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2007年2月14日 (水)

【入門】募集株式の発行(3)

 前回は、募集株式の発行を行う場合に、既存の株主の
 ①議決権比率の維持の利益
 ②株式の経済的価値
の2点がどのように保護されているかについてお話ししました。

 今日は、募集株式の発行と種類株主の保護について説明します。

1 種類株主の保護
 初学者の中には、「種類株式」と聞いただけで
   難しい。よく分からん。どうせ試験には出ない。
と考え、思考停止に陥ってしまう人がいます。
 しかし、種類株式は、株式の内容について特別の約束がされているだけで、普通株式と本質的な違いはありません。

 株式の内容は、会社と株主との間の権利義務を定めたものであり、契約自由の原則の下では、本来、どんなものを定めても良いはずです。
 しかし、株式の場合には、株主平等の原則や「権利内容を定型化することで株式を安心して取得することができるようにしたい」という要請から、契約自由の原則が修正されていて
  ① 定款で内容を定める(明確化)。
  ② 株式の内容を登記する(公示)。
  ② 107条1項・108条1項に掲げられた条項以外の種類を認めない(定型化)。
というルールが採用されています。
 これが、種類株式制度の第1のポイントです。

2 種類株式と単元株式数
 ちなみに、「単元株式数」も、定款で定めることにより株式の内容になりますが、これは、108条1項に掲げられた条項ではないので
  単元株式数だけが違う種類株式
というものを設計することはできません。

 単元株式数は、108条1項に掲げられた条項のどれかを定めたときに、オプションとして付加できるもの、いわば
  「グリコのおまけ」
  「チョコエッグのフィギュア」
なのです。

 「おまけ」や「フィギュア」だけでは買えないため、マニアの人たちが
  グリコやチョコエッグを大人買いしてお菓子は食べない
というようなことがあるように
   単元株式数だけを変えて、複数議決権株式を作りたい
という要望があるような場合には
   残余財産分配など、どうでもいいようなところを、チョコっとだけ変えた種類株式を定めた上で、その種類の株式に単元株式数を定める
ということも行われているという噂があります・・・。
 まあ、おまけ目的でチョコを捨てると非難されるように、単元株式数目的でチョコっと変えた種類株式を作ると、裁判所が怒りだす心配はありますが。

 話は脱線しましたが、
   「株式の内容」については、定款で定めなければならない
というルールはすべての条項について共通するものの、「株式の内容」の中には
  ①その条項だけで種類株式になるもの
  ②その条項だけでは種類株式にならないもの
  (単元株式数・種類株主総会を不要とする定め)
の2種類があるということを覚えておいてください。

3 種類株主総会
  種類株式は、株式の内容の一部を変えただけのものですから
   その変えた部分だけが普通株式と違うだけで、それ以外の部分は普通株式と同じ
です。

 ですから、例えば、配当優先株式(例えば、1株あたり50円の配当を優先的に行う)と普通株式の2種類の株式があるからといって、別々に株主総会を開くわけではなく、
   配当優先株の株主も、普通株式の株主も、入り乱れて「株主総会」を開催する
ことになります。
 株主総会というのは、株式の種類とは関係なく、全ての株主が集まる総会なのです(もちろん、議決権制限株式の株主は、議決権がない場合には出席はできませんが)。

 これに対し、種類株主総会は、ある特定の種類株式の株主だけが集まるものである上、株主総会のように、毎年、開催されるようなものではありません。実務的には

  種類株主総会を開くくらいなら、何もしない方がましだ。

と思われるくらい滅多に開かれないものです。
 
 例えば、株主総会で、配当優先株主の優先額を1株50円から1株30円にする定款の変更決議があったとしましょう。
 配当優先株主も、株主総会に参加して、その議案に反対しましたが、普通株式の株主の方が多数派だったので、配当優先株式に不利な決議が多数決で通ってしまったのです。

 しかし、このような種類株主を無視したような決議が何の制限もなく行われてしまうと、誰も、種類株式を取得しなくなってしまいます。
 これは、定款の変更だけでなく、株式の分割のように取締役会の決議で行われるような行為でも同様ですし、配当優先株主の方が多数派のときに、普通株主に不利な定款変更をやるような場合には、普通株主を保護する必要がある場合もあります。

 そこで、会社が322条1項に掲げられている行為を行う場合、ある種類の株式(普通株式も含む)の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合には、「種類株主総会」の決議を得ない限り、その効力を生じないものとして、歯止めをかけているのです。
 逆に言うと、種類株主総会を開くということは

 あなたたちに不利なことをしていますよ。

と公言しているようなもので、会社が種類株主総会を開きたくないのは、当然ですね。

これが、第2のポイント。

4 募集株式の発行と種類株主総会
 それでは、募集株式の発行が行われる場合に、種類株主は、どのように保護されるのでしょうか。

 322条1項の中で、募集株式の発行に関するものとしては、
 1号 次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。)
  イ 株式の種類の追加
  ロ 株式の内容の変更
  ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
 4号 当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
ですね。
 
 この322条1項については、
   限定列挙説 各号に掲げる行為以外の行為については、損害を及ぼすおそれがある場合でも、種類株主総会は不要
   例示列挙説 各号に掲げる行為以外の行為でも、種類株主総会を要する場合がある。
という説の争いがあります。
 私達も当初、ある理由から例示列挙説を採っていましたが、その後、議論して
   条文の文言を見る限り、どうひっくり返っても、例示列挙というのは無理だろう。
   種類株主総会の範囲を明確化するために明示したのに、わざわざ例示列挙説に立つ必要はないだろう
ということから、その後は、限定列挙説で書くようにしたというイワク付のところです。

 限定列挙説に立った場合、募集株式の発行について、株式の種類の追加等の定款変更を伴って募集株式を発行する場合(1号)と株主に割当を受ける権利を与えて募集する場合(4号)以外には、種類株主総会は、不要となります。

 つまり、発行可能株式総数・発行可能種類株式総数の範囲内で、通常の募集をやる場合には、種類株主総会はいらないのです。

 確かに、配当優先株式を追加で1000株募集するときには、普通株主は、その分、配当が減るので「損害を及ぼすおそれ」はありますが、
  定款で定められた発行可能種類株式総数の範囲内の発行については、普通株式も不利益を覚悟しておくべきである
という価値観から322条1項各号には、通常の募集株式の発行は、列挙されていません。

 他方、株主に割当を受ける権利を与える場合については、募集株式の発行であっても、不利益を受ける種類株式の種類株主総会が必要です。

 一見、「株主に割当を受ける権利を与える方が、株主平等なんだから、種類株主総会なんかいらないんじゃないの?」という気持ちになりそうですが、実は、その「株主平等」がくせ者です。

 株主に割当を受ける権利を与える場合、株主平等であることを考慮して、公開会社が有利発行を行う場合でも、役会決議で行うことができるなど、募集手続きが軽くなっています。

 しかし、種類株式は、本来、種類株主を特別扱いをするために設計される場合もあるので、「株主平等」だからといって、手続きを軽くされては困るのです。

 例えば、松真さんが配当優先株式、湯水さんが普通株式を持っているときに、取締役会で、配当優先株式を著しく安い価格で割当を受ける権利を与えると、普通株式よりも高い価値のある配当優先株式を安く引き受けることができ、現在、普通株式をもっている湯水さんだけが、相対的に損をします。
 つまり、「平等に扱うべきでない種類株主について、全株主を平等に扱ってしまうことの不都合」を回避する必要があるのです。

 そこで、202条で募集手続きについて特例が置かれている株主に割当を受ける権利を与える場合に限っては、募集株式の引受人の募集の場合も、損害を受けるおそれのある種類株式の種類株主総会が必要であるという整理がされているのです。

 種類株主総会については、以上説明したほか、322条の特則的な規定である111条の存在を理解しておけば、とりあえず十分なので、今日の記事をきっかけに勉強してくださいね。

(質問コーナー)
Q1
新株引受権付社債について質問いたします。
平成12年発行の新株引受権付社債があります。
今般、その「新株の引受権を行使することができる期間」を延長する変更をしたいのです。
①変更できますか?
②決議は「株主総会」なのか「取締役会」なのか「種類株主総会」なのか???
③決議以外に何かしら手続は必要ですか?
投稿 しずおか | 2007年2月 9日 (金) 16時52分
A1
 私の記憶に間違いがなければ、なお従前の例により、旧商法どおりだったと思います。

Q2
 非取締役会設置会社における191条の意義について質問させてください。
 株式会社は191条の要件に当てはまる場合、株主総会の決議によらないで単元株式数の増加または設定をすることができます。
 そして取締役会設置会社では 株式分割も取締役会の権限なので 株式分割及び191条による定款変更ともに取締役会の決議でなされます。
 つまり株式分割と191条の定款変更はともに取締役会によってなされます。この場合、株式分割と単元株式数ともに取締役会の決議でなされるから費用の節約になるし 楽に決めることができます。そうだとすれば取締役会設置会社における191条の意義は非常に分かりやすいです。
 ところが、非取締役会設置会社では、株式分割は株主総会の権限です。そこで 株式分割は株主総会の決議でなされるが、191条による定款変更は取締役によってなされることになります。
 この場合わざわざ費用をかけて株主総会を開いたのだから株式分割と単元株式数ともに株主総会で決定してしまえばいいわけで、191条という特則の意義が見えてきません。
 そういうわけで非取締役会設置会社における191条の意義についてご教授ください。
投稿 maru | 2007年2月10日 (土) 00時02分
A2
 特則に実益がない場合があってもよいのではないでしょうか?
 非取締役会設置会社だけ、適用除外する必要はないように思います。

Q3
委員会設置会社の委員会が業務執行の決定を執行役に委任できない場合について(416条4項但書)質問させてください。
 委員会設置会社では、譲渡制限株式の取得について承認をするか否かの決定について執行役に委任することをできません(1号)
 しかし、委員会設置会社でない株式会社では 代表取締役に
譲渡制限株式の取得について承認をするか否かの決定をさせることもできます。(139条1項但書による定款の定めによる)
 委員会設置会社と委員会設置会社でない会社とでこのような違いが生じる理由についてご教授ください。
 また、法が416条4項但書各号に定めるものに何か基準があればそれについてもご教授くだされば幸いです。
投稿 maru | 2007年2月10日 (土) 00時04分
A3
 株主総会で選んだわけでもない執行役が、株主構成を判断するのは僭越だからなんでしょうね。
 416条4項ただし書各号の選別基準は特にありません。政策です。

Q4
分配可能額の計算についてでございます。ある3月決算会社が、昨年、経過規定により、旧商法の利益処分案を承認し、利益処分によって役員賞与金を支払ったものとします。この会社が、本年2月現在の分配可能額を計算する場合、当該役員賞与金の支払額は、最終事業年度の剰余金から控除されるのでしょうか?されないのでしょうか?(昨年3月期が最終事業年度であり、臨時決算や決算期変更もないと仮定します。)
投稿 こころん | 2007年2月10日 (土) 00時50分
A4
分配可能額からは控除する必要はないと思われます。

Q5
 株式会社の解散に際しての株式譲渡制限規定の変更の要否について質問致します。
 取締役会設置会社であって,譲渡制限株式についての譲渡承認機関を「取締役会」として定款に規定し,かつ登記している株式会社が解散して清算会社となった場合,取締役会が存在しないことになりますので,それに伴って譲渡制限株式の譲渡承認機関(株式譲渡制限規定)を変更する定款変更をしたり,その旨の登記をしなければならないのでしょうか?
 上記は,清算会社においても株式譲渡制限規定が有効であるという前提での話ですが,それとは逆に,清算会社においては株式譲渡制限規定の効力が停止されるのでしょうか?
投稿 hige | 2007年2月10日 (土) 19時27分
A5
 譲渡制限をかける以上、譲渡承認機関を変更する必要があるし、登記も必要です。

Q6
剰余金の分配可能価額について質問させてください。
期中に再評価した事業用土地を売却し、土地再評価差額金取崩額を計上しています。会計上損益計算書に計上されることなくその他利益剰余金が直接増加となります。446条・計規178条に剰余金の額に加算すべき項目としてあげられていないので、「現段階で」分配可能価額算定する上で土地再評価差額金取崩額を考慮しないという理解でよろしいでしょうか。
投稿 初心者 | 2007年2月11日 (日) 14時06分
A6
 そうなるでしょう。

Q7
3月決算の当社は、負債基準(2Ⅰ⑥ロ)にて大会社と判定され、会計監査を受けておりますが(328Ⅱ)、2月現在、負債が100億円まで減額しています。
資本金は3億円で、会計監査人設置の定款規定(326Ⅱ)はありません。
さて、このままの場合、2007年6月に承認される(予定である)2007年3月期の決算書をもって大会社ではなくなり、2007年度より会計監査も不要となる(おまけで6月の総会まではついてくる(338Ⅰ))との認識でよいのでしょうか?
また、6月の総会では、現在の監査法人を解任し(339)、その後、会計監査人につき消滅登記(909)を行うとの認識でよいのでしょうか?
投稿 ITロマンス | 2007年2月11日 (日) 20時14分
A7
 会計監査人設置の定款はあるはずです(多分、経過措置で、みなされているはず)。
 したがって、大会社ではなくなっても、定款を変更して、会計監査人を置く旨の定めを廃止しなければ、会計監査を受ける必要があります。

Q8
監査役(会)の監査報告の記載についてアドバイスをお願いいたします。
当社(3月決算)は、当期中に、会計監査人が金融庁の行政処分により欠格事由に該当したため退任となり、一時会計監査人を選任し今日に至っております。
このような状況下、監査報告で会計監査人に言及する際は、全て「一時会計監査人」と表記しなければならないものでしょうか。それとも「会計監査人」でいいのでしょうか。あるいは、文脈により使い分けすべきなのでしょうか。
昨年9月に公表された監査役協会の指針によれば、「監査の結果」のところでは「一時会計監査人」と表記すべしとしていますが、「監査の方法」のところでは「会計監査人」のままになっており、しかもその点につき何ら注釈を付しておりません。
そもそも論で言えば、会計監査人と一時会計監査人はその職務(権利義務)において何らの差異はない訳ですから(因みに、会計監査人不在で、一時会計監査人が就任しているに過ぎない会社でも、やっぱり「会計監査人設置会社」ですよね)、一時会計監査人も概念として包含されるという意味で単に「会計監査人」と表記すれば十分であるとも思えるのです。
監査役協会の指針を強いて善解すれば、上記のような考えに立ちつつも、「監査の結果」のところでは、”肩書”としての表記ですから、「一時会計監査人」とせざるを得ないでしょう、ということかとも思われます。
投稿 black out | 2007年2月12日 (月) 22時39分
A8
 会計監査人と表記してもよいと思います。

Q9
1000問P682「Q917 3」についてお伺いいたします。
吸収合併存続会社株主が、会社法798条3項の規定に基づいて、価格決定の申立てがなく効力発生日から60日が経過したことにより、株式買取請求を撤回した場合であっても、当該撤回により、存続会社の株主に留まることはできないという意味でしょうか?
A9
 そうです。

Q10
事業報告とその附属明細書における、役員の兼務状況の記載についてです。
事業報告の記載事項は、施行規則121条3号及び7号に、同附属明細書は施行規則128条1号に規定されておりますが、この違いはあるのでしょうか?
条文だけ見ると、附属明細書に記載すべきものは、事業報告で既に記載しなければならないように思えます。
投稿 tanukick | 2007年2月13日 (火) 20時38分
A10
附属明細書は、「明細」です。

Q11
委員会設置会社において、会計監査人の設置が義務付けられている理由を教えてください。
本には、執行役へ権限委譲した正当化根拠のひとつだからとありますが、どういう意味ですか?
投稿 プリン | 2007年2月13日 (火) 21時20分
A11
 法制審議会で、「委員会設置会社には、必ずしも会計監査人の設置はいらないのではないか」という提案がありましたが、反対意見が強かったからです。
 会計監査人がいることも、執行役の適正な活動を確保するための正当化根拠だからということです。

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コメント

Q9について、ご解答ありがとう御座います。
確認させて下さい。

798条3項で撤回した株主が会社に留まることで何か不都合はでるのでしょうか?

投稿: 南斗六星 | 2007年2月14日 (水) 08時55分

サミーさん、2月9日のQ12に関して、すみませんが、もう一度お願いします。
昨年8月に資本金の額を100万円に減少した当該会社は、負債の額も200億年未満です。本年3月31日に解散する時点では法477条4項により監査役を設置しますが、翌日4月1日に株主総会を開催して法492条の貸借対照表等の承認を受けて、法2条の大会社でないものとなり、同時に監査役を廃止するというわけにはいかないでしょうか。

投稿: 監査役置きたくないんですけど | 2007年2月14日 (水) 11時44分

サミーさま
既出かもしれず申し訳ありませんが、差し迫ってますので質問させてください。
以下のケースで、どの時点の株主名簿記載の株主をもって、権利を行使させるべき株主と扱うべきかを記載してみました。これで正しいでしょうか?ただし、基準日について、定款に定めなく、基準日の公告も行なわないこととします。
①株主総会の議決権行使権者
 →株主総会開催日
②剰余金の配当請求権者(効力発生日にかかわらず)
 →剰余金の配当決議を承認した株主総会開催日
③吸収合併手続における、消滅会社の株主に割当する金銭等を受ける権利者
 →合併の効力発生日の前日

投稿: seiquro | 2007年2月14日 (水) 12時08分

 サミーさんこんばんは。ご教示お願いします。
 公開会社で株券発行会社(現に発行している)が,株主総会において,株券発行の定めの廃止及び株式譲渡制限に関する規定の設定をする定款変更決議(効力発生日は同じ日とし,公告期間経過後の日付とする)をし,その後公告及び通知をし,効力発生日が到来する場合,会社法218条の公告及び通知(効力発生日の2週間前)をすれば足り,同法219条の公告及び通知(効力発生日の1ヶ月前)は不要と考えますがいかがでしょうか。言い換えると,会社法219条1項の「株券発行会社」の判断基準時は,定款変更決議時でしょうか,それとも効力発生時でしょうか。

投稿: ポケット | 2007年2月14日 (水) 15時53分

会社法第790条第2項についてのご質問です。
「消滅株式会社等は、変更後の効力発生日を公告しなければならない」とありますが、なぜ存続会社等には公告義務がないのでしょうか?
理由があれば教えてください。

投稿: 教えてください | 2007年2月14日 (水) 18時29分

454条1項1号括弧書について質問させてください。
 配当財産は金銭に限られず、金銭以外の財産を配当財産として剰余金の配当をすることもできる(454条4項)が、当該株式会社の株式、社債及び新株予約権を配当財産として剰余金の配当をすることはできません。(454条1項1号括弧書)
 この点につき 株式については株式の無償割当、新株予約権については新株予約権の無償割当という別制度があるため剰余金の配当とすることができないと理解しています。
 それでは、社債について剰余金の配当をすることができないのはなぜですか?

投稿: maru | 2007年2月15日 (木) 00時08分

新株予約権買取請求について質問させてください。
 吸収型組織再編行為における存続会社等の新株予約権者には、
消滅会社等の新株予約権者と異なり、新株予約権買取請求が
認められる場合が認められていません。
 存続会社等と消滅会社等で どうしてこの様な違いがでるのでしょうか?
 また 株式買取請求は存続会社等・消滅会社等で共に
認められるのに なぜ新株予約権買取請求は消滅会社等でのみ
認められるのでしょうか?
 具体的な利害の違いにつき教えていただけると嬉しいです。

投稿: maru | 2007年2月15日 (木) 00時10分

新株予約権について教えて頂けないでしょうか。
行使の条件として、取締役、従業員であることなどが
規定されており、さらに取得できる事由として
取締役の退任、従業員の退職などがあげられています。
この場合実際に、新株予約権を持っている従業員が退職した時には、①会社法287条により当然に新株予約権は消滅したと考えるのか、②会社が取得できる事由に該当したとして自己新株予約権として取得し、会社の判断で消却することができるかなど、どのように考えることができるでしょうか。

また、もし②の考え方でも差し支えない場合、
その自己新株予約権を行使期間満了まで保有しておき
まとめて消却するとしても問題ないでしょうか。

是非、先生のお考えをお聞かせいただければ、
非常にありがたいです。

投稿: tuka | 2007年2月15日 (木) 17時18分

サミー先生、はじめまして。
計算規則129条2項では、非公開会社で非会計監査人設置会社は個別注記表で関連当事者の注記が不要であり、非公開会社で会計監査人設置会社は、同注記が必要と解釈しますが、誤っているのでしょか?

投稿: ぴーなっつ | 2007年2月15日 (木) 18時38分

サミー先生、こんにちは。
新設分割について質問させてください。

新設分割計画書を株主総会で承認後、分割の効力が生じる日までに、その内容を任意に変更することはできるのでしょうか。
その場合の手続としては、変更のたびに、株主総会決議及び債権者保護手続(異議申述公告・個別催告や労働承継法上の通知等)が必要になるのでしょうか?

この点、千問の道標Q959(P715~716)では、事前開示書面に、新設分割計画の内容等を記載し、これらの事項に変更が生じた場合はアップデートしなければならないとされており(803条1項、施205条)、新設分割計画の内容を変更できることを前提にしているようです。
しかしながら、施行規則205条8号は、「新設合併契約等備置開始日後新設分割が効力を生じる日までの間に、『前各号に掲げる事項』に変更が生じたときは、変更後の当該事項を事前開示書面に記載する」としていますが、それ以外の事項については変更できるかどうかは記載していません。
そうすると、新設分割計画において、205条1号から7号に関してのみ、変更が許され、それ以外の(分割計画に記載される)事項については、変更できないと解されるのでしょうか。

このように解した場合、施行規則205条1号~7号には、分割計画の内容それ自体は記載されていないので、分割計画の内容それ自体の変更は、できないと解することになりますか?(施行規則205条1号に、法763条6号から9号に掲げる事項についての定めの「相当性に関する事項」が掲げられていますが、法763条6号から9号の定めそれ自体とされているわけではありません。)

仮に、施行規則205条1号~7号以外の事項についても変更できるとする場合、法律上の根拠は、どこに求めるのでしょうか。この点、吸収分割においては、法790条で、効力発生日を変更することができると書いていますが、新設分割においては、そのような記載は見当たりませんし、法806条7項・808条7項では、「新設合併等を中止したとき」とは記載されていますが、変更については直接言及がありません。

また、新設分割計画の内容を変更できる場合、変更の都度、株主総会決議が必要になりますか。また、債権者保護手続(異議申述公告等)が必要になりますか。承継される労働者が変更される場合は、変更の株主総会決議の前までに通知が必要ということになりましょうか。
変更決議の都度、債権者異議申述公告が必要ということになると、変更前に行った債権者異議申述公告の効力はどのようになるのでしょうか。逆に不要と解すると、密かに分割計画の内容を変更させれば、債権者保護手続の意味はなくなるのではないでしょうか。その場合は、詐害行為取消権等で対応するということになるのでしょうか。

以上ながながと書いてしまいましたが、何卒ご教示くださいますようお願い申し上げます。

投稿: りょう | 2007年2月15日 (木) 20時23分

今回の記事(2007年2月14日 (水)【入門】募集株式の発行(3))について確認させてください。

>例えば、松真さんが配当優先株式、湯水さんが普通株式を持っ
>ているときに、取締役会で、配当優先株式を著しく安い払込価
>格で割当を受ける権利を与えると、普通株式よりも高い価値の
>ある配当優先株式の一株あたりの価値が減り、現在、配当優
>先株式を持っている松真さんだけが、相対的に損をします。

上記部分の意味は、
配当優先株式を 配当優先株主(松真さん)及び普通株主(湯水さん)に株主割当する際に、松真さんが損をすることがある。
だから、優先株主の種類株式総会が必要ということですよね?

投稿: maru | 2007年2月16日 (金) 01時40分

 お世話様です。質問です。
 会社法135条2項4号に「新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合」は親会社株式の取得ができるとありますが、どう考えても、この「他の会社」は新設分割会社だと思います。
 一方で763条5号カッコ書により分割会社の自己株式の取得は不可ともいわれています(江頭799頁)。
 では、135条は共同分割(Aが80%出資、Bが20%出資)でBがA株式を保有していた場合のことでしょうか。

投稿: 司法書士k | 2007年2月16日 (金) 11時24分

1000問P92及び100問2版P172について確認させてください。

108条2項3号ロの議決権行使条項が、「一定の割合以上の株式を保有する株主のみ議決権を行使できなくなる」旨の定めの場合、実際に当該種類の株主の中で、一定の割合以上の株式を保有する株主が出現したときには、当該種類の株主のすべてが議決権制限株式の株主となる。そして、株式の数に着目し合理的であれば、当該種類株式を保有する者の中で、一定の割合以上の株式を保有する株主のみの議決権が制限される。という理解で宜しいのでしょうか?

投稿: 南斗六星 | 2007年2月16日 (金) 12時32分

サミー先生 こんにちは

過去の記事を読み返していた際に気になった点があるので、是非ご教授いただければと思います。

2006/11/10付け「会計監査限定監査役」の記事において、サミー先生は、小監査役に対し役会への出席を義務付けるような定款の定めは無効であると結論づけておられます。

一方、葉玉先生が書かれた、2006/2/17付けの記事におけるQ9の回答
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50601695.html
を見ますと、小監査役であっても任意に役会に出席した場合には、役会議事録への署名義務が有るとされています。

署名義務「有り」とすると、まさにサミー先生が問題提起されていた小監査役に対する任務懈怠責任追及という場面が想定されるため、たとえ任意の出席であったとしても役会議事録への署名義務は無いとする方が、理論的整合性がとれると思われるのですが、どのように考えるべきなのでしょうか?

投稿: ここあ | 2007年2月16日 (金) 18時37分

 新株発行時の株主に対する通知・公告(法201③④)について、ご教示下さい。
 千問201頁では、この点について、昭和41年の民事局長回答を引用しつつ、「株主全員の同意があれば不要であるものと解される」と書かれています。
 他方、江頭先生の基本書676頁注2では、2週間の期間は株主全員の同意があれば「短縮」できる、と書かれています。
 『実務相談 株式会社法4』245頁では、「新株発行事項の公示を全く省略するということは、・・・許されないものと考えますが、・・・2週間という期間の短縮については、全株主の同意があれば許されるものと考えます。」と書かれています。
 商業登記先例判例百選129頁においては、昭和41年の民事局長回答について、神作教授が、「本先例は、株主全員の同意書があれば変更登記を受理してよいと述べているが、その射程は公告・通知が全くなされていない場合には及ばないと解されているようである。」「株主が形式的に同意しているにすぎず公示事項を実質的に知らない場合には、株主に予想外の不利益が発生するおそれがある。」「本回答は、公告・通知自体はなされている場合に限定して適用されている限りにおいて、妥当なものであると考える。」書かれています。
 新版注釈会社法(7)142頁では、「総株主が同意する場合には、この期間を短縮することができる。公示を不要とすることの同意まで有効となるのであろうか。」と、問題提起だけがされています。
 千問の記述は、上記のような議論があることを前提に、全株主の同意があれば、通知期間の短縮のみならず、通知自体の省略まで許されるとの解釈論を、意識的に採用したものと考えてよろしいでしょうか。
 それとも、全株主に募集事項を通知した上で、全員から「2週間を置かず、すぐに発行してもよい」 との同意を得れば、その日を払込期日としてよい (すなわち、通知をした上で、払込期日までの期間はゼロとしてもよい) という趣旨を述べようとしたものにすぎないのでしょうか?

投稿: Y | 2007年2月16日 (金) 20時12分

事業報告の記載について確認させてください。
連結計算書類作成会社の事業報告で、株式会社の現況に関する事項(施行規則120条)については、企業集団の現況に関する事項とすることが「できる。」(同条2項)とされています。これは、企業集団の現況として記載することとした場合は、第1項の項目すべてについて企業集団の内容として記載することが必要なのでしょうか。
規定の文言からみると、特に制限されていないように思えるのですが、一部の項目について単体の状況とすることは可能なのでしょうか。(例えば、借入金の状況についてグループ会社で同一の借入先がある場合は、合算して記載しなければならないのでしょうか。)

投稿: んーー | 2007年2月16日 (金) 20時17分

施行規則124条7号について、以前、「当該会社の親会社の子会社」には『その会社の子会社も含まれる。』という応答がありました(12月28日のA4)。しかし、昨年12月の施行規則等の改正で、施行規則第2条3項18号と第77条7号に「(当該株式会社に親会社がない場合にあっては、当該株式会社)」との文言が追加されたことで、特定関係事業者や会計監査人の選任議案に関しては、親会社がない場合は「当該会社の子会社」について考慮しなければならない旨が明確にされましたが、124条7号にはこの文言が追加されませんでした。ということは、社外役員が報酬を受けているか否かの判断の対象には、当該会社の子会社は入らないと考えるべきではないでしょうか。直近の改正で規定の整合が取られなかったことを、解釈で「当該会社の子会社」と考えるとすることは問題ではないかと思います。

投稿: あーー | 2007年2月16日 (金) 20時42分

 サミー先生こんにちは。早速質問いたします。
 会社法817条1項と同法933条1項1号括弧書との関係についてお聞きします。
 817条1項では,日本における代表者のうち一人以上は日本に住所を有する者でなければならないと規定しているので,外国に住所を有する者でも日本における代表者となりうることを前提としていると思います。他方,933条1項1号括弧書では,「日本における代表者(日本に住所を有する者に限る。以下この節において同じ)」と規定しているので,外国会社の登記を定める第3節においては,「日本における代表者」とは日本に住所を有する者に限られ,例えば日本における代表者として登記されるのも日本に住所を有する者のみということになると解釈するのでしょうか?
 それとも,933条1項1号括弧書は登記の管轄についてのこのだけに限定して読むべきで,管轄以外のことについては,外国に住所を有する者も「日本における代表者」に含まれ,例えば外国に住所を有する日本における代表者も登記事項となると解釈するのでしょうか?

投稿: パケット | 2007年2月18日 (日) 12時07分

初心者です。とんちんかんな質問でしたら、削除ください。

相続人が譲渡制限株式を会社の承認なしに
名義書換できる(134条4項)のはなぜでしょうか?
閉鎖会社においては、株主として相応しくない相続人を
排除したいニーズがあると思うのです。
もちろん174条の規定がありますが、これも、
自分の息子には必ず相続させたいと思う株主のもとでは
174条のような定款を定めることができないのではないか
と思ってしまいます。

それとも、単に、
公開会社->株主個性なし->当然取得できる
持分会社->株主個性あり->死亡は退社事由->取得できない
の、バランスをとってるに過ぎないのでしょうか?

投稿: あしぼん | 2007年2月19日 (月) 04時05分

サミー先生、こんちにわ。
以下についてご教示頂ければと思います。

A社がB社の事業全部を譲り受ける場合、A社において、効力発生日の前日までに株主総会の特別決議による承認が必要とされ(法467条1項3号、309条2項11号)、また、効力発生日の20日前までに、株主に対し、B社の事業全部を譲り受ける旨の通知を行うことが必要とされています(法467条3項)。

A社がとてもうっかりしていて、効力発生日の前日までに株主総会を招集せず、その特別決議による承認を経ていなかった場合、当該事業譲受契約は無効であると思いますが、追認により有効となる余地があるのでしょうか。
仮に追認により有効となるとしても、事業譲受の効力発生日は、契約書の記載如何にかかわらず、株主総会の特別決議による承認の時点からということになるのでしょうか。

旧商法下においては、株主総会の特別決議による承認の時点から営業譲渡契約は有効になると解されており、追認も認められていたかと思います(新版注釈会社法(5)278頁参照)。かかる見解を前提にすると、旧商法下では、追認があれば、契約書に記載された譲渡日に事業譲渡が行われたことになると思います。
これに対し、会社法下では、「効力発生日」までに株主総会の特別決議による承認が必要とされている点が気になります。

以上の点についてご教示いただければ幸いです。

投稿: まこまこ | 2007年3月27日 (火) 00時11分

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