定款自治の範囲
本日は、宍戸教授の「定款自治の範囲の拡大と明確化」(商事法務1775号)の中で、会社法上、定めることができるかどうか不明確な定款の定めと指摘されたものについて検討してみたいと思います。
宍戸教授は、これらの定めを
1 定款自治が明文で認められていないが、一概に否定されるものではなく、解釈の余地が残るもの
2 明文で定款自治が認められているが、定款自治の限界が明らかでないもの
3 定款自治を認める規定はあるが、定款自治が認められる対象が明確でないもの
の3種に分類されていますので、私も、その分類にしたがって考えてみます。
1 定款自治が明文で認められていないが、一概に否定されるべきものではなく、解釈の
余地が残るもの
(1) 任意種類株主総会を、一定期間のみ存続するものと定めること
種類株主総会の決議事項には、「定款で定めた事項」(321条)が含まれます。
したがって、定款で、特定の事項について任意に種類株主総会を開催し、決議することはできますし、定款の「決議事項」の規定を一定期間のみ効力を有する旨規定すれば、設問の定めと同様のことが実現できます。
宍戸教授は、この定めを1の、「定款自治が明文で認められていない」というところに分類していますが、私は、「定款自治が明文で認められている」と考える方がよいと思います。
(2) 議決権拘束契約
議決権拘束契約の内容が不明なので、なんともいえないところですが、株主の議決権行使の賛否をあらかじめ定めておく契約のことだとすると、認められないと思います。
賛否が決まっているのならば、もともと、当該内容の定めを置けばよいし、当該定めについて、すぐに効力を生じさせたくなければ、効力の発生時期の問題にすればよいように思います。
そのような処置になじまないものだとすれば、株主総会の決議事項について、本来の決議要件よりも軽くするための定めになるか、株主総会が法律上決議できる事項について、決議をすることができないという定めになるか、どちらかになってしまいそうです。
(3) 普通株式のみが発行されている場合に、配当可能利益の一定割合を利益配当する旨
「株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。」(454条1項)ので、定款の定めに基づき、当然に、剰余金の配当の効力が認められることはないです。
次に、定款で、株主総会の決議の内容を「配当可能利益の一定割合」に拘束することができるかということですが、それは、107条1項各号の定めにないので、できないと思います。
実質的に考えても、登記もされないような条項に株主が拘束されるのは、株式取得者に不測の損害を与えるおそれがあるように思います。このことは、全員一致の定款でも同じです。
ただし、取締役会が配当議案を決定する際の制限としてならば、許される余地はありそうです。取締役の行動制限については、355条の忠実義務を根拠に幅広い定款の定めを置くことができるでしょう。
2 明文で定款自治が認められているが、定款自治の限界が明らかでないもの
(1)期間を限定して、無条件の譲渡制限を定めること
無条件の譲渡制限というのは、取締役会が承認をすることもできない譲渡制限ということだとすると、それは、できません。139条1項但書は、承認機関について定めているだけで、承認機関を置かないことは定めていません。同項は、譲渡について「株式会社の承認」を要する株式についての規定ですから、「無条件の譲渡制限」というのは、そもそも対象外です。その意味で、この定めは、むしろ会社法に規定のない事項だと思います。
(2) 株主総会の普通決議要件を全員一致と定めること・頭数要件を加えること
309条1項に基づきできます。
(2)(3)は、いずれも株主平等の原則のもとで許される決議方法ですから、それを普通決議事項について定めることは可能です。
(4)議決権10%以上を有する株主全員の同意を決議要件に加えること
これは、拒否権付株式と同じことを、普通株式でやろうとしているのでできません。
(5) 種類株主総会決議事由として、定款で具体的な契約等に言及すること
321条に基づきできます。特に限界を考える必要は無いように思います。
(1)から(5)までを見てみると、この分類については「原則として、定款でどんな事項でも定めることができるが、他の強行規定に抵触するものは許されない」という当然の結論になっているように思います。
(6) 利益配当に関する種類株式の配当額の算定の基準の具体性の程度・
(7)参加型配当優先株式に対する分配割合を、普通株式の2倍と定めること
(6)(7)は、解釈論というより、単なる当てはめの問題だと思います。これは、会社法が、一般的な規定である以上、現行法以上に明確化することはできないと思われます。
3 定款自治を認める規定はあるが、定款自治が認められる対象が明確でないもの
(1)複数の種類株式について、単一の種類株主総会を設定すること
「種類株主総会」の定義そのものは、そのような種類株主総会の存在を認めています。
たとえば、拒否権付株式の種類株主総会や、任意的な種類株主総会では、そのような二種類以上の種類株式の株主が単一の種類株主総会を構成することはできます。
ただし、文理上、322条の種類株主総会は、1種類ごとに構成される種類株主総会を予定しており、定款で、これを変えることはできないと思います。
(2) 残余財産の分配に関する種類株式につき、合併、企業買収等をみなし解散事由として定めること
合併は、法定解散事由ですが、残余財産の分配は生じません。合併を定款で解散事由と定めることで、残余財産の分配が可能になればよいのでしょうが、合併の性質上、それは無理のように思います。
逆に、TOB等の企業買収については、定款で解散事由にすることは可能ですし、残余財産の分配も可能です。
以上、ざっと検討してみましたが、1から3の結論を見る限り、今のところ、会社法に規定されている事項であって、定款で定められると書かれていないことは、定款では定められないという整理は、間違っていないという感触を持ちましたが、いかがでしょうか。
(質問コーナー)
Q1
旧商法214条2項および215条3項により、株式併合を行う際に「併合に適する株券」は併合後もみなし規定により発行不要でしたが、会社法には相当する規定が見あたりません(というより、会社法215条2項では発行しなければならない、とあります)。
で、旧商法時代に株式併合を行って、みなし規定により新たな株券を発行しなかった会社は、
・併合時点で「併合後の株数を表彰するものとなった」ので、会社法に相当規定が無くなっても発行し直す必要は無い、と考えるのか、
・旧商法215条3項はあくまで「みなす」規定なので、みなし規定がなくなった以上発行しなおす必要がある、と考えるのか、
個人的には前者でよいような気もするのですが、今ひとつよくわかりません。
投稿 たろすけ | 2006/10/13 10:56:03
A1
前者でしょう。
Q2
「確定していない計算書類に基づいてなされた剰余金の配当は瑕疵を帯びることになる」(法学教室no.307.2006Apr. P218)という記述を読みました。
会社法下において、瑕疵ある計算書類に基づく剰余金の配当決議は瑕疵を帯びるのでしょうか(直ちに法律上の問題が生じるのでしょうか)。
また、瑕疵を帯びるとした場合、取消、無効のいずれになりますでしょうか。
計算書類に問題がある場合、配当可能利益の算定には影響するかとは思いましたが、法律上、配当決議に直接影響を与えるものなのか、疑問を感じました。
投稿 ki | 2006/10/13 11:40:56
A2
法学教室の文章を読んでいないので、文脈がわかりませんが、会社法のもとでは、計算書類の確定の瑕疵と剰余金の配当は、直接の関係はありません。
ですから、計算書類が確定しなくても、分配可能額さえあれば、剰余金の配当が瑕疵を帯びることはありません。
もちろん、直近の計算書類が確定しなかったがために、増えると思っていた分配可能額が増えなかったという場合に、配当が分配可能額を超えれば、遺法配当になります。
Q3
内部統制の構築義務についてご教授ください。
大会社の定義としては、法2条6号に規定してあり、また「千問の道標」380問についても記載がありますので、3月決算の資本金1億円の取締役会設置会社が期中に増資し、19年7月に資本金が5億円になった場合には、翌20年6月の総会までは大会社ではないと考えています。
とすると、内部統制の構築義務についても、強制適用となるのは、同20年6月以降であり、総会後の取締役会で体制につき決議すればよいという認識でよろしいでしょうか?また、そうなると、翌21年3月期の事業報告に決議内容の概要を記載すればよいという認識でよろしいでしょうか?
投稿 ピエール | 2006/10/13 22:17:37
A3
そのとおりです。
Q4
質問を確実に取り上げて貰える(回答して貰える)には、どうしたらいいのでしょう。
投稿 飢餓海峡 | 2006/10/14 0:20:21
A4
なるべく全部取り上げるようにしていますが、私は、普通の仕事についてさえ、忘れやすいので、確実に取り上げてもらえる方法はありません。
何度か、最新の記事にコメントしてもらえれば、普通は取り上げると思います。
過去の記事にコメントされると、見過ごす恐れが高いです。
Q5
種類株主総会の決議について質問させて下さい。
会社法322条1項2号~13号に掲げる行為をする場合であっても種類株主総会の決議を要しない旨を定めることができますが(同法322条2項)、これらの行為の一部だけにについて種類株主総会の決議を要しない旨を定めることができますか?
「論点解説 新・会社法 千問の道標」P104・Q142・2・3段落目には、
「同条1項各号に掲げられている事項ごとに定めることができる」とありますが、
「立案担当者による新・会社法の解説」P89(商事法務1743号掲載分)には、
「同条1項に掲げられている行為の一部につき同項の種類株主の決議を要しない旨を定めることはできないこととされている」
とあります。
どちらが正しいのでしょうか?
投稿 種類株主総会 | 2006/10/14 14:52:51
A5
解釈にどちらが正しいというものはありません。
当初は、「できない」という説明をしていましたが、その後、条文の文言を素直に解釈すると、例示列挙説は難しいのではないかという説が有力になり、千問を書く段階では、限定列挙+一部でも可能という説で書くことになりました。
Q6
質問は、会社法100問のP283(66番)についてです。
[解答例]一1において、①~③の要件が挙げられています。
この根拠はどこにあるのでしょうか?
条文の根拠なく要件列挙されているので、疑問に思いました。
当然の前提のようなものに私が気づいていない可能性も大いにあるのですが、要件①~③の根拠教えていただきたく、質問しました。
よろしくお願いします。
投稿 丁です。 | 2006/10/14 17:17:17
A6
代理の3要件と言われるもので、根拠は、民法99条類推でしょうね。
Q7
民法の平仮名化でも、今日のコメントのように、
『法律の立案においては「二義を許さないこと」が求められますから,私達が「ここのところは,わざとあいまいにして,解釈に委ねようと思います」などと言えば,内外を問わず「バカ」という言葉がから返ってくるのではないかと思います。』
という状況だったのでしょうか。
葉玉先生の商事法務の論文のように、条文上一義的でないことが、最近になってあれこれ分かり、正直参っています。有限会社法時代から曖昧なことは、そのままにしておこうという意見は、立案担当者の中にはあまりないのでしょうか。
投稿 甲 | 2006/10/14 22:20:06
A7
民法も、定義を置く案を公開したりして紆余曲折がありましたが、法制審議会も開かず、単なる現代語化をするということで改正しましたので、結果的には、旧民法の表現が残る形になりました。これは、最近の立法では、例外的なスタンスです。
葉玉さんの商事法務の論文は、実務が混乱しないように、担当部署と話し合いの上で、これまでの実務を継続するために書いたものだったと思います。
もともと実務上混乱していた部分もあったので、「これは、実務どおり」という声もあれば、「これは、従来の実務とは違う」という声もありましたが、基本的には、実務を基礎付けるための論文だったと思います。
最後の質問については、一般的規範である以上、個別具体的な事実の当てはめにおいて、あいまいなものは、当然あります。ただ、「どういう規範なのかわからない」というものを、そのまま放置しようという意見はあまりありません。
Q8
私も実務家ですが、「解釈の余地のない」条文や解説が事後に邪魔になることがあります。起草時に想定もしていなかったようなことが起きるのが常ですから。
ついでにやや苦言めいたことを二つほど。
要綱できまったことから合理的に導かれると述べておられます。当の法制審部会長でさえ想像できなかったことを、会社法ユーザーに向かって、分からない方がおかしい旨を述べられるのは、やや思い上がりが過ぎるように考えます。
また、実務相談シリーズは、実務から相談に対して一問一答を行っていることが中心であるのに対して、今般の一連の著作は、問題にされてもいないことを先回りして「ペラペラ」と叙述されている部分があることに特徴があると思います。
投稿 通りすがり | 2006/10/15 10:01:55
A8
条文が邪魔になれば、基本的には、改正するしかありません。
解説が邪魔になれば、解説よりも説得的な準備書面を書いて、裁判所を味方につければ克服できます。
記事を見ていただければわかるとおり、要綱できまったことから合理的に導かれるこちについて「わからない方がおかしい」とは言っておりません。要綱から合理的に導かれるよう制度の整備をしなければ、不合理な規定が残ったまま、審査を受けることになり、審査の過程で修正されることになります。ですから、要綱でも、所要の整備を行うことが織り込まれているので、そうした整備を行ったという話です。
なお、会社法グループが「思い上がってる」という点は、本当にそうだと思います。
次に、解説のスタンスについてですが、問題になって初めて解説するというスタンスをとれば、解説しないうちに「これはできるだろう」と思って色々とやった人が、解説によって、具体的な被害を受ける場合が出てきます。
問題にされていない段階で先回りして「ペラペラ」解説するスタンスをとれば、その解説を見て、事前に問題が生じないような回避手段をとることができます。
解説が気に入らない人は、「問題にもなっていないのに、解説しやがって」という気になりますが、そのような人は、リスクを覚悟で、解説と異なる手段をとる自由は残されています。
また、事前に見解を発表すれば、こうしたブログを通じて、議論し、担当者が当初の見解を変える余地もあります。
問題が生じた後に、初めて解説すれば、その問題に対して神の声で、「それは、ダメ」といわれるだけです。
私は、事前に見解を明らかにし、オープンに議論する方が優れたスタンスであると思います。
Q9
「法令は国家権力が国民に提供する製品・商品・サービスである」というやや極端な「比喩」が許されるとすれば、「お客様(ユーザー)本位」で考えて欲しいと思います。そして、解釈・運用の局面は「アフターサービス」とすれば、こちらにも責任を持って欲しいと思います。法令は「独占的な商品」でユーザー側に選択肢はないのですから。・・・あまりに突拍子もjない比喩で単なる戯言にしか聞こえませんね。今日のやりとりを拝見した感想です。
投稿 法令ユーザー | 2006/10/15 12:48:09
A9
会社法は、一般的には、「お客様本位」過ぎる、といわれている法律ですが、まだ、ユーザーサービスが足りないとすれば、今後も、サービス改善に勤めていきたいと思います。
Q10
人的分割においては、分割会社の全ての債権者が債権者保護手続きを受けるのに、「詐害行為取消権」(P693の下から2行目)は行使できるのですか?
投稿 南斗六星 | 2006/10/15 13:05:24
A10
「知れていない」債権者については、会社が催告をする義務を負わず、その結果、催告を受けなかった場合でも、分割会社と承継会社の双方に請求をすることができません。
それで、会社に「知れていない」だけでなく、自己が債権者であることすら知らない不法行為債権者をどのように保護するかということが問題になります。
そこで、そのような場合には、詐害行為取消権しか保護手段がないのではないかという解釈論を展開しているわけです。
Q11
譲渡制限株式に係る事項を変更,廃止する場合の株券提供公告についてですが,具体的な承認機関の記載び一定の場合には承認を要しないとする旨の定めは株券の記載事項となっていない為(会216③参照),株券提供公告は不要となるのでしょうか。ここのところの理由がわからないのでご教示ください。
投稿 迷いの森 | 2006/10/15 15:08:46
A11
譲渡制限を設定するときは、株券に記載しなければ、譲受人が不利益を受けるので、提出を求めなければならないこととされています。
それ以外の場合には、義務化されていませんが、任意に株券の提出を求めて書き換えることはできます。
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コメント
ご解答ありがとう御座いました。
確認させてください。
会社側-知れていない債権者に催告する義務を負わない
不法行為債権者側-通常は、個別催告を省略できる場合であっても、個別催告を受ける権利がある。
この両者の均衡を図るため、自己を債権者と認識していない不法行為債権者には詐害行為取消権を認める。
以上のような考えで宜しいのでしょうか?
投稿: 南斗六星 | 2006年10月16日 (月) 09時01分
いわゆる「設立中の会社」概念について質問です。
違法な財産引受の追認は、判例では不可とされていますが
学説では事後設立の要件を満たしたときに認めるようです。
これについて「百問」では
財産引受の潜脱を許すべきでないとの観点から
追認不可としています(P90)。
またブログでは、募集設立の場合、創立総会で定款変更して
変態設立事項を追加してよい(本年3月7日)と解され、
その理由の一つとして検査役のチェックが入ることを
挙げられています。
これらを総合すると、新会社法は、
会社債権者との関係でも、出資者間の関係でも
可及的速やかに設立手続を進められるようにし、
会社が早期に法律関係の主体となれるようにすることで、
「設立中の会社」概念を不要とする
(会社と発起人の法律関係が不明確化・複雑化するのを防ぐ)
趣旨があるのではないかと私は考えます。
遡れば法人の本質論になりかねませんが、
そもそも「設立中の会社」概念が、
代理行為時に不存在だった本人(会社)の
追認を認めること自体、不自然なようにも思えます。
大まかな質問で申し訳ありませんが、
このような解釈へのご感想をお聞かせください。
投稿: らくだ | 2006年10月16日 (月) 13時59分
上の質問者です。送信後、言葉足らずと思ったので
もう一度質問をまとめました。たびたび申し訳ありません
《質問》
会社法で「設立中の会社」概念は必要でしょうか?
以下の考えは、解釈として正しいでしょうか?
《私の考える答え》
財産引受の追認を認める(その法的説明として、設立中の会社概念を立てる)必要があったのは
①設立に時間がかかるため、成立を待っていたのでは、
会社に有益な財産を獲得し損ねるおそれがある
②変態設立事項に当たる場合、定款変更が必要なのに、
それが不可能ないし困難 という理由だった。
しかし、設立中の会社概念は
①検査役のチェックを経ない財産引受を事実上認めることとなり
②それが財産引受規制の潜脱目的で利用されれば
出資者間の公平を害するし
③発起人・会社・会社債権者の法律関係が複雑化する上、
④構成が技巧的であり、しかも技巧を凝らしても正当性あるか
疑問が残る。
会社法では
①会社設立が容易になったから、スピードも速くなるはずで、
成立を待って会社が財産を獲得しても 間に合うはずである
②それでも変態設立事項にあたる財産引受が必要な場合、
創立総会でも定款変更が認められるし
(検査役のチェックを経るので、出資者間の公平も害さない)
③小規模な財産引受なら検査役調査も不要とした
のだから、規制の範囲内でなしうるはずである
従って、発起人(組合)と成立後の会社を同一視する
必要はないし、すべきでもない
ご回答よろしくお願いします。
投稿: らくだ | 2006年10月16日 (月) 17時06分
先日は内部統制の構築義務につきご回答いただきありがとうございます。
内部統制につきもう1点お教えいただきたくお願いします。
9月決算の大会社が18年4月に減資をし、資本金5億円未満の会社になり、その後、役員選任のための臨時株主総会を18年6月に開催しました。ご回答いただいた考え方でいきますと、この会社は18年9月期すなわち18年12月の定時総会まで大会社ということになり、18年5月以降の最初の取締役会で強制的に内部統制の構築義務が発生する、また、会社法施行規則附則第6条の規定も排除され、18年9月期の事業報告に内部統制の決議の概要を記載する必要があるのでしょうか?
もう1点、株主総会の議案につきお教えください。
剰余金の配当については、法454条1項で決議内容が規定されているかと思いますが、法445条4項との関係で、準備金を積立てる場合、配当議案1議案だけで準備金積立ても決議することができるのか、あるいは配当議案とは別議案で準備金積立議案をかける必要があるのか、どちらか迷っております。
投稿: ピエール | 2006年10月16日 (月) 22時30分
本日の記事の「会社法に規定されている事項であって、定款で定められると書かれていないことは、定款では定められないという整理は、間違っていないという感触を持ちました」という点に関して、お尋ねします。「代理人は株主に限る」旨の定款規定は有効のはずですが、議決権の代理行使を認める310条1項には、定款で可能とは書かれていません。冒頭の整理では、説明できないものがあるのではないでしょうか?よろしくおねがいします。
投稿: ロゴス | 2006年10月16日 (月) 23時50分
サミー先生、いつも楽しく拝見しております。内部統制システムがらみで質問させてください。設定は、大会社・取締役会設置会社・監査役会設置会社・非公開会社という機関設計のオーナー会社(一人会社でオーナー社長)という会社です。
この会社が内部統制システムを設けないという決定をした場合、内部統制システムを構築しないが故に、構築した会社と比べて、何らかの法律上のリスク(不利益)はありますでしょうか?(1000問では423条1項の責任追及の可能性について示唆されていますが、設定の会社では事実上問題にならないと思います。)私が考えられるのは、429条の責任追及があった場合に、システムを構築していた方が取締役にとって有利になる場合がある、こと位です。勉強不足で申し訳ありませんが、ご教授頂ければありがたいです。
投稿: NK | 2006年10月17日 (火) 00時54分
新株予約権の払込みに関する質問です。
新株予約権の払込みは246条2項で金銭以外の財産等に代えることができるとあり、これに対する検査役の調査は不要ということですが、その趣旨を教えてください。
それと、もし払込みとして給付された財産の価額が著しく不足する場合は、誰がどのような責任を負うのですか?
よろしくお願いします。
投稿: リー | 2006年10月17日 (火) 09時40分
サミー先生、はじめまして。
「スケベなオヤジ」が葉玉先生との比較においての定義なのか謎ですが、質問事項からは除きます。
端数株式の処理に関してお伺いします。
会社法第234条および第235条において、株式無償割当や株式交換あるいは株式分割等の際に、1株に満たない端数が生ずるときは、その端数の合計数を競売または売却し、その端数に応じて代金を端数株主に交付するものとされています。
商法(第220条)下における上場会社の実務では、この端数の合計を、「**株式会社端株管理人」といった肩書をつけて例えば株式課長の名前で端株原簿に記載し、同人名義で端株の買取請求を行わせた上で、端数株主に代金を交付していました。これにより、計算の名義上、自己株式の取得/処分ではない形で処理していたのです。
このような処理は、会社法下でも認容されますか。
よろしくご教示ください。
投稿: Junior Comptroller | 2006年10月17日 (火) 19時22分
サミーさん、定款について、基本的なことなのですが、ご教示ください。
剰余金の配当の基準日について、一般的な定款には、以下のように定められています。
1.当会社の剰余金の配当の基準日は、毎年3月31日及び9月30日とする。
2.前項に定める場合の他、当会社は基準日を定めて剰余金の配当をすることができる。
しかし、当社は、(剰余金の配当等を取締役会決議としておりますが)上記1しか定めておりません。中間・期末以外に配当を実施する場合は、取締役会で基準日を定め公告するつもりでおりましたが、定款に上記2の規定がないと、それはできないのでしょうか。(定款で基準日を定めると、それに限定されてしまうのでしょうか。)
投稿: しん | 2006年10月17日 (火) 20時06分
サミーさん
はじめまして。
今回の記事大変興味深く拝見させて頂きました。
種類株主総会の拒否権に時間的制限を設ける件については、A「○○の事項については、▲▲までの間、X種種類株主総会の決議があることを必要とする。」ということは書けなくても、B「定款第×条に規定する事項につき拒否権を有する」とした上で第×条で「▲▲までの間になされた○○の事項」という書き方にすれば、実質的に同様の効果を持つことができるという趣旨だと理解したのですが、そのような理解で宜しいでしょうか。
もし、そうした理解で宜しいとした場合ですが(誤解があればご教示いただければ幸いです)、B方式では会社法上問題なく認められることについて、敢えてA方式で書くことが禁じられる理由はどこにあると考えればよろしいのでしょう?
また、○○の事項が取締役の選解任のように定款ではなく法令上既に株主総会の権限とされている事項についてはB方式のような記載方法は難しいようにも思われるのですが、どう考えればいいのでしょう?
ドラフトの工夫も弁護士の仕事の内と言われると返す言葉もないのですが、年明けに戦場に戻るとすぐに直面しそうな類の話なので、お時間のあるときにでも頭の体操としてお付き合いいただければ幸いです。
投稿: 47th | 2006年10月18日 (水) 14時40分
サミーさん、定款についてご教示ください。
会社法第27条1項4号5号の「設立に際して出資される財産の価額」と「発起人の氏名及び住所」についてですが、これは設立時に絶対的記載事項であり、設立後、定款変更する場合は、削除してもよいのでしょうか?
投稿: よっち | 2006年10月19日 (木) 11時19分
大会社について質問いたします。
負債額が200億円を超える貸借対照表の決算になって(資本金は2億円)、
3ヶ月後の株主総会で決算が承認されると、その時点で大会社扱いになると
すると、会計監査人の監査を受けるのは翌年の決算になりますね。
その時点では、負債額が200億円を再び割り込んでいたとしても、
会計監査人の監査を受けるのですか。ご教示下さい。了
投稿: まよえる社会人 | 2006年11月17日 (金) 11時48分