
 これについては、http://app.blog.livedoor.jp/masami_hadama/tb.cgi/50979279参照です。

 まして
 「株主のうち、創始者は・・・」「偉大なる松真様は・・」とか、そういうのは、駄目です。
 109条2項でいきましょう。

 また、財産を株主に配分するような優待制度は、株主平等の原則とは別に、現物配当に係る手続的規制(453条以下)や財源規制(461条)に触れる可能性が高いと思います。

4 日割配当
 事業年度の途中で新株を発行した場合にその発行時期に応じて日割りで配当する日割配当は、会社法では禁止されましたので、もはや論ずる必要はないと思います。

最後に、従来、あまり論じられなかった「株式の内容」と109条1項の関係をお話ししましょう。

5 株式の内容
 これは、商事法務の論文で書いたところです。
 109条1項は、「株式の数」だけではなく、「株式の内容」に応じて、取り扱わなければならないことを定めたものです。
 この「内容に応じて」という部分は
 種類が違う株式を差別的に取り扱うのは、平等原則の内容である
ということを意味しています。
 では、内容自体が差別的なものは、どうでしょうか。

 従来は、株主平等の原則は、明文化されていなかったので、株式の内容自体の差別性も平等原則の問題とすることができました。

しかし、会社法では、条文の文言を見てもわかるとおり、109条1項は、内容自体の差別については、無力です。
 「株式の内容に応じて、株式の内容を平等に取り扱わなければならない」
というルールでは、何を言っているか意味がわからないでしょ?

とはいえ、定款で
  株主が偉大なる松真様である場合には、拒否権がある
という内容の株式が定められるとすれば、それは
 109条2項の「株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定め」
になります。
 ですから、公開会社では、そのような内容の株式を発行することはできません。

 そういうことを考えると、109条1項と、2項が合わさって、株主平等の原則を形作っているということはできるかもしれません。

 サミーさんの時代から、長々と、株主平等の原則について説明が続きました。
 今までは、明文がなかっただけに、その射程もあいまいでした。
 射程があいまいであることは
  ① 規制すべき事実について、規制できないおそれがある。
  ② 規制していない点について、威嚇効果を与えるおそれがある。
という点で、あまりいいことではありません。
 109条1項2項は、一般条項的側面もあるので、絶対的な明確性があるわけではありませんが、この条文を足がかりに、株主平等の原則の射程を以前より明確化することができのではないか、というのが、今回の一連の入門記事の望むところです。

(質問コーナー)
Q1
今回は会計参与が取締役会に出席した場合の議事録への署名等の義務につきご教授ください。
会計参与は計算書類の承認を受ける場合等一定の場合は、取締役会への出席義務があります(376条1項)が、この場合当該会計参与は議事録への署名等の義務が規定されていません(369条3項参照)がこれはなぜでしょうか?
会計限定監査役にも署名義務を認める(千問№505)点、一定の会社では監査役と会計参与は同機能の機関と位置づけられている(327条2項)点、損害賠償責任は会計参与も監査役も「役員等」の責任として負う点、等を考慮すると疑問に感じました。
以上の点宜しくお願いします。
投稿 NK | 2007年4月 8日 (日) 00時54分
A1
取締役が出席義務を負うのは、取締役会の一員として、審議・決議に参加するため
監査役が出席義務を負うのは、監査のため
会計参与が、出席義務を負うのは、基本的には、取締役等から質問等を受けるためです。
会計参与は、受け身の立場なので、議事録への署名義務は規定されていません。

Q2
789条1項3号及び810条1項3号では、株式交換(or移転)契約(or計画)新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権である場合、当該新株予約権付社債についての社債権者は、当該消滅会社等に対し、異議を述べることができると規定されています。
この点につき、単なる新株予約権ではなく、新株予約権付社債と限定をつけているのはなぜでしょうか?
基本的なことが分っていないからだと思いますが、宜しくお願いいたします。
投稿 NK | 2007年4月 8日 (日) 15時40分
A2
株式交換は、基本的には、完全子会社の債権債務に影響を与えない行為なので、原則として、完全子会社の債権者に異議権はありません。
そして、株式交換契約新株予約権の新株予約権者については、新株予約権買取請求で対応すれば十分なので、あえて異議権を認める必要はなく、弁済等による救済も難しいので、認められていません。
他方、株式交換契約により完全親会社に移転する新株予約権付社債の社債権者は、新株予約権買取請求をできる場合もありますが、できない場合もあり(787条2項)、弁済等による救済も可能なので、債務者の変更という重大な利害関係を生ずることに鑑みて、異議権が認められているのだと思います。

Q3
合併の場合、合併比率が5000円:5000円とします。消滅会社の株主のうち残る株主には、1:1で株式を交付しますが、現金で渡す株主もいる場合、この「5000円」より極端に多い(1万円渡す)のは、構わないのでしょうか?つまり、残る株主との間に差があっても構わないかということですが
投稿 ひみこ | 2007年4月 8日 (日) 15時45分
A3
原則、駄目だと思います。いろいろな可能性は考えられますが。

Q4
事業報告の「会社役員に関する事項」について、根本的なことを教えていただけますでしょうか。
会社法施行規則121条各号に定められている事項のうち、
・「会社役員の氏名」(1号)
・「会社役員の地位及び担当」(2号)
・「会社役員が他の法人等の代表者その他これに類する者であるときは、その重要な事実」(3号)
については、7号(重要な兼職の状況)等と異なり、「当該事業年度に係る」という限定が付いていませんが、どの時点での状況を事業報告に記載すればよいのでしょうか。
①事業年度の末日時点でしょうか、②事業報告作成時点でしょうか、それとも、③事業年度中の異動をすべて記載する必要があるのでしょうか。
①または②だとすると、例えば、定時総会以降、事業年度末日の前日までに退任した役員については、退任時点で他の法人等の代表者であったとしても、その事実を事業報告に記載する必要はないという理解でよいでしょうか。
投稿 今さらですが | 2007年4月 8日 (日) 19時49分
A4
③事業年度中の異動をすべてです。
事業年度末日までに退任した役員は、含まれます(119条2号)。

Q5
葉玉先生,補欠役員の選任について教えてください。
監査役が3名で、うち社外監査役2名の監査役会設置会社です。
次回定時株主総会で補欠監査役1名を選任しようとしております。
①会社法施行規則96条2項3号によって補欠の社外監査役として選任した場合、選任後、社外でない監査役が辞任した際には監査役に就任できないのでしょうか?
(補欠の社外監査役として選任しなければ、このように悩まなくとも良いのですが、社外でない監査役が辞任した際でも、補欠監査役を社外監査役として就任させたい事情があります。)
②定款規定で補欠監査役の選任決議の有効期限を選任後4年まで伸張している場合です。
補欠監査役Aの選任の後、監査役Bが次の総会終結の時をもって辞任することになりました。その際、既に補欠監査役Aが選任されているにもかかわらず、別の人Cを監査役候補者とする監査役選任議案を出せるのでしょうか?
(補欠監査役選任時に会社法施行規則96条2項6号も決議しておけば、その決議された手続きに従って補欠監査役Aの選任決議を取り消せば良いのでしょうか?)
(96条2項6号を決議していなければ、総会での監査役Cの選任議案のなかで同時に補欠監査役A選任決議を取り消す旨、決議すれば良いのでしょうか?)
投稿 | 2007年4月 8日 (日) 22時08分
A5
①補欠選任時の決議の趣旨にもよりますが、監査役に就任することはできます。
②これも補欠選任時の決議の趣旨にもよりますが、別の人を監査役候補者とする議案を出すこともできます。

Q6
葉玉先生、「会社法マスター115講座」を拝見しました。
レイアウト(見開き2頁:左に解説・右に図表)は、以前、ブログで推薦
されていた「ビジュアル 株式会社の基本」に似ていると感じましたが、
執筆の際、意識されたのでしょうか?(笑)
投稿 玉屋 | 2007年4月 8日 (日) 23時29分
A6
レイアウトは、郡谷さんが担当していたので、意識はしていないと思います。

Q7
新株予約権買取請求について質問させてください。
787条1項2号においては 吸収分割契約新株予約権、
787条1項3号においては 株式交換契約新株予約権が
あげられています。
 ところが 787条1項1号においては 吸収合併契約新株予約権
なるものはあげられていません。
 これは、そんなもの(吸収合併契約新株予約権なるもの)が存在しないからなのでしょうか?
 仮に存在しないなら なぜそのような概念を認めることは出来ないのでしょうか?
投稿 maru | 2007年4月 8日 (日) 23時32分
A7
合併は、包括承継であるため、新株予約権者が消滅会社に留まることはできないからです。

Q8
337条3項2号で「公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者」とは具体的にどんな人を指すのですか?
 例えば、子会社の役員がこの具体例として挙げられるのでしょうか?その他にも具体例を教えてください。
投稿 maru | 2007年4月 8日 (日) 23時34分
A8
子会社の従業員等です。

Q9
1.立法者は「効力を生じない」(128条など)と「無効とする」(352条2項など)とを区別して規定していますが,どのような違いがあるのでしょうか。初学者の私には,どちらも講学上の「無効」を指しているように読めます。民法でも,「無効とする」(94条・95条など)と「効力を生じない」(113条1項)のように区別しており,例えば,前者が有効要件を欠く場合,後者が効果帰属要件を欠く場合という説明がされることがあります。この説明が一般的かはわからないのですが,会社法にもあてはまるという前提で,起案されているのでしょうか。基本的な法制用語が分からず,困っています。
2.108条1項9号の種類株式を「選解任」付種類株式と教科書ではされているのですが,この条文を読む限り,「解任」権限が付与されているとは読めません。どう考えればよろしいのでしょうか。
投稿 とむ | 2007年4月 9日 (月) 14時34分
A9
1 民法の該当条文で、たまたまそうなっているだけで、他の法律では、必ずしもそのような区別になっていません。あまり気にしない方が合理的です。
2 347条を見てください。

Q10
非公開会社の従業員持株会について教えてください。配当優先・完全無議決権株式です。当該会社(存続会社)が債務超過会社(消滅会社)を合併したい場合、従業員持株会の種類株主総会で拒否したら、他の者がどれだけ合併したくても、合併できないということになるのでしょうか?
投稿 はる | 2007年4月 9日 (月) 14時46分
A10
322条の適用があるならば、そうでしょうね。
種類株式を消す工夫はできるでしょうが。

Q12
「千問の道標」の種類株式の箇所に「株主総会の決議および種類株主総会の決議が必要‥」とあります。
この意味は、すべての種類株式の株主が出る株主総会
特定の種類の株主が出る種類株主総会があるということですか?
このように種類株主総会の賛成が必要だと、定款を二度と改訂できなくなる可能性もしょうじてしまう。そんなことはあるはずがないと思うのですが
投稿 くぼ | 2007年4月 9日 (月) 16時43分
A12
322条等に列挙された定款変更であれば、そのような場合もありえます。
種類株主総会は、種類株主の権利を守るためのものですから。

Q13
監査役会設置会社において,「各監査役の監査報告」と「監査役会の監査報告」があります。招集通知に添付すべきは後者のみとされていますが(会社法437条を受けた施行規則133条1項2号ロ),備え置くべき監査報告(会社法442条1項)については両者であると解されています(千問410頁)。
会社法437条と442条の規定ぶりは同じなのに,どうして異なる解釈をとるのでしょうか。
「株主への情報提供の充実」を備え置きに際してのみ,特に重視されたのでしょうか。
そうであれば,たとえば,「監査役会の監査報告」の作成のための監査役会の議事録に,「各監査役の監査報告」を添付する(閲覧に際して裁判所許可等の要件が加重されますが),というような実務も許容されるのではないかと考えますが,いかがでしょうか。
投稿 のぞみ | 2007年4月10日 (火) 01時26分
A13
形式的には、省令に委任されているか、委任されていないかの違いでしょう。
省令に委任されている部分については、コストが沢山かかるものなので、楽にしてあげているということです。
監査役会の議事録添付は、裁判所の許可が必要になるので、駄目でしょう。

Q14
 募集株式の発行の際の検査役の選任不要事由についてお聞きします。会社法207条9項1号は,旧商法280条ノ8第1項但書にあった「現物出資を為す者に対して与ふる」に相当する文言がありませんので,金銭出資者も含めて今回割り当てる株式の総数が発行済の10分の1であることを要求しているようにも読めます。
 しかし,この点について言及している参考書は見当たらず,旧商法と同様の取扱いで説明している参考書を多数見ました。旧商法と取扱いに変更がないっていうことでいいんですよね?それと,上記文言がないことが気になる私みたいな困った性格の人のための,会社法207条9項1号の読み方も教えていただけるとありがたいです。
投稿 みわ | 2007年4月10日 (火) 15時13分
A14
 現物出資を行う引受人が引受ける株式数という意味です。
 読み方といわれても、ちょっと難しいですが、209条8項で「募集株式の引受人(現物出資財産を給付する者に限る。以下この条において同じ。)」とありますので、9項も同じ意味になります。

Q15
1.設立時発行株式の引受の取消についてです。
発起人については、会社法33-8で1週間以内とされています。
募集設立の設立時株主は、会社法97で2週間以内とされています。
発起人も設立時株主である(会社法65)ので、募集設立の発起人は、2週間以内なら取り消すことができるということになりませんでしょうか?
2.合同会社の減資の効力発生日は、債権者保護手続きが終了した日で、株式会社と異なりますが、何か理由があるのでしょうか?
投稿 パラリーギャル | 2007年4月10日 (火) 15時46分
A15
1 33条8項は裁判所が定款を変更した場合、97条は創立総会で定款を変更した場合なので場面が違うのですが。
2 実質的には、あまり違いはないと思います。

Q16
葉玉先生、引越しお疲れ様です。CBについて、ご質問させてください。
CBについて、新株予約権の数が、新株予約権付社債についての社債の金額ごとに均等に定められているという条件が必要と規定されている(会社法236条2項)のは、CBホルダー間の公平、というのが理由、という理解で正しいでしょうか?
従って、例えば、新株予約権行使時に、
社債100円につき、20円分については株式が交付され、残80円分については期限前償還される、というCBも設計可能でしょうか。
上記が可能な場合、社債100円につき、[現在の時価―転換価額]分について株式が交付され、残額については、期限前償還される(株式交付部分がmoving)という設計も可能でしょうか。
会社法上、転換社債型の新株予約権付社債に係る社債の発行価額と新株予約権の行使に際して払い込むべき金額とが同額でなければならないとする規制は廃止されているので、可能と理解していますが、ご意見よろしくお願いします!
投稿 かおるん | 2007年4月10日 (火) 18時15分
A16
設問のような転換社債も可能だと思います。

Q17
計算書類等の株主への提供についてお尋ね致します。
計算規則第161条2項などで規定される計算書類等の電磁的方法による提供につき、書面による交付又はEメールの添付書類としての送付といった請求権を全ての株主に保障した上で、当初の提供方法としてはWebサイトへの掲載による方法で行うことは可能でしょうか?
計算書類については、いわゆるWeb開示制度の対象外とされている点からすると、Webサイトへの掲載による方法は難しいのではと考えています。
もし上記事例において可能であるとされるならば、一般的な電磁的方法による提供とWeb開示制度の違いは、どの点にあるのでしょうか?
投稿 ここあ | 2007年4月10日 (火) 18時34分
A17
WEBとE-MAILの差をどう考えるかですが、WEBは株主が見に行くもの、E-MAILは株主に送られるものという理解を前提にすると、WEB化するのは難しいでしょう。

Q18
吸収合併時の株式買取請求通知(会社法785条、同797条)についてです。
上記通知は、効力発生日の20日前までに行えばよいこととされております。
また、全ての株主に通知を要するともされていますが、合併承認総会を効力発生日の20日前より前に行っていた場合に、総会後、効力発生日20日前に通知をする場合には、買取請求権を行使することができない総会で反対した株主には、通知する必要はないと思いますがいかかでしょうか。
投稿 k.y | 2007年4月10日 (火) 18時54
A18
意味が分かりにくいのですが、反対した株主が、反対した後に、株主ではなくなったということでしょうか?それならば、通知する必要はありません。
株主ならば、通知が必要です。

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2007年4月 7日 (土)

引っ越しが大変

 皆さん、励ましのコメント、本当にありがとうございました。
 弁護士になって、もうすぐ1週間ですが、早速、沢山のクライアントとお会いして、いろいろと頭を使う仕事を頂いて、ありがたい限りです。

もっとも、仕事だけなら弱音を吐かないものの、実は、官舎からの引っ越しや各種手続きもあって、てんやわんやで、弱っております。

 私の官舎は、高田馬場徒歩15分のところにあり、70平方メートルくらいの3LDKで家賃7万円だったので、マスコミ流に言えば
  「近隣のマンションでは家賃20万円が相場なのに、3分の1の家賃で都心の一等地に住んでいる」
と言われそうですが、現実は、
  昭和55年築で、見栄えも断熱もよくない
  風呂は、60センチ四方しかなく
  お風呂の湯沸かしは、手動でカチンカチンと鳴らして種火を付けるタイプ
  キッチンのお湯は、お風呂の湯沸かし器で出すので。お風呂の種火をつけないとお湯が出ない。
  トイレの蓋がない
  当番で、共用部分を掃除しなければいけない
等という超豪華マンション並みの住宅環境です。

 そして、この超豪華仕様の官舎を退去するときは「現状回復」と言って、畳みやふすま等を取り替えなければならず、大体、数十万円を取られます。
 また、今回は、辞めたので引っ越し費用が出ないのは仕方がありませんが、検事時代も引っ越し費用は全額出ることはなく、毎回、拾数万円~数十万円は赤字で自己負担です。
 検事や裁判官は、2~3年に一回は転勤・引っ越しがあるものなので、官舎がないと本当に困るのに、以上のような事情で何かとお金を取られるので、官舎は、全然、安くないです。
 官舎は、退職後20日以内に引渡さなければならないことから、もうすぐ現状回復の程度を管理人さんにチェックしてもらわなければならず、これが私を憂鬱にしています。
 そのため、新居の段ボールを開けることもないまま、今は、必死に、官舎の掃除・修理・傷隠しに励んでいます。

 さらに、引っ越しや転職をすると、ガス・電気・水道・電話・携帯電話・区役所・税務署・各種金融機関・カード会社等に届出をしなければならず、これが、また無茶苦茶面倒くさいし、時間がかかる。
 私の個人情報が、いかに沢山のところで把握されているかということを痛感しました。

 ということで、結論を言えば・・・本日は、時間がなくて、ブログの記事が書けません。

 わりと好評な入門講座は、続けていくつもりですので、ご心配なく。
 とりあえず、株主平等の原則の途中で切れているので、次は、続きを書きたいと思います。

(質問コーナー)
Q1
自己新株予約権の取得について、ご教示ください。
新株予約権の取得事由及び消却の条件として、新株予約権行使前に行使条件(行使時に取締役又は従業員であること)に該当しなくなった場合、新株予約権を会社が無償取得できる旨を定めています。
(会社法施行前に発行したもので、発行時の募集要項では「消却事由及び消却の条件」として、無償消却ができる旨を定めていた項目です)
退職者が出た場合、この条項に従って会社が新株予約権を取得する形にしたいのですが、その場合、275条第4項に定める通知としては、「退職に伴い、新株予約権の権利は消滅しますよ」という書面での通知が必要となるのでしょうか。これまでの退職者には、このような書面での通知を残していなかったのですが、退職時に口頭での通知を行っていれば、会社が新株予約件を無償で取得することは可能なのでしょうか。
投稿 TAKLAW | 2007年4月 3日 (火) 11時40分
A1
275条4項の通知は、書面で行う必要はなく、口頭でも可能です。

Q2
A社がB社の事業全部を譲り受ける場合、A社において、効力発生日の前日までに株主総会の特別決議による承認が必要とされ(法467条1項3号、309条2項11号)、また、効力発生日の20日前までに、株主に対し、B社の事業全部を譲り受ける旨の通知を行うことが必要とされています(法467条3項)。

A社がとてもうっかりしていて、効力発生日の前日までに株主総会を招集せず、その特別決議による承認を経ていなかった場合、当該事業譲受契約は無効であると思いますが、追認により有効となる余地があるのでしょうか。
仮に追認により有効となるとしても、事業譲受の効力発生日は、契約書の記載如何にかかわらず、株主総会の特別決議による承認の時点からということになるのでしょうか。

旧商法下においては、株主総会の特別決議による承認の時点から営業譲渡契約は有効になると解されており、追認も認められていたかと思います(新版注釈会社法(5)278頁参照)。かかる見解を前提にすると、旧商法下では、追認があれば、契約書に記載された譲渡日に事業譲渡が行われたことになると思います。
これに対し、会社法下では、「効力発生日」までに株主総会の特別決議による承認が必要とされている点が気になります。
投稿 まこまこ | 2007年4月 3日 (火) 12時06分
A2
解釈問題ですが、旧商法とあえて違う結論を採る必要はないように思います。
追認も可能でしょう。

Q3
サミー先生、計算書類の注記事項についてお教えいただけませんか。
廃止前の商法施行規則(附属明細書)107条1項10号は、括弧書きで「これらの者が第三者のためにするものを含む」と規定していました。
十  取締役、執行役、監査役又は支配株主との間の取引(これらの者が第三者のためにするものを含む。)及び第三者との間の取引で計算書類作成会社と取締役、執行役、監査役又は支配株主との利益が相反するものの明細

会社計算規則(関連当事者との取引に関する注記)140条4項7号は、当該株式会社の役員及びその近親者と定めています。
質問:廃止前の商法施行規則で「これらの者が第三者のためにするものを含む」とあった取引は、新しい会社法令では、関連当事者の注記事項からはずされたのでしょうか?もしはずされていないとすれば、新しい会社法令のどの規定からそれを読み取るのでしょうか?
投稿 トオル | 2007年4月 4日 (水) 15時27分
A3
附属明細書と関連当事者との関係については、若干、うまくいっていない点があり、調整マターです。

Q4
『会計監査人の解任又は不再任の決定の方針』(施行規則126条4号)についての質問です。
当該方針を事業年度末までに定めていなかったが、事業報告作成までに定めた場合、事業報告に記載してもOKでしょうか。それとも「該当なし」との記載が妥当でしょうか。
あるいは、「企業集団の決算期後に生じた重要な事実」(施行規則120条1項9号)として別項目で記載すべきなのでしょうか。
ご教示ください。
投稿 ヒゲマン | 2007年4月 4日 (水) 15時37分
A4
 会計監査人の解任又は不再任の決定の方針は、事業報告作成時のものを記載します。

Q5
 株主総会参考書類の記載事項について、ご教示ください。
 取締役の選任議案において、社外取締役候補者が過去5年間に他の「株式会社」の取締役等に就任していた場合、その在任中に当該他の株式会社において不当な業務執行があったときは、その事実を記載することと定められています(会社法施行規則74条4項4号)。
 この規定は、あくまで「株式会社」で不当な業務執行があった場合の規定であり、合名会社、合資会社、相互会社で不当な業務執行があった場合には、法律上はその事実の記載は求められていないということでよろしいでしょうか。
 なぜ株式会社にのみ限定されたのでしょうか。
投稿 SH | 2007年4月 4日 (水) 17時21分
A5
 持分会社の業務執行社員は出資者であり、受任者ではないからです。

Q6
名作「3つの誕生日」がなにげに、削除されているようなんですが、復帰は望めませんか。
投稿 匿名希望 | 2007年4月 4日 (水) 19時05分
A6
ちょっと考えさせてください。

Q7
葉玉先生が、新司法試験において、もし九州でかつてのような受験指導をなさっていただけるのならば、是非参加したいという学生は大勢いると思います。
投稿 ムウ | 2007年4月 4日 (水) 20時33分
A7
10年くらい前に、九大生を中心に教えていたのがなつかしいですね。
機会があれば、教えてもいいんですが。

Q8
弁護士の先生を、補欠社外監査役として総会で選任しようかと検討しております。
①選任後、被選任者に補欠監査役である間の報酬を支払おうと考えております。この、「補欠監査役に報酬を支払うこと」については総会の決議は必要ないとの認識でよろしいでしょうか?
②被選任者が、過去または現在において、当社または当社子会社の「顧問弁護士」であっても、取締役・使用人等ではないので、社外性の要件は満たしているとの認識でよろしいでしょうか?
監査役の兼任禁止規定には抵触しないとの認識でよろしいでしょうか?
投稿 一目山人 | 2007年4月 4日 (水) 22時17分
A8
①補欠監査役は、仕事がないので、「報酬」という概念はありません。
したがって、総会の決議もいりません。
② 顧問弁護士でも、社外性の要件を充たします。

Q9
特別決議の要件を定款で加重することができますが(309条2項柱書)、これは決議事項ごとに(たとえば、合併は3分の2以上の賛成でいいけど、株式交換は4分の3以上)という定め方ができるという理解でよろしいでしょうか?
投稿 paripasu | 2007年4月 4日 (水) 23時44分
A9
可能です。

Q10
組織再編行為と情報開示のうち事前開示について質問させてください。
 株式交換または株式移転により完全子会社となる会社の新株予約権者は 事前開示された書面等の閲覧・交付請求をすることができます。ところが 消滅会社・分割会社においては 新株予約権者は 事前開示された書面等の閲覧・交付請求をすることができません。この違いは なぜ生じるのでしょうか?
投稿 maru | 2007年3月31日 (土) 06時01分
A10
新株予約権者は、債権者ですので、閲覧・交付請求は可能です。

Q11
組織再編行為と情報開示のうち事後の開示について
分割会社・承継会社・新設分割により設立された会社で
事後の開示をされた書面につき、株主・債権者・その他利害関係人が閲覧・交付請求等をすることができます。
 ここで「その他利害関係人」とは具体的にどのような人を指すのでしょうか?
 また、株主・債権者に加えて「その他利害関係人」まで
広く閲覧・交付請求等をすることができると定めたのは何故ですか?ご教授ください。
投稿 maru | 2007年2月18日 (日) 01時16分
A5
 分割により承継された財産の担保権者等利害関係を有する人は、見せた方がよいからです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

上記の回答につき 改めて考えてみると再び分からなくなりました。何度も質問して恐縮ですが再質問させてください。

上記回答で挙げられている 『分割により承継された財産の担保権者』とは 承継会社及び新設分割により設立された会社における「その他利害関係人」の具体例だと思います。
それでは 分割会社における「その他利害関係人」とは具体的にどのような人を指すのでしょうか?
投稿 maru | 2007年3月31日 (土) 06時03分
A5
 分割により承継された財産の担保権者が、どちらの例かは考え方だと思いますが、分割会社の債務を保証している保証人とかはいかがかでしょう。

Q6
葉玉先生 会社分割について教えて下さい。
新設分割によりA社を3社以上に分割するという分割計画の承認は、一つの議案で一つの分割計画を承認する方法で何ら問題ないと思いますが、いかがでしょうか?実例では新設分割設立会社毎に議案を分けて行われているようですが、登記手続も含め一議案で承認することで何か問題があるのでしょうか?
投稿 親切分割 | 2007年4月 5日 (木) 01時31分
A6
議案は、一つでも、三つでもいいでしょう。

Q7
会社法施行規則120条2項により、企業集団の現況に関する事項に相当する
事項が、連結計算書類の内容となっているものを事業報告から省略した場合
の話です。この場合、監査役に提出するものは記載を省略した事業報告でも
問題ない(連結計算書類も提出するので)と思うのですが、本店に備え置くもの
も記載を省略した事業報告で問題ないのでしょうか(連結計算書類は備置対象
ではないので)?事業報告と参考書類の間の重複記載の省略と異なり、120条
2項では、省略して良いのは株主に提供する事業報告のみという縛りがないよう
なので疑問に思いました。
投稿 ここりこ | 2007年4月 5日 (木) 10時47分
A7
そう言われれば、そうですねえ。

Q8
 早速,先生のお書きになった商事法務の「代表取締役の就任・退任」について質問です。10pの「選定強制規定」は,例示から間接選定方式の場合のみが想定されているように見えるのですが,直接選定方式にも妥当するのでしょうか。仮に,直接選定方式にも妥当する場合,例えば,代表取締役Aが死亡した場合,会349条1項但書の適用が解かれず,平の取締役Bに会349条1項本文の各自代表の規定が適用されることはないと解してよいのでしょうか。
 また,13~14p互選代表取締役の死亡の場合の記述は,互選規定が選定強制規定なら会349条1項本文の各自代表の規定が適用されず,互選規定が選定強制規定以外であれば,各自代表の規定が適用される趣旨として理解してよいのでしょうか。
投稿 猫太郎 | 2007年4月 5日 (木) 14時04分
A8
 個人的には、言いたいことがあるのですが、選定強制規定の問題は、某所との調整が必要な問題なので、ここで結論を出すのは差し控えたいと思います。

Q9
社外取締役・社外監査役候補者が、社外取締役・社外監査役になること以外の方法で会社の経営に関与していない者であるときは、「当該経営に関与したことがない候補者であっても職務を適切に遂行することができるものと会社が判断した理由」を株主参考書類に記載しなければなりませんが、記載する必要がない「会社の経営に関与したことがある者」とは、どの程度関与したことがある者のことをいうのでしょうか?
「経営」というと、取締役を連想しますが、執行役や監査役経験でもOKでしょうか?
単なるヒラ従業員経験レベルではダメかと思いますが、執行役員経験者や部長クラス経験者ではいかがでしょうか?
投稿 グッジョブ | 2007年4月 5日 (木) 14時34分
A9
 執行役や部長クラス経験でも経営に関与しているということはできるでしょう。

Q10
会社計算規則181条によると 総会決議で定めた場合、総会決議なしで任意積立金を取り崩すことができると読み取れます。
当社は、任意積立金(純資産の部)に『平均配当積立金』を積んでいます。
配当金を支払うと繰越利益剰余金がマイナスになるのは決して見栄えの良い
ものではないので、その際、総会決議を経ないで取り崩すことができないか
疑問に思っています。
『平均配当積立金』は、旧商法の利益処分案で積み立てたもので、いつ取り崩すかは特段定めていません。
ただ、平均配当という目的積立金であることから、配当を支払う際は、取り崩せる
ように思い込んでいました。
また、取り崩せない場合、直近の総会で平均配当積立金は、『繰越利益剰余金が配当金支払額より少ないときに取り崩す』と剰余金の処分議案で、一文いれれば可能なのでしょうか。
投稿 トラジ | 2007年4月 6日 (金) 09時04分
A10
各会社で積み立てた任意積立金は、その使い方を決めるのも各会社ですから、平均配当積立金を積み立てた株主総会の決議の趣旨によるとしか答えようがないんですよね。
 今後については、総会決議なしで取り崩せることが、決議から明らかになれば、それでいいです。

Q11
事業報告で開示が必要となる役員報酬についてですが、
昨年6月総会で取締役を退任し、その後監査役に就任して
いる役員について、監査役としての報酬は開示しますが、
昨年4月から6月までの取締役としての報酬は開示対象から
外れるという理解でよろしいのでしょうか。
役員報酬については開示対象が分かりにくくて困っています。
投稿 参事官室によく電話する人 | 2007年4月 6日 (金) 12時39分
A11
ちょっと調整が必要ですね。しばらく、お待ち下さい。

Q12
私はまだ学生なのですが、近年の法改正ラッシュに学習が追いつかず苦しんでおります。改正に関してタイムリーに解説している雑誌やサイトがありましたら紹介して下さい。できれば、初学者、受験生、実務家と3段階に分けていただくと助かります。
A12
民法・商法ですと、商事法務でしょうね。
刑法・刑事訴訟法だと、なんでしょう?
検察月報は、もう読めないし(笑)。

Q13
某教授から「接続詞の『思うに』は使うな。予備校教育の弊害だ。」と教授されました。論理が途切れるというのが理由ですが、今まで多用していた接続詞だけに当惑しています。そこで、形式論理面の相談ですが、試験や起案等でどのように書けばよいのかご教授お願いします(ちなみに、私は将来的には新司法試験を受験するつもりです)。
投稿 のあ | 2007年4月 6日 (金) 16時01分
A13
 日本語で意味の通じる言葉を書いたのに、減点されるとすれば、それは誤った採点です。
 あまり気にする必要はないと思います。
 なお、「思うに」というのは、「私が思うところによれば」という程度の意味なので、「思うに」を抜いて書いても、ほとんどの場合、意味は通じます。

Q14
ところで、少し意地悪な質問なのですが、TMIは、土日を休むことができるのですか?
投稿 ぞう | 2007年4月 6日 (金) 16時41分
A14
土日に働く人もいれば、休む人もいるようです。
ケースバイケースでしょうが、仕事が早ければ、休むことはできるでしょう。

Q15
世間では、契約金相場によると、「こ○○や」さんは××円で、「は○ま」さんは××円などと、ホントか嘘かわかりませんが、うわさが飛び交っておりますが、スター選手の移籍ですから、適時開示にも期待しております(笑)・・・。
投稿 T/A | 2007年4月 7日 (土) 13時06分
A15
プロ野球ではないので、契約金も、裏金も、ありませんでした。

Q16
取締役等による免除に関する定款の定め(426条)と権利義務取締役(346条)について以下の点につき教えてください。
1 426条の定款の定めを設けるには、取締役が二人以上必要と規定されていますが、事件が起き、免除の決議等をする場合に「当該責任を負う取締役」を除くと1人しか取締役がいなくなる場合でも免除の決議等は有効でしょうか?
2 426条の定款の定めを置く非取締役会設置会社で、二人いた取締役の1人が辞任した場合、当該辞任した取締役は346条により権利義務取締役になる、との理解でよいでしょ
投稿 NK | 2007年4月 7日 (土) 16時54分

A16
1 残りの取締役で免除することはできます。
2 426条の定めがあるからといって、必ずしも、定款で取締役の員数が2人以上になっていると解釈することはできないと思います。

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2007年4月 3日 (火)

TMIで働くことになりました。

 皆さん、お久しぶりです。忘れているかもしれませんが、私は
  葉玉 匡美
です。

実は、私は、3月末日付けで検事を退官し、4月から、六本木ヒルズに事務所を構えています
   TMI総合法律事務所(http://www.tmi.gr.jp/)
に弁護士として勤務することとなりました。

 検事の仕事には愛着があり、とりわけ東京地検特捜部での仕事は、会社法、証券取引法、税法等が複雑に絡み合う私好みの事件ばかりで、やりがいをもって仕事に打ち込んでいましたが、その反面で、土日に休みにくいという難点がありました。

 私は、妻子が九州に居住している単身赴任生活者ですから、土日が休めないと、健全な家庭生活を営むことができません。
  「家事と育児は、自分が一生責任をもって実行し続けなければならない大仕事である。」
 「楽しい家庭が築けなければ、楽しい仕事ができるはずはない」
というのが私のポリシーですから、妻との時間・子供との時間を犠牲にしてまで、趣味でやっている検事を続けるわけにはいかないと思ったのです。

 また、これから
  会社法の完全施行(合併対価の柔軟化の解禁)
  株券の電子化
  電子記録債権法案
等、私が、民事局時代、全精力を注いできた法律達が世の中に受けいれられることなりますが、私にとって我が子のような法律達を、単なる傍観者として見守るのではなく、自分の手で育ててみたいという気持ちもありました。
 このブログを通じ、沢山の会社が、沢山の悩みを抱えて救いを求めていることを知り
  自分が、今、困っている方にできる最善のことは何か
と考えたとき
  検事の仕事をしている場合じゃないだろう。
と思ったのです。

 さらに、新司法試験・ロースクールという時代の節目に創設された制度で苦しんでいる学生達に、何か少しでも手助けをしてあげられないかと思いましたが、検事のままでは、何かと制約がつきまといます。

 そんなこんなで、昨年終わり頃、検事を辞めることに決め、仕事の合間合間に、事務所探しをして、いろいろと考えた末、TMIに就職することにいたしました。

 TMIは、現在、弁護士等約140人、弁理士約40人を抱える法律事務所であり、米国・英国等の法律事務所と外国法共同事業を行うなど多様性に富んだ活動を行っているユニークな事務所です。

 大手事務所の常として、企業法務、知的財産、ファイナンス、倒産・紛争処理等の法分野を取り扱っているのは当然ですが、私は、事務所で働いている先生方とお話しして
   問題解決のための自由な発想
   その発想を具体的なプランに練り上げる様々な専門家の存在
   そのプランを現実化するためのマンパワー
の全てにおいて充実感と成長の予感を感じることができたので、TMIで働くことに決めました。

 実は、その後、民事局で長年一緒に働いていた
   髙山崇彦さん
も、裁判官を辞めて、TMIに就職すると知り、いよいよ自分の選択が間違っていなかったと思った次第です。

 高山さんは、一連の倒産法の改正と保険法改正の立ち上げに携わった優秀な民事局付検事であり、つい先日まで、東京地裁民事8部の裁判官だったという会社関係訴訟のプロでもあります。

 新たな職場で働くことについて、不安がないといえば嘘になりますが、いろいろ勉強しながら、そして、他の専門家と協力しあいながら、悩める会社経営者・法務担当者の救いの神になれるよう頑張りたいと思います。

 なお、このブログについては、特に問題がなければ、当分の間、続けたいと思いますが、これは、あくまで「無料の趣味のブログ」ですので、このブログの見解は、TMI総合法律事務所としての見解でもなければ、当然のことながら、法務省の見解でもありませんので、そういうものとして受け取ってください。
 
 そうは言っても、あまり無責任なことは書けないので、これまでどおり、なるべく間違わないようにお答えしたいと思いますし、同業者からの質問も快くお受けしたいと思いますが、筆が滑ったからといって、損害賠償を求めるようなことは勘弁してくださいね。

 それでは、これからもよろしくお願い申し上げます。

(質問コーナー)
Q1
■株主総会に於いて
①株主である出席役員(取締役、監査役)は議決権を行使できるのでしょうか?株主としての権利行使と、取締役としての義務の履行は別物なので大丈夫のような気がしています。
②①が可能の場合、自らの選任決議は特別利害関係者として否定されますか?その場合、304条によるいわゆる緊急動議は提出できませんよね?(出来ないというか、しないのが普通?)
③また、①が否定される場合、取締役が議決権の過半数を有する場合には定足数が充足されないということでしょうか?
A1
① 行使できます。
② 特別利害関係者であっても議決権は行使することができます。
 304条も適用されます。
Q2
■取締役会において
④譲渡制限株式を、(代表)取締役が譲受する場合の譲渡承認は、当該取締役は、特別利害関係者としてその議決に加わることが出来ないということで宜しいでしょうか?
投稿 ネットくん | 2007年3月27日 (火) 13時05分
A2
そのとおりです。

Q3 313条に関してです。不統一行使ではなく、いわば一部行使は可能なのでしょうか。厳密に言えば、会社は一部行使を拒絶できるのでしょうか(3項の適用如何)。例えば、10株保有している株主が、7株分だけ賛成し、残り3株分は議決権行使しないようなケースです。
A3
可能です。

Q4
 298条2項に関してです。「千人」の判定は、いつ行われるのでしょうか。基準日でしょうか。例えば、ある会社は普段は株主数が7~800人で推移していたのに、基準日にたまたま1000人を超えていたケースなどを考えると、扱いが分からなくなります。
投稿 探偵 | 2007年3月27日 (火) 14時11分
A4
基準日だと思います。

Q5
基本的な質問で恐縮ですが、事業報告についてお聞かせ下さい。
非公開会社の場合、施行規則118条1号で、「当該株式会社の状況に関する重要な事項」と定めてあり、千問のQ596では、「重要事項の判断は、第一次的には、業務執行者において行うこととなる。」とあります。
そうすると、非公開会社の場合、計算書類を作成する取締役が施行規則119条以下の公開会社の特則で定められた項目から適宜、重要と判断するものを選択し、取締役会で事業報告を承認すれば良いということでしょうか。
ただ、重要性の判断基準をどのように置くべきか、具体的な指針がなく、判断がつきかねており、漠然と非公開大会社の場合は、公開会社の特則と同等に、非公開小会社の場合は、かなり簡略化もOKと考えているのですが、問題はありませんでしょうか。
また、非公開会社の場合、社外役員がいても、「社外役員に関する記載事項」は不要ということでよろしいでしょうか。
投稿 southalps | 2007年3月27日 (火) 15時49分
A5
重要性の判断は、事実認定の問題なので、「問題はありません」というのはなかなか難しいですね。
なお、非公開会社であれば、社外役員に関する法定の記載事項はありません。

Q6
事業報告の記載についてお教えください。
連結計算書類作成会社が、会社法施行規則第120条に基づき「会社の現況に関する事項」を「企業集団の現況に関する事項」にしました。
事業報告における、それ以外の項目に関しても連結ベースで記載したいと考え、例えば「業務の適正を確保するための体制等の整備についての決議の内容の概要」について、その決議をしたグループ企業の決議内容を全て記載しようと考えたのですが、記載して差し支えないでしょうか?
それとも逆に、企業集団の現況について書いた以上、企業集団に関して全て記載するべきなのでしょうか?
投稿 VALUATION | 2007年3月27日 (火) 20時49分
A6
設問のような記載をすることはできます。
企業集団に関して全て記載する必要はありませんが、都合のよいところだけつまみ食いするような記載は、開示の趣旨から問題が生ずる場合があります。

Q7
初のコメントで気が引けるのですが、会社法で義務付けられた、いわゆる「内部統制システムの構築の基本方針」について実務上の取扱いを悩むことがあり、お知恵を拝借したいと思い質問を書かせていただきます。
平成18年5月開催の取締役会で決議した方針は、事業報告にその決議の内容の概要を記載する必要があるわけですが、当該事業年度中に同方針の改正の決議をした場合はともかく、例えば次期の4月開催の取締役会で改正を決議した場合は事業報告にどのような記載をすべきか?ということで悩んでいます。

例えば、組織変更にともない改正が必要になった場合や不祥事の発生により方針の強化を図ることもあります。
事業報告への記載については、
1.平成18年5月の決議の内容の概要のみを記載
2.平成19年4月の決議の内容の概要のみを記載
3.平成18年5月の決議の内容の概要を記載のうえ、平成19年4月の決議の内容の概要は後発事象と捉え「その他企業集団の現況に関する重要な事項」として記載する
のいずれかの方法を採りえると考えていますが、いかがでしょうか?
ご教示のほどよろしくお願いします。
投稿 momo | 2007年3月28日 (水) 18時14分
A7
事業報告の作成時点で生きている方針を記載すべきだと思います。

Q8
会社法234条、もしくは235条の端数の株式の処理ですが、端数を合計しても1株にも満たない場合について、どのように処理されるのでしょうか。
条文のとおり端数を切り捨てるということになると、対価は無しということになると思います。そうなると、支配株主以外が保有する株式は全て端数にしてしまうようなスキーム(全部取得条項付種類株式を利用しての極微細な端数株との交換など)がとられた際に、少数株主は無償で追い出されるのかと思いました。それでよろしいのでしょうか?どうぞよろしくお願いします。
投稿 k-h | 2007年3月29日 (木) 10時23分
A8
理屈はともかく、あまりにひどいスキームは、無効になるでしょう。

Q9
会社法施行規則2条3項5号ロ(3)についてご教示ください。
社外役員の定義中の「社外取締役、社外監査役として事業報告等の資料に
表示している」についてですが、同号ロ(1)、(2)には該当しない(現時点でも
該当しない)が過去に(3)に該当する表示をしている場合も社外役員に該当する
ことになりますでしょうか?(同号イの条件は満たしている前提です)
例えば、平成18年6月の定時株主総会用の営業報告書中で社外取締役である旨の記載がある場合、平成19年3月末日現在で同号ロ(1)に該当する事実は
ありませんが、平成19年6月の定時株主総会用の事業報告の記載では、当該取締役については社外取締役として記載を求めらる事項を記載する必要があることになりますでしょうか?
それとも、平成19年6月用の事業報告では、社外取締役と表示するつもりがなく、他の資料(有価証券報告書)にその旨記載する予定も無い場合には、社外取締役として求められる記載は必要無いということになりますでしょうか?
投稿 四苦八苦 | 2007年3月29日 (木) 12時00分
A9
調整マターですが、過去に表示したことがあるのならば、社外役員に該当すると考える方が安全です。

Q10
会計監査人の意見陳述権についてご教示願います。
会社法第345条第5項に規定される会計監査人を辞任した者および会計監査人を
解任された者には、業務停止となり会計監査人の資格を失った者(法第337条)は
含まれるのでしょうか?
投稿 総務屋 | 2007年3月29日 (木) 18時40分
A10
含まれません。

Q11
非常に基礎的なことで恐縮ですが、単元未満株式の買取請求を受けた発行会社は、これを拒否したり、買取を一時留保するようなことはできない、という理解でよろしいでしょうか。
単元未満株式の買取請求は、形成権であると理解しておりますが、そうだとしますと、請求を受けた時点で売買契約と同一の効果が生じてしまいますので、拒否も買取りの一時留保もできない、という理解で間違いがないかどうかを確認させていただきたいと思います。
投稿 ik | 2007年3月30日 (金) 01時03分
A11
単元未満株式の買取請求権は、権利なので、拒否や留保はできません。
ただ、効力は、代金の支払い時に生じます。

Q12
社外取締役選任議案の株主総会参考書類にかかる会社法施行規則74条4項6号ロは、「当該株式会社又は当該株式会社の特定関係事業者から多額の金銭その他の財産(これらの者の取締役、会計参与、監査役、執行役その他これらに類する者としての報酬等を除く。)を受ける予定があり、又は過去二年間に受けていた」としています。ここでいう、「これらに類する者としての報酬等」とは何を意味するのでしょうか。特定関係事業者の取締役退任後の相談役などの顧問料は、ここに該当して、参考書類記載事項から除外されるのでしょうか。そうでない場合、想定するものは何でしょうか。
次に多額の金銭とはどの程度をさすのでしょうか。顧問料等になりますと、さほど多額にはわたりませんが、それはどこに基準を置くかにより変わってくると思います。その旨があるかどうかという判断を示せばよいという規制であるため、より一層その基準が問題になるように思います。
投稿 ik | 2007年3月30日 (金) 17時40分
A12
取締役ではない相談役は、これらに類する者に含まれないと思います。
特定関係事業者は、会社に限定されませんから、財団法人の理事長等はこれにあたるでしょう。

Q13
会社の定款の改定作業において、機関の設置の中に「執行役」を含めるか否かを悩んでいるものです。3月4日の記事で示されている回答に従えば、会社法を根拠に執行役は「機関」に含まれないことになります。一方、
http://hadama.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_12.htmlにおいて
葉玉さんも同様に「会社法」を根拠にして『執行役も「第四章 機関」に規定されているので,機関です。』と回答されています。どちらも会社法を根拠に回答されており、混乱しております。326条2項に機関は全て尽くされていて、「第四章機関第10節」にある執行役の見出しは機関以外のソシキ??が規定されているという理解でよろしいでしょうか。又、定款において機関として執行役を置く旨の定めをしている条文は誤りになるのでしょうか。
投稿 茶坊 | 2007年3月30日 (金) 20時19分
A13
「機関」の意味次第だと思いますが、広い意味では、執行役も機関ですから、定款で執行役を機関としてもよいと思います。

Q14
創立総会の定款変更(譲渡制限)についてお尋ねします。
創立総会で全ての株式に譲渡制限を付し、非公開会社にすることにした場合
反対株主にはどのような救済措置があるのでしょうか?
変態設立事項ではないので97条で取り消すことはできないし、
100条は種類株式が対象となっています。
会社成立後の定款変更では買取請求が認められるのに設立時の手当てが
見当たらないので不思議に思いました。
錯誤無効もイマイチ無理があるような気がしますし。
投稿 春吉 | 2007年3月30日 (金) 21時16分
A14
ポカです。

Q15
事業報告における役員に関する記載において、事業年度末後定時総会までに辞任・退任した役員を除外することについて伺いたく存じます。
(略)
上記諸点を勘案、また、事業報告は年度中ないし年度末に関する事項を記載するという基本に立ち帰り、事業報告には事業年度中に在任したことがある役員すべてを記載すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
投稿 ラッシャー木村 | 2007年3月31日 (土) 08時01分
A15
立法論として傾聴に値しますが、現行法で「記載すべきである」というのは明文に反します。

Q16
上場会社の議決権行使において、委任状方式をとることができますが、「委任」である以上、受任者が受任するかどうか自由に決定できると考えます。
そうすると、委任状方式においては、会社が、会社提案に反対の委任を受任しないことができ、反対株主は総会に出席しなかったことになりましょう。
(定足数を要する議案でなければ会社側は何も困りません)
委任状が総会後3ヶ月保存されるだけで、株主がどれだけ反対したかは議事録等に残りません。
株主の権利が抹殺されているように感じるのですが、会社法制定を機に、書面投票方式に一本化するような議論はなかったのでしょうか?
投稿 ラッシャー木村 | 2007年3月31日 (土) 08時14分
A16
私が知る限り、一本化という説は有力にはなりませんでした。

Q17
取得条項付新株予約権の取得が、財源規制に服さないのはなぜなんでしょうか?
投稿 パラリーギャル | 2007年3月31日 (土) 15時25分
A17
新株予約権は、株式ではないからです。

Q18
新司法試験直前の知識整理に、会社法マスター115講座を活用させていただいております。その中のP88,P89の部分で少しわからない点があります。お時間が許せばご教授ください。

不明なのは2失権の4段落目、新株予約権の払い込み期日までに払い込みがない場合でも、払い込み義務が存続するという部分です。これは、新株予約権の払い込み一般すべてに対する記述なのでしょうか、それとも会社法244条の引受契約の場合に限定する記述なのでしょうか。

右ページの表ですと、払込期日の方が前の場合には「引受契約」と記載があり、行使期間の方が前の場合には「引受契約」の記載がないのは、省略されているだけなのでしょうか?それとも意味があるのでしょうか?このあたりがわかりません。

たしかに条文上は義務が消滅するとの記載はないのですが、なぜ新株予約権の場合には、行使できなくなった新株予約権の対価として、払込義務が存続するのか、根本的なこのあたりが、そもそもわからず困ってしまいました。
払込ことによって、遡及的に新株予約権が行使できるように、なったりするのでしょうか?

理由付けとして書かれてある「根拠法がない」という意味では、新株発行の出資履行についてと、なんらかわらないように一見考えてしまうのですが、そのあたりの理由がいまいちわかりません。
投稿 びあ | 2007年3月31日 (土) 17時13分
A18
この点は、ライブドア時代のブログに書いたと思いますが、どの記事だったか、今、すぐに分かりません。ちょっと探してみてください。

Q19
サミー様、詳しいご教授、大変助かっております。商事法務1795号の「事業報告における退職慰労金の開示」の記事が業界に波紋を呼んでおります。事業報告の施行規則121-4による慰労金の開示は、端的に言うと、1年分の退職慰労金が固まっていれば、その事業年度分のみを毎年書きなさい、ということでしょうか?経団連モデルでは、「各事業年度で開示している場合は退職時の支給のうち各事業年度での開示分は不要」とありますが、1795号によれば、施行規則121-4では、慰労金総額はどのようなケースでも記載不要と読めます。118条1号の記載ぶりが非常に複雑で判り難くなりませんか?新法施行後1回だけ開示すると、総額から1回分だけ差し引いて、118-1で開示するのでしょうか?
投稿 T/A | 2007年4月 1日 (日) 00時15分
A18
「毎年、書きなさい」という義務ではなく、「毎年書くか、最後にまとめて書くか」という意味だと思います。

Q20
 株主との合意による自己株式の取得についての質問させてください。発行会社と株主との売買成立日はいつになるのでしょうか?
 ①申込期日(会159条2項)
 ②申込期日は株主に売主となる権利を割り当てる日であって、その後に発行会社と個々の株主が売買を行う。したがって、売買成立日は個々の株主によって異なる。
 ①と解した場合は、株券発行会社であっても株券の引渡しは効力発生要件ではないと解することになると思われます。会128条1項との関係が不明です。
投稿 aritam | 2007年4月 2日 (月) 21時07分
A20
 売買契約が成立するのは、①です。
 株券の引き渡しは、売買契約の成立を前提に株式の譲渡の効力が生ずる要件です。
 
Q21
ある条件の成就を停止条件として、株主割当てによる募集株式の発行を考えております。
202条3項4号に該当する会社なので、決議機関は株主総会となります。
株主総会決議において、申込期日を「条件成就の日の1ヶ月後」という形で定めても問題ないでしょうか。
投稿 こたつ | 2007年4月 2日 (月) 21時19分
A21
できるでしょうね。

Q22
減資と株式の消却についてご教示ください。
債務超過に陥っている完全子会社について、100%無償減資を行い、減少した資本金で欠損填補を行うと同時に、新たな増資を行うことによって支援することを検討しています。
会社法の下では、減資と株式の償却は完全に切り離されているため、100%無償減資を行うに際して、株式の償却を行う必要はないという理解でよろしいでしょうか。
また、株式の消却を行う必要はないとした場合、株式の消却を行うときと行わないときとのメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。
投稿 MJ | 2007年4月 2日 (月) 23時09分
A22
資本金を0にするからといって、株式の消却をする必要はありません。
株式の消却をすれば、既存の株主はいなくなります。
それを望むのか、望まないのかということでしょう。

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