会社法100問第2版
新司法試験のことについては、まだまだ語りたいことがあるの
ですが、今日は、新会社法100問【第2版】について、耳呈さん
から、ご質問を受けましたので、第2版の内容についてお話し
します。
まだ、正確な出版日程が決まっていないので(まだ初稿のチェ ックをしている段階なので)、内容についてのアナウンスをす ることは控えていたのですが、Amazonに出たということなので 、とりあえず「第2版」における変更点を簡単にお話します。 1 まず、初版の解答例について、省令対応や分かりやすい表 現にする等の改訂を行いました。 初版後に、正式な省令が出ましたので、その条文番号を組み 込むなどの形式的な対応をしていますし、そのほか、約30問 については、省令をベースに表現を調整し、あるいは、省令と は関係なく、ブログなどで質問があった事項について、より詳 しく、より分かりやすい表現にするなど大小の改変をしていま す。 特に、預合い、違法配当、取締役の責任、相続人に対する売 渡請求権、組織再編時の計算等は、初版後に研究が進んだこと もあり、かなり変えています(ただし、各論点の結論について は、基本的に変わっていません) 2 平成18年新旧司法試験 今年(平成18年)の新司法試験と、旧司法試験の解答例を 入れました。 最初、初版の解答例から2問分削ろうかなと思ったのですが 、邪魔になるほどのものではないと思い、削りませんでした。 ですから、解答例は102問載っています。でも、題名は、 あいかわらず「100問」です。JAROにいかないでください (笑) なお、今年の会計士試験の問題は、タイミング的に間に合わ なかったので、入っていません。 3 重要度ランク 初心者が会社法を100問も、のんべんだらりとやると、挫折 するという声を受け、102問を3ランクにわけ、星をつけま した。 3つ星 初心者用 30問 2つ星 中級者用 約30問 1つ星 上級者用 約40問 というところです。 初心者用は、一行問題的なものを中心に基本を学び 中級者用は、事例問題を多くして、新司法試験などで必要な 分析能力を高める という観点から分類しています。 「100問は多いから、もっと少ない問題数の問題集を買お う」 という気持ちの方は、カッターナイフで3つ星マークの問題だ けを切り取って、 「新会社法30問」 を自分で作れるようにしたわけです(笑)。 4 条文索引に1000問のQ番号を入れる等検索を充実させる。 勉強が進んだ人が、千問の道標を参照しやすいようにするた めに、条文索引に、千問の道標のQ番号をいれました。また、 索引も、大幅に強化する予定です。 5 基本テスト・間違い探し1200問 【第2版】の最大の売りは、各解答例の後ろに、 基本テスト「Comprehension Test」 間違い探し「What's Missing」 という一問一答形式の問答を約10問ずつ、合計1200問を 載せたことです。 実は、今年の春ころ、私は、あるロースクール生から「会社 法は、憲法・民法・刑法のように択一の過去問がないので、何 を勉強したらいいでしょうか?」という質問を受け、 「司法書士の過去問をやるしかないかなあ」 と答えたことがありました。 しかし、司法書士の過去問は、当然のことながら旧法時代の ものが多く、会社法に特有の問題は載っていませんし、書店で 見る限り、市販の問題集は、やや問題数が少ないようなので、 「基本的な知識の確認用に何か作れないか?」 と思うようになりました。 それで、考えたのが、基本テスト「Comprehension Test」と 間違い探し「What's Missing」という形式の一問一答です。 (1) Comprehension Testは、 <例> Q1 所有と経営の分離とは、何か。 A1 出資者以外の者が会社の業務執行をすることができる 制度のことをいう。 というように、会社法の基本概念や、基本判例の知識を確認す るための問答です。 各解答例の後ろに、その解答例と関係する問題を5-8問づ つくらい載せていますが、解答例に書かれていないことも幅広 に質問にしています。 (2) What's Missingは、 <例> 誤6 株式会社は、所有と経営が分離しているので、株主は 、取締役になることができない。 正6 株主であることは、取締役の欠格事由ではなく(33 1条1項)、取締役になることはできる。 というように、「誤りのある文章を見て、どこが誤っているか を答える」形式のテストです。これも、各解答例の後ろに5問 以上載せています。 以前の記事でも話したことがあるとおり、択一試験は 「間違いを探す試験」 です。 択一を解くときに、「この肢は正しい。」という立証を正面 からやるのは悪魔の立証で、必ず迷いが生じます。ですから、 「他の肢に間違いがあるから、この肢は正しい」 という消去法こそが、択一試験を勝ち残る最大の秘法だと思い ますし、択一が得意な人は、ほぼ例外なく、このような解き方 を身につけています。 そこで、私は、会社法を聞きかじったことがある人が間違い やすそうな箇所について、あえて「間違いのある肢」を作って 、その間違いを探してもらおうと考えたわけです。 答えを○×で問う形式も考えたのですが、それでは、「この 頁の答は、○○×××」とかいう風に内容を理解せず、○×の 組み合わせを覚えて、理解したような気持ちになってしまう弊 害が生じます。 それで、「必ず間違いがある」という前提で、「どこが間違 っているか」を答えてもらうことにしたのです。 この方式ですと、「この頁は、×××××」とかいうような 覚え方はできないでしょ? 基本的には、解釈を含まない問題(条文・基本的判例の知識 )をチェックするという用途なので、条文・判例について「こ こは、勘違いが多そうだなあ」というところを抜き出していま す。 以上の2つの形式の1問1答を、合計1200問も作るのは 、正直言って、むちゃくちゃ大変でした。 作っている最中、何度 「まだ誰にも言ってないから、この企画は、こっそりやめにし ようかなあ。」 と思ったことか・・。 しかし、昨日の記事でもお話ししたとおり、「基本事項の確 実な習得が試験には必要不可欠」というのが私の信念ですから 、それに少しでも役に立てればという気持ちから、なんとか最 後までたどり着くことができました。 これは、新司法試験に限らず、司法書士試験、公認会計士試 験の方にも、かなり役に立つと思います。全然、役に立たなか ったら、(涙)という感じです。 今のところ、「第2版」は、発売時期も価格も決まっていな い(少なくとも私は知らない)ので、初版を持っている人が買 い替えをする必要があるかどうかは、なんともいえません。 ただ、編著者の私としては、第2版を買った人が 「おい、これで、また金を取るのかよ?」 と落胆して、座布団が飛んでこないように、できる限り充実し た第2版にしたいと思っています。何かリクエストがあれば、 気軽にコメントに書き込んでください。 できることなら、取り入れられる余地はあります。 (質問コーナー) Q1 組織再編に於ける債権者保護手続きについて質問いたします。 789条2項及び799条2項では「次に掲げる事項を官報に公告し、 かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告」するものと し、同項1号から4号に定める事項が掲げられています。 さて、個別の債権者に対する催告書にも、公告と同様、3号に 定める組織再編当事者双方の決算公告に関する事項(規則188 条及び規則199条)を記載しなければならないのでしょうか。 現在準備中の吸収分割手続きで、分割会社、承継会社共、(官 報による)決算公告をしておらず、吸収分割の公告と同時に決 算公告をする形をとらざるを得ません。 従いまして、3号に定める事項も催告書に記載すべきとすると 、催告書の発送は、官報公告のあった日以降にならざるを得ま せん。1号乃至4号に定められた事項は、公告すべき事項を定め たものであって、催告書に記載しなければならない事項では無 いように思うのですが・・・ A1 公告の内容と催告の内容は、同じです。 決算公告をしていなければ、その要旨を書かなければいけませ ん。 Q2 会社法437条と計算規則161条の関係についてご教授ください。 取締役会設置会社で会計限定の監査役がいる会社では、法437 条によると計算書類の監査報告を招集通知に際して株主に提供 しなければならないとされていると思います。一方、規則161 条1項では、会計限定監査役のいる会社は監査役設置会社では ないため、同項1号が適用され、提供すべきものは計算書類の みで監査報告は含まれていないとも思えます。提供義務は会社 法で規定され、161条は株主への提供方法に関する定め過ぎず 、監査報告については、161条の提供方法に限定されないとの 趣旨なのでしょうか? 投稿 法務課員 | 2006/09/21 20:13:45 A2 条文を素直に読めば、会計監査限定監査役の監査報告について は、法律上は提供義務があり、計算規則161条の方法によら ず、適宜の方法で提供するということですね。 Q3 新司法試験合格の弁護士か旧司法試験合格の弁護士か調べるに はどうしたらよいんでしょうかね。 投稿 ABC | 2006/09/23 2:07:40 A3 一期の中に新旧が混在している場合には、そういう方法は、な いでしょう。 新司法試験だけになれば、期によって分かりますよね。 もっとも、旧でも、いろいろな弁護士さんがいますし、新でも 、いろいろな弁護士さんがいるので、試験の新旧で弁護士を選 ぶのは、あまり意味がないでしょうね。 Q4 今日の記事とは関係ない質問で恐縮ですが、敵対的買収につい ての議論が全然理解できず、質問させて頂ければと思い投稿さ せて頂きます。 何となく、世間では、 A 買収者は、『買収後にちゃんとこのようにして企業を経営 していくぞ!』というプランを示すべきだ。 B 現経営陣には、そのプランに対抗するプランを提示する時 間を与えるべきだ。 C 株主には、上記プランを比較検討する時間を与えるべきだ 。 などという考えが常識になっているような気がしますが、これ は正しいのでしょうか? 株主が株式を買収者に売るか否かを決める判断材料は、 ①現経営陣のプランが遂行されることを考慮した株式価値と、 ②買収者の提案する株式買取価格 のいずれが高いかということだけで、買収者のプランは関係な いと思います(ここの説明は長くなるので省略しますが、必要 であれば後に述べます)。 そうすると、上記Aは不要だということになると思います。ま た、経営陣のプランは通常既に明らかになっているはずですか ら、上記Bの時間も不要だと思います。上記Cの時間は、TOBの 期間で十分だと思いますし、それが短いかどうかは証取法の立 法論だと思います。 このような考え方を持っているため、上記A、B、Cを前提とし た敵対的買収の相当性や、敵対的買収防衛策の適法性の議論が 全然理解できません。私の考えの誤っている点があればご指摘 頂けないでしょうか。 投稿 ポイズンピル | 2006/09/23 15:40:00 A4 ポイズンピルさんのベースには、 「株主は、株価が高くなればハッピー」 という考えがあるように思います。 もちろん、そういう株主が多いことは否定しませんが、そん な株主ばかりではないというのも現実です。 株主の中には 「株価がどんなに高くなっても、売らない。その代わり、長期 にわたって安定した配当がほしい。」 「取引の前提として、株主になっているのだから、買収が成功 した際に、取引が継続するかどうかに最大の関心がある」 という人もいるでしょう。 そういう長期保有目的株主(会社によっては、そういう株主 の方がずっと多いと思います)にとっては「株式買取価格がい くらか」より、「買収者はどんな経営をしようとしているか」 という方に関心があるでしょう。 買収防衛の目的は、株主共通の利益の保護にありますが、株 価だけに焦点を絞った議論はやや危険であり、また、二段階買 収の防止などの観点からも、買収者が過半数を取った後の経営 方針について既存株主に情報提供をすることは意味があるよう に思います。 Q5 非取締役会設置会社の業務執行権限についてお尋ねします。 非取締役会設置会社の取締役は各々業務執行権限を有する旨が 規定されております(会社348条1項)。 他方、株主総会の権限について会社法295条1項に「株主総 会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管 理その他株式会社に関する一切の事項について決議することが できる」とあります この規定を踏まえ、支配人の選任OR解任や支店の設置・移転・ 廃止等を株主総会で定めることも可能かと思いますが、株主総 会で選任した支配人を取締役が業務執行権に基づき解任するこ とは可能でしょうか? 投稿 横山 | 2006/09/24 1:05:48 A5 株主総会で選任した支配人を、取締役が解任することは可能で すが、忠実義務違反になる可能性はあります。 Q6 自己株式の処分を行ったものの、何らかの理由により828条 1項3号の無効の訴えがあり、その訴えの認容判決が確定した 場合、当該処分だけでなく、交付された株式(処分された自己 株式)自体も将来に向かって効力を失う(839条)。とのこ とですが、これは、自己株式を消却した時のように、無効にか かる株式がこの世から消滅し、発行済株式の総数も減少すると いう意味でしょうか? 例えば、発行済株式の総数1000株のうち200株が自己株 式である会社が、自己株式全部を処分した場合に無効となると 、無効確定後は、会社の発行済株式の総数が800株になると いうことでしょうか? 投稿 ムーニーマン | 2006/09/24 17:41:10 A6 自己株式の処分が無効になれば、発行済み株式総数は、減少し ます。 Q7 商法時代からもそうなのですが、決算公告を怠った株式会社に 対して、会社法下においては過料の制裁等の検討はなされてい るのか、なされていないのか、今後なされる予定等があるのか 、ご存じでしたら教えて下さい。過料制裁がないと会社法下に おいても中小会社の決算公告というのは形骸化してしまうので はないかと私は考えています。過料制裁についてもう一点お聞 きしたいのですが、会社の機関設計の自由度が増し、役員の任 期も会社によってまちまちとなってきておりますが、公開会社 である小会社の監査役が会社法施行日に任期満了する登記を怠 った場合の過料制裁(6か月以内に登記すること)以外で、役 員変更の懈怠における過料制裁がありますでしょうか。教えて 下さい。 投稿 柴里達徳 | 2006/09/25 9:23:54 A7 条文を見てもわかるとおり、決算公告を怠った会社は、過料 の制裁がかされます。ただし、裁判所が過料の制裁をどの程度 行うかは、私の知るところではありません。 役員変更の登記をすべきにもかかわらず、登記を怠れば、過 料になりますが、ご質問の趣旨は、経過措置の話でしょうか? 会計監査人の登記とかも同じだったと思います。
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コメント
改行してください><
投稿: | 2006年9月25日 (月) 21時00分
葉玉先生、お忙しい中の出版ありがとうございます。今年度の(新・旧)司法試験の解答例をお付けになるということには、正直申し上げて驚きました。
日本の司法試験では当局かた公式の解答例が発表されることがない中、個人的見解とは言え、今年度の司法試験の解答例を出して頂けるというのは本当にありがたいことです。
もし可能であったらお願いしたいのですが、一部の出版社さんが既に正確性が重要な法律書籍でなさっているように、出版社さんのホームページで第二版発売以後の誤植・訂正等についてお示し頂けるに調整して下さると読者としては本当にありがたいです。
あるいは、会社法の緑色の本(笑)の先生がなさっているように、葉玉先生が個人的に誤植一覧を発表して下さる形でも構わないのですが、司法試験受験者にとっては(新・旧問わず)頼りにしている本の正確性が生命線というところがありますので、出版社さんと調整のつく何らかの形で誤植・訂正を発表するコーナーを設けていただけると本当に助かります。
投稿: メタルスライム | 2006年9月25日 (月) 21時09分
【間違いの訂正】
・当局かた公式の解答例が発表されることがない中→当局『から』
・出版社さんのホームページで第二版発売以後の誤植・訂正等についてお示し頂けるに調整して下さると
→お示し頂ける『よう』に
投稿: メタルスライム | 2006年9月25日 (月) 21時12分
そうなんですか><
つい最近買ったばかりでまだ数問しか解いてなかったですが、うれしい悲鳴が上がります(笑
投稿: | 2006年9月25日 (月) 21時37分
ブラウザをどう調整しても各行の右が読めません。。。
投稿: 意外と周辺にいる人 | 2006年9月25日 (月) 21時59分
現在来年の事業報告の作成準備をしておりますが、その際にいくつか疑問に思う点がありましたのでご回答いただけると幸甚です。
(1)会社法施行規則126条に会計監査人設置会社の特則として記載すべき事項が列挙されておりますが、「四 会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」の記載に悩んでおります。そもそも解任・不信任の決定の方針というのは会社として定めるべき事項なのでしょうか。もし、方針がないのであれば特段記載不要という理解でよろしいのでしょうか。
(2)会社法施行規則127条「株式会社が当該株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めている場合には、次に掲げる事項を事業報告の内容としなければならない。 」とあり、基本方針等を列挙する旨が記載されておりますが、ここは買収防衛策を導入している企業のみが買収防衛策について記載しなさいということなのでしょうか。
管轄外かと思われますが、先ごろ金融庁が出した開示府令のなかで有価証券報告書対処すべき課題の中で「なお、基本方針を定めている会社については、基本方針に照らして不適切な者によつて当該会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(いわゆる買収防衛策)等を記載すること。」と記載されていて、いわゆる基本方針と買収防衛策というのは違うのかなと考えているところです。
なお、ここは、定めている場合と記載されているので記載しない選択肢もありえますが、記載しなかった場合、株主総会でなぜお前の会社は方針も策定していないんだ!と責めにあうことを懸念しています。
投稿: くろすけ | 2006年9月25日 (月) 23時53分
第2版出るのですね!受験生として本当にありがたいです。
うちの法科大学院にも葉玉先生のような方が1人でもいれば・・と思います(涙)。
投稿: 受験生 | 2006年9月26日 (火) 01時45分
新会社法100問【第2版】、基本テスト・間違い探し1200問、すごいじゃないですか、先生、これ。めちゃくちゃ嬉しいです!有り難いです!
>「おい、これで、また金を取るのかよ?」と落胆して、座布団が飛んでこないように
「おい、こんなええもんプラスしてええんかよ?」とびっくりして、座布団5枚あげます(笑)。
初版持ってますが、第2版が出たらためらいなく即買いです!
早くでないかなあ。年内に問題終わってしまいたいなあ(笑)。
先生、本当に感謝ですm(_ _)m。
投稿: 虎次郎 | 2006年9月26日 (火) 02時19分
1200問凄いですね。そっちだけで一冊本出せるのに太っ腹すぎです><
投稿: | 2006年9月26日 (火) 04時45分
100問についてですが、本文の(最判00年00月0日と同旨)という判例が百選にある場合、百選の番号を左側のコメント欄に記していただけませんか。
出版社との関係等あると思いますが、お考えいただけたら幸いです。
投稿: 選(氏は100or百) | 2006年9月26日 (火) 07時22分
会社法条文だけでいいので条文索引を下さい!
投稿: みつば | 2006年9月26日 (火) 07時40分
1000問の272問目をみていたら、図表2-10に無償割当てと株主割当てが並んで整理されていたので、質問です。
202条1項1号の株主割当は同種株式の割当しか許していませんが、原則として特別決議が必要なのに対して、無償割当ては異種株式の割当も可能で普通決議が原則です。有償で異種株主割当という選択肢をなくしているのは、どう説明すればいいでしょうか。
よろしくおねがいします。
投稿: | 2006年9月26日 (火) 08時29分
素晴らしい!!
ますます葉玉先生への尊敬の念が増しました。
必ず買います。ありがとうございました。
投稿: トノ | 2006年9月26日 (火) 09時24分
新会社法100問(初版)をいつも愛読させて頂いてます。葉玉先生の一ファンです。
新会社法100問(第2版)へのリクエストなのですが、伊藤眞先生の民事訴訟法の索引のように、言葉の中心的な説明をしているページを太字にして頂けたら幸いです。ある言葉について理解が不確実なときに、その言葉の説明が十分にされているページへすばやくアクセスできることは、非常に時間の短縮になると思うのです。
それでは失礼致します。
投稿: ハクション大魔ふぉ~! | 2006年9月26日 (火) 09時47分
千問の記載内容にケアレスミスと思われるところがありましたので、確認の為に指摘させていただきます。
①P74のQ100のAの2~3行
・・・総数を控除して得た数は(誤)⇒・・・総数を控除して得た数を(正)
・・・次の数の合計数を(誤)⇒・・・次の数の合計数は(正)
②P240のQ332のAの最下行の式の記号
>(誤)⇒≧(正)
③P537の図表8-1資本金等の増減
「剰余金の資本組入」から「資本金」への矢印に「その他資本剰余金のみ」を 付すべき(計算規則48条Ⅰ②より)
重箱の隅をつつくようで恐縮ですが気になりましたので初めて書き込みをさせていただきました。
投稿: 百個桃 | 2006年9月26日 (火) 10時53分
千問の道標Q165ついて質問させてください。
A社はB社の議決権を24%、C社の議決権を15%有しており、B社はA社の議決権を24%、C社の議決権を15%有しており、C社はA社B社の議決権を24%有する関係にあります。
たとえば、A社がB社C社以外の株主から8%自己株式取得した場合、この自己株式については、議決権を有しないことになるため、A社におけるB社とC社の議決権割合は、26.08%(4分の1以上)となり、A社はB社とC社に対して議決権を行使できなくなるということで宜しいのでしょうか?
また、B社においては、A社の議決権割合が0%となったため、C社の議決権割合は31.5%となりますが、千問123頁3によれば、B社はC社に対して議決権を行使できるということで宜しいのでしょうか?
投稿: 永田町のタッキー | 2006年9月26日 (火) 11時20分
いつも楽しく拝見しています。
会社法100問2版では
(1)判例のさくいんの作成
(2)赤字と黒字の分け方
を検討していただけると大変助かります。
投稿: 新司受験生 | 2006年9月26日 (火) 13時10分
いつも楽しく心を暖かくしてもらいながら拝見させていただいております。
「第2版」のリクエストについて。
某予備校(W)が出版されている『○○100』ような受験生が1時間で仕上げた実践的な答案例も載せていただければ、めちゃくちゃ嬉しいです(が、多分無理でしょうね・・・)。
投稿: 旧司法試験受験生 | 2006年9月26日 (火) 13時29分
さっそく記事にして頂き有難うございます。
私は司法書士受験生ですが、1200問もの択一対策問題に感動しました。
さっそく予約させていただきます。
投稿: 耳呈 | 2006年9月26日 (火) 14時19分
初めて質問いたします。よろしくお願いいたします。
吸収合併で、(100%子会社を吸収合併するのではありませんが、適格合併です。)消滅会社の株式を存続会社が60%保有・代表取締役(双方同一の代表取締役)が40%保有しています。
吸収合併により、株式を発行せず、資本金の額を変更せず、定款変更もしない場合、代表取締役の保有する40%にあたる数字は存続会社の資本準備金として
増加させてよろしいでしょうか?
投稿: なりたて司法書士 | 2006年9月26日 (火) 17時31分
葉玉先生、初めて質問させていただきます。よろしくお願いします。
計算省令2条39号イで「吸収型再編対象財産(資産(吸収型再編受入会社の自己株式となる株式を含む。) に限る。) に付すべき価額」という条文があります。
これはつまり、自己株式も吸収型再編対象財産に含まれるという意味ですよね?先生の御著書ではありませんが、会社法計算詳解のP398を拝見しましたところ、下から7行目に「承継する財産(吸収合併存続会社の自己株式を除く財産)」との説明がありました。
これって、吸収型再編対象財産の説明ですよね?こちらでは自己株式を「除く」となっています。
この条文はどう理解するのが正しいのでしょうか?それとも会社法の計算詳解のこの部分は、他の条文の説明なのでしょうか?
投稿: てれてれてれ | 2006年9月26日 (火) 20時03分
株主総会決議の省略(319条)と辞任した監査役に対する総会招集通知義務(345条3項)の関係について質問させて下さい。
会社法千問Q654の図表5-2によりますと、株主総会決議の省略をする場合、298条の手続も省略できるとのことですが、かかる場合、会社は辞任した監査役に対して、総会の日時・場所ではなく、総会決議が省略されたことを通知することになるのでしょうか?
それとも、345条2項が「辞任後最初に招集される株主総会」となっているので、株主総会決議の省略の場合は「招集される株主総会」にあたらず、辞任した監査役には、次回以降の実際に招集される株主総会の日時・場所を通知することになるのでしょうか?
今後、100%子会社(非公開会社)では定時総会についても株主総会決議を省略することを検討しておりますが、定時総会まで省略してしまうと、次回以降、実際に株主総会を招集するのがいつの事になるのか分からないため、辞任した監査役の株主総会での意見陳述権を奪うことにならないか疑問です。
よろしくお願い申し上げます。
投稿: hi | 2006年9月26日 (火) 20時31分
はじめまして
某経済紙の紹介記事により本ブログを知り、勉強させていただいています。
株式会社の吸収分割における債権者の保護について質問させていただきたく
存じます。
1.吸収分割に当たり、吸収分割承継株式会社によって免責的債務引受けが
なされる場合、789条5項により、分割に異議を述べた債権者に対しては、
弁済の実行、担保の提供又は信託という措置をとらなければならないところ
である。
ここで、同項に言う債権者には、金銭給付以外の給付を目的とする債権の
債権者は含まれるのか否か。
(具体的には、売買契約に基づき、現在製作途上にある特定物の引渡しを
目的とする債権(履行期未到来)を念頭)
2.上記1の回答がYESである場合、
給付の対象は特定物であり、しかも、当該対象物は製作途上にあって
現在は存在しないことから、
当該特定物の引渡しの実行自体を担保することや、
当該特定物の引渡しの実行自体を目的とする信託を行うこと
は困難ないし不可能であるとも考えられる。
その場合は、将来、履行期が到来した際に、当該特定物の引渡しが
履行されなかったとした場合に発生することとなる損害賠償債権について
担保提供又は信託を行うべきこととなるか。
3.上記1の回答がNOである場合、
債権者保護に欠ける結果になると思われるが、
この場合、759条3項の類推適用等により、当該債権者は吸収分割会社
に対して(も)当該債権の履行を請求することができるものと解すべきか
否か。
4.上記1及び3の回答がともにNOである場合、
このような債権者の保護はどのように図られているのか。
以上、突然の質問で失礼いたします。
あるいは自明のことなのかもしれませんが、解説書等で言及が見つからず、
困っています。お知恵を拝借できれば幸甚に存じます。
投稿: ニモ | 2006年9月26日 (火) 21時15分
葉玉先生
所在不明株主の件につき,先日はご回答いただきありがとうございました。
>全部取得条項付種類株式の取得で,所在不明株主の有する株式も取得することができますが,他の株主と同じ内容の対価を支払う必要がありますので,所在不明株主の株式だけをお金に換えるのは難しいのではないでしょうか。
とのことですが,この場合に株主割当ての方法によって募集株式を募集し,
取得した自己株式を処分した場合,どうなるのだろうか,と疑問に思っています。
(所在不明株主からは申込みがないでしょうから,その分は自己株式のままに
なると思いますが)
非公開会社では,募集事項の決定権限を定款で取締役(取締役会設置会社
では取締役会)とすることも可能と思いますので。
もちろん,そのようなことを目的とする取得の総会決議自体に瑕疵があるの
ではないか,ということも問題にはなるものと思います。
よろしくお願いいたします。
投稿: たつきち | 2006年9月27日 (水) 01時07分
新株予約権について質問をさせて下さい。
新株予約権を行使した新株予約権者の責任について定めている285条には,募集株式の引受人の責任とは異なり(212条),新株予約権を行使する際の払込みが不公正な価格であった場合の責任が掲げられていませんが,これには何か理由があるのでしょうか?
投稿: 新株予約権とともに去りぬ | 2006年9月27日 (水) 02時16分
初めて質問させていただきます。お手数ですが宜しくお願いいたします。
清算結了した株式会社の重要書類保管者選任の申立てについて教えてください。
商法時代は株式会社の重要書類保管者について全て裁判所へ申立てが必要でしたが、会社法508条では1項で原則清算人が保管者となり、2項で利害関係人の申立てにより清算人に代わる保管者を選任することができるとあります。
この2項の選任申立人が商法の「清算人其の他の利害関係人」から「利害関係人」と条文から清算人が削除されていますが、清算人からの申立てはできないのでしょうか?
清算人自体は当事者とは言えないので利害関係人の一人とも考えられるのですが、それとも清算には当事者と捕らえているのでしょうか?
今抱えている案件では、清算結了した子会社の重要書類保管者として親会社を候補者として清算人から申立てしておりますが、裁判所から問い合わせがあり、現在検討中とのことですので・・
投稿: 教えて君 | 2006年9月27日 (水) 11時57分
葉玉先生、初めて質問させていただきます。
自社株式の消費貸借(貸し株)についてお尋ね致します(既に書かれていたら申し訳ありません)。
自社株式を消費貸借する場合、会社法上の手続きはどのようなものがあるのでしょうか? … 自社株の取得・売却と同様に、取締役会の承認(貸出時)、株主総会の決議(返却時)(・他の株主による売主追加請求?)等の手続きが発生する?
ご教示ください。よろくしお願い致します。
投稿: うぶうぶ | 2006年9月27日 (水) 14時24分
前質問ありがとうございました。
また質問よろしくお願いします。
52、55条の読み方を教えていただきたいのですが、
「52条1項の規定により発起人または設立時取締役の負う義務・・・は、総株主の同意がなければ、免除することができない。」
となっており、52条3項の証明者が入っていません。
これは、
①証明者は総株主の同意をもってしても免除できないという意味なのか、
②証明者は総株主の同意でなくても免除できるという意味なのか、
③それとも、52条3項で「1項に規定する場合には、・・・証明者は、発起人・設立時取締役と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う」ことになっているので、55条でいう「義務」とは「不足額を支払う義務」のみを指し、証明者も「不足額を支払う義務」を負っているので、その証明者の負う義務も55条により(総株主の同意により)免除できる、という意味でしょうか?
よろしくお願いします。
投稿: ムーニーマン | 2006年9月27日 (水) 16時11分
いつもお世話になっています。
非常にに初歩的な質問なのですが、株券発行会社について教えてください。
現に株券を発行している公開会社「A社」が、全ての株式について、譲渡制限規定を設定するとともに、株式併合をすることになりました。
(株主総会決議で定めた効力発生日は同一日です。)
そこで、A社は、法219条に従って株券提出公告及び通知を行い、発行している全ての株券を回収しました。
効力発生日後、非公開会社となったA社は、215条2項ではなく、4項が適用されると考え、併合した株式にかかる株券を未だ発行していません。
また、株主からの株券発行の請求もありません。
この場合、A社は、株券発行規定廃止に関する218条公告をしないまま、現実に存在していた株券を消滅させることができ、さらに準株券廃止会社になることにも成功しました。
A社はこのまま株券を発行しなくてもよいのでしょうか?
上記の手続のうち、違法・解釈違いなところはありますか?
宜しくお願いします。
投稿: 頭がウニ | 2006年9月27日 (水) 16時16分
葉玉様
先日は取締役の責任免除の件でご丁寧な
ご回答をいただきありがとうございました。
また質問で恐縮ですが宜しくお願いいたします。
新株予約権の発行の件です。
旧商法時代、新株予約権の有利発行の決議を
商法280条の21の規定に基づき行った会社があります。
まだその決議より1年以内であるところ、このたび、その
株主総会決議に基づき取締役会決議を行い、
発行事項を決定することになりました。
整備法98条1項によると施行日前の発行決議の場合には
その発行手続きについては従前の例によるとあります。
そこで質問です。
会社法施行後の取締役会で定める新株予約権の内容は
旧商法に基づくものなのでしょうか。それとも会社法に基づく
ものなのでしょうか。
商事法務の「会社法施行前後の法律問題」P55を読むと、
会社法施行前に有利発行のための株主総会、
施行後に取締役会が開催された場合には、
旧商法の規定にしたがうというようなことが書いてあります。
旧商法に従う=取締役会の決議事項も商法による、
ということになるのかどうか、よくわかりません。
お忙しいところ恐縮ではございますが、宜しくお願いいたします。
投稿: 眠り猫 | 2006年9月27日 (水) 17時07分
葉玉先生、初歩的な質問をすみません。
山口厚『刑法』(有斐閣、2005年)より。
前提
①HS式無熱高周波療法を業として行った事件に関して、最高裁は、処罰の対象を「人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為」に限定(「有害性」)。
(16頁~17頁)
②その後の判例は次第に「有害性」の内容を緩やかに解する。(17頁)
③クエン酸等を主成分とする「つかれず」を販売した事件で、「人体に対し有益無害なものであるとしても」薬事法違反の罪が成立するとした判決にそれが窺われる。(17頁)
この判決(最高裁昭和57・9・28刑集36巻8号787頁)に関して山口先生は以下のような注をつけておられます。(17頁)
「同判決には,積極的な危険がなくとも,適切な医療を失わせるおそれがあることが処罰の根拠となるが,本件では積極的な弊害はもとより消極的な弊害も生ずる虞はないとする,木戸口裁判官の反対意見が付されている。」
←ここまでの文章は理解できるのですが、この後に続く一文の意味がわかりません。
「多数意見も,こうした消極的弊害をも問題としていないとまでは断じることができない」
→反対意見は積極的な弊害もなければ、消極的な弊害もないので無罪とすべきだと考えているが、多数意見が積極的弊害に加えて、消極的な弊害まで問題ないと考えていると解釈することはできない(→つまり多数意見は消極的な弊害に関しては問題がありうると考えている、と解する余地がある)ということでしょうか。
投稿: 質問(刑法) | 2006年9月27日 (水) 20時54分
↑
言葉足らずな質問で申し訳ありません。
窺った項目は教科書で言うと、罪刑法定主義(内容の適正さ)に関する記述になります。
お手数をおかけして申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
投稿: 質問(刑法) | 2006年9月27日 (水) 21時02分
旬刊商事法務の「代表取締役の就任・退任」を早速拝読しました。
代表取締役の選定方式を変更する決議は、「従来の代表取締役が再度選定される可能性を許容しつつ、新選定方式により選定された者を選定後の唯一の代表取締役とする趣旨であると解される。」(10頁上段ほか)とありますが、その理由は明らかにされていません。ご教示いただけますでしょうか。
また、そのような解釈を採ると、たとえば、代表取締役Bが存する場合に、同人に加えて代表取締役としてAを選定するときは、代表取締役Bの選定後に選定方式の変更決議がなされていないかの確認が不可欠となります。
① 選定方式の変更決議がない場合は、単にAを選定すればよい。
② 選定方式の変更決議がある場合は、ABの両名を選定する必要がある。
②の場合において、万一Aのみを選定した時は、会社が意図しないBの退任という事態が生じ、その後にBが代表取締役として行った行為が法的瑕疵を帯びる等、法律関係が複雑なものとなり、問題が多いと考えられますが、いかがでしょうか。
投稿: 内藤卓 | 2006年9月27日 (水) 21時23分
代表取締役の地位のみの辞任について、たとえば、取締役の任期が10年の株式会社であれば、8~9年前に選定された代表取締役が代表取締役の地位のみを辞任したいということもありえますが、そのような場合に、「株主総会の決議を撤回する方法による」というのは、違和感があります。
したがって、従前どおり株主総会の承認があれば可能と解する方がよいと考えますが、いかがでしょうか。
投稿: 内藤卓 | 2006年9月27日 (水) 21時26分
代表取締役の選定方式を変更する決議は、単に「以後新たに代表取締役を選定するときは当該方法によるという趣旨である」と解すべきであると考えます。そのように解すれば、法律関係を簡明なものとすることができ、また、一般の株式会社の意思に沿うものであると思われるからです。「代表取締役や取締役の権限について、選定方式によって有意的な差異が認められない」(7頁上段)のであれば、そのように解することも十分可能であると考えます。
投稿: 内藤卓 | 2006年9月27日 (水) 21時38分
問題:「全額払い込み義務を負う合同会社の社員(578条)は、間接有限責任であるから、直接責任を負うことはない」の正誤。答えは誤り。
宮島新会社法エッセンス第2版P369では、直接責任の余地はないとあります。しかし、払い込みが無効取り消しされた場合、未履行部分に直接責任を負う場合もあるからです。
宮島前掲も580条から合同会社は、本当に間接有限責任か?という書きぶりです。いかほどに考えたらよろしいでしょうか。
基本書を調べると、多数派は間接有限責任と書いてありますが、神田先生は直接とは書かずに有限責任とだけ書いてあります。
御回答よろしくお願いします。
投稿: 初学者の疑問 | 2006年10月16日 (月) 21時40分