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2006年9月17日 (日)

株式の内容の変更

 先日ご紹介した日本私法学会シンポジウム資料(商事法務1775号)の中に、藤田友敬教授による「組織再編」が掲載されています。

 この論文は、組織再編の規律と問題点について詳細に分析された読み応えのあるものですが、この中で、全部取得条項付種類株式について
「株式買取請求権による救済さえ与えれば、株主の権利の内容を、特別多数決によって変更することが自由に認められることになるのかという疑問が生ずる。」
という問題提起がされています。

 普通株式を、別の種類の株式に変更したい場合には、いくつかのルートがありますが、①株主総会の特別決議で全部取得条項を付し、②その後に、株主総会の特別決議で、全部取得と他の株式を対価とすることを決定するというルートもその一つです。

 藤田先生は、この論文の中で、「適切な対価さえ払えば、どんな場合でも多数決によって株式の権利内容が変更できる」というルールは、多数株主による濫用のおそれがあるので、全部取得条項付種類株式の利用には、「正当な事業目的」といった制約をかける必要があるのではないかという提言をされています。

 多数株主による濫用を何らかの方法で回避すべきであるという問題意識は、まっとうなものであり、私も何らかの方法で防止すべきであると思うのですが、実は、この問題は、全部取得条項付種類株式だけにとどまるものではありません。

 例えば、株式の内容についての定款変更は、取得条項を付す場合や種類株主総会の決議を要しない旨の定めをする場合を除き、株主総会の決議・種類株主総会の決議という「多数決」によって行うことができます。
 この場合、116条1項2号に規定する変更以外は、株式買取請求すら認められないわけですから、
「株主全員の承諾もなく、株式の内容を変更してよいのか?」
という疑問が生ずる人も多いでしょう(実際、旧商法では、株主全員の承諾が必要であるという見解が有力だったと思います)。

では、この「多数決で株式の内容を変更してよい」というルールは、会社法で初めて採用されたものなのでしょうか?

私は、そうは思いません。
実質的には、旧商法において種類株式の発行を認められたときから、ずっと多数決によって、既存株式の内容の変更が行われてきたのです。

なぜならば、種類株式が存在する場合の株式の内容(=株主の権利の内容)は、一種の「ゼロサムゲーム」で決まるからです。

 例えば、普通株式(便宜上A種株式と言います)しかない会社において、今度、新たに議決権制限株式(B種株式)を定め、発行することになったとしましょう。
 その際、ついでに、既存のA種株式に対し、配当についてB種株式に劣後する定めを設ける定款変更をするために、どのような要件が必要でしょうか?
 この定めは「A種株式の内容を不利に変更するものだから、A種株式の株主の全員の同意が必要である」と考えるのでしょうか?

 しかし、A種株式の内容はそのままにして、B種株式の内容について配当優先条項を付けることは可能であり、その場合には、A種株式について種類株主総会の決議こそ必要であれ、株主全員の承諾はいりません。

 このように株式の内容は、配当にせよ、議決権にせよ、会社が株主に対して与えることができるものを、複数の種類株式で分け合うことで実現するもので、Aに多く与えれば、Bの取り分は減るという一種の「ゼロサムゲーム」なのです。

 ですから、種類株式の追加について、既存株主の権利の保護としては、株主総会と種類株主総会の決議(いずれも多数決で決まります)しか用意されていない以上、既存の株式の内容を変更する場合にだけ、変更される株式の株主の全員の承諾を要求する意味はありません。

 旧商法は、そこらへんのところに目をつぶって、条文上もはっきりしない形で規定されていたわけですが、会社法は、明確にできるところは明確にするという観点から、株式の内容を、株主総会・種類株主総会の決議という多数決で行うことができることを明示したものと解するべきです。

 では、藤田先生のおっしゃるように、そうした多数決主義を、多数株主が濫用したら、どうやって少数株主は保護したらよいのでしょうか?

 少数株主に、株式買取請求権が認められる場合であれ、そうでない場合であれ、こうした保護策は必要です。

私は、株式の内容の変更が多数株主にとって著しく有利な内容である場合には、
1 特別利害関係人の議決権行使により、著しく不公正な決議がなされたものとして、決議取消事由とする
2 現在の株式の内容について、少数株主にのみ不利益に変更した行為を株主平等の原則に違反するものとして(この場合は、株式の内容そのものの不平等を問題にするのではなく、現在、保有している権利の内容の変更行為の不平等を問題にするので、109条1項違反はありえます)、当該定款変更決議は無効とする(決議内容の法令違反)
というのが妥当な保護策であると考えています。

 また、多数株主が違法に少数株主の権利を侵害するために株式の内容の変更を行ったのならば、提案者である取締役には任務懈怠責任、多数株主には不法行為責任を追及することも可能でしょう。

 なお、藤田先生のご提案の背景には、全部取得条項付種類株式の取得の際には、組織再編のときのようなシナジーを含めた「公正な価格」が算定されないのではないかという危惧感があるようです。
 しかし、少なくとも条文上は、組織再編時と全部取得条項付種類株式の取得時の買取価格は、ともに「公正な価格」となっており、解釈としては、後者についても、シナジーを含めるのは当然だと思います。この点は、論文の中でご指摘のあるとおり、運用の問題で解決すべき問題でしょう。

 また、その場合、決議取消事由である「著しく不公正」を考える際の要素として、多数株主によるシナジーの独占を加味して判断することもできると思います。

 他方、藤田先生のご提案のように全部取得の要件として「正当な事業目的」を付加することについては、反対株主がいなかったり、株主間の不平等が全く生じない場合でも、目的が正当といえない場合には、決議の法令違反として決議が無効になってしまうというのでは、ちょっと厳しすぎるように思います。

 既存株主の権利保護の手段として
①既存株主の承諾を要件とする
②株主総会・種類株主総会の決議とした上で、取消事由・無効事由の問題として処理をする
③行為自体に一定の制約をつける
等いろいろなアプローチがあると思いますが、私は、今のところ、②で十分対応可能ではないかと考えています。

(質問コーナー)
Q1
反対株主の株式買取請求について質問させてください。
785条1項2号は、吸収分割会社が簡易組織再編をする場合に反対株主の株式買取請求を認めない例外を定めています。
これは株主にとって不利益がほとんど生じないからなのでしょうか?
そうだとすれば、なぜ他の簡易組織再編で 株式買取請求をみとめない例外規定を定めないのでしょうか?例えば797条で受け手側が簡易組織再編をする場合に 反対株主の買取請求を認めない例外を定めてもいい気がするのですが・・・
個人的には 簡易組織再編の受け手側の場合も 株主にとって不利益がほとんど生じないので 797条は例外を定めてもいいのでは?と思っています。
投稿 maru | 2006/09/15 4:39:08
A1
同様の例外は、事業の一部譲渡でも置かれていて、簡易事業譲渡の場合には、株式買取請求権の行使は認められません。
つまり、会社法は、送り手側の簡易については、株式買取請求権の行使は認めず、受け手側の簡易には、株式買取請求権を認めるという整理をしています。
受け手側の簡易も、株式買取請求権を不要とする立法論は、ありうると思います。
ただ、送り手の会社は、権利を失い、義務を免れる方であるのに対し、受け手の会社は、権利を取得する反面で、事業に伴う義務を負う方です。事業の承継に伴い、「そんな事業を抱え込むと、これまでの事業の利益まで食われてしまう」という受け手側の株主の利益保護を会社法は、重視しているのだと思います。

Q2
取締役会の決議の省略(会社法370条)について教えてください。
本提案がなされた直後に、当該提案に対して監査役が異議を述べる間もなく、取締役の全員がさっさと同意の意思表示をした場合にも、みなし決議は有効に成立するのでしょうか?たとえば、取締役の全員から同意があり、その時点では監査役の誰からも異議が述べられていないということで、みなし決議が成立し、その直後に監査役から異議が述べられた場合には、成立したはずのみなし決議は取り消されてしまう(無効になってしまう)のでしょうか?
投稿 ひょっとこ | 2006/09/15 13:00:37
A2
「成立」という概念はないと思います。監査役の異議は、いつまでも述べることができ、述べたら、みなしの効果が消滅するのだと思います。
ですから、実務的には、監査役が、異議を言わないことを確認すべきなのでしょうね。

Q3
Q8とA9(←番号不一致)についてですが、商事法務誌1739号(H17.8)の以下の記事の相沢さん見解との関係はいかがでしょうか?
投稿 Bank-N | 2006/09/15 14:34:33
A3
相澤さんに確認したわけではありませんが、記述間に、矛盾はないと思います。発行可能株式総数を定款で定めることは、会社法上認められていて、問題は、その定め方として、どの程度まで許容されるかということだと思うのです。仮に、発行可能株式総数自体が変更されないとしても、内部的なルールとして、あえて「消却された分については、新規発行は許さない」と定めることには合理性がある場合もあるので、その定めを無効とする必要はないように思います。その場合、「発行可能株式総数」は変わらず、忠実義務を解して、取締役を拘束することになるでしょう。

Q4
利益相反取引(365条)について教えてください。
例えば、ある会社(A社)が、親会社(B社)が有するA社子会社(C社)の株式をB社から有償取得するケース(しかもC社は債務超過会社)で、A社の平取締役であるDが、B社の代表取締役を兼ねている場合、本件取引は、取締役DとA社との間での利益相反取引に当たり、A社の取締役会での事前承認が必要となるのでしょうか?
投稿 ひょっとこ | 2006/09/15 16:58:43
A4
A社の契約の相手方は、B社代表取締役Dということですね?。そうすると、A社の取締役Dは、第三者B社のためにA社と取引をすることになりますから、利益相反の直接取引になります。
A社は、事前承認が必要です。

Q5
合同会社について株式会社のいわゆる優先株式(優先配当や議決権の制限)のようなことを考えているらしいのですが可能でしょうか。
株式会社は法108条に規定があります。
合同会社は利益配当(損益分配)は法621条以下に残余財産の分配は法666条に規定があります。しかし議決権を制限できる規定は見あたりません。
規定がないので合同会社の社員について議決権の制限はできないと解してよろしいでしょうか(制限してはいけないという規定がないからできるという人もいますので)。
投稿 keipyon | 2006/09/15 20:12:32
A6
業務執行権についても、定款で別段の定めができます。

Q7
A銀行の代表取締役が、B会社の取締役をしているケースです。A銀行が通常の融資条件でB会社に融資する場合、A銀行では、利益相反にあたらない通常の融資であることを確認するために、この融資に対して取締役会の事前承認がいるのでしょうか。
投稿 勉強中 | 2006/09/15 21:53:21
A7
B会社にとっては、利益相反になるが、A銀行にとっては、利益相反取引にならないと思いますが、A銀行の取締役会の事前承認を採るべきかという質問でしょうか?

Q8
商事課の一係長さんが最近書かれた「会社法施行後における商業登記実務の諸問題」で、割当の決議が省けるような書き方をされていたので期待したのですが・・・・。あれは、募集事項の決定と割り当ての決定を同じ機関で行う場合に限るのだと理解します。
安易に質問していけないとおもいつつ、今ひとつ質問させてください。
会社法32条1項3号の「及び」のことですが、正しい理解は次の何れでしょうか?
設立時、定款に資本金を決めていなければ、①資本準備金を計上しない場合であれば、資本金決定のための発起人の同意は必要なく決めてよい。②資本準備金を計上しない場合であっても、資本金を発起人の同意をもって決定する必要がある。
投稿 サル頭 | 2006/09/15 22:21:53
A8
割当の決定については、私の見解が絶対ではないので、法務局で受けてくれるのならば、それは、それでいいのではないでしょうか?
32条1項3号については、②でしょう。

Q9
有限会社への出資金は、会社法施行後においても「出資金」という科目で貸借対照表に表示してよいのでしょうか?実体が株式会社であるため、「有価証券」や「投資有価証券」等の科目に変更すべきでしょうか?
また、特例有限会社と株式会社に名称変更した有限会社で出資金の表示は変わりますか?
投稿 tito | 2006/09/15 23:53:40
A9
会社法の問題ではないので、会計慣行しだいです。

Q10
「新・会社法100問」の「61.競業避止義務」の解答例一.1.(一)に、「(会社)Aは、(競業行為をなした取締役)甲に対して、Aに損害が生ずる恐れがあるか否かに関わらず、当該義務の履行として競業行為の差止を求めることができる」旨の記述があります。
「会社に著しい損害が生ずる恐れがある場合」に§360、§385等による差止請求をなしうることは明らかですが、かかる恐れがなくとも会社自身が競業行為をなした取締役に差止請求をなしうるというのは、§356Ⅰ①、§365Ⅰの当然の帰結ということなのでしょうか。
「当然に会社自身が差止を請求できる」ことと、「著しい損害の恐れがある場合にのみ監査役等が§385等で差止を請求できる」ことの関係につき頭を整理できず、質問させて頂きました。
投稿 Nobu | 2006/09/16 4:55:09
A10
 監査役による違法行為差し止め請求権は、監査役が、訴訟担当として、取締役の違法行為の差し止めを求める場合の一般的規定です。
 これに対し、100問のQ61で照会した考えは、「会社と取締役との間の委任契約の内容として、競業避止義務が存在するはずである」ということを前提に、会社が、委任契約に基づき不作為を請求することができるというものです。
 会社が取締役と委任契約を締結する際に、会社法上の競業避止義務の範囲を超えて、競業避止義務を定める場合もありますよね(たとえば、取締役を退任した後、5年間は競業をしてはならない等)。この場合、その取締役が、当該契約に違反して競業をはじめれば、損害賠償のほかに、契約上の差し止め請求をすることができると思います。
 とすると、会社法上の競業避止義務についても、その範囲内で、委任契約の内容に取り込まれていて、一般的な規定である監査役による違法行為差止請求をすることができない場合であっても、会社は、委任契約に基づく差し止め請求をすることができるように思います。
 この場合、会社の訴訟の相手方は取締役なので、監査役が会社を代表します(訴訟担当ではありません)。

Q11
会社法と関係ないのですが、先生のライブドアのブログに部分社会の法理の話題がでており、気になることがあるので、質問させてください。
一般的な理解として、ある事件が法律上の争訟であっても、司法審査が及ばない限界の一例と理解していたのですが、それで良いのでしょうか?
ある人に、富山大学事件判決の「あらゆる法律上の係争を意味するものではない」という一文から、判例通説は法律上の争訟でないから審査権が及ばないと結論付けているといわれ、困惑しています。
しかし、法律上の争訟は具体的事件性の有無の話であり、具体的事件性があっても、司法審査が及ばないというのが判例通説の部分社会の法理の理解でよろしいのですよね?
A11
 「司法審査が及ばない」という言葉の意味は、多義的です。
少なくとも、①司法権が及ばないから、訴え自体が不適法となる、という意味と②裁判所は、部分社会(私人)の判断を尊重し、その判断について当不当を判断しない(訴えは適法であり、請求棄却等の実体判断をする)という意味の二義があります。
 法律上の争訟ではない(その一内容として具体的事件性がないということが含まれます)場合には、①の意味で「司法審査が及ばない」ことになります。
 部分社会の法理については、概念的には、①の問題に純化したいところではありますが、実際の裁判では、②の問題として取り扱われる場合が多いように思います。質問の中に「具体的事件性があっても、司法審査が及ばない」という表現がありますが、②の意味で言う場合には、まさにその通りです。

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コメント

初歩的な質問で恐縮ですが、取締役・監査役の選解任についての種類株式の発行主体について質問がございます。

108条1項但書によりますと、委員会設置会社は、108条1項9号の取締役・監査役の選解任についての種類株式を発行することはできません。


そして、その理由として、例えば前田庸先生の『会社法入門〔第11版〕』(有斐閣、2006年)109頁は、

「委員会設置会社においては、指名委員会が株主総会に提出する取締役の選解任に関する権限を有し(404条1項)、このことと種類株主によって取締役を選任することとは矛盾するからである」

としています。

ですが、何故、矛盾するのかがよく分かりません。

大変お忙しい中、恐縮ですが、ご教授頂ければ幸いに存じます。

投稿: ロースクール生 | 2006年9月17日 (日) 22時48分

すみません。引用が間違っておりました。

正しくは下記の通りです。

「「委員会設置会社においては、指名委員会が株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容を決定する権限を有し(404条1項)、このことと種類株主によって取締役を選任することとは矛盾するからである」

投稿: ロースクール生 | 2006年9月17日 (日) 22時50分

 株式会社が持分会社に組織変更する場合、総株主の同意が要求されています(会社法第776条第1項)が、素直に読めば、株主総会の法定決議事項とされていないように読めます。すると、取締役会設置会社においては、定款で定めない限り、たとえ全員出席、満場一致であっても、株主総会では決議できず(第295条第2項)、個別に同意書を徴求しなければならないことになりますが、そういう解釈でしょうか。
 また、自己株式が存する場合、この総株主の同意には、発行会社自らの同意も含まれる(除外する規定がないので)ということになりますが、そういう解釈でしょうか。

投稿: 内藤卓 | 2006年9月18日 (月) 17時38分

 既発行の普通株式の一部を別の種類の株式に内容を変更する場合、従来は株主全員の同意があれば可と解されていましたが、本日のお話の論理からすると、この点についても株主総会の特別決議で可とお考えのように感じました。私は、会社法の下では特別決議で足りると解してもよいのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

投稿: 内藤卓 | 2006年9月18日 (月) 17時46分

はじめまして。いつも楽しく拝見しとります。突然のご無礼お許し下さい。

葉玉先生が以前、教壇に立たれていた、LEC司法試験課の
最新パンフ(商品コード:LV06025)17ページに、12月開講予定の講座として、

『新会社法100問徹底整理講座』
『C-BOOK会社法徹底攻略講座』

が掲載されており、紹介文には、

・立法担当官の視点から、わかりやすく解説いたします。
・立法担当官以外の見解にも言及します。

との記載がありました。
もしかして・・・、上記2講座と担当者は、葉玉先生でしょうか??

以上、お手数をおかけしますが、宜しくご回答の程お願い致します。

投稿: 輝光 | 2006年9月18日 (月) 23時37分

出資金の表示について質問をさせていただいたのですが、
すみません、会社計算規則の話は対象外ですね…失礼しました!!
会社法は学問的にも論点となるところが多いんですね。実務も混乱してるようです。もっと自分も勉強します。

投稿: tito | 2006年9月18日 (月) 23時45分

9/17のQ2にて質問させていただいた者ですが、ご回答有難うございます。
まだ良く理解できなかったので、追加で質問させてください。
取締役会の決議の省略には、「成立」という概念がないと言うことで、以下のようなケースでは法律関係がどうなるのかと疑問に思いました(ちなみに、下記①~③とも、取締役の全員から同意があった後に、監査役が異議を述べたケースを想定してます。)
①決議があったものとみなされた日(監査役の誰からも異議がなく、取締役の全員の同意が揃った日)に議事録を作成し、その議事録を本店に備え置いたが、その後、監査役から異議が述べられた場合に、その議事録は意味のないものになるのか。
②決議があったものとみなされた日以降に、取締役が、当該みなし決議に基づく一定の行為を行った後に、監査役から異議が述べられた場合に当該行為の効力、
③監査役から異議を言わないことを確認したが、監査役の気が変わり、異議を述べた場合の効果

投稿: ひょっとこ | 2006年9月19日 (火) 08時51分

お世話になっております。369条の「議決に加わることができる」取締役についてご質問します(既出でしたら申し訳ありません)。「議決に加わることができない取締役」は2項の特別利害関係を有する取締役だけでしょうか?それ以外にも「議決に加わることができない」という場面はあるのでしょうか?(現状では,ないという理解でよいでしょうか)

投稿: akiko | 2006年9月19日 (火) 15時38分

サル頭さんに便乗ですが,「会社法施行後における商業登記実務の諸問題」の記事は,結構「目からウロコ」でした。皆さま是非ご一読をお勧めします(民事月報2006-7)子会社の増資手続きの検討の中で,本当取締役会が2回必要かどうかというあたり,文献もあまり出回ってなくて,悩んでいたところです。法律が変わったばかりのタイミングで増資やら再編やら「登記モノ」を手がけると細々と悩みが多いです。(単なるボヤキです,すみません)

投稿: akiko | 2006年9月19日 (火) 15時47分

千問Q375についてお伺いいたします。
 非取締役会設置会社が、監査役会設置会社となる旨の定款変更→効力を生じない
 非取締役会設置会社が、株式の譲渡制限の廃止(公開会社となる)する旨の定款変更→効力を生じる
 と、書かれていますが、会社法327条1項は、1号で、公開会社は取締役会を置かなければならない、2号で、監査役会設置会社は取締役会を置かなければならない、とされ、前者も後者も同じように取締役会設置義務があるにも係らず、結果を異にしているのは何故でしょうか?

投稿: ホー | 2006年9月19日 (火) 16時15分

葉玉先生,
 3回目のコメントにして,初めて会社法の質問です。
合併対価の柔軟化の施行延期について,千問912で「会社法の施行後1年間は,金銭を対価の全部または一部とする合併等も許されない」(附則4項関係)の「…合併等」の中に「対価を交付しない合併」は含まれるのでしょうか。先生のブログのバックナンバーでは,「無対価吸収合併はできると思います」と1行でコメントされていますが,その理由は旧法409条4項においても「支払を為すべき金額を定めたるときは」の文言から「支払を為すべき金額を定めない場合」も想定できるとの解釈が可能だから,ということでしょうか。
 また,仮に現時点において無対価吸収合併が許されないとの立場に立ったとしても,存続会社と消滅会社とがいずれも同一の親会社の完全子会社であった場合,実際問題として,会社債権者を害することも,株主を害することも全く想定できないので,かかる合併が問題となる場面は想定できないように思えるのですが,いかがなものでしょうか。

投稿: すみたにさん | 2006年9月19日 (火) 20時39分

いつもお忙しいところありがとうございます。種類株式についてご質問です。
設立時に、無配の種類株式=甲種、無議決の株式=乙種株式の2種類を発行する場合、会社法32条1項2号に定める「設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額」は、種類ごとに異なる額を定めてもよいのでしょうか?

投稿: よっち | 2006年9月19日 (火) 20時48分

はじめまして。いつも楽しく拝見しとります。突然申し訳ないです。
仕事で調べ物をしていて困っています。場違いな質問でしたら申し訳ありません。

会社法について調べているとここにたどりつきました。
調べていた内容は、債務超過の会社どうしが合併できるのかどうか?ということです。改正前の商法ではできなかったようなのですが、新会社法ではできるようになったとあるのですが、この件はどう判断すべきでしょうか?どこかヒントだけでもあるようなサイトでもかまいませんし、情報を得る場所はあるでしょうか?

投稿: たかはし | 2006年9月20日 (水) 00時14分

利益剰余金の資本組入れについてお尋ねします。

現在、資本金300万の特例有限会社です。
貸借対照表の純資産には資本金と利益剰余金のみの会社です。
今回、株式会社へ商号変更するとともに、利益剰余金を原資に帳簿上の資本金を700万増資し1000万としたいと考えております。 
商業登記法69条では、資本準備金もしくは利益準備金又は剰余金の資本組入れの既定があります。
一方会計計算規則48条では資本組入れは資本準備金(剰余金)に限るとあります。 弊社は上記のように資本準備金(剰余金)は有りません。
税務的には税務署に確認し利益剰余金の資本組入れは可能との見解を頂いております、税務処理としては利益準備金(剰余金)ではなく資本準備金のマイナス表記(国税通達)で行なうとの事です。
この様に、商法・税法・登記法が利益剰余金の資本組入れは可能となっていますが、会社法ではどの様な見解でしょうか?
またこの場合の増資について登記手続きが可能か否かご教授いただきますようお願いします。

投稿: ひでじいさん | 2006年9月21日 (木) 18時06分

はじめまして。よろしくお願いいたします。
①新株発行無効の訴えと②新株発行不存在確認の訴えの違いですが
①は出訴期間が6ヶ月間・対世効・将来効(839条)
②は出訴期間制限なし・対世効で、839条で834条14号が除外されているので遡及効があるということでよろしいのでしょうか?
(相沢さんの一問一答Q213:形成訴訟ではないので将来効の規定は適用されない)

そこで質問なのですが
取引の安全のために①「無効の訴え」で将来効のみを認めているのに
②「不存在確認の訴え」ではいつでも訴える事が可能で、判決も遡及する。。。

私が株主なら②の方法を使いたいと安易に考えてしまったのですが
①の方を使う利点等あるのでしょうか(①を使う方が普通なのかな、と思うのですが・・・)

対世効も、遡及効もある。
その方が原告である株主には有利ではないのでしょうか
①の「無効の訴え」を使った方が原告が有利な理由もお教えください

お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします

投稿: まゆまゆ | 2006年10月16日 (月) 02時25分

久々にご質問させて頂きます。
取得条項付株式の一部取得についての株券提供公告の内容についてです。
(1)公開・大会社です。
(2)種類株式についての定款及び登記では、下記の記載があります。
(取得条項)
当会社は、いつでもA種優先株主の意思にかかわらず、A種優先株主およびそのA種優先登録株式質権者から、当会社が別に定める日(以下「取得日」という。)から2週間前までに通知を行った上で、A種優先株式の全部または一部を当該取得日に取得することができる。一部取得の場合は、各A種優先株主の所有する株式数に応じた比例按分方式その他合理的な方法により行う。
(3)発行株式総数は、500株とお考え下さい。
(4)株券はもちろん実際に発行しております。
(5)但し、契約上の譲渡制限が付いておりますので、実際には、2人の株主が所有しており、現在も、名簿上の移動はありません。
(6)取締役会では、取得日その他の事項も含め、500株のうち、300株について、取得を決定する予定です。
取締役会議事録では、具体的に株主名と取得株式数をあげると共に、案分比例の方法で、各株主について、取得株式数を決定すると言う方法をとることにしております。
★このような場合の株券提供公告の文言は、どのようにすべきなのでしょうか。
どのように、その取得する一部の株券を特定するのでしょうか。
電子公告によるため、また、公告取扱機関も、分からないという状況で、関連機関では、株主が特定しているので、株券番号で取得する株券を特定して、公告すべきではないかと言うことを言う方もあるようです。
★しかし、
(1)譲渡制限は、契約上のみであるので、義務違反の問題を別にすれば、有価証券としては譲渡・交付されてしまっている可能性はあると思います。
(2)取得のための会社法168・169の通知に際しては、会社としては、名簿上の株主のみを相手として、これをすれば足りると思われます(会社法126)。
(3)これに対し、株券提供公告は、名簿上の株主を相手とするものではなく、むしろ、名簿の記載請求をしていない株主も念頭においているように思われます。
(4)とすれば、公告の内容は、「一部の取得(各株主に付いて案分比例により、60%)をすることに致しましたので」と言うような内容のみ、記載すれば足りるのではないでしょうか。
ただ、この場合、1株しか持っていない株主はどうなるかと言うことを考えると分からなくなります。
なお、官報販売所の雛形は、下記のとおり、全部取得に関するものしかありません。
株券公告の趣旨と、取得条項付株式の一部取得を案分比例で行う場合の、公告の内容は、どのようにすべきなのでしょうか。
公告期日が迫っており、やはりサミー先生にお聞きするしかないと思い、投稿いたしました。
どうぞ、よろしくお願い致します。

(取得条項付株式取得につき株券提出公告)
 当社は、取得条項付株式である★★株式を取得することにいたしましたので、該当株券を所有する方は、効力発生日である平成●●年●●月●●●日までに当社にご提出下さい。
 なお、取得事由は、定款に定める●●●事由の発生(又は●●●の期限到来など)であり、該当株券は★★株券全部となります。
 平成●●年●●月●●●日
  東京都港区虎ノ門●丁目●番●号
     日本県官報販売所株式会社 
      代表取締役 日本 太郎 

投稿: moremi | 2007年2月19日 (月) 19時01分

はじめまして。
現在、株の譲渡のことでトラブルが発生しており、藁にもすがる思いで検索して
おりましたところ、先生のブログを見つけまして、お知恵を拝借できればと思い
質問させていただきます。
場違いな質問でしたら申し訳ございません。

現在、私は退職を控えております。
私が勤めている会社は、約1年後にIPOを控えており、株式の譲渡制限がかかっております。
そのためか、従業員には退職時には株式を取締役会で承認した先に譲渡しなければならないという念書を書かされています。

私は、今回の退職にあたり上記の条件にしたがって、持ち株会に株式を譲渡することになったのですが、指定してきた株価がどうにも納得できません。
ベンチャーキャピタルから2年前に出資を受けたのですが、そのときの売価は1株10万円。その後4分割したので、25千円となると思っていたのですが、会社の指定(持ち株会の指定ではなく、社長から言われました)金額は1株10千円。
社長いわく、ベンチャーキャピタルや税理士に相談したところ、純資産で計算したら、これが妥当といわれたとのことでした。
私の知り合いに相談したところ、上場前の株価は第三者機関によって算出するという話だったのですが、どうも違うようですし、納得できないといったら、取得原価で買ったっていいんだと怒鳴られるしで、本当に適正価格なのか・・・と思っております。

そこで、①株価の妥当性について、②妥当でない場合どのような権利が私にあるのかを教えてください。

初めてでぶしつけなご質問をさせていただきますことをお許しください。
何卒よろしくお願いいたします。

投稿: 株素人 | 2007年6月20日 (水) 10時19分

1個の新株予約権の一部行使はできますか。

投稿: ちえ | 2007年10月20日 (土) 01時57分

例えば敵対的買収防衛策の一つとして、新株予約権を株式会社自身に対して発行することは可能でしょうか?私は「できない」、と考えました。理由は、(1)新株予約権を株式会社に対する債権だととらえれば、自らに対する債権を自らに付与することになっておかしな話になる、(2)新株予約権を株式会社自身に対して発行可能だとすると、株式会社が自らに対して株式を発行する権利を与えることになり、会社法が想定している株主と株式会社との間の基本的な関係を不安定にするため、です。これらは正しい理解でしょうか?何となくすっきりした説明になっていない気がいたします。仮に株式会社が自らに新株予約権を発行できないとして、一番すっきりとした説明はどのような説明になりますでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: しん | 2008年3月 1日 (土) 11時39分

突然初歩的な質問をさせていただく非礼をお許し下さい。
自己株式取得についてですが、会社法は以前の商法と異なり、緩やかになった反面、自己株式取得の場面を155条において限定列挙しています。ところで、従前の商法時代にも当然あったわけですが、会社が株主に金銭貸付を行っており、その保有する株式(当該会社の株式)を担保に取っていた場合において、その担保権の実行として、金銭の弁済に代えて株式を取得する場合、自己株式の取得が発生しますが、これは155条にいうところの自己株式取得とは異なる担保権の実行によるもので、特段の決議を経ずに当然に自己株式を取得するのでしょうか。それとも、155条のいずれかの一類型として分類されるのでしょうか。

投稿: ちとせあめ | 2008年3月 3日 (月) 23時53分

お忙しいところ失礼いたします。
ご回答いただければと思います。

会社法135条で子会社(B)の親会社(A)株式取得は原則禁止ですが、
①AとBの資本関係なしの状態で、AがBへ新株予約権を割り当て
②AがBの株式50%超を取得し、AB間の親子関係成立
③Bが新株予約権の行使
という流れをたどった場合、
②の時点ではまだ新株予約権の状態で一種の債権であるので、
135条には反しないと思いますが、
③の予約権の行使は、会社法規則23第13号(会社法135条2項5号)
に該当するのでしょうか?

投稿: よっち | 2008年11月 6日 (木) 17時58分

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