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2007年3月20日 (火)

【入門】株主平等の原則(1)

久しぶりの入門編ですが、今日は、23問の
  「株主平等の原則について論述せよ。」
について説明しましょう。

1 平等とは?
 株主平等の原則は、旧商法では明文のない原則として理解されていましたが、会社法は、109条1項に
「株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。」
と規定しました。

 「平等」という言葉は美しいため、株主平等の原則を聞いたばかりの会社法初心者は
   人間は、皆、平等。
   会社法も、憲法と正義の観点から「平等」を定めているんだな。
と勘違いしてしまいます。
 また、その勘違いが
   公開会社の株主は平等だけど、非公開会社は不平等だから、非公開会社は、ずるい。
   合同会社は、出資者の平等がないから、時代遅れだ。
という誤ったイメージにつながってしまいます。

 はたして、株主平等の原則は、「正義の原則」なのでしょうか?

 憲法の平等原則を思い出してください。憲法14条には
   形式的平等=すべての人を一律に取り扱う
   実質的平等=その人の個性に応じて、取り扱う
2種類の平等が規定されています。

 株主平等の原則は、憲法14条の平等と同じですか。違いますよね。
 株主平等の原則は、
   すべての株主を「一律に取り扱わず」、株式を沢山持っている人には、沢山の権利を与える
ものですし、
   「株主の個性に応じて取り扱うのではなく」、むしろ株主の個性を無視して、持っている株式の内容と数だけで、その株主の取り扱いを決める
というものです。

 ラフに言えば、株主平等の原則は
   「沢山、会社に出資した株主が、それだけ多くの権利をもらえる。」
というルールであり、偽悪的表現を用いれば
   金こそ力
という金銭至上主義的なルールです。

 小学校で学級委員を決めるとき
   俺は、給食費を5000円払っているから、5票。
   お前は、給食費を払っていないから0票。
などと言う小学生がいたら、相当、嫌な奴です。

 株主平等原則というのは、そういう「嫌な奴の論理」なので、この原則を勉強するときは
   美しい法原理
などという訳の分からないものは追い求めず
   株主平等により、どんな政策目的を実現しようとしているか。
というプラグマティックな目で制度を眺めた方がいいと思います。

2 株主の非個性化

 さて、株式会社が、株主平等の原則を採用している理由は、大きく分けて、2つあります。
 1つは、株主の非個性化。
 2つは、少数派株主の保護です。

 「株主の非個性化」というのは
   忙しくて会社経営に参加できなくてもいい。
   無能で、経営のことが何も分からなくてもいい。
   借金まみれの無資力でもいい。
   とにかく、金さえ出資してくれたら、きちんと株主としての権利を認めます。
ということです。
 株主が非個性化すれば
   株主が、会社に出資をするときに感じるハードルが低くなり、出資しやすく
なります。
 
 また、株主の非個性化(=経営能力・資力不問)を実現することにより、
   株式譲渡は自由にしてよい=株式譲渡自由の原則
というルールを実現することができますし、そのことにより
   会社債権者の保護のため、株主の出資の払戻しを禁止する
というルールも実現することができます。

 このように株主平等の原則は、間接有限責任や、所有と経営の分離などと並び、株式のの非個性化のためのルールであり、究極的には、会社が出資金を集めやすくするためのものなのです。

 なお、本の中には、株主平等の原則について
    保有する株式の数に「比例的に」取り扱うべきこと
を強調するものもあります。

 確かに、1株の株主と1000株の株主が、同じ額の配当、同じ額の議決権しかもらえないとしたならば、みんな1株しか出資しなくなりますから
   会社が出資金を集めやすくする
という株主平等の原則の目的を考えれば、「比例的」な取扱いをするのが一番合理的です。

 しかし、株主による取締役の違法行為差し止め請求権のように、1000株の株主に1000個与えるようなことができない権利もありますし、株主管理コストを低くするために、単元株のように一定以上の株式数を持っていない株主には権利を認めないという場合もあります。
 これらの場面でも、株主は、保有株式数「以外」の要素で差別されているわけではないので、株主の非個性化は実現されていますが、比例的な取扱いはされていません。

 ですから、株主の非個性化と、比例的な取扱いは、必ずしも同じ意味ではなく、株主平等の原則の本質は、「株主の非個性化」にあり、
   「比例的」取扱いは、他の政策目的を達成するために、合理的な範囲で、修正される場合もある
ということを覚えて置いてください。

3 少数派株主の保護
 株主平等の原則の2番目の政策目的は、少数派株主の保護です。

 株主平等の原則には、1株1議決権という資本多数決も内容も含まれています。
 つまり、株式を沢山持っている株主が、少数派の株主の反対する議案を、多数決で決議することができるというのも、株主平等の原則のあらわれです。

 他方、多数派株主が、どんなに定款を変更しようとしても、
   少数派株主が、保有株式数に応じて有する配当や議決権を奪う
ことは、株主平等の原則に反するので、できません。

 これが、株主平等の原則の持つ少数派株主の保護機能です。

 初心者の皆さんの中には
   やっぱり、少数派の人権を守るための正義の制度だったんだ
と嬉しくなる人や
   金をあまり出していない貧乏人が少々迫害されてもいいじゃないか。
   会社は、金持ちさえ相手にしていれば、出資は沢山集まるよ。
という荒んだ心の人もいるでしょう。

 しかし、どちらの考えも、ちょっと足りません。
 
 少数派の株主の権利が多数派の株主によって自由に奪われてしまうと、自分が少数派になりそう会社には、誰も出資しなくなってしまいます。

 また、多数派株主としても、少数派に絶対転落したくないので、第三者への新株発行に必死で反対することになるでしょうし、株式を譲渡したくても、少数派への転落リスクが高すぎると、譲渡することもできなくなってしまいます。

 このように多数派株主が、少数派の株主の権利を奪うことができないという株主平等の原則は
    出資を確保する
という点においても重要なルールなのです。
 
実際、株主平等の原則が問題となる場面は、主として、この少数派株主の保護の局面ですから、初心者の皆さんは、少数派の株主が困っているような事例問題のときに
  「株主平等の原則は使えないだろうか。」
と発想するということも覚えておきましょう。

 次回は、株主平等の原則の具体的な現れについて説明します。

(質問コーナー)
Q1
 「取締役が自らの法律上の行為を何も介さずに(代理ではない)、
  自分の妻をして第三者との間で
  会社の事業の部類に属する取引を行わしめ、
  これによって会社に損害を与えうる場合」です。
イメージとしては、会社のノウハウ等を妻に直接こと細かく言い含めているが、
実際の法律行為が、本人(妻)・相手方(第三者)で行われている場合、です。
この場合、行為主体が妻、効果帰属は妻(と相手方)、となります(よね?)。
「行為主体が取締役でないことから、競業の要件の1つである
 『取締役の行為』がない以上、名義説、計算説のいずれを
 採ったとしても競業に当たらない」とされていましたが、実際問題として、
このような取締役の事実行為を抑制する方法はないのかなぁ、と思った次第です。
投稿 受験生 | 2007年3月15日 (木) 08時16分
A1
 ご指摘の場合であれば、競業取引にはあたらず、忠実義務違反で損害賠償を求めていくことになるでしょう。

Q2
優先株式と普通株式を発行する種類株式発行会社の定款に
「自己株式を消却したときは、消却した株式の数について発行可能株式総数を減少する。」旨の定めだけがあり、発行可能種類株式総数については別段の定めがない場合に、例えば、「発行可能株式総数100、優先株式の発行可能種類株式総数100、普通株式の発行可能種類株式総数100」の会社で、優先株式1株を消却すると、「発行可能株式総数99、優先株式の発行可能種類株式総数100、普通株式の発行可能種類株式総数100」とはならないということでしょうか?
ということは、当該定款の定めは、目には見えないが、「一つの種類の発行可能種類株式総数を下回らない限度で…」という文言があるという理解で宜しいのでしょうか?
まあ常識的に考えて、一つの種類の発行可能種類株式総数が発行可能株式総数より大きい数というのはおかしいですね。
投稿 南斗六星 | 2007年3月15日 (木) 09時31分
A6
 ご指摘のような場合には、発行可能株式総数が発行可能種類株式総数を下回ることもありうるでしょう。
 会社法が、「発行可能株式総数が発行可能種類株式総数以上でなければならない」というルールを強制しているわけではなく、定款という意思表示の解釈の問題です。定款の定めを置くときに、「発行可能株式総数<発行可能種類株式総数」という規定にすると、一体、どういう規律にしようとしているのか、その内容を特定することが困難になるということです。
Q7
当社では、監査報告の通知期限の取扱いにつき、これまでのQ&A等の回答にもあるように、監査役の裁量で監査期間は短縮可能と考えて総会スケジュールを構築してきました。

しかし先日、ある先生の講話を聴いたところ、「監査役が計算書類等を受領した日と総会開催日との間に4週間以上の期間がなければ、規132・152の規定により法令違反となる」旨の説明をされておりました。
この点につき、「どの時点で」「誰の」「どのような」違法になるのかを質問したところ、「同規定は、取締役が計算書類等を監査役に提出すべき期限をも定めたものであり、現実の監査期間にかかわらず、監査役に提出した時点で4週間以上の監査期間が確保されていなければ、取締役の忠実義務違反となる」との回答を受けました。
当該条項を素直に読む限り、旧商法のように取締役の義務を明記したものとは思えず、そもそも、計算書類等を監査役に提出した時点で、必ずしも総会開催日を確定させておく必要もないのではと考えています。
そこで、例えば、総会開催日(6/20)、取締役が計算書類等を監査役に提出した日(6/1)、監査報告を受領した日(6/5)の場合、他の手続が適正に行われていても、取締役の忠実義務違反となるのでしょうか?
投稿 悩める子豚 | 2007年3月15日 (木) 10時52分
A7
取締役が監査役に強制しなければ忠実義務違反にはならないでしょう。

Q8
3月15日A4に関して質問させてください。
「株主総会は、取引ではないので、民法142条は適用されません。」ということです。そこで、総会の招集に関する日程等の問題ですが、例えば非公開会社の場合に会社法299条で総会の日の1週間前までに招集通知を出す必要がありますが、「この過去に遡る期間計算は、民法の規定(140~142条)を準用し、中間に1週間(7日間)を要すると解するのが通説、判例である」(商事法務No.1690 p20)とあります。このような日程の計算には民法を準用するのではないのでしょうか?何が根拠になるのかお教えください。
投稿 きんた | 2007年3月15日 (木) 22時44分
A8
取引ではないので、142条が適用されないというだけで、それ以外は適用されます。

Q9
Q27を見ると
持分会社の場合、資本剰余金を減少し、利益剰余金に振り替えた場合、資本剰余金減少分については、出資の払戻を受けることはできないが、持分はあるので利益の配当を請求することができる(621条)ということでしょうか?
投稿 青葉 | 2007年3月16日 (金) 13時47分
A9
「資本剰余金を減少し、利益譲与金に振り替えた場合」というあたりが、すごく気になります。どうも何かの誤解があると思います。
 私が言っているのは、利益の配当と、出資の払戻と、持分の払戻は全部違うとうことです。

Q10
【状況1】
社外監査役AがXの代表取締役の指揮の下で業務執行を行った場合
【状況2】
XがAが取締役を務める株式会社Bを買収して子会社化した場合
【考え得る回答】
状況1では、前回の回答と同様に、Aは兼任禁止違反状況になることを知って業務執行を行うことになっているので、①監査役辞任の意思表示を行ったということになるのでしょうか。この場合の登記において、本人がかかる意思表示を行ったことはどのような添付書類で証明することになるのでしょうか。
状況2については、旧監査特例法に関して、稲葉威雄他編「実務相談株式会社法 補遺」(商事法務研究会)215頁以下では、「社外監査役の要件は、就任時に満たしていることを要し、かつ、それで足りる」ため、「当然に、Aの社外性が失われるものではありません」として、③の社外監査役のままであるという回答となっています。仮に、この場合でも監査役を辞任する意思表示があるとみなすのであれば、どの時点で意思表示があったことになるのでしょうか。また、登記において、どのような添付書類で証明することになるのでしょうか。
投稿 ぞう | 2007年3月16日 (金) 16時33分
A10
登記の添付書類のことは、すいませんが、調整が必要なので、答えられません。
社外監査役の要件が、就任時に充たしていれば足りるかどうかは、稲葉先生にお聞き下さい。

Q11
会社法第828条第2項第12号に、「株式移転について承認しなかった債権者」が含まれていないのはなぜでしょうか?
 これは、立案上のミスなのでしょうか?
投稿 受験生X | 2007年3月16日 (金) 17時02分
A11
 「ミスです」と認めると、叱られます。
 ですから、ミスではないものの、端から見ると、ミスに見えますね。

Q12
合併契約の株主総会における承認についての質問があります。
特別支配会社において株主総会の決議による承認が必要とされる場合で、消滅会社の承認を要する場合、784条1項ただし書の「承認」は特別決議なのですか、それとも特殊決議なのですか。
投稿 ぴろ | 2007年3月16日 (金) 22時26分
A12
784条1項ただし書には、「承認」はありませんが、要するに、同項ただし書の場合の承認要件を聞きたいということですね。
784条1項が適用されないので、単に原則に戻るだけであり、公開会社の株主が譲渡制限株式等の交付を受ける内容の合併なので、特殊決議です。

Q13
早速質問なんですが、会社法100問の93講の事業の重要な一部譲受けと合併・事業譲渡は如何なる点で異なるんでしょうか。783条(吸収合併)・469条(事業譲渡)の条文を挙げられていますが、これはどういう意味なんでしょうか。
A13
 ご質問の意味がよく分からないところがありますが、
 事業の重要な一部の譲り受けは、譲り受ける方。事業譲渡は、譲り渡す方です。
 合併は、消滅会社の法人格が消滅し、包括承継が生じる点が違います。

Q13
95講の全株取得条項付株式の取得なんですが、A社側の手続がよくわかりません。種類株式発行会社でなければ、種類株式発行会社になる為に定款を変更、その上で発行株式を全部取得条項付種類株式にする為の定款変更をする、ここまではわかるのですが、「取得条項付株式を対価として発行される株主に種類株主総会が必要になる」がよくわかりません。そもそも取得条項付株式を取得の対価として株主に交付することに意味があるのでしょうか。募集株式発行とは種類株式発行もありうるという意味なのでしょうか。ということは、募集株式を受け取った株主の中でも種類株主のみが保護されることになりませんか。
投稿 会社法大嫌い | 2007年3月16日 (金) 22時51分
A13
 基本的なところに誤解があるようなので、非常に答えにくいです。
 まず、「全株取得条項付株式」ではなく、「全部取得条項付株式」です。
 種類株主総会が必要になる場合は、111条2項の条文のとおり書いているだけです。
 X株を対価とする取得条項付株式がある場合には、対価の内容(X株)が全部取得条項付に変われば、取得条項付株式の内容も変わるため、種類株主総会が必要だということですね。
 それから、よく読んでいただければ、「取得条項付株式を取得の対価とする」とは、言っていないことは分かるはずです。
 種類株式の発行は、募集株式の発行の一場合です。
 最後の一文は、意味が分かりません。

Q14
1、確認なのですが、304条は、いわゆる動議を定めたものとの理解でよろしいでしょうか。
2、監査役設置会社では、「著しい損害」が生ずるおそれがある場合には、差止請求権は株主ではなく監査役にあるとのことですが、この時株主は監査役を法的に突っつけないのでしょうか。
投稿 あと2ヶ月 | 2007年3月17日 (土) 20時36分
A14
1 「動議」の意味次第ですが、動議も304条に含まれます。
2 株主が、監査役に何か言うことはできませんが、損害が生じれば、代表訴訟をするぞと言えばいいでしょう。

Q15
反対株主の株式買取請求権ですが、会社法117条4項で裁判所の価格決定がなされた場合には、効力発生日から60日の満了後は年6分の利息を支払うこととされていますが、117条6項で株券発行会社の場合は対価の支払いを株券の交付と引き換えとされています。これは株券の交付と対価の支払いにつき同時履行の抗弁権を認めたものでしょうか?そうであるとすれば利息についても同時履行の抗弁権を主張している間には発生しないこととなるのでしょうか?
A15
117条4項は、債務不履行責任ではないので、株券未交付の場合でも、適用されると思います。

Q16
千問のQ120についての質問です。全部取得条項付種類株式の対価として取得条項付株式や譲渡制限株式を交付する旨の決定をする場合にも株主総会の特別決議で足りるとされておりますが、定款に取得条項付株式や譲渡制限株式を発行できる旨の定め(これは株主全員の同意ですよね?)を設けていない場合でも、全部取得条項付株式の対価としてこれらの株式を発行する場合にはこれらの株式を発行できる旨の定款の変更についても特別決議で済むという趣旨でしょうか?Q122の中で個々の株主の同意がなければ付すことができない取得条項を株主総会の特別決議を持って付すことができるということはこの意味で解してよろしいのでしょうか?江頭憲治郎『株式会社法』149頁注30では既発行の株式を株主全員の同意なしに取得条項付株式へ切り替える方法として上記のような同一の会社内での全部取得条項付株式を用いる場面を例示しておらず、取得条項付株式発行会社を存続会社とする合併をあげておられるので、取得条項付株式を発行できる旨の定款の定めについては株主全員の同意がやはり必要なのではないのかと思った次第です。
投稿 MZM | 2007年3月18日 (日) 00時01分
A16
ご質問の場合でも、特別決議でできます。

Q17
会社法上、会社は自己株式を消却せずに保有しておくことが認められていますが、この「消却せずに保有しておき、必要な時にそれを新たに処分(譲渡)する」ことと、「消却しておいて、必要な時に新たに発行する」こととの違いは何でしょうか?
投稿 paripasu | 2007年3月18日 (日) 00時08分
A17
 自己株式の処分では、資本金が増えないので、登録免許税が安くすみます。

Q18
 お聞きしたいのは、株主総会招集通知時期についてです。
・平成14年改正前は2週間とされ、平成14年改正で「定款で規定」した場合に限り「1週間」とすることができるとされていました。
 新会社法によると、法299条1項で、公開会社は2週間・非公開会社(取締役会設置会社)で署名投票制度・電子投票制度を採用しない場合は、「1週間」とできる。そしていくつかの文献によれば、「定款に規定なくても、1週間とできる。」
と解されています。
 ここで、A会社は、従来の定款に、署名投票制度等の記載はないが、総会招集について、「2週間」の規定を設けていた(会社法施行にもかかわらず、定款変更を行わず、そのまま放置していたようです)場合に、会社法の規定に基づいて299条で「1週間」で総会招集通知を行うことは適法かという問題です。
 この場合、1週間で行うことは会社法299条の規定には違反しませんが、定款の定め(2週間)に抵触することになり、株主総会決議取消事由になってしまうのではないかと疑問を持っております。
投稿 コロロ | 2007年3月18日 (日) 05時05分
A18
 定款の定めに違反するから、決議取消事由になるでしょう。

Q19
私は、会社法362条4校1号の「重要な財産の処分」の該当性判断は代表取締役に業務執行の決定権限が委任されている場合に問題となると考えています。
代表取締役は業務執行権しか持たないはずなので、そもそも決定権限の委任がない場合には「重要」かどうかにかかわらず取締役会の決定が必要になると思うのです。
しかしながら、ちまたの答案例などを見ているとあまり決定権限の委任の有無について配慮している答案が少ないのです。
あえて重ねて疑問点を言いますと、決定権限の委任の有無にかかわらず、「重要」かどうかが当然問題となるのか、です。
この点について、私の基本的な考えが間違っているのでしょうか。
投稿 とんかつ | 2007年3月18日 (日) 20時10分
A19
 362条4項1号は、委任できない事項をあげたものですから、委任がなければ、重要かどうかにかかわらず、取締役会が決定します。

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コメント

サミー様

全部取得条項付種類株式の定めを設ける場合についてお教えください。

現在,種類株式発行会社でない会社が全部取得条項付種類株式の定めを設ける場合,当て馬として別の種類株式を設け,現在発行している株式について全部取得条項を設けることになります。
その際,当て馬の方の種類株式について新株を発行しない場合,全体の株主総会決議のほかに,全部取得条項設定の対象となる種類株式の種類株主総会決議も必要となるでしょうか?
というのは,この場合,全体の株主総会でも,種類株主総会でも,構成員である株主は同じなので,全体の総会決議を種類株主総会決議でもあると評価することは可能でしょうが,そもそも,全体の総会だけでよいのではないか,と疑問に思ったのです。

ご多忙中,恐縮ですが,よろしくお願いいたします。

投稿: たつきち | 2007年3月20日 (火) 01時08分

いくつもすみません。
以前お伺いした下記の点についても,ご回答いただければ幸いです。
「端から見ると、・・・」ということでしょうか?

整備法14条3項で会社法309条2項が読み替えられた特例有限会社の特別決議の決議要件のうち,議決権要件についてです。
これまでの立案担当者の方々のご説明では,法定の要件を上回る要件を定款で定めうることを明確にした点を除き,旧有限会社の特別決議と同様とされ,また会社法109条2項の株主のごとの異なる定めを設ける定款変更をする場合の決議要件(会社法309条4項)と同様とされています(商事法務1738号17頁の山本検事(当時)の解説及び郡谷局付(当時)編著の『中小会社・有限会社の新・会社法』188頁)。
ところが,読み替えられる条文の規定振りでは,議決権要件のところが「当該株主の議決権の4分の3以上」となっており,会社法309条4項(「総株主の議決権の4分の3以上」)や旧有限会社法48条(「総社員ノ議決権ノ4分ノ3以上」)とは規定振りが異なっています。
結論は上記の解説のとおりと認識しているのですが,なぜこのような規定振りの違いがあるのでしょうか?

投稿: たつきち | 2007年3月20日 (火) 01時14分

Q2A6の御回答ありがとう御座いました。定款を解釈して、「一つの種類の発行可能種類株式総数を下回らない限度で…」の見えない規定があると思ったのですが、その他にも「発行可能種類株式総数をもいっしょに減ずる」という見えない規定があるとも考えられ、良く分からない定款になってしまいますね。

投稿: 南斗六星 | 2007年3月20日 (火) 08時17分

会社法マスター115講座どこにも売ってないんですが、どこで売ってるか教えてください。

投稿: KATU | 2007年3月20日 (火) 12時36分

質問ではありませんが、
会社法の条文読みをしているのですが、条文の構成について最初はわかりづらいと思っていたのですが、よくよく読んでみると親切になっていて今更ながら感動した。事項を列挙する規定は横断整理、読み替える規定は比較論点、と読むべきものなんですね!立案担当者の方も読まれているかもしれないので、場違いながら書かせて頂きます。ありがとうございました。
まだまだ知らない読み方があるかもしれないので、もっと読みたいと思います。
新刊が売り切れてなければ買って読みます。

投稿: 法学ベイビー | 2007年3月20日 (火) 22時10分

はじめまして。fujiと申します。
「株主平等の原則」興味深く読ませていただきました。そこで質問なのですが、以前どこかのブログでインサイダー規制が話題になったとき、インサイダー規制の根拠の一つには「株主平等の原則」もあるはずだ、と書いたら皆から散々バカにされました。株式市場のインサイダー規制と株主平等原則は全く無関係なのでしょうか?

投稿: fuji | 2007年3月21日 (水) 08時25分

すみません。前回下記の質問をいたしましたが、お答え頂けなかったようです。
恐縮ですができればお答えいただければ有難いです。
(以下引用)
事業報告の会計監査人に関する記載について質問です。
ある株式会社(大会社・公開会社・有報提出会社・3月決算)の会計監査人Aが2006年7月1日に業務停止の処分を受けて資格喪失により退任したため、当該会社は同日付でいわゆる一時会計監査人Bを選任しました。
質問1:この場合、2006事業年度に関する事業報告に記載する会計監査人(施行規則126条1号)は、1)Bだけ、2)Bだけ、但しAについて注記、3)AとB両方を在任期間毎に記載、等が考えられますが、どれが適切なのでしょうか。2006事業年度に在任した会計監査人を記載すると考えれば3)が妥当に思えますが、実務上2006事業年度の監査業務は2006年7月からスタートし、A会計監査人は2006年事業年度の監査には一切タッチしていなかったとすれば、1)か2)でもよいように思えます(但し業務停止という事情ですから、少なくとも注記は必要と思われますが。)。サミー先生はどのようにお考えでしょうか。
質問2:A会計監査人について、126条5号または6号による記載は必要でしょうか。
質問3:126条8号イの報酬は、A会計監査人に対するものも(もしあれば)記載が必要でしょうか。

投稿: 丸坊主 | 2007年3月21日 (水) 16時02分

コメントの使い方に習熟していなくて恐縮です。
3月8日の記事に下記コメントをつけて質問させて頂いたのですが、
恐らく同じ時間にサミー先生は15日の記事を書いていらして、
私のコメントとすれ違ってしまったのではないかと想像しています。
どのように考えるべきか是非ご教示頂きたく、再度質問させて頂きました。
よろしくお願い致します。
以下再掲**************

投稿 RF | 2007年3月14日 (水) 23時48分
サミー先生、いつも参考になるQ&Aありがとうございます。
実務上気になる点があり、お忙しいところ恐れ入りますがご教示下さい。

100%子会社(非公開小会社、取締役会非設置)の株主総会招集について、
①株主総会の招集は、定款に別段の定めが無い場合、348条3項3号により各取締役の決定に委任することができないので、株主総会の招集は取締役の過半数以上による決定が必要。
②過半数以上による決定がなされたことを「取締役の決定書」等で書面に残すことが必要。
なのでしょうか?
③また、①の場合の「定款に別段の定め」は「株主総会の招集は社長がこれを行う」とあれば該当するのでしょうか。このような定めはあくまで招集手続きのことであり、株主総会を開くこと自体の決定には①のように過半数以上による決定が必要なのでしょうか。

100%子会社で取締役会を非設置とした理由は業務の簡素化であり、株主総会招集の決定に取締役の過半数の決定が必要だとしても、決定の存在自体を書面に残す必要性は感じられないのですがいかがでしょうか。

投稿: RF | 2007年3月21日 (水) 22時16分

株券提供公告について
 株券提供公告について、会社法第219条第1項で、「公告し、かつ、通知しなければならない。」とされていますが、公告はしたが、通知はしなかった場合の効力は、どうなりますか? なお、登記については、通達で公告をしたことを証する書面のみが添付書類とされています。

投稿: 橋爪 | 2007年3月22日 (木) 13時26分

既出でしたらスイマセン。

当社は閉鎖会社であり、中小会社です。

(他に1名監査役はいますが、親会社都合により)監査役を追加選任する必要があり、4月に臨時株主総会を開催する必要が生じました。でも、面倒なので会社法319条により書面決議にしたく思いました。

しかし、昨年6月に辞任した監査役がおりまして、同法345条により招集通知を送付する必要があるのではないかと言うことに気づきました(辞任以降株主総会は開催しておりません)。

この場合、
1.345条には臨時株主総会は含まない解して良いのでしょうか?(含むかなあ・・・と思っております)

2.このケースでは、「招集通知」を発送する必要があるので、同法319条による書面決議はできないということでしょうか?

ご教示ください。

投稿: pin | 2007年3月22日 (木) 17時56分

サミーさん、こんばんは。質問があります。

取締役会設置会社、会計限定監査役設置会社、非公開会社、毎年1月1日から12月31日までの1年が事業年度、定款に「定時株主総会は、毎事業年度末日の翌日から3ヶ月以内に開催する」旨の定めがある会社において、
3月15日に計算書類およびその附属明細書を完成させて監査役に提出したものの、監査役が監査期間の短縮に同意せず、4週間めいいっぱい使って監査報告を作成しようとする場合には、どうするのが良いでしょうか。

1)監査報告の提出まで待って、取締役会で計算書類および附属明細書を承認し、監査報告を含めた総会招集通知を出す。定款の定めに違反する。
2)監査報告の定款を待たずに、3月23日までに取締役会で計算書類および附属明細書を承認し、監査報告を付けず、監査を受けたものとみなされた旨の記載もせずに、総会招集通知を出す。3月31日の総会で計算書類を承認する。監査役には総会後に監査報告を出してもらう。定款の定めに違反しないが、法に違反するかも。
3)その他。

1)では定款に違反していることが、2)では監査を受けていない計算書類を承認していることが、計算書類の有効な確定にどのように影響するのかよくわかりません。
監査役に早く監査報告を出してもらう以外の方法で、有効に計算書類を承認・確定するにはどうしたら良いでしょうか。


よろしくお願いします。

投稿: 間に合わない | 2007年3月23日 (金) 00時12分

はじめまして。
100%減資のブログhttp://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50888281.html
を読んでこちらに伺いました。

たつきちさん(2007年3月20日 (火) 01時08分 投稿)とも近いのですが、全部取得条項付株式を発行するには2種類以上の株式を発行する旨の定款の定めが
必要です。(たつきちさんのいう当て馬?)
100%減資のブログ(株式会社「初心社」のケース)では当て馬にあたる株式
の発行の話が出てこなかったので疑問に思いました。

100%減資の具体的な処理で悩んでいます。
よろしくお願いします。

投稿: 春吉 | 2007年3月29日 (木) 14時53分

葉玉先生はじめまして。
取締役会の決議の省略(会社法370条)について、質問がございます。
法370条の対象事項は「取締役会の決議の目的である事項」であれば足りますか。「決議の省略が認められない場合」としては、特別取締役の場合があるようですが、対象事項としての制限はありませんか。
よろしくお願いします。

投稿: ひろゆき | 2007年4月25日 (水) 01時36分

Q2の次がA6になってるのは何ででしょう?
途中が抜けたにしては、A6はQ2の答えになっていますし。

投稿: | 2008年6月 3日 (火) 21時41分

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