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2006年11月22日 (水)

【入門】債権者保護の態様(2)

 前回は、各種の会社の債権者保護について 
 合名会社・合資会社→社員に対する直接責任の追及
 株式会社・合同会社→間接有限責任→払戻の制限と財源規制
という制度を説明しました。

1 会社財産の流出防止
a 財源規制の続き(株式会社と合同会社の違い)
 本日は、財源規制の説明の続きから、説明しましょう。
 さて、財源規制は、株式会社と合同会社に共通の制度ですが、株式会社と合同会社との間では、財源規制に何か差異があるのでしょうか。

 実は,合同会社の財源規制は,
  準備金の計上義務がない(435条4項参照)
という点で,株式会社よりも簡素化されています。

 初心者に「準備金」を説明するのは,大変であり、まして、「準備金の計上義務がない」ということを説明するのは、もっと大変なのですが、ここは、がんばって、順番に説明してみましょう。
(1)準備金とは何か。
 会社法は、株式会社・合同会社において「出資の払戻しを制限する」という原則を実現するために
 原則として出資額の全額を「資本金」として計上し
資本金を基準にして払戻を禁止しています(「分配可能額の計算に資本金なんか使ってねえだろう!」等という上級者的なツッコミはしないようにしてください)。
 そして,この「資本金」は,前回述べたとおり、債権者のためのバッファとしての機能を果たすので,株式会社や合同会社では,資本金の額を「登記」により公示しなければならないこととされています。

 ところで,社員にとっては,資本金の額が少なければ少ないほど,払戻や配当に対する拘束が弱くなるので
  出資額の中で、資本金として計上しなくてもよい部分
があると便利です。
 また,登録免許税が資本金の額によって定められること、外形標準課税が資本金を基準としていること(改正されますが)、資本金の額によって国税庁か税務署かの管轄が変わること等の理由から
  資本金をあまり増やしたくない
というニーズも,世の中にはあるようです。

 そうした会社のワガママに対して,会社法が毅然としてNOと言えればよかったのですが,旧商法の時代から,一定限度
   出資金の資本金への不計上
というワガママが認めれています。
 すなわち、
  株式会社については,出資額のうち2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができる(445条2項)。
ことになっているのです。

 もっとも、株式会社については,
  「資本金として計上しなかった部分を、自由に配当させるのはまずい」
という考えもあるので
  出資金相当額のうち、資本金に計上しなかった部分を「資本準備金」に計上する義務を課し(445条3項)、その資本準備金の額についても,剰余金の額・分配可能額には含めないことにして(446条)、配当制限をかけているのです。

 例えば,松真さんが,正直法務に,1億円を出資したときに,資本金として5000万円を計上すれば,残り5000万円が「資本準備金」に計上され,資本金のみならず、資本準備金を財源としても、配当することはできません。

 ここで、初心者は
 「結局,資本準備金に計上されて配当できないなら,何のために,資本金に計上しないことにしたのか,分からないじゃねえか。」
と思うでしょう。

 実は,資本金と資本準備金は
  会社が経営に失敗して,出資財産を目減りさせてしまった場合(このような場合を「欠損が生じる」と言います)
に違いが生じるのです。

 例えば,松真さんが正直法務に1億円出資して,資本金を1億円にしたとしましょう。その後,正直法務が,事業に失敗して,会社の純資産が8000万円になったとしたら、
   純資産8000万円<資本金1億円
なので,松真さんに配当をすることができません。

 しかし,正直法務が、株主総会で,資本金を、1億円から5000万円に減少させれば
  純資産8000万円>資本金5000万円
なので、差額の3000万円を配当することができます(正確には,もっと緻密な計算が必要ですが,説明のために簡略化しています)。

 ただ、正直法務が自由に資本金を減少することができることとすると、配当を制限する機能を果たすことができませんので、資本金を減少する場合には、必ず
  債権者保護手続
 (=資本金の減少に対して異議を述べた債権者に対し、会社が弁済等をしなければならないという手続)
をしなければいけない(449条)こととされているのです。これを、株式会社では、「資本不変の原則」と呼んでいます。

 これに対し、松真さんが1億円出資したときに、正直法務が
  5000万円を資本金、残り5000万円を資本準備金
にしていたとしたら、定時株主総会で、欠損が生じた分だけ、資本準備金を減少する決議をする場合には
   債権者保護手続きは採る必要はありません(449条1項ただし書)

 先ほどの例でいえば
  純資産8000万円-(資本金5000万円+資本準備金5000万円)
  =マイナス2000万円
の「欠損」が生じているので
 資本準備金5000万円を2000万円分減額して、3000万円にする
ための定時株主総会の決議をする場合(このような行為を「欠損のてん補」と言います)には、債権者保護手続がいらないのです。

 もちろん、ここで資本準備金を3000万円にしても
  純資産-(資本金+資本準備金)=0
なので、すぐに配当ができるわけではありません。
 しかし、次の事業年度に、利益がでれば、その利益の分だけ配当することができる状態になるので、こうした欠損のてん補は、株主にメリットのある行為であるということができます(逆に、欠損をてん補しないと、次の事業年度に2000万円の利益がでても配当をすることができません)。

 このように資本準備金は、資本金と同様、分配可能額には含まれませんが、欠損が生じたときに、債権者保護手続を経ずに、減額することができるという機能(弱い拘束力)を果たすことで、資本金とは別の機能を果たしています。
(2)合同会社に準備金の計上義務がない理由
 ところが、合同会社には、資本準備金というものがありません。
 これは、何を意味するかというと、合同会社では、出資額のうち、資本金に計上しなかった金額は、
  「その他資本剰余金」
  (→株主に配当することができるもの)
として計上されるということです。
 しかも、合同会社では
  「出資金のうち2分の1以上を資本金に計上しなければならない」というルールもない(実は、資本金の計上義務もない)
ので、資本金を0円にしておけば、出資金の全部を「その他資本剰余金」にして配当制限を一切かけないこともできるのです。

 このように合同会社において、出資時から資本金を0円とすることで、出資金の払戻制限を事実上回避することもできるようになっているのは、
① 登記によって公示されるのは、資本金の額だけだから、債権者の期待を保護するためには、資本金の額についてのみ財源規制をすれば足りる
② 合同会社の債権者は、業務執行社員の経営能力等の人的信頼関係を基礎として取引に入ることも多いので,出資額全額に財源規制をかける必要は少ない
からです。
 
 以上、前回・今回と財源規制について説明しましたが、これを一言でまとめれば

 株式会社と合同会社は、間接有限責任制を採る代わりに、財源規制が施されているが、株式会社と合同会社の特質の違いから、合同会社には、準備金の計上義務が課せられておらず、財源規制が簡素化されている

ということになります。

b 純資産額規制
 株式会社では,aで述べた財源規制のほか
 純資産額が300万円を下回るときには,配当をすることができない(458条等)
という純資産額規制が採用されています。

 これは,会社法の制定時において,株式会社については,債権者の保護のために,最低資本金制度で実現されていた程度(株式会社は,有限会社と一体化したので,旧有限会社並のバッファ)は設けておいた方が望ましいという観点から,政策的に採用された規制です。

 他方,会社法で新たに創設された合同会社には,従前との継続性の観点から純資産額規制を課す必要はありませんし,合同会社の債権者は,業務執行社員の経営能力等の人的信頼関係を基礎として取引に入ることも多いので,実際にも,純資産額規制までかける必要はありませんので,合同会社には,純資産額規制はありません。

2 会社財産の状況の適切な開示
 1では、会社財産の流出対策について説明しましたが、会社法は、その対策を実効化するため、債権者が、会社財産を把握するための諸制度を用意しています。
(1)計算書類の作成・閲覧
 個人対個人の世界では
  債権者が、債務者がどの程度の資産を持っているのか
  債務者が、勝手に財産を他人に流出させていないのか
を正確に知ることはできません。
 これに対し、会社法では、債権者が、社員への会社財産の流出に対し対応策を講ずるためには、会社財産の状況を把握する必要があることを踏まえ、会社に
   計算書類(貸借対照表等)の作成義務
を課しています。
 この計算書類の作成義務は、株式会社(435条)、合同会社、合名会社、合資会社(617条)の、いずれにも課せられた義務です。

 この計算書類は、第一次的には
  株主・社員
が会社財産の状況を把握するために作成するものですが
 ① 株式会社・合同会社では、債権者が計算書類の閲覧等を求めることができるものとされており(442条、625条)
 ② 合名会社・合資会社でも、会社が訴訟の当事者にとなった場合には、裁判所が、計算書類の提出を命ずることができる(619条)
ので、債権者が、会社財産の状況を把握する場合に利用することも可能です。

 ここで、①と②のような違いが設けられているのは、なぜかというと

① 株式会社・合同会社は、社員への払戻が制限され、財源規制が課されているので、債権者が、会社から社員への財産流出を監視する必要が強いので、いつでも計算書類を閲覧することができるようにしているのに対し

② 合名会社・合資会社は、社員への直接責任の追求が認められ、債権者が、随時、計算書類の内容の変動を監視する必要性は低いので、閲覧等請求権は認めるべきではなく、訴訟において、必要に応じて、裁判所が提出を命ずれば足りるからです。

(2)計算書類の公告
 さらに、計算書類については、株式会社と合同会社の間で
① 株式会社は、貸借対照表(大会社では、貸借対照表及び損益計算書)の公告義務がある(440条)が
② 合同会社には、公告義務がない
という違いがあります。

 「公告」を「広告」と間違って書く人が沢山いるのですが、「公告」は、コマーシャルではなく、会社に関する事項を社員や債権者等に知らせるための方法のことを言います。

 公告方法は、官報、時事に関する日刊新聞紙、電子公告のどれかを定款で定めることができ、何も定めなければ、官報が公告方法になります。
 いずれの方法を採るにせよ
    公告は、社員・債権者だけではなく、誰でも見ることができる
という点に、閲覧請求とは異なる大きな特徴があります。
   
 現状では、ほとんどの会社が官報を公告方法とし、上場会社は日経新聞を公告方法にするのが普通です(ただし、つい最近、コストの観点から、上場会社で電子公告を採用するところが増えています)。

 では、なぜ
① 株式会社は、公告によって、一般人に対し、会社の財産状況を明らかにすべきであるが
② 合同会社は、公告をしてまで、一般人に対し、会社の財産状況を明らかにする必要はない
という政策的判断をしているのでしょうか。

それは
① 株式会社は、株主構成や経営者が変動する可能性があることを予定した会社であるため、株式会社自体に対する信用を高める必要があり、そのためには、現に株主・債権者である者だけではなく、これから株主・債権者になろうとする者にも、その会社財産の状況を明らかにして、取引の安全を図る方が望ましいが
② 合同会社は、業務執行社員の経営手腕等人的信頼関係を基礎として取引に入る債権者が多いことが予想されるから、債権者に計算書類の閲覧請求権を認めれば十分であり、コストをかけてまで、あえて一般人に向かって公告をする必要性に乏しいからです。

3 まとめ
 前回・今回でお話ししたことを頭にいれて、第3問の解答例を見てください。
  まず、一の総論で、債権者の保護制度は
 ①会社財産の状況の適切な開示
 ②会社財産の流出防止
という2つの視点で整備されていることを明らかにした上で
二 株式会社
 ① 計算書類の閲覧請求権+公告
 ② 払戻の制限・財源規制+純資産額規制
三 合同会社
 ① 計算書類の閲覧請求権(公告なし)
 ② 払戻の制限・財源規制(準備金計上義務なし)(純資産額規制なし)

 ① (計算書類の閲覧請求権なし)(公告なし)
 ② 社員の直接責任
という各論についてそれぞれの趣旨を説明しています。
 これだけ書ければ、とりあえずの解答は、できあがりです。
 なお、旧商法時代は、合同会社がなかったので
  間接有限責任 対 直接無限責任
という視点だけで制度を説明することができたのですが、会社法でその視点しか持っていないと
  株式会社と合同会社の違いを説明できない
という事態に陥ります。
 ですから
 株式会社=株主・役員の構成が変動が予定され、会社自体に対する債権者の信頼を保護する必要性が高い
 持分会社=社員構成の変動が少ないことが予定され、債権者と社員との間に人的信頼関係がある
という会社の性質の違いも踏まえて、論述する必要があるでしょう。

 なお、解答例では、五として
 組織再編と債権者保護
について詳しく論じています。
 この問題の解答としては必須ではなく、加点事由だと思いますが、実は、最近、実務上、もっとも深刻で解決しなければならないのは、組織再編を利用した一種の詐害行為です。
 ですから、初心者は、五を飛ばして勉強してかまいませんが、一通り、会社法を勉強した人は、この部分をよく読んで、組織再編の当事会社の債権者が、それぞれどんな保護を受けられるのかをマスターしておいてください。
 特に<13.1><15>は、会社法の穴だと言われているところをふさぐ解釈論ですので、上級者の皆さんには、一度は考えて欲しいところですね。

(質問コーナー)
Q1
一つの吸収分割株式会社が効力発生日を同日とする複数の吸収分割を行う場合で、各々の吸収分割毎の承継資産額は分割会社の総資産額の5分の1以下だが、各吸収分割により承継される資産の合計額でみると5分の1を超える場合の簡易分割の判定方法についてお教えください。
会社法784条3項では、複数の分割を同時に行う場合の資産合算は定められていないので、それぞれの分割ごとに簡易分割に該当するかどうかを判定すればよいと考えてよろしいでしょうか。
投稿 M.M. | 2006/11/20 19:16:44
A1
形式論理では,簡易分割に該当しますが,同時にやるのは潜脱的な使用法といわれる可能性があるので,株主総会の決議を得る方がリスクがないでしょう。

Q2
会計監査人の監査について教えて下さい。
3月末決算の会社(資本金2億円)が、決算の貸借対照表で初めて負債が
200億円を超えた場合に、6月の株主総会で決算を承認されて大会社に
なって、監査法人と契約して監査を受けることにして、翌年3月の決算で
再び負債が200億円を割り込んだ場合、この決算にかかわる株主総会
では大会社でなくなると分かっていても、会計監査人の決算監査は受け
なければならないのですか。また、上記の例のように、1年ごとに大会社
になったり、はずれたりするような場合、調整措置のようなものはないの
でしょうか。よろしくご教授ください。了
投稿 迷える社会人 | 2006/11/21 9:29:30
A2
大会社であるうちは,会計監査人の監査を受けなければいけません。
調整措置はありません。

Q3
発起人、設立時取締役または設立時監査役の責任を追及するため、株主は責任追及等の訴え(847条)を提起することができますが、公開会社の場合で、設立直後に何らかの問題が発覚したときでも、最低設立から6ヶ月経たないと責任追及等の訴えを提起できないのでしょうか?
総会屋等の権利の濫用を防止するという保有期間の趣旨からすると、設立時の株主であれば、6ヶ月待たなくても良いような気がします。
条文にそぐわないので、やはりダメでしょうか?
投稿 パラリーギャル | 2006/11/21 9:34:34
A3
条文の要件を充たさないので,駄目でしょう。
代表訴訟は,しょせん損害賠償ですからね。急いでも,あまり仕方がないようにも思います。

Q4
 合資会社の有限責任社員が死亡した場合
 旧商法161条では、合資会社の有限責任社員が死亡した場合、その相続人が社員となると定められていましたが、会社法608条1項では、この規定を定款で定めることが出来るとされています。
 従来から存在する合資会社の場合、このような定款の規定はなく、また、整備法でも旧商法の期待があるものと看做す規定もありませんが、このような合資会社の有限責任社員が死亡した場合、どのような手続により、誰が入社するのでしょうか。
投稿 橋爪伸由 | 2006/11/21 10:26:31
A4
 定款に別段の定めがなければ,有限責任社員は,退社します。退社員としての権利義務は,相続人が承継します。
 誰も,入社はしません。

Q5
親会社・子会社について教えてください。例えば、A株式会社(代表取締役甲)とB株式会社(代表取締役乙)は、お互いに相手の株式は全く所有していないときは、親会社とか子会社ということはない、と考えて良いのでしょうか。また、この場合、甲は、A社の株式の過半数を所有し、B社の株式の全部を所有してB社の平取締役をも兼任するような場合でも、A社・B社は互いに親会社・子会社という関係にはならないのでしょうか。
投稿 はりこのトラ | 2006/11/21 20:15:49
A5
A社名義の株式がなくても
1 自己の計算において所有している議決権
2 自己と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより自己の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者が所有している議決権
3 自己の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権
があれば,B社の親会社になる場合はあります。
 甲がB社の株式をもっている場合も,上の要件に当たれば,A社が親会社になる場合はあります。

Q6
 監査役の選任に関する監査役の同意(343条)と会計監査人の選任に関する監査役の同意(344条)について質問させてください。
 監査役がある場合において、取締役が監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには 監査役の同意を得なければいけません。(343条1項)
 また、監査役がある場合において、取締役が会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出するには 監査役の同意を得なければいけません。(344条1項1号)
 ところが、344条は 会計監査人の解任を総会の目的にすること(344条1項2号)及び会計監査人を再任しないことを株主総会の目的とすること(344条1項3号)にも 監査役の同意が必要と定めています。
 この様に、343条1項と344条1項で 監査役の同意の範囲が異なる理由についてご教授ください。
投稿 maru | 2006/11/21 23:06:43
A6
 すいません。質問の意味がよくわかりません。「同意の範囲」とは,何を意味しているのでしょうか。

Q7
 新株発行無効の訴え(828条1項2号)について質問させてください。
 この場合 公開会社では 提訴権者は効力が生じた日から6ヶ月以内に 訴えを提起しないといけません。(828条1項2号)
 ところが 非公開会社では 提訴権者は効力が生じた日から1年以内に訴えを提起すればよいとされています。(828条1項2号括弧書)
 この違いはなぜ生じるのでしょうか?
投稿 maru | 2006/11/21 23:07:56
A7
 非公開会社の株主総会決議は無効事由になるからです。詳しくは、会社法100問をご覧ください。

Q8
早速ですが、457頁のWhat's Missing935の「正」に、「会計監査権限しか有しない監査役も、監査役である以上、取締役に報告する義務を負う(382条)。」とありますが、本当でしょうか。会社法第389条第7項によると、382条の適用は排除されているように読めますので、ご確認頂ければ幸いです。
投稿 ぞう | 2006/11/21 23:31:44
A8
おっと。おっしゃるとおりです。訂正します。
一問一答は、目を皿のようにして間違いや誤植を探したのですが、まだ残っていたとは、残念

Q9
決算スケジュールについてご質問させてください。
会計監査人が監査報告を取締役等に通知する期限は、旧法では4週間以内、会社法では4週間を経過した日となっていますが、そうしますと、4/20に計算書類を提出しますと、旧法では5/18、新法では5/19となり1日違ってくるのでしょうか。つまり、新法の経過した日は、中4週間の間隔があるという理解でよろしでしょうか。
投稿 会社法漬け | 2006/11/21 23:52:50
A9
そのとおりです。旧法よりも、1日伸びました。

Q10
特定監査役および特定取締役の選定のメリット、デメリットを教えてください。また、それぞれの選任機関はあるのでしょうか。お願いします。
投稿 会社法はつらい | 2006/11/21 23:56:32
A10
監査役や取締役が複数いる場合には、特定監査役・特定取締役を選定した方が、監査手続の事務担当者同士で手続きを進められて、スムーズということでしょうね。
特定取締役の選任は、特にルールはありません。
特定監査役は、監査役会設置会社では、監査役会です。

Q11
What's Missing は、「(誤った見解を述べている人の)理解が足りないのは、どこですか?」的に受け取ればよいでしょうか。
What's Wrong の方がより直接的でしたね。
投稿 ぞうさんのしっぽ | 2006/11/22 0:32:46
A11
「間違い探し」というのは、英米の問題集等には、あまりないらしく、タイトルをどうするかは、かなり議論しました。
 「What's Wrong」説が有力だったのですが、幼少のころから、ずっと米国で学園生活を送ってきた帰国子女の方が、「What's Missing」と言い出したため、ドメスティックな私などは何もいえなくなり、ある偉い方が
 「It's coolだね。ああ、久保田の「Missing」が歌いたくなった。カラオケに行こう」
ということで、What's Missingに決まりました。

Q12
「転換社債型新株予約権付社債」について質問させてください。
新・会社法で取締役1名の会社を設立します。
しかし、友人2人も将来この会社に参加する予定で50万円ずつ
拠出してもらい、正社員になったときに株式に転換して資本金にする
予定です。
いろいろと調べた結果、「転換社債型新株予約権付社債」に
するのがよさそうなのですが、適当な契約書の雛形が見つかりません。
行使期間を1年くらいに設定し、転換の条件に「正社員になったとき」
というようなことを検討しておりますがどのようなことを記載すれば契約書
として成立するのでしょうか?
投稿 しゅんたろう | 2006/11/22 1:24:34

A12
236条、238条、676条をお読みください。
難しければ、契約書は弁護士さんに頼んだほうがいいと思います

Q13
100問2版P66(二)(4)についてお伺い致します。

会社分割における承継会社が、①分割会社の債務を承継しない場合、かつ、②分割会社に対価を交付しない場合においても、承継会社の債権者保護手続は799条1項2号により要する、と考えて宜しいのでしょうか?
P66・P67を読んでいて、もしかしたら要しないのかな、と疑問に感じたので…
投稿 南斗六星 | 2006/11/22 9:11:59
A13
条文上必要である場合には、当然、必要です。
非常に特殊な場合を念頭において、一般的な手続きを不要とすることはできません。

Q14
取締役会設置会社における「業務執行取締役」についてご質問させてください。
前々回A9で「取締役が業務執行をした瞬間に、業務執行取締役になってしまいます。」とありますが、その者と取締役会で業務を執行する取締役として選定された者との違い何でしょうか。
前者は取締役会で選定されていないため、363条2項の報告義務はないのでしょうか?
投稿 たあ | 2006/11/22 10:54:43
A14
業務担当取締役ではない、業務執行取締役には、報告義務はありません。

Q15
旧人的分割は、物的分割時に剰余金の配当を行うことで同様の効果を乗じさせることとなりますが、この剰余金の配当においては、準備金の積立て(計規45)は、要するのでしょうか。除外規定を発見できません。宜しくお願い申し上げます。
投稿 真野禎太 | 2006/11/22 15:42:52
A15
会社法の計算詳解457頁をご覧ください。

Q16
11/21のQ6・A6(100%子会社B社から親会社A社への無対価吸収分割)に関連して3つ質問させて下さい。(1)この場合分割承継会社であるA社の計上すべき株主資本について適用される会社計算規則の条項は、第67条に従って第64条となるという理解で間違いないでしょうか。分割型吸収分割ではない為同規則第65条、第66条は適用されず、また対価が株式でない為第64条も直接は適用されませんが、共通支配下なので第63条の時価評価も適切ではないということで、第67条に従うと思ったのですが。(2)分割会社B社の株主資本については分割のみによっては変動しない(必要なら減資等の手続を別にとる)ということになるのでしょうか。(3)この分割を商法時代の実務に従い分割型吸収分割で行おうとした場合、A社は株式を最低1株B社に交付し、それを現物配当として効力発生日にB社から受領し、自己株式として消却する(またはそのまま保有する)という手続をとることになるのでしょうか。
投稿 T.S. | 2006/11/22 18:25:35

A16
無対価については、もう少しお待ちください。

Q17
 こんにちは。毎日このブログを楽しく読ませていただいています。
 第二版を読んでいて、誤植と思われるものを発見しました。
 P68(三)の三行目と(四)の五行目にある「承諾をしなかった債権者」は、828条2項の文言からして、「承認をしなかった債権者」ではないでしょうか?
投稿 鉄牛 | 2006/11/22 22:22:36
A17
 条文通りだと、そうですね。ありがとう、ございます。

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コメント

解説ありがとうございました。
参考にしながら会社法を勉強していきます。

投稿: blue | 2006年11月23日 (木) 17時32分

サミー先生、ご回答願います。
会社法では、取締役が計算書類を会計監査人に提出してから、4週間を経過した日までに監査報告を監査役に通知とありますが、これは、取締役が会計監査人と交渉して3週間で監査役に通知してくれとお願いできますでしょうか。
監査役が同意したら可能でしょうか。会計監査人は4週間をやはり主張して拒むことは当然できるのでしょうか。

投稿: 会社法はつらい | 2006年11月24日 (金) 00時04分

当社は小会社で監査役は会計監査権限に限定しおります。この場合、監査役は会社法上、取締役会に参加する義務はないと理解しておりますがいかがでしょうか。または、少なくとも、計算書類、事業報告の承認を決議をする取締役は、会社法上、出席義務があるのでしょうか。

投稿: 会社法漬け | 2006年11月24日 (金) 00時09分

先生お願いします。施行規則上、取締役が計算書類、事業報告を監査役に提出する際、各監査役全員に提出義務があると読めますが、これについて特定取締役が代表者1名の特定監査役に提出すると、会社法違反となるのでしょうか。
なぜ、会計士→監査役→取締役と監査報告を通知するときのみ、それぞれ、特定取締役、特定監査役のとりまとめが許されるのか分かりません。ご指導願います。

投稿: 会社法初級 | 2006年11月24日 (金) 00時15分

サミーさん、8月1日のA4について、もう少し教えてください。
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50931763.html
この場合、A種優先株式が新たに発行されることで、B種優先株主に損害を及ぼすおそれはあるとは思うのですが、322条の規定によれば、第三者割当の方法で募集株式を発行するとき、種類株主総会の承認を要するとはされていないようです。その理解が正しければ、この場合(株主割当でなく)第三者割当であれば、A種優先株式の発行に際してB種優先株主の種類株主総会の承認は要しないという理解でよろしいでしょうか。
数か月間、気になり続けています;ぜひご教示ください。

投稿: マメ | 2006年11月24日 (金) 12時21分

サミー様、会社法施行規則第3条3項2号ロ(4)の「(1)から(3)までに掲げる者であった者」について教えて下さい。過去に役員であった者は、例え数年前に自己の役員を退任していても、又は10数年前に退任していても、この条項に該当するのでしょうか。

投稿: はりこのトラ | 2006年11月24日 (金) 14時44分

質問でなくてすみませんが、
ボクは会社法の最初の伝道者であるI澤参事官をリスペクトしています!

サミーさんもLoveですが、正真正銘のI澤参事官リスペクトです!

どこに言えば良いのわからないので、ここに書きました。
寒くなってきたので体には気をつけて!

投稿: 法学ベイビー | 2006年11月24日 (金) 19時24分

先日Q6に対して返事を頂いた者です。
私の質問の仕方が不味く 意味を伝えることが出来ませんでした。そこで、Q6に対するフォローをいたしますので、出来ればもう一度検討してくださると嬉しいです。

Q6
 監査役の選任に関する監査役の同意(343条)と会計監査人の選任に関する監査役の同意(344条)について質問させてください。
 監査役がある場合において、取締役が監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには 監査役の同意を得なければいけません。(343条1項)
 また、監査役がある場合において、取締役が会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出するには 監査役の同意を得なければいけません。(344条1項1号)
 ところが、344条は 会計監査人の解任を総会の目的にすること(344条1項2号)及び会計監査人を再任しないことを株主総会の目的とすること(344条1項3号)にも 監査役の同意が必要と定めています。
 この様に、343条1項と344条1項で 監査役の同意の範囲が異なる理由についてご教授ください。
投稿 maru | 2006/11/21 23:06:43
A6
 すいません。質問の意味がよくわかりません。「同意の範囲」とは,何を意味しているのでしょうか。


343条1項で同意が必要なものは ①監査役の選任に関する議案を株主総会に提出することです。
一方344条1項で同意が必要なものは①会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出すること②会計監査人の解任を株主総会の目的とすること③会計監査人を再任しないことを目的とすること です。
 つまり343条1項では①選任についてだけ同意が必要です。344条1項では①選任に加えて②解任③再任に対して同意が必要です。
 この様に343条1項と344条1項では同意の範囲が違いますよね?結論として、私が意味したい「同意の範囲」とは 343条1項=① 344条1項=①②③というような幅 を指します。そして なぜ この範囲(幅)に違いが出るかが知りたいのです。

※ 2度も質問して大変迷惑をかけてしまいますね。本当にすいません。
※※ わたしが何か重大な理解ミスをしていたら さらにすいません。

投稿: maru | 2006年11月24日 (金) 23時41分

今日一日悩んでいるのですが、どうか質問させてください。
会社法の226条1項の括弧書の中がどうしても理解できないのです。
同項は、喪失登録者が自ら登録の抹消申請できることを規定しています。そして、括弧書をふくらませると、「株券廃止会社にあっては、所持者から提出された株券に関する喪失登録は抹消できない」(以下、Aと略す)と読めます。
これでわからなくなりました。

本条の「株券発行会社」は、1年未経過の株券廃止会社を含んでいます(221条柱書括弧内)。そうすると、厳密には
①株券廃止会社に対する登録抹消申請
②株券発行会社に対する登録抹消申請
に分解でき、
Aは、①のうち、「すでに所持者から登録抹消申請が出ているもの」(ア)は抹消できない、ということになると思われます。
①には、他に「登録抹消申請が出ていないもの」(イ)が考えられ、これは自ら登録抹消申請ができる。
②では、「すでに所持者から登録抹消申請が出ているもの」(ア)も「登録抹消申請が出ていないもの」(イ)も、その両方について、自ら登録抹消申請ができる。

要するに、2×2マトリクスの一つだけが禁止されている、というように読めるわけです。

①の(イ)については、喪失者と名義人が同一人物であれば、227条で定款変更とともに喪失登録は抹消される。しかし、喪失者と名義人はもちろん違う場合がありうると思うので、①の(イ)は残ってしまいます。
②の(ア)がますますわからない。すでに喪失登録の抹消申請が出ているにもかかわらず、途中で喪失者本人から抹消申請の横槍を入れることができる。

結局、私の弱い頭では、廃止会社・発行会社の違いと、喪失登録者から自らの抹消申請がどうも噛み合いません。

どこか論理矛盾に陥っているのでしょうか…。

助けてください!サミー先生!

投稿: しーぽん | 2006年11月25日 (土) 00時08分

「無対価吸収分割」について11/21のQ6のご質問をさせて頂いた者です。
ありがとうございました。
さらにということで、恐縮ですが、
11/22でQ16の質問の(1)(2)に付け加えて、1月に施行が予定されている改正省令案だと、株主資本は、どのようになるのかも、あわせてお教えいただけないでしょうか。
よろしくお願い致します。

投稿: moremi | 2006年11月27日 (月) 09時24分

サミー先生、お忙しいだろうに、いつもありがとうございます。大変参考になっております。
当社は会社法施行後、初の決算を向かえておりますが、附属明細書の記載事項についてわからないところがあります。ご教示戴けたら幸甚です。
事業報告の附属明細書では「第三者との間の取引であって、・・・利益が相反するものの明細」を記載するとありますが(会社法施行規則128条2号)、当社の取締役が代表取締役を務める当社の100%子会社Aは、この「第三者」に該当するでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: 決算です | 2006年12月12日 (火) 12時39分

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