新司法試験ランキング
新司法試験の合格発表がありました。
合格者のみなさん,本当におめでとうございます。
不合格だった方は,ショックは隠せないと思いますが,人生は一生勉強です。合格は通過点に過ぎません。
マラソンと同じで,通過点までのタイムで優勝が決まるわけではありません。大事なことは,長い人生をにらみながら,レースを組み立てること。通過点を思い通りのタイムでいけなかったら,それを前提に次の展開を考え,最終的に自己ベストをたたき出せばいいのです。
ところで,まさか
「よーし,夏にリフレッシュしたから,これからまじめに勉強するぞ」
なんて言っている人はいないでしょうね。
もし,そんな人がいるとすれば,
「てめえ,そんなことだから,合格しなかったんだよ。法律家をやめるまでは,毎日が勉強だって,あれほど言っただろ。これから,1日14時間勉強しないと来年も同じだぞ。」
という言葉を贈りたいと思います(ちなみに,もう秋になって1か月です。)
ところで,今回の合格発表は,法科大学院ごとの合格率が出せるようなデータが公表されていて,法科大学院としての「合格発表」がされているように思います。
私は,四谷大塚系の塾講師をはじめ,大学受験,司法試験受験と,いろいろな試験の講師をしてきましたので,本日は,「予備校講師の目から見た法科大学院ランキング」について書いてみたいと思います。
こうした記事を書くと「試験勉強のために法科大学院の授業があるわけではない」というお堅い批判を浴びそうです。
しかし,私は,新司法試験の問題は「法曹としての基本的な力」「考える力」「事務処理能力」を計るために練り上げられた問題だと思っていますので
「新司法試験に合格させることもできないような授業しかしてない法科大学院は,法曹としての基本的な力,考える力,事務処理能力すら,身に付けさせることができなかった学校であり,そういう法科大学院の単位は,司法試験の資格要件としてふさわしくない。そういう学校は,法科大学院ではなく,通常の大学院として運営するのが制度趣旨に合致する。」
という信念をもっていますので,不快に思われる方は,今日の記事はスルーしていただければと思います。
さて,試験という目からランキングを付けるとすると,気になるのは,最終合格率でしょう。受験者(出願者じゃないです)のうち,何人が最終合格したかということを示したランキングを示したいと思います。 なお,率だけでいうと,島根大学は1人中,1人で100%合格になり,1位ですが,統計的な見地から,ここでは10名以上の受験者がいる法科大学院を対象にランキングをみてみます。
また以下のランキングに計算上のミスがあったら,本当にごめんなさい。
まちがっていたら,後日,すみやかに訂正します。
。
<最終合格率ランキング(受験者10名以上)>
1位 一橋大 83.0%
2位 愛知大 72.2%
3位 東大 70.6%
4位 北大 70.3%
5位 大阪市立大 69.2%
6位 京大 67.4%
7位 神戸大 64.5%
8位 慶大 63.4%
9位 早大 63.2%
10位 名大 60.7%
司法試験を長年見てきた人には,1位から5位の第一グループの構成は,意外感があるのではないでしょうか。6位から10位の第二グループについては,京都,慶応,早稲田という旧試験の強豪校が名を連ねているものの,ちょっと物足りなさを感じます。神戸大学は,旧試験時代から実力のある大学でしたが,このポジションはかなり躍進していると思います。
ちなみに,合格者数1位の中央大は,合格率は,54.8%であり,11位の千葉,12位の創価大に続く,13位です。その後,14位 山梨学院,15位 九大,16位 南山,17位 新潟,18位 横浜国立と続き,これより下は,全体の合格率48.3%よりも下になります(10名未満の受験者数を入れれば,島根,福岡,金沢,近畿,國學院,西南,白鴎も,全体よりも上の合格率です)。
次に,第一グループの「意外感」がなぜ生じたのか,その謎を解き明かしましょう。これは,「合格の仕方」に特徴があり,これが見えると,来年の新司法試験の対策が見えてきます。この謎を解く鍵は,択一合格率ランキングです。
<択一合格率ランキング(受験者10名以上)>
1位 一橋大 96.2%
2位 北大 94.6%
3位 愛知大 94.4%
4位 神戸大 93.5%
5位 創価大 92.9%
6位 大阪市立大 92.3%
7位 広島大 91.7%
8位 明治大 90.5%
9位 早稲田大 89.5%
10位 中央大 88.7%
ここでは,一橋大学の驚異の合格率は,ただただ拍手ですが,最終合格率の第一グループである北大,愛知大,大阪市立大の躍進の秘密は,択一合格率の高さにあることは一目瞭然です。第二グループの神戸大も,ここで4位と非常に素晴らしい成績を残しています。
これに対し,11位以下は,11位 千葉大,12位 成蹊大,13位 都立大,14位 京大,15位 名大,16位 神奈川大,17位 慶大,18位 東大,19位 関西大,20位 甲南大,21位 大阪大であり,それより下は全体の択一合格率である80.7%以下になります。
今年の択一の問題は,はっきりいって,旧試験に比べて,簡単な問題であり,これができなきゃ基本ができていないと言われても仕方がないようなものです。
ところが,前評判の高かった大学のうち,京大は86.8%,慶応と東大は84.1%と,全体の合格率と比べて大したことはない成績になっており,これらの大学の法科大学院生は,本来持っている力(後で,分析します)を考えると
「基本的な知識の習得をおろそかにしていた人が多かった」
のではないかと推測されます。
さらに分析を進めて,択一合格者のうちで,最終合格した率をランキングにします。簡単にいえば「論文力」のランキングです。
<論文力ランキング(受験者10名以上)>
1位 一橋大 86.3
2位 東京大 83.9
3位 京都大 77.7
4位 愛知大 76.5
5位 慶應大 75.4
6位 大阪市立大 75.0
7位 山梨学院大 75.0
8位 北海道大 74.3
9位 横浜国立大 71.4
10位 名古屋大 70.8
この論文力ランキングでも,一橋は,東大を凌駕しており,新司法試験の真の王者は,一橋であることがはっきりと分かります。
東大も,3位の京大を大きく引き離す合格率で,択一の失敗を取り返し,なんとか第一グループに入り込んだというところです。
これに対し,京都,愛知,慶応,大阪市立,山梨学院,北大は,論文力における第二グループを形成しており,愛知,大阪市立,北大は,択一と論文の総合力において,京大や慶応に勝ったという結論になります。
ちなみに,11位は, 早稲田大 70.6,12位は,九州大 70.0,13位が 神戸大 69.0,14位 千葉大 65.2,15位 南山 62.5,16位 新潟 62.5 17位中央 61.8,18位 創価大 61.5 19位 東北 60.6 ,それより下は,全体の平均以下です。
個人的には,少数精鋭で望んだ早稲田大に,やや物足りなさを感じますが,真の実力は来年明らかになるでしょう。
ちなみに,択一合格率で素晴らしい成績をとった広島大は27.3,明治大は50.0であり,論文力の強化が課題ですね。
以上のように今年の新司法試験の実績を見る限り,
基本をしっかりと身に付けさせて択一に必ず合格すること
が合格の秘訣であると思われます。
来年は,受験者数が7000人くらいと,今年の3倍以上になりますが,択一合格者が同じ率で伸びるとは考えがたいので,「択一に合格すること」が今年以上に最終合格率に影響を与えます。
その意味で,今年,択一合格率が低かった東大,京大,慶大という大御所が,きちんと基本の習得に目を向けなければ,最終合格率の第一グループがさらに変動する可能性も大いにあります。
それでは,最後にお遊びのランキングをひとつ。
その名も,「生徒の伸び率ランキング」
まず,法科大学院の入試の難易度について,某予備校で公表されている模試の結果から私が偏差値を推定します。
次に,それぞれ法科大学院の最終合格率の偏差値を出します。
そして,前者と後者と見比べて,後者が大きい順にランキングを出しました。
つまり,「入学するのはやさしいけれど,最終合格率は高い」という法科大学院はどこかということです。
入学時の偏差値の算定がいいかげんですので,目安程度に見てください。
<伸び率ランキング(受験者10名以上)>
1位 愛知大
2位 創価大
3位 明治学院大8
4位 大阪市立大
5位 横浜国立大
6位 一橋大
7位 北海道大
8位 大東文化大
9位 日本大
10位 山梨学院大
ちなみに,慶応は27位,早稲田は28位,京大は31位,中央が32位,東大は35位です。
入学が難しいところは,最終合格率をかなり高くしないとこのランキングはきついわけですし,最終合格者数が少ないところは,来年は,大きく合格率を下げて,このランキングからもすぐに退場してまうリスクはあります。
具体的な数字は出しませんが,愛知大は,他をぶっちぎって,伸び率ランキング1位。
また,一橋は,入学時の偏差値がトップクラスなのに,ここでもランクインするところがすごい。
個人的には,一橋のすごさと,愛知大のがんばりに感心した試験結果の発表でした。
本日は,試験分析で疲れたので,質問コーナーは,明日にします。
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コメント
1 制定法国の実務家になる以上,条文をおろそかにしない(実はこれを徹底することで要件事実の問題というのは,そうおそれることはなくなる)
2 合格して1年ちょっと後には実務をやる以上,基本的な判例については知っておいてほしい。
→短答式のウエイト大(単に通過すればいいだけの試験ではなく,最終合格に影響する試験になった)
ということでしょうね。今更のことですが,来年受ける学生たちにたたき込まなくては。今年失敗の経験をした人たちと戦うわけですから,なおさら大変。
投稿: 八木ビルの住人だった人 | 2006年9月22日 (金) 23時11分
新司法試験合格の弁護士の先生にお願いするべきか、
旧司法試験合格の弁護士の先生にお願いするべきかと問われれば、
旧司法試験合格の弁護士の先生にお願いしたいと思っています
投稿: ドーモ | 2006年9月23日 (土) 00時06分
ドーモさんのように対応するために、新司法試験合格の弁護士か旧司法試験合格の弁護士か調べるにはどうしたらよいんでしょうかね。
投稿: ABC | 2006年9月23日 (土) 02時07分
詳細な分析さすがですね。
確かにロー生に不足してるのは、
基本的な問題だらけの択一で高得点が取れるような地に足の着いた勉強ですよね。
投稿: | 2006年9月23日 (土) 06時01分
今回の新司法試験の結果は大きな禍根を残したように思います。
第一に1009人という合格者人数、48%という合格率。
確かに900~1100程度が予定されていたとはいえ、これは厳格な修了認定が前提とされていたはずです。
また、あの択一で6割未満の足きりが400人以上いた状況下で、1009人合格は明らかに異常でしょう。1684人中1009人合格、論文合格率60%。前代未聞です。無理して4桁に乗せたとしか思えません。
ロー関係者から構成される試験委員に公平なジャッジなど期待できないことを痛感しました(手盛りの弊害ですね)。
第二に2期以降との合格率の格差。
新聞紙上でも来年以降合格率が下がることが指摘されていますが、あまり不公平な問題として扱われていないのが不思議です。
誰もが1期に入る機会があったのならまだしも、学部生故に1期に入れなかった、あるいは金銭的家庭的事情等により入れなかった人も大勢いるわけです。
1期のみ合格率が高いのは2期以降との関係で明らかに不公平です。
第三に旧試験との合格率の格差。
よく旧試験は救済措置にすぎないという意見を聞きます。
しかし、予備試験のない現状下ではローに行けない人にとっては、旧試験しかないわけです。
その意味で旧試験は救済措置という側面のみならず、予備試験としての機能をも有していると思います。
来年は300が予定されているようですが、いい加減旧受験生いじめはやめてもらいたいものです。
旧受験生の利益を代弁してくれる存在がいない(いるとすれば予備校ぐらいか?)ことが、ロー関係者の横暴を許すことになっているように思います。
どうにかならないものでしょうか?
投稿: みんちん | 2006年9月23日 (土) 15時10分
今日の記事とは関係ない質問で恐縮ですが、敵対的買収についての議論が全然理解できず、質問させて頂ければと思い投稿させて頂きます。
何となく、世間では、
A 買収者は、『買収後にちゃんとこのようにして企業を経営していくぞ!』というプランを示すべきだ。
B 現経営陣には、そのプランに対抗するプランを提示する時間を与えるべきだ。
C 株主には、上記プランを比較検討する時間を与えるべきだ。
などという考えが常識になっているような気がしますが、これは正しいのでしょうか?
株主が株式を買収者に売るか否かを決める判断材料は、
①現経営陣のプランが遂行されることを考慮した株式価値と、
②買収者の提案する株式買取価格
のいずれが高いかということだけで、買収者のプランは関係ないと思います(ここの説明は長くなるので省略しますが、必要であれば後に述べます)。
そうすると、上記Aは不要だということになると思います。また、経営陣のプランは通常既に明らかになっているはずですから、上記Bの時間も不要だと思います。上記Cの時間は、TOBの期間で十分だと思いますし、それが短いかどうかは証取法の立法論だと思います。
このような考え方を持っているため、上記A、B、Cを前提とした敵対的買収の相当性や、敵対的買収防衛策の適法性の議論が全然理解できません。私の考えの誤っている点があればご指摘頂けないでしょうか。
投稿: ポイズンピル | 2006年9月23日 (土) 15時40分
2期以降との公平ということですが、滞留する試験である以上、一人でも
多く受からせて抜けてもらわなければ、2期以降の人が困るだけです。
投稿: あ | 2006年9月24日 (日) 00時48分
非取締役会設置会社の業務執行権限についてお尋ねします。
非取締役会設置会社の取締役は各々業務執行権限を有する旨が規定されております(会社348条1項)。
他方、株主総会の権限について会社法295条1項に「株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議することができる」とあります
この規定を踏まえ、支配人の選任OR解任や支店の設置・移転・廃止等を株主総会で定めることも可能かと思いますが、株主総会で選任した支配人を取締役が業務執行権に基づき解任することは可能でしょうか?
投稿: 横山 | 2006年9月24日 (日) 01時05分
自己株式の処分を行ったものの、何らかの理由により828条1項3号の無効の訴えがあり、その訴えの認容判決が確定した場合、当該処分だけでなく、交付された株式(処分された自己株式)自体も将来に向かって効力を失う(839条)。とのことですが、
これは、自己株式を消却した時のように、無効にかかる株式がこの世から消滅し、発行済株式の総数も減少するという意味でしょうか?
例えば、
発行済株式の総数1000株のうち200株が自己株式である会社が、自己株式全部を処分した場合に無効となると、無効確定後は、会社の発行済株式の総数が800株になるということでしょうか?
投稿: ムーニーマン | 2006年9月24日 (日) 17時41分
私は、旧試験論文結果待ちの受験生ですが、新試験の結果を見て、
悔しさを通り越して、馬鹿らしくなっています。
本当は、万一今年駄目なら、来年はローを考えていたのですが、
旧試験や、2期以降の新試験との比較の点で、
あまりにも理不尽な司法試験委員会の対応を見て、
もう司法試験はやめようかと考えています。
このままロースクールに行っても就職が極めて厳しいでしょうし、
通ってる間にまた制度が変更されるかもわかりません。
(変更された場合、その制度に関わっていた人に対する配慮は、
また、どうせなされないでしょう。)
努力の成果を発揮する機会を、正当・公平に与えてもらいたかったです。
投稿: てつ | 2006年9月24日 (日) 18時26分
論文平均点以下というのは,従来の旧試験の基準でいくと「G」です。
論文「G」の受験生であっても合格する。
それが新司法試験です。
投稿: 山西 | 2006年9月24日 (日) 18時35分
>来年は,受験者数が7000人くらいと,今年の3倍以上になりますが,択一合格者が同じ率で伸びるとは考えがたいので,「択一に合格すること」が今年以上に最終合格率に影響を与えます。
今年は、修了率が9割以上で、修了者のうちのほとんどが受験したようですが、来年度は修了率が大幅に下がり、さらに受け控えをする人もいるだろうことを考えると、受験者数が7000人ということにはならないような気がします。
現に1期未修の入学者のうち4割近くが中退または留年したところもありますから。
投稿: 米百表 | 2006年9月24日 (日) 19時09分
今日の記事とは関係ないのですが、Amazonで,『新会社法100問【第2版】』(10/27発売)なるものの予約受付が始まっているのですが、葉玉先生が記事にされていないのでAmazonが先走っているのではないか心配しています。
初版との大きな変更点や,初版を購入した読者でも思わず買いたくなるようなアップデートがありましたら,お教えください。
投稿: 耳呈 | 2006年9月24日 (日) 19時47分
旧司組の人が、色々不満を述べてますが、
それならなぜローに行かなかったのか?
という単純な疑問が・・・。
ロー組の人は将来合格率が本当にどうなるかも
わからないままローにしたわけで、ある意味賭けだった
ところもあると思うんですが。
借金したりしてローに進学とかもいるわけですし。
是非とも不満を述べてる人はその理由を教えて欲しいです。
投稿: ねこ | 2006年9月24日 (日) 20時22分
ねこさんへ
ロー組の人が将来の合格率がどうなるか分からなかったのと同様に、
旧試験組の人も将来の合格率がどうなるかは分からなかったのですよ。
ここまで合格率・難易度に差が出るとは、1期の入試時点では
判明していませんでした。
投稿: てつ | 2006年9月24日 (日) 20時37分
私は旧試験を来年も受けます。まわりに勉強していることを公表していないのですが(受かってから報告するのを楽しみにしている)、もし受かって報告しても、周りから「あの合格率が50%近い司法試験に受かったんだね」と言われるのではないかと思うとガックリしてしまいます。
投稿: あみんご | 2006年9月24日 (日) 21時41分
たった「数名or10~50名」程度の受験者数で、
「率」がどうしたこうした、、、
大学受験予備校の怪しい偏差値番付の微差に、
いい歳してまで血眼になる中年、、、いるよな~
変人観察としては、おもしれえけどなw
こんな男が犬殺漢やってんだから、
三井環さんとか泣くに泣けねえわな
2ちゃんとかで必死に「率」にこだわってる男って、
このオッサンのたぐいだったのか。やれやれ、嗚呼なさけなー
★下記リンクに関連記事あり(↓投稿者名をクリック!)
投稿: 法曹界の奇人、その生態の総合的研究 | 2006年9月24日 (日) 22時52分
ねこさん、ローに行きたくても行けない人が世の中にはたくさんいることをお忘れなく。そんな、狭い視野じゃ受かってもろくな法曹になれませんよ。
投稿: 貧乏人 | 2006年9月25日 (月) 02時47分
旧司法試験受験の方、気にせず受験をがんばってください。
世の中のひとは旧司法試験合格者の弁護士の方を優先的に大事にします。
ビジネス法務の世界では、能力の低い弁護士は使わないことが常識。
新司法試験で合格した弁護士に能力がなければ、使用しません。
「旧と新」で能力差が大きければ、大手法律事務所であればパートナーの方に「新司法試験の弁護士をつけないでください。」と必ず条件をつけることになります。
「数」を増やせば、必然的に質、能力が問われることになることは、どの世界でも同じです。
投稿: 大丈夫 | 2006年9月25日 (月) 08時03分
>ローに行きたくても行けない人が世の中にはたくさんいる
すいません、こういう話をよく聞きますが、いったい
どういう人なんでしょうか?
貧乏ってのは奨学金+授業料免除+借金でなんとかなってる人を
見ますけど。
ローに行った人は、そりゃ金持ちがって場合もありますが、
借金のリスクを負っても、合格率の高さに賭けた人もいるわけで。
世の中知らないといわれても、貧乏人だから無理だ、というだけで
免罪符のように言うのはどうかと思いますが。
投稿: ねこ | 2006年9月25日 (月) 12時00分
>世の中のひとは旧司法試験合格者の弁護士の方を優先的に大事にします。
「世の中のひと」ときましたか。すばらしい日本語だ。
投稿: 本当に「大丈夫」? | 2006年9月25日 (月) 14時16分
貧乏人さんらへ横レスです。
例えば、医者になるために国立大の医学部に6年間行くのと、法曹になるために大学に4年間+国立大のロースクールに2年間通う、というのを比較しても、金銭的な負担はほとんど変わるところがありません。
学費を全額免除するロースクールに入ればむしろ安いくらいでしょう。
それなのに、医学部に行きたくてもいけない人が世の中にはたくさんいる、という風に医者を批判する人などほとんどいないでしょう。
自分が法曹になるために最も合理的な方法を選択する自由、そして努力する余地は多分にあると思います。
努力せずに制度批判をしたところで、自分の状況は何も変わらないと思います。
投稿: | 2006年9月25日 (月) 15時08分
ローに行けない人ってのは、社会人じゃない?
あと、家庭がある人。
私の周りではこんな感じです。
投稿: | 2006年9月26日 (火) 05時23分
国立ローに入れば、経済的に厳しい人は入学金と学費が全額免除されますよ。
投稿: 投稿 | 2006年9月26日 (火) 19時23分
私学も特待生制度作って優秀な人を必死に集めていたよ。
旧試験で合格の見込めるレベルなら特待生になれただろう。
投稿: 通りすがり | 2006年9月28日 (木) 18時20分
>医学部…、の方へ 医学部に行けば、確立された確実な試験勉強を6年間行い(そればかりではありませんが)、試験も90%を越える勢いの合格率。かたや法科大学院はそうではない。医師国家試験とは条件が違いすぎます。また、地方の納税者番付を見てください。医者がいかに儲かっているか分かります。借金してもペイできるのです。将来に向けての安心感・安定感が違いすぎます。その辺りの違いを考慮して頂きたい。
投稿: | 2006年10月 1日 (日) 02時52分
あと、国立大医学部なら、ほぼ間違いなく安定した生活が保証されるに近い状況です。地方によっては慶應医学部よりも地元の国立大(実績を見ずに名前だけで)の医師がよい、私立(レベル関係なしに)は、金さえ積めば入れる、国立大に落ちたランクが落ちる人間が行くところ、能力があれば国立を受け直せばよい、と豪語する方(近親の身内ですが…恥ずかしい限り)もいます。これも考慮すべき事項になりますね。
投稿: | 2006年10月 1日 (日) 03時05分
上の方、なんか論点がずれていませんか?そもそもかなりのリスクをとる覚悟がなきゃ、ローに入って新試験であれ、旧試験であれ、この先法曹界で生き残っていくのは厳しいですよ。
投稿: | 2006年10月 6日 (金) 22時59分
大阪市立や北大のカリキュラムが知りたいですね。なんでこんないい成績なんだろう。東大京大早慶中央の微妙な振るわなさについては、「その集団の上の連中は在学中に旧試験をパスしてでてゆく」「そもそも定員が多く、育成のばらつきが大きい」あたりにあるのではないでしょうか。決してそれらの大学が予想外にへぼいってわけじゃないと思います。
投稿: 藤花 | 2006年10月14日 (土) 01時38分
3年前のコメントなので誰も見ないでしょうが三言。
まず国家医師試験は合格率はたかだか70%前後。
医学的な知識はもちろん、相当な国語力(日本語)も要求されます。
三国人を含めて落ちる人は何回でも落ちています。
(外国の医学部を卒業しても日本の医師国家試験の受験資格は比較的容易に得られるため)
合格すれば、即高級取りになれるというような短絡的表現もやめていただきたいですね。
回数制限こそないが、医師国家試験の受験生は相当なプレッシャーの中受験しています。
投稿: 医師 | 2009年6月21日 (日) 23時05分
また、医学部6年間と一般大学4年+ロースクール2年を一緒にしているひとがいましたが、医学部6年は肉体的にも精神的にもかなりハードです。
1年目から解剖用死体(御遺体と呼ぶ)とともに夜中の3時まで2人っきり・・・という医学部特有の洗礼から始まります。
もちろん最初っから死体が平気な人間なんてこの世にはいませんよ。
『血をみるのが平気な人が医者になる』という見方も間違っています。
すべて慣れていくのです。麻痺していくのです。
各学年ごとにハードさは増していき、脱落者も20%を超える期もあります。
同級生100人に自殺者や精神的にダメージをうけた人がいるのは珍しくありません
投稿: 医師 | 2009年6月21日 (日) 23時06分
また『地方によっては慶應医学部よりも地元の国立大(実績を見ずに名前だけで)の医師がよい』というのもある意味真実です。
たしかに慶応医学部の学生は入学時の基礎学力は平均を越えているでしょう。
しかし、とにかく慶應の学生は勉強をしない。
代返率は高いことはもちろん、クラブ活動に熱中しすぎで、持前の要領の良さのみで試験を乗り越える。
一方ほとんどの国立大学では、代返はほぼ不可能です。
皆野心をもっていてハングリーなので、必死に勉強している人が多いです。
要領がよくて学生中遊んでいた人も、卒業後は皆必死に勉強してきますが、司法の世界でもそんな人間は使い物にならないでしょう?
慶應が世界の慶応にならないのはそういう理由もあると思います。
以上です。
投稿: 医師 | 2009年6月21日 (日) 23時06分