共有持分の売り渡し請求
今週は、会社法100問のCM週間になっていますが、本日は、私が、チェックした二版の解答例の中で、初版からかなり論点を追加した
「相続人に対する譲渡制限株式の売り渡し請求権」
について、お話しします。
会社訴訟は、家事事件と言われるくらい、会社をめぐる争いは、兄弟喧嘩や相続に端を発するものが多いのが実情です
そうした実態の中で、相続人に対する譲渡制限株式の売り渡し請求権は、
「後継者として働いている子供に株式を独占的に相続させる」
ということを実現することができる制度であり、マイナーながらも期待の高い制度の一つです。
実際、これからの時代、社長をしている親父さんが、真剣に後継者である子供達のことを考えるのならば、
①遺言を書いて、株式を後継者に全部相続させるか、②売り渡し請求権を定款に定めた上で、後継者を取締役にするくらいの配慮が欲しいところです。
このうち、①は、相続財産のほとんどが株式であるというような場合には、遺留分等の問題から実現が難しいこともありますし、遺言を書くのは、他の財産のことも含めて考えなければならないため、身構えてしまいがちになります。
しかし、②の売り渡し請求権ならば、とりあえず遺産分割で相続分に応じて株式を分けた上で、会社の資金で株式を買い取れるし、遺言を書くより定款変更の方が気が楽です(登記は不要なのでお金もいりません)から、なかなかお勧めの制度です。
ただし、この売り渡し請求権については、
株式会社が相続を知った日から一年を経過してしまうと、請求できなくなる
という制限があります。
ここで、よく質問されるのが
「遺産分割協議が整わないうちに、1年経過してしまいそうなときは、どうしたらいいのか」
という問題です。
一番、単純なのは、会社が、相続財産である譲渡制限株式の全部について、その共有者である相続人全員に対して、売り渡し請求をすることです。
ただし、この方法は、全株式が相続財産になっていたらどうするかという問題や分配可能額が足りなくなる可能性が高いという問題があります。
それで、より現実的な方法はないかと、みんなで、色々と議論したところ
相続人に対する売り渡し請求権は、株式の売り渡しだけではなく、株式の共有持分の売り渡しを含むと考える
という解釈が優勢になりました。
確かに、株式の共有持分を処分した場合の権利移転要件や対抗要件は、株式に準じて取り扱われるという解釈をとるしかありませんし、譲渡制限株式の共有持分を譲渡するときも、譲渡承認を採らなければならないと考えるべきでしょう。
このように株式の共有持分に関する規律は、株式の規律に従うという私法の一般原則からすれば、相続人に対する株式の売り渡し請求権により、株式の共有持分の売り渡しを請求することができると解するのが合理的です。
もちろん、色々な解釈論があってもよいのですが、私は、持分売渡請求を肯定するのが、妥当性と論理性の両面で優れていると思いますし、私がチェックした会社法100問の二版の解答例でも、その見解を採っていました。初版から、大きく記述が変わったところなので、二版を買った方は、読んでみると参考になると思います。
さて、この相続人に対する売り渡し請求権については、toraさんから次の質問が来ています。
「174条「相続人等に対する売渡請求」において,会社が直接買い取るのではなく、会社が売渡先を指定できることを定款に定めることは可能でしょうか。
相続人の株式を売渡請求を利用して、会社の指定する者に買取させたいと考える場合、
(相続人→会社→指定人)
という流れよりも
(相続人→指定人)
の方が結果は同じなのですが、手続きが簡便になると思います。
174条の考え方についてご教授頂けますでしょうか。
また174条において会社が売渡先を指定できない場合、その理由を教えて頂けると大変助かります。」
この質問に対する答えは、NOです。
つまり、会社が売渡先を指定することはできません。
相続人に対する売り渡し請求権は、条文を見れば明らかなとおり、「株式会社に」売り渡すことを請求することができる権利です。
立法論として、指定買取人への売り渡しを請求することができるようにするのは、ありうるかもしれませんが、そうすると、取締役会が、株主でない者(たとえば、株主でない代表取締役)を指定したりすることもできるようになり、強力すぎるような気がします。
また、現行法のように分配可能額の範囲内でなければならないという縛りがかかるくらいが、バランスが良い制度のように思います。
売り渡し請求権を使いやすくするために、持分の売り渡し請求を認める一方で、指定買取人はダメと言ったりして、首尾一貫していないように思う方がいるかもしれませんが、条文の枠内で、バランスの採れた解釈をするのが、仕事なので勘弁してください。
Q1
サミー先生、前回のQ1にお答え下さり、ありがとうございました。
「第三百十九条第一項の場合」とは、そういう意味(提案をした場合)なんですね。目からウロコと申しますか、あたりまえと申しますか・・・勝手に一人で「全員が賛成した場合」とか「株主総会の決議があったものとみなされた場合」だと思い込んでおりました。お恥ずかしい・・・。
投稿 みひろ | 2006/10/24 23:53:47
A1
すいません。
答えた後に仲間内から指摘をうけたのですが,みひろさんは,招集手続の省略(300条)で株主総会を実際に開催した場合の質問をされていたんですね。
私は,株主総会決議の省略(319条1項)の話だと勘違いして,答えました。
さて,招集手続きを省略したとしても,株主総会を開催する以上,備置開始日は,総会の日の2週間前からになります。
したがって,もし2週間前から備置していなかった場合には,備置義務に違反することになり,これが合併無効事由になるかどうかという解釈問題になると思います。
Q2
「決議のときに分配可能額はなくても,配当のときに分配可能額があれば,461条に違反しません。」についてですが、本件のようなケースで配当の時にも分配可能額がない場合、
①違法配当ではない(配当決議、配当行為自体には違法性はない)
②462条あるいは465条1項10号の責任が生じるのみ
という考え方で宜しいのでしょうか?
この場合、465条1項10号ロについてですが、
設例のように減資後、資産の部1200万円、資本金0円、剰余金1200万円となり配当時においても同様の資産状況の中1200万円全額を配当した場合、株主・取締役の責任はどのようになるのでしょう?465条2項ので取締役の責任については免除可となっていますが・・・
剰余金の配当を行う場合、461条2項との関係で配当時に最低でも300万円の純資産を残した形にしておかなければならないと思うのですが、この基準を満たさずに配当がなされてしまった場合(本例のように配当時においても減資直後と同じ資産状況のようなケース)、株主・取締役は誰にいくらのどういった義務を負担するのでしょうか?
何度も条文その他を読んでいるのですが、そのあたりが理解できません。
お多忙と存じますが、再度ご教示いただければ幸いです。
投稿 スケスケ | 2006/10/25 10:06:56
A2
配当のときに,分配可能額がなければ,違法配当で(仮に決議のときにあったとしても,違法配当です),462条の責任が生じます。
設問の場合には,すくなくとも残存純資産額300万円を超えて配当するのなら,461条に違反し,462条の責任が生じます。
465条は,配当時には分配可能額の範囲内であっても,その後最初の決算期の計算書類によって計算される分配可能額を超える場合の責任であり,設問の事例とは,直接関係ないと思います。
Q3
株式無償割当ての件でご回答いただき、ありがとうございます。
毎回のまずい質問で、すみません。
無償割当ての実質が株式分割と同じというのは分かるのですが
無償割当は、(ぱかっと割れる)分割と異なり、
割り当てるための株式の存在が必要ですよね?その株式が、
①既に発行され、自社が保有している株式に限られるのか、
②割当てるために新規に発行することもできるかが、
わからないのです。
投稿 らくだ | 2006/10/25 11:20:42
A3
無償割当てで,株式を発行することも可能です。
Q4
サミーさん、監査役会の権限について教えてください。
「会社に対する取締役の責任免除に関する議案の同意権」、「会社が取締役を補助する為の訴訟参加に関する同意権」は、以前は商法特例法で監査役会の権限とされていたと思いますが、会社法では「『監査役』とあるのを『監査役会』とする」という規程がないようです。
実務上、監査役会における監査役全員一致決議という形で同意したこととしてよいでしょうか?
投稿 トボッケー | 2006/10/25 13:48:00
A4
監査役会に監査役が全員出席し,全員一致の決議をすれば,監査役の全員の同意となります。監査役会への読み替えを置いていないのは,監査役会の開催をしなくてもよいようにするためです。
Q5
サミーさま 初めて質問いたします。ご指導、よいyくお願いします。
「2006年08月09日 人的分割」 でのアンサーで、葉玉先生に次のように教えてもらいました。この回答に関連して、お教えいただきたいことがあります。
下の問の 2、平取Bについていえば、第三者(相手方会社)のために当社との間で行う取引であり、10月17日公表の企業会計基準第1号「関連当事者の開示に関する会計基準」の用語の定義5、には、「関連当事者との取引」に含まれるとあります。また、Q3の1、の取引についても同様です。会社法ではこの会計基準とは異なる扱いとなるのでしょうか?
<問>
貸借対照表の注記事項のうち、取締役・監査役に対する金銭債権の総額(会社計算規則134条6号)の対象範囲と関連当事者との注記(同140条)の記載対象となる取引の範囲についてお教えください。
次の取引は対象となりますか?
1、会社が取締役のために第三者とする取引(いわゆる間接取引)
例:取締役が代取をしている他の会社のために債務者である銀行に対し保証する取引
2、当社の代取Aと相手方の会社の代取Cとの間の取引
当社:代取A、平取B 相手方:代取B、代取C とする。
3、会社が監査役のために第三者とする取引(いわゆる間接取引)
4、当社の代取Aと相手方の会社の代取Cとの間の取引
当社:代取A、監査役B 相手方:代取B、代取C とする。
Posted by MALLORCA at 2006年08月08日 16:01
A5
今のところ,会計基準と異なる取扱いをする予定はありません。
Q6
34条1項では「発起人は・・・引受け後遅滞なく・・金銭の全額を払い込み(を)しなければならない。」と規定されていますが、この点に関し、93条1項で設立時取締役の事前調査が許容されている(千問Q66)のと同じく、事前払込も許容されるが、近接した日付であることを要求するという運用が登記実務ではなされているとお聞きしております。先日設立登記の際、登記申請日より1ヵ月半前に口座開設のため1000円を振り込み、その後定款認証日より1週間前に29万9000円を振り込み、計30万円を「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」(以下、「出資額」)とした登記を申請したところ、1ヵ月半前の1000円に関しては、「近接」性を満たしていないと法務局の方から指摘を受けました。私は何回かに分けて「出資額」を振り込んだ場合、「近接」性の判断は、定款認証日と最終の払込日(本事例では、29万9000円を振り込んだ時点)ですべきと思いますが、如何でしょうか?例えば会社設立を考えるサラリーマンが毎月5万円を貯金して1年後60万貯まった時点で会社設立をしようとした時、1年前の時点から「近接」性を判断されるのは不合理だと思います。また、「近接」性の判断は、当該会社の「目的」をも考慮すべきだと思います。具体的には鉄道会社のように設立に多大な準備が必要とされるような会社の場合、「近接」性は通常の会社より長めに考えるべきではないでしょうか?もっとも実務的には「近接」とは2週間のことである、と決めていただくのがやりやすいのですけど。
別件ですが、「振込み」は良いが「入金」は不可、との運用がなされているともお聞きしますが本当でしょうか?通帳を忘れた者が振り込んだ場合は良くて、通帳を持参したものが入金した場合は不可、との運用は合理性がないと思いますが。
開業率向上のため設立手続きを簡素化し、ただ健全な設立のため最低限の規制は置き、あとは事後規制に委ねる、というのが会社法の意図するところだとすれば、現在の運用は不合理な面があるのではないかと思います。御意見を頂戴できれば有難いです。
投稿 NK | 2006/10/25 20:58:09
A6
申し訳ありませんが,具体的な事例に対するあてはめについては,お答えすることはできません。
Q7
株式の内容の変更についての質問です。
非公開会社(全ての株式について譲渡制限のみ定めている)で、一部の株式を取得条項付株式に転換する場合には、何条が適用されるのでしょうか?110条では、発行する全ての株式の内容を変更する場合に適用されるようですし、111条だと、種類株式発行会社を対象にしているようですので、この場合には適用できないのではないかと思っています。
よろしくお願いします。
投稿 リー | 2006/10/26 11:06:37
A7
一部の株式のみを転換するというのは,本来,会社法では予定していない方式です。
ただ,解釈により,株主全員の同意があれば,可能だと言われています。
Q8
サミー様 現物出資財産の「給付」についてご質問させてください。
この給付とは、「所有権の移転」という意味で宜しいのでしょうか。①「引渡し(占有の移転・登記必要書類の交付)」②「対抗要件」を備えることまで意味しているのでしょうか。
①については、旧法下の下級審判例で、登記に必要な書類が会社に交付されなければ無効とする判例(東京地判S38.10.31)があるようですし、そうすべきように思います。
②につきましては、設立に関する会社法34Ⅰでは、「発起人全員の同意があるときは」対抗要件は、「会社の成立後」にすることができるとの規定がありますが、会社法208Ⅱは「給付しなければならない」とのみ記載するにとどまっております。旧法では、設立の規定が準用されていたのですが、会社法では、それが見当たりません。募集株式の発行の場合も、対抗要件を備えるのは、払込み期日又は払込み期間の末日(株主となる日)以降であっても構わないと思いますが、いかがでしょうか。
どうぞ、よろしくお願い致します。
投稿 moremi | 2006/10/26 11:34:25
A8
募集の場合には,すでに会社に法人格があるので,給付期日までに,対抗要件を備えるべきだと思います。
Q9
施行規則76条2項3号では「現に監査役であるときは(その)地位及び担当」を書くべきこととなっておりますが、監査役の「担当」とは何でしょうか?
(地位は、常勤/非常勤でしょうね。特定監査役についても記載すべきでしょうか?)
よろしくお願い申し上げます。
投稿 S.N. | 2006/10/26 15:25:29
A9
担当は,各会社で役割分担(計算書類を中心に監査するとか,業務中心とか)を決めている場合には,それぞれの役割を,なければ,会社の業務全般に対する監査ということになるでしょう。
特定監査役かどうかは,「地位」にはあたらないと思います。
Q10
譲渡制限株式について承認を受ける事柄が、商法時代は「株式の譲渡」だったことに対し、会社法では「株式の譲渡による"取得”」とその言い方が変わりましたが、単に言い回しの違い(意味は同じ)と理解すればよいのでしょうか?それとも「株式の譲渡」という表現だけではカバーできない状況が想定されているのでしょうか?
投稿 ヤサオトコ | 2006/10/26 16:33:07
A10
譲渡は,譲り渡すこと,譲渡による取得は,取得することなので,立場が違います。
それだけのことです。
Q11
会社法433条の帳簿閲覧権についてご教示ください。株主が会社に対し、帳簿閲覧権を行使した際、会社が当該株主に対して「秘密保持契約を締結しない限り、閲覧に応じることはできない」することは適法でしょうか。
433条2項各号のいずれかに該当することを会社が立証しない限り、困難であるようにも思うのですが、いかがでしょうか
投稿 SMOKY | 2006/10/26 17:35:48
A11
そのような抗弁は,違法で,成り立ちません。
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コメント
こんばんわ。会社法100問について最近勉強を始めたものですが質問させてください。問14P86(二)(1)につき借り入れは発起人としてなし、その後代表取締役になっているにすぎないため、利益相反にあたらないのでは?問16P93につき報酬について定款の記載があったか否かで場合分けしてもよろしいですか? 宜しくお願いします
投稿: 東洋 | 2006年10月27日 (金) 01時37分
先生、A1で再度お答えいただきありがとうございます。
そうしますと、実務的には、そのような問題が起こるのを避けるべきなのでしょうね。
先生にご連絡してくださったお仲間(?)の方もありがとうございました。
投稿: みひろ | 2006年10月27日 (金) 07時27分
Q7について回答していただきありがとうございます。やはり会社法では一部の株式の転換することに関する条文はなかったのですね。
A7について重ねて質問をさせいていただきたいのですが、なぜ会社法は一部の株式の転換について定めていないのですか?
よろしくお願いします。
投稿: リー | 2006年10月27日 (金) 08時40分
当期純損失を計上したので、①期末配当は無配、②資本準備金を取り崩して資本の欠損のてん補に充てる・・・ということを考えている場合、株主総会での決議の仕方はどのようになるでしょうか?
まず「剰余金の処分の件」を付議して、期末配当を行わない旨のみを決議し、さらに別途「準備金の額の減少の件」を付議し、資本準備金を取り崩して資本の欠損のてん補に充てる旨を決議すればよろしいのでしょうか?
ご多忙のところおそれいりますが、ご教示いただけましたら幸甚に存じます。
投稿: 悩める株式課員 | 2006年10月27日 (金) 11時40分
弊社では新株予約権を発行しており、行使条件として、「権利者である社員は行使時においても社員であることを要する」旨を定めています。
今般、権利者の1人である社員が退職し、行使することができなくなるので、新株予約権の一部消滅の登記を申請したら認められました。
ただ、10/7の質問コーナーA3のご回答「現在の新株予約権者が行使できなくなったから,当然に消滅するのではなく,誰が新株予約権者になったとしても行使できなくなったときに消滅するということです。」ということであれば、弊社の取った方法および法務局が消滅登記を認めたのは間違いだったということはないでしょうか?(自己新株予約権として取得してから取締役会決議の基づき消却するのが正しいやり方?)
ご教示の程何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿: ストックオプショニア | 2006年10月27日 (金) 12時09分
「相続人に対する譲渡制限株式の売り渡し請求権」について興味深く読ませていただきました。
「相続人に対する譲渡制限株式の売り渡し請求権」は、1年経過してしまいそうなときは、実際にはなかなか行使困難ではないかと思いました。コメントがあれば、是非お聞かせ下さい。
1)被相続人が全株所有している場合は、会社が全株の株主となるので不可能。
2)相続人以外の株主が存在して、被相続人が過半数の株を保有していた場合も、売り渡しにより会社の実質株主が変更となるので、相続人は合意できないと思う。もし、合意できるのであれば、請求権ではなく通常の合意に基づく株式譲渡の方がよいと思う。
3)461条①五により分配可能額の規制があるため、売り渡し請求を行える株数には限度がある。
遺言のみでは相続分で問題が生じる場合に、「相続人に対する譲渡制限株式の売り渡し請求権」を使うという形かなと思ったりしたものですから。
投稿: 売れない経営コンサルタント | 2006年10月27日 (金) 14時01分
関連当事者との注記(同140条)の記載対象となる取引の範囲について、Q5・A5(10月27日)で「今のところ,会計基準と異なる取扱いをする予定はありません。」とのご回答をいただきました。ありがとうございました。会計基準の制定により、解釈が変わったという理解でよろしいのでしょうか?
投稿: MALLORCA | 2006年10月27日 (金) 17時53分
新株予約権の消滅(会社法287条)について、会社法で新設された規定のため、文献には記述がなかなか見当たらないので、教えていただければと思います。
例えば、新株予約権をABそれぞれに有利条件で1000株ずつ付与する取締役会決議+株主総会特別決議がなされ、ABそれぞれと1000株ずつ付与する契約を交わし登記しました。ところが、Bが懲戒解雇されたため新株予約権の行使条件を充足しなくなったので、Bに付与した新株予約権1000株が消滅しました。
この場面で、Bに付与して消滅すべき枠を流用して、同じ条件でCに1000株付与することはそもそも可能でしょうか?可能だとして取締役会の決議のみで足りるのでしょうか、再度株主総会の特別決議も必要となるのでしょうか?
株式の消却については神田秀樹会社法第7版116頁に取締役の決議だけで消却分の再度発行が可能っぽい話が出ていました。新株予約権の消滅も授権資本制度をスライドさせて同様に考えることが合理的ではないかと思いますが、他方、新株予約権の数に変更が生じた場合は登記事項であるところ(会社法911条3項12号イ→915条1項)、2000株で登記しているので、Bの新株予約権消滅によりいったん1000株に減少させる登記をなすのが筋であるため、このような流用を想定していないようにも思えたので、いずれも分があるように見えるのです。
投稿: ろぼっと軽ジK | 2006年10月27日 (金) 18時08分
サミー様、教えてください。会社法370条に関連して。監査役の権限が会計監査に限定されている非公開小会社ですが、定款に、取締役会の決議の省略のための規定を定めときに、「当該提案について監査役が異議を述べたときを除く」と定める事は可能でしょうか。
投稿: はりこのトラ | 2006年10月27日 (金) 22時45分
(続き)サミー様、質問の続きで恐縮です。この例の会社は、登記上も、定款上でも取締役会設置会社で監査役(会計監査権限限定)設置会社ですが、定款の自治としてこのような(監査役の異議を述べる権限を与える)規定は可能でしょうか。
投稿: はりこのトラ | 2006年10月28日 (土) 10時48分
資本金の額を減少する場合について質問させてください。
株式会社は 資本金の額の減少がその効力を生ずる日前ならば、いつでも当該日を変更することができますよね(449条7項参照)。
そして、この条文につき 商事法務No1746 p32において 決定機関の定めはないので 株主総会や取締役の決議によらず、業務を執行するものが変更することができる との記載があります。
しかし、個人的には 447条1項3号において 株主総会の特別決議を経て定めた 資本金の減少がその効力を生ずる日 を株主総会の決議を経ずに変えてしまうことに違和感を覚えています。これは株主総会の決議を蔑ろにするものではないでしょうか?
この点につきご教授願います。
投稿: maru | 2006年10月29日 (日) 00時57分
Q8につき、給付期日までに、所有権移転登記申請をしなければならないということ了解いたしました。ご回答有難うございました。
投稿: moremi | 2006年10月29日 (日) 14時05分
今日の日経新聞の記事に、三角合併等に係る法務省令案が混迷しているという記事がありました。どの辺りが論点となっているのでしょうか。またいつ頃案はでるのでしょうか。コメントできる範囲でご教示ください。
投稿: くろすけ | 2006年10月29日 (日) 22時14分
10/27のQ7に便乗して質問させていただきたく存じます。
監査役の権限が会計監査に限定されている非公開小会社ですが、定款に、取締役会の決議の省略のための規定を定めときに、「当該提案について監査役が異議を述べたときを除く」と定め、定款認証して設立登記も完了済です。
この規定が定款の自治として認められないとするならば、この記載部分については定款規定は無効となるのでしょうか?
千問P366では、「監査役の監査の範囲を会計に関する事項に限定した会社の監査役であっても、自らの権限の範囲内において、報告徴収権や子会社調査権等を有しており(389条)、当該権限行使のために取締役会への出席が必要となる場合もありうる。」とありますが、この定款記載部分は、会社法29条の「この法律の規定に違反しないもの」という解釈には無理があるのでしょうか?
投稿: としお | 2006年10月30日 (月) 10時38分