« 【入門】資本三原則(5) | トップページ | 年末の質問コーナー »

2006年12月26日 (火)

【入門】設立と新株発行(1)

 クリスマスの夜は更けました。
 皆さんは、愛に囲まれた幸せな一夜を過ごされていますでしょうか。

 私の若い頃のクリスマスは、バブっていました。
 男も女も、本命・対抗・大穴のランクに応じて、クリスマス、イブ、イブイブと沢山の人とデートするのが「使命」であり、イブの昼と夜と深夜に、それぞれ別の人とデートするのが「達人」として賞賛されていました。
 逆に、クリスマスを一緒に過ごす人がいない者たちは、周りから、まるで人生の敗北者のごとく迫害されるので、26日になるまで、物陰に隠れながら過ごしたものです。

 バブルがはじけて約20年。
 「クリスマス=愛を深める日」という風潮はあいかわらずですが、以前に比べると、世間も、私の周りも、かなり健全になったような気がします。

 今の私にとって、クリスマスの喜びは、子供達の笑顔。
 朝、子供達が、ベッドから飛び起きて、クリスマスツリーに駆け寄り、プレゼントを見つけるなり
  「あっ、サンタさんが来てる!!」
と嬉しそうな声をあげるのを聞く瞬間が、私の至福の時です。
 あと何年、こうした楽しいクリスマスが迎えられるか分かりませんが、人と人のふれあいの中で、相手を大切に思う気持ちがあれば、最適の「愛」の形が見つかるはずです。
 家族愛も、人類愛も、ジャイアンツ愛も、皆同じです。
 残念ながら、会社法には「愛」という文字が入っていませんが、
   取締役と株主は、相互に愛をもって接しなければならない。
とかいう条文ができれば、会社法の印象が少しは改善するでしょうか?

 余談はこれくらいにして、今日は、第11問の「設立と新株発行の比較」について、お話ししましょう。

問題 「会社の設立に際して株式を発行する場合と、会社の設立後に資金調達を目的として株式を発行する場合とで、どのような差異があるか、また、どうしてそのような差異が設けられているかを論ぜよ」

この問題文に対し、端的に答えると、次のようになります。

1 差異
(1)発行する株式の内容等の決定手続き
  設立時:発起人全員の同意
  設立後: 公開会社 原則 役会決議
            例外 有利発行
      非公開会社 原則 総会決議
(2)失権手続の有無
  設立時:発起人については失権手続あり(その他の引受人については、なし)
  設立後:失権手続なし
(3)無効等の争い方
  設立時:設立無効の訴え
       提訴期間:2年
  設立後:株式発行無効の訴え
    公開会社:提訴期間6か月
   非公開会社:提訴期間1年
(4)差し止め請求権
  設立時:なし
  設立後:あり

2 差異が設けられている理由
 A 迅速性の要請 ・・・(1)(2)(3)について
  設立時:それほど迅速性は要求されない。
  設立後;すでに事業を営んでいる会社の資金調達のためのものなので、迅速性が要求される。

 B 既存株主との利害調整の要請・・(1)(4)について
  設立時:既存株主は存在しない。
  設立後:既存株主が存在するので、持株比率と経済的利益の維持を図る必要がある。

 以上を見ても分かるとおり、この問題は、それなりに拾い出すべき制度が多いので、受験生が実際に解答するときには
   差異(制度上の違い)を、もれなく拾うことができるか。
という点で結構な点差がつくと思います。

 また、ある程度、制度を拾えたとしても
 ① 手続きの差異が、設立時 VS 設立後の視点だけではなく、公開会社VS非公開会社等という視点から生じているものが多いので、この問題で、後者の視点をどの程度説明するか
 ② 制度の差異を述べて、淡々とその理由を書いていく方がわかりやすいか、理由ABという視点で、差異を2つに分類して説明する方が分かりやすいか
 ③ 理由Aに基づく手続上の差異と理由Bに基づく手続き上の差異を、どのように振り分けて、説明するか
等という点は悩むところです。

 会社法は、いろいろな種類の株式会社(公開VS非公開、取締役会設置VS非設置等)があるので、単一の視点で制度を分類して説明するのは、案外難しい場合が多いので、受験生が、試験本番で、見知らぬ制度間の比較をさせられるときには、整理のための「視点」を発見することに拘らず、制度の違いを淡々と述べる方がよいかもしれません。

 しかし、100問の解答例は、少しでも分かりやすくするために
   迅速性の要否から生ずる差異
   既存株主の存否から生ずる差異
に分けて、制度上の差異の内容を説明することにしました。

 どちらの答案構成でも構わないのですが、答案を書いているうちに
   設立時VS設立後の株式発行
という問題が
   発起設立VS募集設立
になったり
   公開会社VS非公開会社
になったりしないように注意する必要はあるでしょう。

 今日は、クリスマスの話題を書いているうちに、遅くなってしまったので、具体的な解説は次回に続きます。

(質問コーナー)
Q1
 本日は社外取締役の責任限定契約と社外取締役の登記義務について教えてください。
社外取締役等との責任限定契約(427条1項)ができる定款の定めがある会社において、社外取締役(2条15号)の要件を満たす取締役は、責任限定契約を締結していなくても社外取締役の旨の登記(911条25号)をしなくてはならないのでしょうか?視点を変えてお聞きすると、責任限定の定めの登記(911条24号)がされている会社において、取締役5名(ABCDE)のうちEのみ社外取締役の登記がなされている場合に、当該会社の登記事項証明書を見た場合、ABCDは社外取締役ではないと判断できるものでしょうか?
以上の点、宜しくお願いいたします。
投稿 NK | 2006/12/22 1:06:36
A1
 責任限定契約を締結しない場合には、社外取締役である旨の登記は不要です。
 したがって、ご質問の場合には、ABCDについて、「社外取締役ではない」という判断はできません。もしかしたら、社外取締役かもしれません。

Q2
 特例有限会社に関する整備法の規定に関してお教えください。
 郡谷氏編著の『中小会社・有限会社の新・会社法』P208によれば,特例有限会社の監査役の解任決議の決議要件は普通決議だとされていますが,なぜ,特例有限会社において累積投票で選任された取締役の解任の決議要件は特別決議であるのに,監査役の解任の決議要件は普通決議なのでしょうか?監査役について通常の株式会社と異なり,一方で,取締役について旧有限会社とも異なる規律にした理由をお教えください。
投稿 たつきち | 2006/12/22 1:30:29
A2
 大人の事情としかいいようがありません。

Q3
取締役会への報告の省略について、ご教示ください。
施行規則101条4項2号ロにおける「取締役会への報告を要しないものとされた日」とは、千問Q510を類推解釈して、通知が到達した時(通常到達した時を含む)になるのでしょうか?
取締役会議事録作成の実務を考えると、施行規則101条4項1号ハにおける「取締役会の決議があったものとみなされた日」とそろえておきたいのですが、通知を受けたことに対する期限付き意思表示を行うことによって日付をそろえるのは、無理がありますか?
投稿 としお | 2006/12/22 11:46:13
A3
 千問の類推解釈というのは、ちょっと笑えますが、通知が到達した日(通常到達した時を含む。)というのが妥当なところのように思います。
 なお、通知を受けることは、意思表示ではないので、「期限付き意思表示」という意味が分からないのですが、通知の効力発生時期について、特約をするということなのでしょうか?オウンリスクでということなのでしょうね。

Q4
非公開会社の募集株式発行承認の株主総会議案例として、199条1項にある募集事項と一緒に(同議案内で)割当者とその割当数まで決議しているものを見かけましたが、取締役会非設置会社の場合、この議案だけで第三者割当の際に必要な204条2項の「割当の決定もした」といえるのでしょうか?
私は、204条が「株式会社は、申込者の中から~」となっているので、第三者割当の場合「203条の申込の手続を経ずして204条の割当はできない」と勝手に解釈しているのですが・・・。
上記のような決議だけで手続が有効になるケースは、総会前に決議成立を条件に(もしくは決議後に)割当者と総数引受契約をする場合だけで、それ以外は上記の決議後、203条の手続きをして、改めて別の議案、もしくは別の回の総会で再度割当を決定しなくてはいけないと思っているのですが、この考え方で合っていますでしょうか?
投稿 かーご | 2006/12/22 16:44:14
A4
 実務上は、総数引受契約になっている場合もあるでしょうし、総数引受契約ではなくても、募集決議がされることを条件として、事前に申し込みをすることも可能なので、1回の株主総会で、募集決議と割当決議を続けてやることも可能です。

Q5
サミー先生、昨日21日(木)のQ10(A10)で回答いただいたことの続きなのです
が、A10でご回答いただいた①の計算規則の条文を教えていただけないでしょう
か。
また、黒字会社が赤字会社を吸収合併することによって、赤字会社で生じていた
欠損を引き続き存続会社である黒字会社で引き継ぐことができるでしょうか。
以前とは異なって税務上の取扱いが変更になり、このような場合も欠損を引き継
ぐことができるようになったとも聞いたため再度うかがう次第です。
投稿 DAN | 2006/12/22 17:59:11
A5
 組織再編をめぐる会計処理は、単純に計算規則の条文を示すだけでは誤解を生みますので、計算規則の詳解等の本を読んで勉強していただければ幸いです。

Q6
 19日のQ5のご回答に簡易・略式再編の要件を満たす場合には総会決議での承認は無効というようなご回答がありましたが、そういう意味でしょうか。
 もし、そうであれば、実務に大きな影響があります。登記でも100%親子の合併等において子会社の総会議事録を添付したら却下されてしまいます。実務では要件には該当するが、総会決議を経て確実な決定をしたということも多いですし、資産規模が20%前後で微妙な案件もあります。
 条文では「(総会承認の規定を)適用しない」とありますが、総会承認の規定には「(承認を)受けなければならない」ですから、「適用しない」とは総会の承認を受ける必要がない」という意味で、商法時代の解釈と変わらないと考えてはいけないでしょうか。商事法務1753号37頁以下の相澤・細川氏の解説文にも「総会の決議を省略することができる」とか「要しない」という表現を使っています。
投稿 司法書士K | 2006/12/23 13:02:15
A6
 簡易・略式再編の要件を充たす場合には、総会決議は無意味なので、それをやってもやらなくても、その再編行為は有効です(さらに言えば、その総会決議が他の要件で無効・取消しになっても、再編は有効です)。ですから、実務的には、何の影響もありません。

Q7
1 株式交換において、完全親会社となることができる会社を株式会社と合同会社に限る(2条31号)としたのはなぜか?
(株式を交換するんだから、株式会社に限る、と規定していれば分りやすいのですが、なぜ合同会社にも認めるのかが分りません。対価の柔軟性が許容されている会社法では、合同会社にも株式交換完全親会社となることを認めるとしても、なぜ合名・合資会社を認めないのかが分りません。)
2 株式移転において、完全親会社となることができる会社を株式会社に限る(2条32号)としたのはなぜか?
(なぜ持分会社を認めないのか、株式交換と異なり、なぜ合同会社を認めないのかが分りません。)
以上の質問は、葉玉先生時代に一部既出の質問なのですが、葉玉先生は「大人の事情」とのご回答でした。「大人の事情」=法務省の対内的政策理由と受け止めましたが、対内的政策理由はともかく、対外的政策理由(法務省が国民に説明するときの理由)について教えてください。
A7
 大人の事情というのは、「対内的政策理由」ではなく、「政治的な配慮で決まったものであり、理屈ではない。」という意味です。はっきりいって、法務省の対内的政策理由なんてものは、悲しいくらい何もありません。税収確保という発想は、会社法グループにはないし(むしろ、どうやったら税金が安くなるかと考えているかもしれません)、経産省や検察庁から来た人がいたにもかかわらず、経産省や検察庁への配慮もほとんどあまりません。

Q8
会社法298条第1項各号に掲げる事項は、その全部を一度の取締役会において決定しなければならないのでしょうか。
会社法施行規則67条には、「法第298条第1項各号に掲げる事項の全部を決定した日」という表現があり、部分的に日を改めて決定するケースも予定しているようなので、
全部を一度に決定する必要はないと考えていますが、それでよいでしょうか。
投稿 サラリーマン | 2006/12/24 1:05:19
A8
298条1項各号に掲げる事項を、数回の取締役会に分けて決定することもできます。

Q9
サミー先生、種類株式について以下の点につき教えてください。
1 甲種類株式(剰余金に関して優先的内容があり、取得請求権付。但し、取得請求権の対価は、金銭による時価)と乙種類株式(普通株)を発行している公開会社において、乙種類株式に譲渡制限を設定した場合に、甲種類株主総会の決議は必要か?
2 不要だとすると、条文上の根拠は、「ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき」(322条1項本文)には該当しないから、でよいか?
3 必要だとすると、条文上の根拠は、「株式の内容の変更」(322条1項1号イ)に該当し、かつ「ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるとき」(322条1項本文)に該当するから、でよいか?
以上の点について宜しくお願いいたします。
投稿 NK | 2006/12/24 14:08:36
A9
 具体的なあてはめなので、具体的な条項を見ないで答えるのは危険ですが、ご質問の場合には、通常は、甲種株式には、損害を及ぼすおそれはなく、甲種株式の種類株主総会はいらないのではないでしょうか。

|

« 【入門】資本三原則(5) | トップページ | 年末の質問コーナー »

コメント

サミー様
この年の瀬、さぞお忙しいであろう中でのご回答ありがとうございました。

年内がいつまで更新されるか存じませんが、私自身の書込は年内最後と思いますので、ちょっと早いですが、ご挨拶を。
「本年はありがとうございました。お体には十分お気をつけの上、良いお年をお迎え下さい。 来年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m」

投稿: かーご | 2006年12月26日 (火) 11時44分

サミー様
年末のお忙しいさなかまことに恐縮ですが、さる22日に公布された法務省令87号について、当ブログにおいて解説をお願いできませんでしょうか。
パブコメのときにも解説していただきましたが、特に改正会社法施行規則においてパブコメ段階から変更となった事項や、パブコメにはなかった事項もあるようです。改正のほとんどは形式的変更に過ぎないのかもしれませんが、速報版という形で要点だけでも是非お願いします。

投稿: 権兵衛 | 2006年12月26日 (火) 19時34分

会社計算規則37条による資本金等増加限度額の計算について教えてください。
株式引受人の募集に関しまして下記1と2では,同じ額の払込みがされ,同額の帳簿価額の自己株式の処分がされるにもかかわらず,資本金等増加限度額は1の方が多くなります。
下記1のように自己株式の処分と株式発行に手続を分けた場合の方が,2のように新株式の発行と自己株式の処分を組み合わせるケースよりも,結果として資本金等増加限度額が多くなるように規定したのはなぜでしょうか?

1 払込額500万円,自己株式処分割合100%(自己株式の帳簿価額1000万円)とする募集を行い,後日,払込額2000万円,新株式発行割合100%とする募集をした場合,資本金等増加限度額は合計で2000万円となります。
  
2 払込額2500万円,自己株式処分割合20%(自己株式の帳簿価額1000万円),株式発行割合80%とする募集を実施した場合,資本金増加限度額は1500万円になります。

投稿: yok | 2006年12月26日 (火) 20時44分

サミーさん、取締役会非設置会社で、株主総会決議が必要な業務執行決定事項の範囲についてお教え下さい。

取締役会設置会社では、取締役会が取締役に委任できない事項というのが決まっています。これに対して非設置会社では、株主総会はあらゆる決議をできるという規定と、法令で株主総会決議事項になっているものを下部機関に委任できないという規定がありますが、法令で株主総会決議事項でないものについて取締役に委任してよいかどうかについては特にルールがないと考えてよいでしょうか。

投稿: すか吉 | 2006年12月27日 (水) 10時59分

組織再編における株主通知・公告(会社法785条・797条)について教えてください。
785条4項2号・797条4項2号では、「株主総会の決議によって吸収合併契約等の承認を受けた場合」、公告をもって株主への通知に代えることができる旨が規定されています。
「承認を受けた」と過去形で書かれていますが、これは、公告をする時点で、すでに株主総会決議がなされていることが必要という趣旨でしょうか。それとも、公告の時点で株主総会決議がなされていなくても、最終的に効力発生日の前日までに株主総会決議がなされれば、785条4項・797条4項の公告としての効力を有することになるのでしょうか。

投稿: 年末も会社法 | 2006年12月27日 (水) 11時40分

サミーさん、こんにちは。

会社法施行規則124条7号の「社外役員の報酬等」に関する開示事項について、当該規定では「親会社またはその子会社から役員としての報酬等を受けているときは、その報酬等の総額」について開示する、とされています。

この開示対象となる会社の範囲に「当該会社の子会社」が含まれていないことについて、当該規定は、あくまで当該会社の親会社またはその子会社(当該会社の兄弟会社)の「役員」(同2条3項3号)としての報酬等について開示するものであり、そもそも子会社から役員としての報酬等を受けている場合は、社外役員の要件に反することになるため除かれていると理解していますが、この理解で間違いないでしょうか?

また、「当該会社に親会社が存在しない場合」で、社外役員が「子会社の社外役員を兼務している」場合、子会社から受けている「社外役員としての報酬等」は開示不要なのでしょうか?

以上、ご回答の程、よろしくお願いいたします。

なお、今年も残りあとわずかですが、今年1年色々な質問にご回答いただき、ありがとうございました。
来年も、よろしくお願いいたします。

投稿: naga | 2006年12月27日 (水) 16時53分

サミーさん、こんばんは。
有利発行について質問させてください。
100問の20問では、前段においては総会決議がなくても、本来不要である株主への公示がある事例、後段においては公示も総会決議もない事例が問われており、前段は無効にならず後段は無効という結論になっております。
ということは、公示の有無が有利発行の効力に決定的意味を持つように思えます。
ところが21問の160ページから161ページにかけて、総会決議がなかった場合でも無効にならないと結論づけています。ここは本来公示など不要で総会決議が必要な場面ですから、『総会決議がなかった場合』というのは公示もなかったと解すべきと思いますが、そうすると20問との整合性がありません。
つまり20問後段と21問指摘箇所は同じ事例を想定しているのに結論が違うように思えるのです。
何かを見落とし、落とし穴にはまっているのかもしれませんが、しばらく考えても分かりませんでしたので、私の考えの間違いを御指摘下さい。
よろしくお願いいたします。

投稿: アンナ | 2006年12月27日 (水) 20時44分

Q2
 特例有限会社に関する整備法の規定に関してお教えください。
 郡谷氏編著の『中小会社・有限会社の新・会社法』P208によれば,特例有限会社の監査役の解任決議の決議要件は普通決議だとされていますが,なぜ,特例有限会社において累積投票で選任された取締役の解任の決議要件は特別決議であるのに,監査役の解任の決議要件は普通決議なのでしょうか?監査役について通常の株式会社と異なり,一方で,取締役について旧有限会社とも異なる規律にした理由をお教えください。
投稿 たつきち | 2006/12/22 1:30:29
A2
 大人の事情としかいいようがありません。

 との質問についてですが,有限会社の監査役は,株式会社の監査役とは異なって任意的機関だから,設置するしないも自由で解任に当たっても特に特別決議を要求する理由はないという風に考えてみましたが正しいでしょうか? また,株式会社にせよ有限会社にせよ,累積投票で選ばれた取締役が普通決議で解任することができるとすると,少数者の意思を反映するための累積投票制度が骨抜きになるから,特別決議を要求するのだと考えてみましたが,正しいでしょうか?

投稿: 帝王 | 2006年12月28日 (木) 00時36分

サミー先生、いつもご回答有難うございます。
本日は企業再編時の債権者保護につき以下の理解でよいかご教授ください。
1 債権とは、特定人が特定人に対して特定の給付を請求できる権利であることから、①債権者(「特定人が」)、②債務者(「特定人に対して」)、③債権の内容(「特定の給付を請求できる権利」)に変更がない限り、債権者は、会社の経営判断等に異議を述べる権利がないのが原則である。
2 しかし、例外的に、799条1項各号の場合だけは、①~③に変更はないが、対価の適正を判断する機会を与えるため、異議権を認めた。
3 企業再編時においては、あまり債権者の保護手続を考慮していないようにも思えるが、剰余金の配当制限(461条以下)や、役員等の第三者に対する損害賠償責任(429条)、詐害行為取消権(民法424条)等の他の諸制度により債権者の保護は図られうるので会社の企業再編に広く異議権を認めなくとも構わない。
以上の様な理解で企業再編時の債権者保護を整理してみたのですが、間違いはないでしょうか?実務家の先生に聞くような質問ではないのかもしれませんが、宜しくお願いいたします。(根本的には会社法における債権者保護って何だ?という疑問があります。)

投稿: NK | 2006年12月28日 (木) 02時25分

すいません、訂正です。789条1項2号の括弧書きの場合も、①~③に変更がなくとも債権者が異議をのべる場合ですね。2の例外に追加させていただきます。
お手数をかけて申し訳ありません。

投稿: NK | 2006年12月28日 (木) 03時08分

420条1項の代表執行役についてお伺いいたします。

当初執行役が一人しかいなく、当該執行役が代表執行役とみなされていたときに、後日、もう一人執行役を増員した場合には、改めて代表執行役を選定し直さなければならないと考えて宜しいのでしょうか?

投稿: 南斗六星 | 2006年12月28日 (木) 10時01分

いつも仕事の参考にさせてもらっています。ありがとうごさいます。

ひとつ質問させてください。

募集株式の総数引受契約の後,払込期日までの間に,当該会社が株式分割
することは(不法行為かどうかは別にして)できると思いますが,引き受けるほうが分割相当分の株を取得するには,再度契約しなければならないのでしょうか?

投稿: サル頭 | 2006年12月28日 (木) 15時34分

下記ご教示頂きたくお願いします。
各取締役が担当事業分野をもついわゆる担当役員制を採用する場合、この誰がどの分野を担当するかという担当分けについては取締役会で決議する必要がありますでしょうか?あるいは代表取締役(社長)が決定してもよいのでしょうか?業務執行をする限り、会社法363条1項2号の業務執行取締役として取締役会で選定する必要があるということになるのでしょうか?

投稿: あつし | 2006年12月28日 (木) 15時49分

少々形式的な内容の質問ですが、ご教示頂ければと思います。

「一時会計監査人」「一時取締役」「一時監査役」といった用語に関する疑問です。「一時会計監査人」についてみてみると、会社法346条4項は「一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない」と規定しており、旧商法特例法6条の4における文言と同様です。従来はこの条文にもとづき選任される者を「仮会計監査人」と称するのが一般的だったと思います。条文中の「一時」と「会計監査人の職務・・・」の間は一拍おいて読むと思っていたので、「一時会計監査人」と称するのには違和感を感じますが、現在各社のリリースを見ると、「一時会計監査人」という用語が一般的になっているようです。江頭先生の「株式会社法」では、「一時会計監査人」の用語が使用されており、前田先生の「会社法入門」では、「仮会計監査人」の用語が使用されています。このあたり何か議論があったのでしょうか?

投稿: あつし | 2006年12月28日 (木) 16時12分

分割型分割の剰余金配当決議内容についてご教示下さい。
(2006年8月9日の葉玉先生ご回答文にも若干関連する内容となります。)

分割型分割において、会社法第758条第8号ロの規定に基づく剰余金の配当(現物配当)決議を行うにあたっての、会社法454条1項1号に定める「配当財産の帳簿価額の総額」に関する事項です。

この場合、「配当財産の帳簿価額」として『分割効力発生日の適正な帳簿価額』を、決議すべきかと思われますが〔参考:自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針10頁〕、その具体的な決議内容につき、思案に余っております。

下記記載例でも足りるものでしょうか?
   【前提】
     ・分割型分割
     ・適用計算規則 第66条

   【記載例】
     帳簿価額の総額  当会社と株式会社●●●との間において平成
                 ●●年●●月●●日付をもって締結された
                 分割契約に基づく吸収分割における吸収型再編
                 簿価株主資本額と同一の額

日々、会社法習得に励んではおりますが未熟であり、
又、数字にも疎いことから、認識誤りについてもご指摘頂けると幸いです。

お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご教示の程宜しくお願い致します。

投稿: wood | 2006年12月28日 (木) 20時25分

サミーさんへの質問は初めてとなりますが、よろしくお願いします。
「事業報告」について、旧商法施行規則との関係で、ちょ~実務的な質問となります。
①会社法施行規則120条2項で、同条1項の内容を企業集団(連結ベース)で記載することを可能としていますが、旧商法施行規則にも同様の規定があり、その時に対象となる事項を全て企業集団で記載しないと適用にならないとの当時の立案担当者の解説を見たことがありますが、この解釈は会社法施行規則でも生きているのでしょうか。まあ、特定の事項だけ単体ベースで記載するのも変ですが、念のための確認です。
②会社法施行規則120条1項3号の借入金の状況は、旧法で企業集団での記載が認められていなかったと思いますが、何故、変更になったのでしょうか。
③会社法施行規則121条7項は、旧商法施行規則108条1項5号と同じ内容のものが、単に付属明細から事業報告へ移ってきたと思えば良く、記載内容は同様のものが求められているのでしょうか。

投稿: dunk | 2006年12月28日 (木) 23時35分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188743/13203691

この記事へのトラックバック一覧です: 【入門】設立と新株発行(1):

« 【入門】資本三原則(5) | トップページ | 年末の質問コーナー »